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ブラック・レイン Black Rain (1989)

ニューヨークで犯罪を犯した日本人の送還に同行した刑事の暴力組織との戦いを描く、監督リドリー・スコット、主演マイケル・ダグラスアンディ・ガルシア高倉健ケイト・キャプショー松田優作他共演の犯罪アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:リドリー・スコット

製作総指揮
クレイグ・ボロティン

ジュリー・カーカム
製作
スタンリー・R・ジャッフェ

シェリー・ランシング
脚本
クレイグ・ボロティン

ウォーレン・ルイス
撮影:ヤン・デ・ボン
編集:トム・ロルフ
音楽:ハンス・ジマー

出演
ニック・コンクリン:マイケル・ダグラス

チャーリー・ビンセント:アンディ・ガルシア
松本正博警部補:高倉健
ジョイス・キングズレイ:ケイト・キャプショー
佐藤浩史:松田優作
オリヴァー:ジョン・スペンサー
菅井国雄:若山富三郎
大橋警視:神山繁
片山:ガッツ石松
ミユキ:小野みゆき
梨田:内田裕也
吉本:國村隼
用心棒:安岡力也
用心棒:島木譲二
フランキー:ルイス・ガスマン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1989年製作 126分
公開
北米:1989年9月22日
日本:1989年10月
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $45,645,200
世界 $134,212,060


アカデミー賞 ■
第62回アカデミー賞

・ノミネート
録音・音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
容疑者逮捕時の押収金横領を疑われている、ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)は、同僚のチャーリー・ビンセント(アンディ・ガルシア)とレストランで待ち合わせる。

客の中にマフィア達が居るのに気づいたニックは、それを警戒しながら自分の疑惑についての愚痴をこぼす。

そこに日本人の2人組、佐藤浩史(松田優作)らが武装して現れ、マフィア達を襲い逃走する。

それを追ったニックとチャーリーは佐藤を逮捕し、裁きにかけようとする。

しかし、ニックは上司オリヴァー(ジョン・スペンサー)から、佐藤が国務省の命令で日本に送還されることを聞かされ、チャーリーと共に、それに同行するよう命ぜられる。

大阪空港に降り立ったニックらは、大阪府警の梨田(内田裕也)や片山(ガッツ石松)の出迎えを受けて、佐藤を引き渡す。

しかし、梨田と片山は佐藤の手下で、彼は空港から易々と逃亡する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
容疑者逮捕時の押収金横領を疑われている、ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリンは、相棒チャーリーと共に、日本のヤクザ佐藤が、マフィア達を襲撃する現場に居合わせる。
それを追ったニックとチャーリーは佐藤を逮捕するが、国務省の命令で彼が日本に送還されることになり、2人はそれに同行することになる。
しかし、大阪に着いたニックらは、警官に扮した佐藤の手下に彼を引き渡してしまう。
佐藤は難なく逃亡してしまい、その後、言葉も通じないままに苦労するニックとチャーリーは、銃を預けるという条件で捜査の許可を得る。
大阪府警側は、2人に犯罪捜査課の松本警部補を監視役で付け、行動を監視する。
やがて、佐藤が、ニューヨークで偽札の原版を手に入れた可能性を知ったニックとチャーリーに、魔の手が忍び寄る・・・。
__________

バブルの絶頂期、経済や文化までをアメリカ国民から奪う勢いの日本に対し、日本人からすると常識外れな”アウトロー刑事”が、アメリカから現れてプライドをかけ戦う姿は実に頼もしい。

平民には”機械を作って築いた平和を壊すな”と、闇組織のボスからは”戦後アメリカに押し付けられた価値観で、義理人情が失われた”と怒りを露にされる主人公は、当然のごとくそれに対し、あくまで自分流を貫く、いかにもアメリカ人らしい人物像に描かれている。

”機械で平和を・・・”に対し、主人公が発する”新しい考えを持つものを押しつぶそうとする”という言葉が、公開当時に日本人の心に刺激を与えたはずなのだが、現在の日本社会のあらゆるところで、未だにそれが言われ続けているのも現実だ。

非協力的だった日本側の対応に手こずりながらも、その描写が異様に思える作品が多い中で、リドリー・スコットらしさを出しつつ、日本社会をまずまずまともに表現した作品でもある。

ややオーバーな演出を公言しているリドリー・スコットだが、日本ではないと分かるシーンも、違和感なく見ていられる。

撮影は、後に監督に転進するヤン・デ・ボン、音楽はハンス・ジマーが担当している。

第62回アカデミー賞では、録音、音響編集賞にノミネートされた。

北米での興行収入は製作費(3000万ドル)をやや上回る程度だったが、全世界では約1億3400万ドルのヒットとなった。

フレンチ・コネクション2」(1975)のジーン・ハックマンを髣髴させる、はぐれ刑事を演ずるマイケル・ダグラスの、強引でエネルギッシュ、野性味溢れる逞しさは、”アメリカ人らさ”がよく出ている。

堅物の日本人という設定なので仕方がないが、マイケル・ダグラスより13歳も年上の高倉健の、ハリウッドスターへの遠慮が気になる。
ハリウッド側の、超一流のスタッフやキャストに釣り合う俳優がいないとはいえ、高倉健にはもう少し威厳のある役を演じて欲しかった。

気のいい陽気な若手刑事を演ずるアンディ・ガルシアは、殺され方が衝撃的であり、組織の大ボスの若山富三郎の演技は迫力がある。

実験を握ろうとする破天荒な組織員松田優作、日本滞在のホステス役でケイト・キャプショー、主人公の上司ジョン・スペンサー、主人公の同僚ルイス・ガスマンが端役で登場する。


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