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続・猿の惑星 Beneath the Planet of the Apes (1970)

1963年に発表された、ピエール・ブールのSF小説”猿の惑星”を基に製作されたSF映画の傑作「猿の惑星」(1968)の続編。
支配者である猿と進化して地底で生息していた人間との戦いを描く、監督テッド・ポスト、主演ジェームズ・フランシスカスキム・ハンターモーリス・エヴァンスリンダ・ハリソンチャールトン・ヘストン他共演のSF映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト
監督:テッド・ポスト

製作:アーサー・P・ジェイコブス
原作
ピエール・ブール(キャラクター創造)
ポール・デーン
モート・エイブラハムズ
脚本
ポール・デーン
モート・エイブラハムズ
撮影:ミルトン・R・クラスナー
編集:マリオン・ロスマン
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
ジョン・クリストファー・ブレント少佐:ジェームズ・フランシスカス
ジーラ:キム・ハンター
ザイアス博士:モーリス・エヴァンス
ノーヴァ:リンダ・ハリソン
メンデス:ポール・リチャーズ
アディポソ:ビクター・ブオノ
ウルサス将軍:ジェームズ・グレゴリー
ジョージ・テイラー大佐:チャールトン・ヘストン
キャスペイ:ジェフ・コーリー
アルビナ:ナタリー・トランディー
聖職者:トーマス・ゴメス
コーネリアス:デイヴィッド・ワトソン
オンガロ:ドン・ペドロ・コリー
ドノヴァン・マドックス大佐:トッド・アンドリューズ
ヴェルジェ:グレゴリー・シエラ
コーネリアス(冒頭の映像):ロディ・マクドウォール
ナレーター:ポール・フリーズ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1970年製作 95分
公開
北米:1970年5月26日
日本:1970年8月1日
製作費 $4,675,000
北米興行収入 $18,999,720


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
猿が支配する惑星。
禁断地帯を調べたアメリカの宇宙飛行士ジョージ・テイラー(チャールトン・ヘストン)は、人質に取っていたザイアス博士(モーリス・エヴァンス)から、人間が猿に支配された理由を追及するべきではないと言われる。

それを無視したテイラーは、ジーラ(キム・ハンター)とコーネリアス(ロディ・マクドウォール)に別れを告げ、ノーヴァ(リンダ・ハリソン)と共に馬に乗り旅立つ。

ザイアスを解放したジーラは、テイラーが何を見つけるのかを尋ねる。

ザイアスは答える、”彼の運命だ”と。

海岸線を進んだテイラーは、やがてザイアスの予言通り、驚くべき真実を知ることになる。
...全てを見る(結末あり)

テイラーは、朽ち果てた”自由の女神”像を目の前にして愕然とする。

その後、テイラーとノーヴァは内陸に戻る。

同じ頃、アメリカの宇宙船が不時着する。

宇宙飛行士のジョン・クリストファー・ブレント少佐(ジェームズ・フランシスカス)は、負傷して視力を失った船長ドノヴァン・マドックス大佐(トッド・アンドリューズ)に、不時着寸前の地球時間が3955年だったことを伝える。

テイラーの軌道をたどってきたため、彼が同じ体験をしただろうと語るブレントだったが、マドックスは、家族も知人も全て死んだと言いながら息を引き取る。

マドックスを埋葬したブレントは、馬に乗ったノーヴァが近づいて来たことに気づき彼女に話しかける。

ノーヴァが話せないことに気づいたブレントは、彼女が持っている認識票を確認して、それがテイラーのものだと知り居場所を聞く。

テイラーから認識票を渡された時のことを思い出したノーヴァは、それをブレントに伝えることはできない。

周囲に異変が起き、それを調べに行こうとしたテイラーは、何かあった場合はジーラに遭うようにとノーヴァにい残して姿を消した。

テイラーに会せるようにと身振りで教えて、ノーヴァと共に旅だったブレントは森林地帯に向う。

その場でブレントは、言葉を話す猿の都市が存在していることを知り驚く。

武力による統治を主張するゴリラのウルサス将軍(ジェームズ・グレゴリー)は、封鎖されていた禁断地帯に住人がいることを確認していたため。その場を占領し国土とすることを考える。

