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華麗なる激情 The Agony and the Ecstasy (1965) 3.79/5 (34)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

盛期ルネサンス期の彫刻家であり、建築家、画家、詩人でもあるミケランジェロ・ブオナローティが、ローマ教皇ユリウス2世の命を受けシスティーナ礼拝堂に描いた大天井画を完成させるまでの苦悩や情熱を描く、製作、監督キャロル・リード、主演チャールトン・ヘストンレックス・ハリソンダイアン・シレントアドルフォ・チェリハリー・アンドリューストーマス・ミリアン他共演の歴史劇。


ドラマ(歴史劇)


スタッフ キャスト
監督:キャロル・リード
製作:キャロル・リード
原作:アーヴィング・ストーン
脚本:フィリップ・ダン
撮影:レオン・シャムロイ

編集:アミュエル・E・ビートリー
美術・装置
ジョン・デ・キューア

ジャック・マーティン・スミス
ダリノ・シモーニ
衣装デザイン:ヴィットリオ・ニノ・ノヴァリーズ
音楽
アレックス・ノース
ジェリー・ゴールドスミス

出演
チャールトン・ヘストンミケランジェロ・ブオナローティ
レックス・ハリソンユリウス2世
ダイアン・シレント:コンテシーナ・アントニア・ロモラ・デ・メディチ
アドルフォ・チェリジョヴァンニ・デ・メディチ
ハリー・アンドリュースドナント・ブラマンテ
トーマス・ミリアンラファエロ・サンティ

アルバート・ルポ:ウルビーノの伯爵

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1965年製作 138分
公開
北米:1965年10月7日
日本:1966年2月
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $4,000,000


アカデミー賞
第38回アカデミー賞
・ノミネート
撮影・作曲・録音・衣装デザイン・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
16世紀初頭。
ローマ教皇ユリウス2世レックス・ハリソン)は、教皇領を取り戻すことに執着して戦いを続け、ローマに戻ろうとする。

教皇の専任建築家ドナント・ブラマンテハリー・アンドリュース)は、教皇霊廟の彫像を彫ることを依頼されたフィレンツェの彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティチャールトン・ヘストン)に、教皇の勝利を祝うようにと伝える。

彫像だけで40体彫らねばならないミケランジェロは、休んでいる暇などないことをブラマンテに伝える。

運ばれてきた大理石を見て、中にモーゼがいると言うミケランジェロは、ブラマンテと意見が合わない。

ローマに戻った教皇は、今後も戦い続ける考えを変えない。

ミケランジェロを呼び寄せて、自分への批判を書いた詩を詠んだ教皇は、仕事が欲しいと言う彼に建設中の”サン・ピエトロ大聖堂”の模型を見せる。

役にも立たない霊廟の建造が遅れていることを指摘した教皇は、一旦それを中断するようにとミケランジェロに伝える。

それならばフィレンツェに帰らせてほしいと言うミケランジェロを、システィーナ礼拝堂に連れて行った教皇は、彼の”画家”としての才能を認めて、天井に十二使徒フレスコ画を描くことを命ずる。

自分は画家ではないと言って、それを断ろうとするミケランジェロだった、拒める立場でもなく苦悩する。

フィレンツェ
ミケランジェロは、後援者でもあるメディチ家ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿(アドルフォ・チェリ)やその妹コンテシーナ(ダイアン・シレント)に、苦しい胸の内を伝える。

