ブロードウェイの人気スターである夫妻の危機を描く、製作アーサー・フリード、監督チャールズ・ウォルターズ、主演フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、オスカー・レヴァント、ビリー・バーク他共演のミュージカル。
・ミュージカル
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・ウォルターズ
製作:アーサー・フリード
脚本
ベティ・コムデン
アドルフ・グリーン
シドニィ・シェルダン(クレジットなし)
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:アルバート・アクスト
音楽
レニー・ヘイトン
アイラ・ガーシュウィン
ハリー・ウォーレン
出演
ジョシュ・バークレー:フレッド・アステア
ダイナ・バークレー:ジンジャー・ロジャース
エズラ・ミラー:オスカー・レヴァント
ミリー・ベルニー:ビリー・バーク
シャーリーン・メイ:ゲイル・ロビンス
ジャック・ピエール・バルドゥ:ジャック・フランソワ
バート・フェルシャー:クリントン・サンドバーグ
パメラ・ドリスコル:イネス・クーパー
審査員長役:ジョージ・ザッコ
ラディスラウス・ラディ:ハンス・コンリード
アメリカ 映画
配給 MGM
1949年製作 109分
公開
北米:1949年5月4日
日本:未公開
製作費 $2,325,420
北米興行収入 $2,987,000
世界 $4,421,000
■ アカデミー賞 ■
第22回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞(カラー)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
ブロードウェイの人気スターであるジョシュ・バークレー(フレッド・アステア)と妻ダイナ(ジンジャー・ロジャース)は、ショーを終えたステージ上で、親友で作曲家のエズラ・ミラー(オスカー・レヴァント)を紹介する。
バークレー夫妻は互いを褒め合い、ステージを下りて、ファンの声援に応えながら車に乗り劇場を去る。
ステージ上で褒めてくれたことを本心か確認したダイナは、ジョシュにショーのことで意見されて苛立つ。
その後、ジョシュとダイナは、富豪夫人ミリー・ベルニー(ビリー・バーク)のパーティーに出席する。
その場にはエズラもいて、ジョシュとダイナは車でのことを謝罪し合う。
...全てを見る(結末あり)
ジョシュに軽食のことを頼まれたダイナは、フランス人劇作家ジャック・ピエール・バルドゥ(ジャック・フランソワ)に話しかけられる。
ジャックから、悲劇のヒロインを演じられると言われたダイナは、才能を活かして舞台に出演することを勧められる。
ジャックは、ジョシュが車の中でダイナに意見したことを知り、戻って来た彼を批判しようとする。
それをダイナに制止されたジャックは、彼女に挨拶してその場を去る。
アパートに戻ったジョシュは苛立ち、ダイナは、ジャックから悲劇のヒロインを演じられると言われたことを話し口論になる。
ブラシを投げたダイナは、ジョシュの額に怪我をさせてしまったために後悔し、2人は仲直りする。
翌日、劇場に向かったエズラは、喧嘩ばかりしているジョシュとダイナのことを心配するプロデューサーのバート・フェルシャー(クリントン・サンドバーグ)が、ダイナに代役を考えていることを知る。
バートからシャーリーン・メイ(ゲイル・ロビンス)を紹介されたエズラは、彼女の歌を聴こうとする。
そこにジョシュとダイナが現れ、代役のことを話したエズラとバートは、シャーリーンの歌を聴かせようとする。
それを聴く気がないダイナは、自分たちの稽古を始める。
その後ジョシュとダイナは、自分たちが描かれた絵を見に行くために画廊に向かう。
2人は、自分たちがフライパンとパンケーキに描かれていたために、気に入るはずもなかった。
ダイナは、ミリーとその場にいたジャックが、画家を批判したために同じ意見だと伝える。
ミリーから田舎の家に誘われたダイナは、ジャックも行くことを知り、不機嫌そうなジョシュのことを気にして、彼と言い合いながらその場を去る。
その後、楽屋でもジョシュといがみ合うダイナは、現れたシャーリーンも相手にせずステージに向かう。
ショーを終えたジョシュは、ミリーの田舎の家に向かい、ジャックとも仲良くすることをダイナに伝えて納得させる。
ダンブリッジ。
エズラと共に駅に着いたジョシュとダイナは、歩いてミリーの家に向かう。
家に着きダイナとテニスをしたジョシュは、ジャックに声をかけて友好的に接し、エズラを誘ってゴルフに行く。
後でコースに向かうことにしたダイナは、ジャックの台本を見つけて興味を持つ。
そこにジャックが現れ、女優”サラ・ベルナール”の物語を演ずるパメラ・ドリスコル(イネス・クーパー)の演技に満足していないことなどをダイナに話す。
ジャックから、自分がその役に相応しいと言われたダイナは、それを光栄に思う。
ダイナを待っていたジョシュは、雨が降りだしても意地になりプレーを続ける。
ジャックに説得されたダイナは誘惑に負けそうになるが、ジョシュらが戻ってきたことに気づき焦る。
ダイナが仮病を使っていることに気づかないジョシュは、めまいがして行けなかったと言う彼女を気遣う。
その様子を見ていたジャックは、ダイナの演技に満足する。
アパートに戻ったダイナは、ジャックの台本をジョシュに見つかってしまう。
ジョシュは、田舎でのダイナの仮病の演技を褒めるジャックのメモも見つけてしまう。
ジョシュにその件を追及されたダイナは、大女優になれる自信があると言って憤慨し、彼と別居することになる。
その後、ダイナは舞台に出演することになり、ジョシュはシャーリーンを代役にしてショーを続ける。
ジャックの舞台の稽古をしていたダイナは、現れたエズラから、病院のチャリティ・ショーに出演してもらいたいたと言われ、ジョシュが出ないことを確認して承諾する。