ザイアスは武力には敵わないと考えて発言せず、唯一人それに従おうとしないジーラだったが、コーネリアス(デイヴィッド・ワトソン)に説得される。

危険を感じたブレントは、ノーヴァと共にその場から非難するが、兵士の銃撃により腕を負傷してしまう。

その後、禁断地帯の侵略についてウルサスと話したザイアスは、その場に住み着いている者達の一掃ができない責任を追及される。

禁断地帯に向かった斥候が、異常な現象を体験して姿を消している現状で、食料確保のため侵略は急ぐべきだとウルサスは主張する。

帰宅したジーラとコーネリアスは、自分達チンパンジーとは違う、ウルサスに代表されるゴリラの狂暴性を何とかしたいと言って嘆く。

そんな二匹は、その場にノーヴァが現れたために驚く。

更にジーラとコーネリアスは、テイラーに似た隠れていた人間ブレントが話をしたので、二人目の例だと伝える。

テイラーのことを知り捜しているとブレントに言われたジーラとコーネリアスは、テイラーの仲間二人は剥製標本になったことを話す。

危険を感じたブレントは、脱出すると言って食料や地図の提供を求め、ジーラが彼の傷の手当てをする。

地図を用意したコーネリアスは、テイラーと別れた海岸の場所などをブレントに教える。

そこにザイアスが現れたため、ジーラとコーネリアスはブレントとノーヴァを奥の部屋に隠す。

ザイアスは集会でのジーラの態度を批判し、自分がウルサスと共に禁断地帯に向かうことを伝える。

留守中に科学庁を任せるとザイアスから言われたジーラは、コーネリアスと共に協力を要請される。

慎重に行動するようにとジーラとコーネリアスに伝えたザイアスは、その場を去る。

出発すると言うブレントに、ゴリラと出くわした場合は、口をきかないことだとコーネリアスは忠告する。

人間の服をジーラから渡されたブレントは、テイラーを捜してほしいと言われ、ノーヴァと共にその場を去る。

着替えをしたブレントは、隠してあった馬にノーヴァを乗せて旅立つ。

その後、銃撃されて馬を失ったブレントとノーヴァは、ゴリラに追われて捕えられる。

ブレントとノーヴァは、他の人間と共に檻に入れられる。

ゴリラは、捕えた人間を訓練に使い戦いに備える。

研究室に連れてこられたブレントとノーヴァを、実験材料として引き取ろうとしたジーラだったが、二人は射撃の標的にされることになる。

ジーラは、射撃場に移送される二人が乗せられた馬車の檻の鍵を開ける。

脱出したブレントはゴリラを倒して馬車を奪い、馬を手に入れてノーヴァと共に禁断地帯に向かうものの、それは監視されていた。

ゴリラに追われたブレントとノーヴァは、岩山の洞窟に入る。

ブレントは、その場がニューヨークの”クイーンズボロ・プラザ駅”であることに気づき、自分の故郷だったためにショックを受ける。

人類が核戦争を始めてしまい滅んだことを、ブレントは理解する。

ウルサスは、ザイアスと軍隊を率いて出撃し、チンパンジーの反対派の抵抗を排除して禁断地帯に向かう。

外部では、自分達を捕えようとするゴリラの捜索が続いていることを知ったブレントは、聴こえてくる音をたどって行く。

ブレントはノーヴァと共に音源の場所に着き、”ニューヨーク公共図書館”や”証券取引所”、”ラジオシティ・ミュージックホール”などの建物跡を確認し、”セント・パトリック大聖堂”で音が消える。

