バイス Vice (2018)

1969年。
チェイニーは、ニクソン政権下で”経済機会局”局長となったラムズフェルドから、議会担当として助手も務めるよう指示される。

その後チェイニーは、リンとの約束を守りながら政治活動について学んでいく。

ホワイトハウス。
ラムズフェルドから、小さいながらもオフィスを与えられたチェイニーは感激し、リンに電話をしてそれを知らせ、喜んでもらう。

チェイニーは、国務長官のヘンリー・キッシンジャー（カーク・ボヴィル）が、カンボジアへの極秘爆撃の件をニクソンと話し合っていると言うラムズフェルドから、権力について教えられる。

1973年、メリーランド州、ベセスダ。
ラムズフェルドが”NATO/北大西洋条約機構”アメリカ大使に就任することになり、ベルギーのブリュッセル行きの誘いを断ったチェイニーは、リン、成長する娘リズ（ヴァイオレット・ヒックス）とメアリー（コリース・ハーガー）との生活を楽しみながら政治手腕を磨いた。

リンは著述家としてデビューしたのだが、母エドナ（フェイ・マスターソン）が故郷の湖で溺死したことを知り、ショックを受ける。

父ウェイン（シェー・ウィガム）と喧嘩をした後の母の死が気になるリンは、泳げないエドナが湖に行くはずがないと考え、それをチェイニーに伝えるが、警察は捜査は行われなかった。

葬儀を済ませたチェイニーは、酒癖が悪くエドナに手を出していたウェインに、二度と妻と娘たちに近づくなと警告する。
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2001年。
チェイニーは、”911”実行犯の容疑者を捕らえる作戦を実行させる。
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1975年。
ニクソン辞任後、それをチャンスだと考えてチェイニーは、ベルギーからラムズフェルドを呼び戻す。

大統領ジェラルド・フォード（ビル・キャンプ）は、国務長官のキッシンジャーが兼務する国家安全保障問題担当大統領補佐官の職を解き、ブレント・スコウクロフトを後任とする。
＊（ハロウィンの虐殺）

そして、ラムズフェルドが国防長官に、チェイニーは史上最年少の大統領首席補佐官に就任する。

チェイニーは、ニクソンの辞任で弱体化した大統領権限を元に戻すことを考え、司法省の弁護士アントニン・スカリア（サム・マッサーロ）から話を聞き、大統領の職務における憲法第2条の、大統領が行使する力はすべて合法であると解釈する”執行特権理論”を知る。

ところが、大統領選でフォードがジミー・カーターに破れてしまい、チェイニーとラムズフェルドはホワイトハウスを去ることになる。

1978年、ワイオミング州。
下院議員に立候補したチェイニーは、心臓発作の兆候を感じて診察を受けて静養が必要になり、リンが代わりに選挙活動を行う。

リンのおかげで下院議員に当選したチェイニーは、ワシントンD.C.に戻る。

1981年。
レーガン政権下、チェイニーは化石燃料産業を優遇する保守的な政策を支持する。

その後、チェイニーは共和党内の要職を歴任し、リンも人全米文科学基金書記長に就任する。

チェイニーとリンは、あるパーティーの席で副大統領ジョージ・H・W・ブッシュ（ジョン・ヒルナー）と話し、一家のお荷物であるジョージ・W（サム・ロックウェル）が、酔ってトラブルを起こす姿を見つめる。

チェイニーが”FCCフェアネス・ドクトリン”の廃止を支持したことにより、”FOXニュース”や保守系のトークラジオの台頭や政党の二極化の進行を招いた。

父ブッシュが大統領となり、チェイニーは国防長官に就任する

チェイニーとリンは、次女メアリー（アリソン・ピル）が事故を起こしたことを知り病院に駆け付ける。

2人は、メアリーがゲイで、愛していた同性にフラれたことを知る。

その後チェイニーは、大統領選への出馬を考えるが、メアリーがメディアの餌食になることを恐れ、政界から引退する。

1995年。
チェイニーは大企業”ハリバートン”のCEOに就任し、リンはアメリカ史に関する著作を何冊か出版し、2人は悠々自適の生活を送りブリーダーなどもしていた。
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エンドクレジットが表示されるものの、中断する。
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ある日、大統領選に出馬表明したジョージ・W・ブッシュの選挙事務所からの電話を受けたチェイニーは、副大統領候補に名前が挙がっていることを知る。

副大統領に興味がないリンだったが、チェイニーは話を聞くだけだと言ってブッシュの元に向かう。

ブッシュと話したチェイニーは、権力欲よりも父親を喜ばせることに彼は関心があると感じて、副大統領の要請を断る。

帰宅したチェイニーはリンと話し合い、副大統領を受ける決意をして、様々なことを考慮し、法律顧問のデヴィッド・アディントン（ドン・マクマナス）から助言してもらいブッシュに会う。