エズラと話したジョシュは、チャリティにダイナが出ないことを知り、ショーに出演することを伝えてダイナの様子を見に行く。
ダイナは、ジャックの厳しい指導を受けながら、戸惑いながら稽古を続けていた。
エズラと食事をしたジョシュはそのことを話し、ジャックの真似をして似ていると言われたために、ダイナに電話をする。
ジャックに扮したジョシュは、演技についてダイナに助言し、落ち込んでいた彼女を励ます。
翌日ジョシュは、自信を取り戻したダイナが、見事な演技をしてジャックを納得させる様子を見ながら、2人の関係が深まったために気落ちする。
再びジャックに扮してダイナに電話をしたジョシュは、人前で誤解されるような態度は控えてほしいと伝える。
ダイナがチャリティに出演することを知ったジョシュは、彼女は出ないはずだったことをエズラに確認し、自分は断ると伝える。
チャリティ・ショーは始まり、ステージに上がったエズラは、チャイコフスキーの”ピアノ協奏曲第1番”をオーケストラと共に演奏する。
現れたジョシュに気づいたダイナは、彼を迷惑に思いながらも、病院のチャリティのためなら一緒でも我慢すると伝える。
演奏を終えたエズラは、バークレイ夫妻を紹介してステージに招き、ダイナは戸惑う。
2人は見事なダンスを披露し、ジョシュから話し合いたいと言われたダイナは、しばらく距離を置くべきだと伝えてその場を去る。
舞台初日、ダイナは、オーディション会場のシーンで見事な演技を見せて喝采を浴びる。
その場にいたジョシュも喜ぶが、ジャックと共に挨拶するダイナの姿を見て心が沈む。
その後、エズラに促され、ジャックに扮してダイナに電話をしたジョシュは、主人をとるか自分(ジャック)かを尋ねる。
そこにジャックが現れたために驚いたダイナは、自分に電話をしたことがあるか彼に尋ねる。
していないと言われたために、相手がジョシュだと気づいたダイナは、”ジャック”に愛していることを伝えて彼をからかう。
ダイナの気持ちを知ったジョシュは、ショックを受けて電話を切る。
鍵を探したダイナはアパートに向かい、レコードをかけ雰囲気づくりをしてジョシュを待つ。
そこに戻ったジョシュはダイナがいたために驚き、離婚には同意し、シャーリーンとも恋愛関係にあると伝える。
帰ろうとするダイナは、ジャックの真似をした電話の会話を話し始め、すべて知っていたことをジョシュに伝える。
誤解が解け、愛を確かめ合うジョシュとダイナは和解する。
その後、2人のショーは再開する。
■ 解説 評価 感想 ■
*フレッド・アステア/ジンジャー・ロジャース 共演作
・「空中レヴュー時代」(1933):RKO
・「コンチネンタル」(1934):RKO
・「ロバータ」(1935):RKO
・「トップ・ハット」(1935):RKO
・「艦隊を追って」(1936):RKO
・「有頂天時代」(1936):RKO
・「踊らん哉」(1937):RKO
・「気儘時代」(1938):RKO
・「カッスル夫妻」(1939):RKO
・「ブロードウェイのバークレー夫妻」(1949年):MGM
*(簡略ストーリー)
ニューヨーク。
ブロードウェイの人気スターであるジョシュ・バークレーと妻ダイナは、ステージを降りるといつも意見が食い違い喧嘩ばかりしていた。
そんなダイナは、フランス人劇作家ジャックに、役者として舞台に誘われる。
それに興味を示したダイナと、よく思わないジョシュは口論になり、別居することになるのだが・・・。
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製作アーサー・フリード、監督チャールズ・ウォルターズによる作品。
何と言っても、RKOで9作共演したフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが、「カッスル夫妻」(1939)以来10年ぶりに共演したMGMミュージカルとして注目された。
また、本作は2人のコンビとしては最後の共演作であり、唯一のテクニカラー作品。
*フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース共演作
ちなみに当初の共演者はジュディ・ガーランドだったが、リハーサルに入り、彼女の肉体及び精神的な問題で続行不可能となり、フレッド・アステアとの不仲説はあったものの、それを双方が否定して、ジンジャー・ロジャースが出演を承諾したという経緯がある。
第22回アカデミー賞では撮影賞(カラー)にノミネートされた。
同年フレッド・アステアは、”ユニークな芸術性とミュージカル映画の技術への貢献”により名誉賞を受賞し、ジンジャー・ロジャースがオスカーを彼に手渡した。
主演のフレッド・アステアは、持ち味を活かしユーモアをまじえた演技でブロードウェイのスターを好演し、見事なダンスと歌声を披露してくれる。
特に、靴と踊る”Shoes with Wings On”の特撮を使ったパフォーマンスは印象に残る。
ジンジャー・ロジャースは、役者として舞台に挑戦しようとするヒロインを熱演し、ダンスの他、確かな演技力も見せてくれる。
作曲ハリー・ウォーレン、作詞アイラ・ガーシュウィンの数々の楽曲、兄ジョージ・ガーシュウィンとアイラの名曲”They Can’t Take That Away From Me”を、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがしっとりと歌い踊るシーンも素晴らしい。
主人公夫妻の友人である女好きの音楽家を愉快に演じ、もちろん見事なピアノ演奏も披露してくれるオスカー・レヴァント、主人公夫妻の友人である富豪夫人ビリー・バーク、ヒロインの代役ゲイル・ロビンス、ヒロインに舞台出演を勧めるフランス人の劇作家ジャック・フランソワ、彼が舞台で使う女優イネス・クーパー、主人公夫妻のショーのプロデューサー役クリントン・サンドバーグ、舞台の審査員長役ジョージ・ザッコ、画廊の支配人ハンス・コンリードなどが共演している。