何かに操られてノーヴァを殺そうとしてしまったブレントは、それを制御しながら奥の空間に向かう。

そこには核爆弾ロケットがあり、それを崇める男ヴェルジェ(グレゴリー・シエラ)が祈りを捧げていた。

その場から出ようとしたブレントは、テレパシーによる会話をして、支配者メンデス(ポール・リチャーズ)らの元に連れて行かれる。

アディポソ(ビクター・ブオノ)やキャスペイ(ジェフ・コーリー)、そしてメンデスからテレパシーで質問されたブレントは混乱しかける。

オンガロ(ドン・ペドロ・コリー)とアルビナ(ナタリー・トランディー)からノーヴァのことを聞かれたブレントは、彼女のお蔭で猿の都市から脱出できたことを伝える。

ブレントの能力の限界を知ったメンデスらは、原始的な手段である言葉で話し、猿の都市で見たことなどを聞く。

祈りの時なども話すと言われたブレントは、爆弾が神なのかを問い、平和のための聖なる武器だとメンデスに言われる。

ブレントから猿の考えを聞き出そうとするメンデスらは、視覚や聴覚を刺激する武器は、平和的なものだと語り幻覚だと伝える。

ロケット爆弾はどうなのだと問うブレントは、滅亡を逃れるための手段であり、残虐な猿には敵わないと言われて協力を求められる。

それを拒むブレントは、猿の考えなど分からないと伝えるが、テレパシーにより、連れてこられたノーヴァを痛めつけるよう指示される。

ブレントは、仕方なく猿の軍団が進軍してくることを話す。

攻撃を開始したウルサスだったが、捕えられた斥候が火炙りにされる姿を見せられる。

苦しみから解放させるべきだと提案したザイアスったが、”猿は猿を殺さない”という教えに反すると言うウルサスは、一旦、撤退しようとする。

出現した猿の大神像から血が流れ始め、ザイアスは全て幻覚であることに気づき炎の中に飛び込む。

大神像は倒れて幻覚は消え、ウルサスは再び突撃を命ずる。

猿が愚かであるために幻覚が通じないと考えるキャスペイは、爆弾で防御できると言って集会を開こうとする。

爆弾を称えたメンデスらは、マスクを外して地底人としての本来の姿になり、ブレントとノーヴァはその儀式を見守る。

メンデスらはシェルターに向かうことになり、ブレントは、オンガロに連れて行かれた場所でテイラーに対面する。

面識があった二人は驚き、ブレントは同じルートをたどって来たことをテイラーに伝える。

テレパシーを使うオンガロは、二人を戦わせて殺し合いをさせる。

それに気づいたノーヴァは、テイラーの名前を呼ぶ。

テイラーとブレントは、隙を見てオンガロに襲いかかり彼を殺す。

メンデスらが原爆を保有し使用することをテイラーに知らせたブレントは、尾翼にギリシャ文字が印されていることを伝える。

それが”αΩ”だと知っていたテイラーは、20世紀に製造された究極兵器のコバルト爆弾で、実用化不可能と言われながら、平和維持という名目で完成させてしまったと話す。

地球を消滅させる最終兵器だと知るはずもないメンデスらが、猿の攻撃でそれを使おうとしている現実に、テイラーとブレントは絶望する。

地下通路の入り口を発見したザイアスは、それをウルサスに知らせて内部を調べさせる。

攻撃が始まったことを知ったテイラーとブレントは、ノーヴァを連れて牢屋から脱出し、爆破を阻止しようとする。

しかし、銃弾を受けたノーヴァは息を引き取り、テイラーは最期の時が来てしまったと考えるものの、ブレントに促されてその場を離れる。

ザイアスらは地下都市を破壊し、祭壇の前に跪くメンデスを見つける。

ウルサスはメンデスを捕えるよう命ずるが、作動させた爆弾が姿を現す。

メンデスは射殺され、ウルサスは爆弾を銃撃しながら近づき、引き倒すよう部下に命ずる。

爆弾は倒されて噴煙が噴出し、ウルサスが装置を操作してそれを止めようとする。

その場にいたブレントが、パイプオルガンを鳴らして注意を引き付けるものの、様子を見ていたテイラーが銃撃されてしまう。

ブレントは、ウルサスを射殺して反撃する。

ザイアスはテイラーに気づき、審判の日であり世界の終わりだと言われる。

