コマンチにさらわれた白人を取り戻そうとする連邦保安官と開拓民との関係を描く、監督ジョン・フォード、主演ジェームズ・スチュアート、リチャード・ウィドマーク、リンダ・クリスタル、シャーリー・ジョーンズ他、フォード一家総出演の西部劇でありファンにはたまらない一作。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・フォード
製作:スタンリー・シュペトナー
原作:ウィル・クック”Comanche Captives”
脚本:フランク・S・ニュージェント
撮影:チャールズ・ロートンJr.
編集:ジャック・マレー
音楽:ジョージ・ダニング
出演
ガスリー・マケーブ連邦保安官:ジェームズ・スチュアート
ジム・ゲイリー中尉:リチャード・ウィドマーク
エレナ・デ・ラ・マドリアーガ:リンダ・クリスタル
マーティ・パーセル:シャーリー・ジョーンズ
ダリウス・P・ポージー軍曹:アンディ・ディヴァイン
フレイザー少佐:ジョン・マッキンタイア
クアナ・パーカー:ヘンリー・ブランドン
オルソー・クレッグ:ハリー・ケリーJr.
アビー・フライザー:オリーヴ・ケリー
グリーリー・クレッグ:ケン・カーティス
マラプロップ夫人:アンナ・リー
ベル・アレゴン:アネル・ヘイズ
メアリー・マッキャンドルス:ジャネット・ノーラン
ウィリアム・マッキャンドルス:クリフ・ライオンズ
オリー・クヌードセン:ジョン・クゥオーレン
エドワード・パーセル判事:ポール・バーチ
ハリー・J・リングル:ウィリス・ボーシェイ
ストーン・カルフ:ウディ・ストロード
ランニング・ウルフ:デビッド・ケント
ハンナ・クレッグ:メエ・マーシュ
軍曹:ジャック・ペニック
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1961年製作 109分
公開
北米:1961年7月26日
日本:1961年5月24日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1880年代、テキサス。
連邦保安官ガスリー・マケーブ(ジェームズ・スチュアート)は、60キロも移動してきた、騎兵隊の部隊長ジム・ゲイリー中尉(リチャード・ウィドマーク)を歓迎する。
ゲイリーは、グラント砦のフレイザー少佐(ジョン・マッキンタイア)の命令で、彼の旧友マケーブを迎えに来たのだった。
騎兵隊と共に旅立ったマケーブは、小休止の際ゲイリーに、気の強い酒場の女主人ベル・アレゴン(アネル・ヘイズ)に結婚を迫られていたため、連れてこられたのはかえって好都合だったと話す。
砦に着いたマケーブは、早速、司令官のフレイザー少佐に呼ばれ、コマンチにさらわれた開拓民救出のため80ドルの月給で雇われる。
しかし、マケーブは一人救出するごとに500ドルを要求し、支払いを拒むフレイザー少佐を尻目に、開拓民との直談判を始める。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
軍は、腕は立つが金に執着する連邦保安官ガスリー・マケーブを、コマンチにさらわれた白人を取り戻すために雇い入れる。
マケーブは、人の情を無視して金で全てを解決しようとする。
その後マケーブは、騎兵隊中尉ゲイリーと共に、コマンチに同化した女性と少年を部族から取り戻す。
しかし、マケーブの手法や、野蛮人と化した少年と女性を、砦の開拓民らは歓迎しなかった・・・。
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ウィル・クックの小説”Comanche Captives”を基に作製された作品。
「捜索者」(1956)と同じく、コマンチにさらわれた白人を救い出そうとする人々の姿を、ジョン・フォードらしく情愛やユーモアをまじえ、人間の悲しみ、または傲慢さを鋭く描く晩年の秀作。
ジェームズ・スチュアートとリチャード・ウィドマーク共演にも拘らず、子供の頃に観た感想は、まずジョン・ウェインが出演しないフォード作品に物足りなさを感じ、本作を先に観たために、「捜索者」(1956)との比較もできず、面白味に欠ける作品としか言えなかった。
翌年のフォード作品「リバティ・バランスを射った男」(1962)で上記の不満は払拭されるのだが、後年、本作を観直した時には捉え方が一変し、大袈裟に言えば、終始興奮し”涙”なしでは見られない、自分にとっては珠玉の作品となってしまった。
理由は、「リバティ・バランスを射った男」の出演者をはじめとした、フォード一家総出演と言っていい程の配役それぞれを、バランスよく演じさせたフォードの演出は天下一品で、彼が、仲間達に感謝を込めて作った、集大成のようにも感じるほどだ。
その点も考慮すると、あまりに存在感が大きい、ジョン・ウェインが出演しなかったことが功を奏しているとも言える。
個人的には、いつもは、フォード作品でセリフも殆どなく、端役が多かったクリフ・ライオンズが、息子をコマンチに奪われた父親役で、印象に残る役を演じているのが実に嬉しい。
見かけと違い金の亡者で、目的を達するためには手段を選ばないところなどが、「捜索者」(1956)の主人公で、ジョン・ウェイン演ずる”イーサン・エドワーズ”をやや彷彿させるジェームズ・スチュアートの、イメージを覆すキャラクターも見ものだ。
軍人としての規律、正義感もあり逞しさと堅実さも兼ね備える男として、ぎこちない恋の一場面も見せてくれるリチャード・ウィドマークの好演も光る。
人々から軽蔑されながらも、結局は幸せの第一歩を歩み始める、拉致されていたメキシコ人女性リンダ・クリスタル、弟がさらわれたことを、自分が原因だと悔やみ、それを引きずりながら生きる、中尉(R・ウィドマーク)と恋に落ちる、前年「エルマー・ガントリー」でアカデミー助演賞を受賞したシャーリー・ジョーンズ、軍曹アンディ・ディヴァイン、砦の司令官ジョン・マッキンタイア、「捜索者」(1956)でもコマンチの族長を演ずるヘンリー・ブランドン、マーティ(S・ジョーンズ)を奪い合う兄弟ハリー・ケリーJr.とケン・カーティス、少佐夫人のオリーヴ・ケリー、士官の妻アンナ・リー、酒場の女主人アネル・ヘイズ、息子を奪われたジャネット・ノーランとクリフ・ライオンズ、開拓民のジョン・クゥオーレンとウィリス・ボーシェイ、マーティ(S・ジョーンズ)の父で判事のポール・バーチ、戦闘部族のリーダー、ウディ・ストロード、コマンチに同化した白人少年デビッド・ケント、同じくメエ・マーシュ、そして軍曹ジャック・ペニックなどが共演している。