ボーン・アイデンティティー The Bourne Identity (2002)

チューリッヒに着いた男は、公園のベンチで眠っていたところを2人の警官に質問され、無意識のうちに彼らを叩きのめして銃を奪う。

その頃CIAは、失脚して亡命しているアフリカの独裁者ニクワナ・ワンボシ（アドウェール・アキノエ・アグバエ）の政権復帰を阻止しようとしていた。

CIA高官のウォード・アボット（ブライアン・コックス）は、ワンボシの名前が出たため、彼の暗殺計画を実行するものの、失敗に終わった件についてコンクリンと話をする。

コンクリンは、ある工作員との連絡が途絶え、捜索中だということをアボットに伝える。

チューリッヒ相互銀行。
貸金庫の中にあったIDを確認した男は、自分が”ジェイソン・ボーン”という名前で、パリ在住であることなどを知る。

さらに、複数のパスポートと現金や拳銃などが入っていることと、約3週間前にこの場に来たことを確認したボーンは、拳銃だけをボックスに残して立ち去る。

その後、尾行されていることに気づいたボーンは、アメリカ領事館に向かう。

係官に呼び止められたボーンは、抵抗してその場から逃亡する。

コンクリンは、銀行員からの連絡があり、ボーンがチューリッヒに現れたことを知る。

領事館で揉めていたドイツ人の旅行者マリー・ヘレナ・クルーツ（フランカ・ポテンテ）に声をかけたボーンは、1万ドルでパリまで送ってもらおうとする。

ボーンを疑うマリーだったが、着いたらもう1万払うと言われたために、彼を車に乗せてパリに向かう。

ボーンの所在を確認したコンクリンは、彼を抹殺するために、各国の諜報員に連絡するよう指示する。

マリーの話をひたすら聞き続けるボーンは、何も語ろうとしない自分を不審に思う彼女に、記憶喪失だと伝える。

領事館付近の監視カメラの映像で、マリーの車を確認したコンクリンは、彼女についての情報を集めて、”トレッドストーン”パリ支部のニコレット・パーソンズ（ジュリア・スタイルズ）に連絡する。

貸金庫のことや自分の正体は分からないものの、優れた観察力や身体能力が備わっていることを、ボーンはマリーに伝える。

悩み戸惑うボーンに、マリーは次第に惹かれていく。

パリに着いた2人はボーンのアパートに向かうものの、彼は何も思い出せない。

電話の発信履歴であるホテルに電話をしたボーンは、偽名である自分のパスポートを使った人物が死んだことを知る。

危険を察知して警戒するボーンは、窓を破り押し入った殺し屋カステルと格闘になる。

カステルを叩きのめしたボーンは、襲った目的などを聞き出そうとする。

カステルの所持品を渡されたマリーは、その中に自分の情報があったために動揺して取り乱し、ボーンが彼女を落ち着かせようとする。

その隙に、カステルは窓を破り落下し、自ら命を絶ってしまう。

ボーンは、放心状態のマリーを連れてその場を逃れ、それを知ったコンクリンは、現地のパーソンズに後の処置を指示する。

その後、荷物を駅のロッカーに預けたボーンは、マリーを警察に向かわせようとするが、彼女はそれに従おうとしない。

警察に気づかれたボーンは逃走し、追跡をかわす。

その頃、ワンボシは遺体安置所に向かい、ボーンの替え玉の遺体を確認し、コンクリンはパーソンズからその報告を受ける。

車を捨てたボーンとマリーは安宿に身を潜め、身元を知られた彼女の髪を染めてカットする。

ボーンと行動を共にする覚悟を決めたマリーは、彼と愛し合う。

翌日、バルセロナから到着した工作員”プロフェッサー”(クライヴ・オーウェン)が、ワンボシを暗殺する。

ボーンは、”ケイン”という名で宿泊したホテルにマリーを向かわせて、通話記録などを入手する。

同じ頃コンクリンは、ワンボジの件をアボットと話し、ボーンが殺したと考え、失敗したのでやり直したと伝える。

ボーンは必ず戻ると言うコンクリンは、そのように訓練されているため、その後は適切に処置することをアボットに伝える。

順番に電話のリストに連絡したボーンは、その中のASM船舶に向かい、”ケイン”としての自分を知る社員と話をする。

”ケイン”の遺体が安置所にあることを知ったボーンとマリーは、その場に向かう。

遺体が消えていることを知ったボーンとマリーは、ワンボシが確認しに来たことを知る。

自分と殺されたワンボシの関係を探ったボーンは、彼を殺そうとして撃たれて海に落ちた殺し屋が自分だったことに気づく。

ボーンが殺し屋だと知ったマリーは動揺するが、彼を信じて逃亡する。

その後もボーンを見つけられないコンクリンは焦り、彼を始末できなければ自分たちは終わりだということをアボットに伝えて、引き続きあらゆる情報を収集する。

放浪癖のあるマリーが、過去数年滞在した場所を調べさせたコンクリンは、彼女の元恋人イーモン（ティム・ダットン）の家に、ボーンとマリーが潜伏していることを突き止める。

その後、コンクリンから指示を受けたパーソンズは、”プロフェッサー”にボーンとマリーの情報を渡す。

翌朝、イーモンの家の犬がいなくなり、危険が迫っていることを知ったボーンは、彼と子供たちを地下室に避難させる。

ボーンは、燃料タンクを銃撃して爆発させて森に向かう。

警戒する”プロフェッサー”は、ボーンを追うものの銃撃される。

”プロフェッサー”は、”同じトレッドストーンだ”という謎の言葉と、これが自分たちの末路だとボーンに言い残して息絶える。

決着を付ける決心をしたボーンは、安全を考えてマリーをイーモンに同行させる。

ボーンは、”プロフェッサー”の携帯電話を使い、相手が分からないままコンクリンと話し、送り込んだ者は死んだことを伝える。

マリーのことを訊かれたボーンは死んだと答え、パリのセーヌに架かる橋”ポンヌフ”にコンクリンを呼びに出し、1人で来るよう指示する。

ポンヌフ。
約束の時間になったコンクリンは、監視するボーンに1人でないことが知られてしまい、交渉は決裂する。

パーソンズに連絡したコンクリンは、”セーフハウス”を引き払う準備を始めさせる。

セーフハウスを突き止めて侵入したボーンは、コンクリンに銃を向けて真相を聞き出そうとする。

コンクリンは、3000万ドルをかけた政府所有の人間兵器であるボーンに、この世に存在しない人間だと伝える。

自分に記憶がないことをコンクリンに話したボーンは、ワンボシ暗殺計画の内容を聞き、記憶が次第に戻る。

ワンボシ暗殺を目前にしたボーンは、彼らの子供に気づき、躊躇したために銃撃されて海に落ちたのだった。

コンクリンを殴り倒し、駆けつけた工作員を倒したボーンは、その場から逃れる。

後を追ったコンクリンは別の工作員マンハイムに射殺される。

アボットは”トレッドストーン”プロジェクトを終了し、効果の得られなかった計画だったことを政府に報告し、”ブラックブライアー”に移行することを伝える。

ギリシャ、ミコノス島。
マリーは、ボーンから受け取った現金を元に、レンタル・バイク店を始めていた。

そこに現れたボーンは、”バイクを貸りようとする。

ボーンに気づいたマリーは、身分証があるか尋ねる。

”持っていない”と答えたボーンは、マリーを抱きしめる。