テイラーから手を貸すようにと言われたザイアスはそれを拒み、ブレントは射殺される。

血に飢えた者達は死ぬがいいと言い残したテイラーは、爆弾の起爆装置を作動させて息絶える。

宇宙に存在する無数の銀河の一つに属する、中位の恒星の惑星の一つが消滅する。


解説 評価 感想

参考:
・「猿の惑星」(1968)
・「続・猿の惑星」(1970)
・「新・猿の惑星」(1971)
・「猿の惑星・征服」(1972)
・「最後の猿の惑星」(1973)
————————-
・「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001)
————————-
・「猿の惑星:創世記」(2011)
・「猿の惑星:新世紀」(2014)
・「War of the Planet of the Apes」(2017)

*(簡略ストー リー)
猿が支配する惑星。
アメリカ人宇宙飛行士ジョージ・テイラー大佐は、人類が核戦争により滅んだことを知り、この惑星が地球であったために愕然とする。
ノーヴァと共に旅を続けたテイラーは、ある異常現象に遭遇して姿を消してしまう。
同じ頃、テイラーのルートをたどって不時着した宇宙飛行士ジョン・クリストファー・ブレント少佐は、テイラーと別れたノーヴァに出会い、彼女の案内である都市に向かう。
そこを猿が支配していたために驚いたブレントは、チンパンジーの科学者ジーラとコーネリアスの元に案内される。
ノーヴァと共に現れたブレントが言葉を話したことで、彼に興味を持ったジーラとコーネリアスは脱出の手助けをする。
その頃、軍を指揮するゴリラのウルサス将軍は、禁断地帯の占領を考えていた。
ノーヴァと共に都市から逃れたブレントは、テイラーを捜すために禁断地帯に向い、岩山の洞窟で、その場がニューヨークであることを知りショックを受ける。
その後ウルサスは、禁断地帯の占領に意見する科学庁長官ザイアス博士と共に進軍するのだが・・・。
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映画史上に残るSF映画として世界中に衝撃を与えた、「猿の惑星」(1968)の続編ということで大いに話題になった作品。

前作の余韻が冷めやらぬ中、そのイメージを壊さないように努力している、テッド・ポストの無難な演出がまずまず楽しめる作品。

本作にはなくてはならない登場人物テイラー役のチャールトン・ヘストンは脇役に回り、消息を絶った彼を捜す宇宙飛行士が主人公という設定。
チンパンジーの科学者夫婦ジーラとコーネリアス、オランウータンの科学庁長官ザイアス博士、そして、テイラーと行動を共にしていた人間の女性ノーヴァが、前作に続いて登場する。

続編の製作に意見したチャールトン・ヘストンは、主演を依頼されるものの出演すら断った。
しかし製作者側の強い要望があり、できる限り出番を減らし、地球が滅亡する前に死ぬ役を条件に出演したという経緯がある。

一作目ほどのインパクトはないが、当時の最先端技術を使った猿の特殊メイクは見事であり、新しいキャラクターとして、進化した人類の地底人も注目だ。

前作には及ばないものの、北米興行収入は約1900万ドルのヒットとなった。

消息を絶ったテイラー(チャールトン・ヘストン)と同じルートをたどり不時着した惑星で、彼と運命を共にするアメリカ人宇宙飛行士ジェームズ・フランシスカス、彼に協力するチンパンジーの学者キム・ハンター、その夫デイヴィッド・ワトソン、科学庁長官モーリス・エヴァンス、テイラーと別れ主人公と旅を続ける人間の女性リンダ・ハリソン、ゴリラ軍団を率いる将軍ジェームズ・グレゴリー、進化した地底人のリーダー、ポール・リチャーズ、地底人ビクター・ブオノジェフ・コーリーナタリー・トランディードン・ペドロ・コリーグレゴリー・シエラ、宇宙船船長トッド・アンドリューズ、ナレーターのポール・フリーズ、そして、本作のみコーネリアスを演じていないロディ・マクドウォールが、冒頭に、前作のクライマックス映像で登場する。


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