チェイニーは、エネルギー、軍事、外交政策などの責任を自分に委ねることを条件に、同性婚には反対だったブッシュから、メアリーの件は考えなくてもいいと言われ、副大統領候補を受けることにする。

選挙戦を終えて開票日を迎え、ゴアが敗北宣言を撤回する自体になり、チェイニーは、既成事実を作るために人事を始めるよう、アーヴィン・ルイス“スクーター”リビー（ジャスティン・カーク）に指示する。

2000年12月12日。
最高裁判事になっていたスカリア（マシュー・ジェイコブズ）他判事は、大統領選における再集計の停止を命じた。

537票差で勝利したブッシュは正式に大統領となり、ホワイトハウスに向かったチェイニーは、初めて小さなオフィスを与えられた時のことを思い出す。

チェイニーは、リビーを副大統領首席補佐官として、ラムズフェルドを国防長官、ポール・ウォルフォウィッツ（エディ・マーサン）を国防副長官、アディントンを法律顧問、メアリー・マタリン（カミラ・ハーマン）を政策顧問に迎え、外交、防衛に関する重要な決定権を行使しようとする。

2001年9月11日。
同時多発テロを知ったリンは、チェイニーがいるホワイトハウスに向かう。

法律顧問ジョン・ユー（ポール・ユー）の見解を聞いたチェイニーは、全国民の電話やメールを監視し、テロリストに対する拷問も合法化する。

チェイニーとラムズフェルドは、ペンタゴンに国民の聞き取り調査をさせて、アフガニスタンとイラクへの侵攻を開始しできるような工作を始める。

ブッシュは、国務長官のコリン・パウエル（タイラー・ペリー）、国家安全保障問題担当大統領補佐官のコンドリーザ・ライス（リサ・ゲイ・ハミルトン）、大統領政策・戦略担当上級顧問カール・ローヴ（ジョセフ・ベック）の意見を聞く。

イラクへの侵攻に対する慎重姿勢を変えないパウエルだったが、チェイニーはブッシュに決断を迫る。

ブッシュは、情報を調べ国連でスピーチするようパウエルに指示する。

2003年2月5日。
テロリストのアブー・ムスアブ・アッ＝ザルカーウィー（トニー・グラハム）とウサーマ・ビン・ラーディン（アレックス・キンギ）の関係などが調査され、パウエルは、国連安全保障理事会でイラクが大量破壊兵器を開発している証拠を述べる。

ブッシュは、フセインの戦力弱体化を狙い、軍事拠点を攻撃していることを国民に伝える。

2003年5月1日、サンディエゴ沿岸、空母”エイブラハム・リンカーン”。
ブッシュは、イラク戦争における勝利宣言を艦上で行う。

チェイニーは、趣味の猟の最中に起きたハリー・ウィッティントン（マーク・ブラムホール）を誤射した事件、”プレイム事件”などに対処することになる。

2003年8月22日、イラク、キルクーク、バグダードの北238ｋｍ。
ザルカーウィーのテロ組織がアメリカ兵を攻撃して殺害する。

チェイニーは、自分たちが名指したために起きた事件だとラムズフェルドから知らされる。

イラクの大量破壊兵器保有は、戦争の正当性を示すためのプロパガンダだという、チェイニーらを批判したヴァレリー・プレイムによるプレイム事件が問題になり、パウエルら4人の閣僚が辞任する。

チェイニーは、戦争時のハリバートンの不正受注の件でも追及されることになる。

辞任を迫る国民の声を聞き流せないチェイニーは、ラムズフェルドに責任を取らせて退任を迫る。

チェイニーの心臓は弱り、ドナーを探していたものの見つからず、死を覚悟した彼は家族に別れを告げようとする

ジョギング中の退役軍人カート（ジェシー・プレモンス）は、交通事故に遭い死亡し、彼の心臓がチェイニーに移植される。
＊カートは、物語のナレーターとして随所に登場する。

チェイニーの長女リズ（リリー・レーブ）は、ワイオミング州で下院議員に立候補し、父が黙認したことで同性婚の支持は表明しなかったため、メアリーは動揺する。

2016年。
リズはワイオミング州選出の下院議員として当選し、メアリーはコメントを拒否する。

インタビューを受けたチェイニーは、観客に語りかける。

チェイニーは、テロに対する判断は正しかったことを強調し、国民の安全を守ったので謝気はないと語る。

イラク侵攻後の数年でハリバートン株は500％上昇する。

ブッシュ政権下では、イラク戦争の数百万通も含む2200万通のメールが削除された。

チェイニーの執務室からのメールが一時期入手不可になった。

”拷問メモ”により、執行特権理論に基づき大統領に無限の権限が与えられ、それは、今でも司法省のコンピューターに保存されている。

大統領が望めば、そのメモは引用することができる。

エンドクレジットの中盤、この映画が政治的であるかで、グループ内で激論が繰り広げられる。