教皇の仕事を断りトルコに向かい橋の建造をするつもりだったミケランジェロは、コンテシーナから、自分の考えに従うべきだと言われる。

コンテシーナは、フレスコ画の助手ならフィレンツェで探すべきだとミケランジェロに伝える。

結局、問題の解決には至らず、ミケランジェロローマに戻り、仕方なく絵を描こうとする。

通常の足場の組み方では壁に穴が開いてしまうことを不満に思うミケランジェロブラマンテと対立するが、教皇から自分で足場を組むようにと指示される。

フィレンツェから連れてきた助手と共に絵を描き始めたミケランジェロは、満足できない仕事に嫌気が差し、助手たちと共に姿を消してしまう。

教皇はミケランジェロの捜索を命じ、ブラマンテから、若い画家ラファエロ・サンティトーマス・ミリアン)の採用を提案されるものの、それを認めなかった。

教皇に従わないミケランジェロの行動を非難するジョヴァンニは、コンテシーナから、彼は変わり者なだけで、姿を消したのには理由があるはずだと兄に伝える。

カッラーラの石切り場に身を隠していたミケランジェロは、教皇の捜索隊から逃れた山の頂で、旧約聖書の”創世記”を描く構想が閃く。

INTERMISSION

捕らえられたミケランジェロは、戦いに備えるユリウス2世の元に連れて行かれ、天井画を”創世記”に変更することを提案する。

敵の攻撃が始まる中でミケランジェロは、教皇と期間や費用、報酬の交渉をする。

一人で描くと言うミケランジェロに許可を与えた教皇は、指揮官に攻撃を命ずる。

ようやく情熱を傾けられる仕事を見つけたミケランジェロは、それに没頭する。

それ以後、教皇の干渉は無視したミケランジェロは、寝食を忘れて絵を描き続ける。

訪ねて来たコンテシーナと、かつて愛し合ったことなどを語るミケランジェロは、形だけの結婚はしたが愛は変わらないと言われる。

コンテシーナの求愛を拒んだミケランジェロは、かつての愛について話すだけだった。

その後、裸体が礼拝堂に相応しくないという枢機卿達の意見も聞かずに、彼らを非難するミケランジェロは、教皇から、そのまま描き続けるようにと指示される。

しかし教皇は、ミケランジェロの枢機卿に対する態度は許さず、自分や教会に対する無礼だとだと伝える。

いつ終わるかと訊いても、毎回”完成したら”としか答えないミケランジェロに苛立っていた教皇は、我慢にも限界があると伝えて立ち去る。

その後も一人で描き続けるミケランジェロは、急激に視力が落ちたことに気づいて動揺し、何とか足場から降りるものの倒れてしまう。

助手に見つけられて家に運ばれたミケランジェロは、教皇の医師の治療を受ける。

駆け付けたコンテシーナは、瀉血をしようとする医師達を帰してミケランジェロを介抱する。

ブラマンテからその件を知らされた教皇は、再びラファエロを紹介され、彼の絵を見て才能は評価する。

ミケランジェロを見舞った教皇は、厳しくし過ぎたことを謝罪し、後悔していると伝える。

仕事から解放すると言う教皇は、体の方が大切だとミケランジェロに伝えて、彼を気遣うような素振りを見せる。

ラファエロを後任にすると言う教皇は、回復を祈るとミケランジェロに伝えてその場を去る。

教皇の後を追ったコンテシーナは、自分が必ず回復させると伝えるが、芸術家をその気になせるのは、愛ではなく仕事だと伝える。

その場を去った教皇は、1週間もすればミケランジェロは仕事に戻るとブラマンテに伝えて、自分の墓石になる石を眺める。

その後、教皇は、自分の秘策が成功してミケランジェロが仕事に戻ったことを確認する。

その頃、教皇領フランスが侵入してドイツも迫り、フェラーラボローニャが反旗を翻してミラノを包囲し、ローマは孤立状態となる。

その報告を受けた教皇は、足場が取り外された理由を訊きに来たミケランジェロを黙らせて、指揮官に攻撃を命じ出撃しようとする。

いつ完成するか分からない作業終了をいつまでも待てないと言う教皇は、天井画の公開に反対するミケランジェロの態度に憤慨して、彼を杖で打ち解雇する。

軍を率いて出撃する教皇を見送ったミケランジェロは、ローマを去ろうとする。

ラファエロから絵を称賛されたミケランジェロは、後任の君に任せるので自分は手を引くと伝える。

教皇に謝罪するべきだというラファエロの意見を受け入れられないミケランジェロは、コンテシーナから、天井画を誇りに思っているために教皇は公開したと言われる。

ミケランジェロは、死に直面する戦いの中で、教皇がいかに天井画を愛しているかをコンテシーナに悟らされる。

コンテシーナから、完成させたいのなら自尊心を捨てるべきだと言われたミケランジェロは、戦場に向かう。

戦いで負傷した教皇に会ったミケランジェロは、天井画を完成させる許可を得ようとする。

それは可能だが、直に敵がローマに攻めてくると伝えた教皇は、それでも完成させたいミケランジェロの気持ちを理解して許可を与える。

足場を組むために費用が必要だと教皇に伝えたミケランジェロは、トルコの橋の前金のことを訊かれる。

全額返金したと言われた教皇は、費用は出せないと伝える。

霊廟の大理石を売ると教皇に伝えたミケランジェロは、その場を去る。

枢機卿になるために金を払う者がいることを確認した教皇は、3人分を軍資金にして4人目の金をミケランジェロに渡すよう指示する。

その後、傷ついた兵士と共にローマに帰還した教皇は、ミケランジェロの描いた天井画”アダムの創造”を見て、その素晴らしさに感銘を受けながら彼と語り合う。

戦場の傷が癒えない教皇は倒れてしまい、死が近いことを知ったジョヴァンニは、敵国にすべてを奪われると考える。

教皇の元に向かったミケランジェロは、天井画は描いても無駄であることを伝えて、故郷に帰る許可を得ようとする。

それを許可しない教皇は、ミケランジェロから自分も”仕事”を放棄したと言われたため、べッドから起き上がる。

その様子を見たミケランジェロはその場を去り、立ち上がった教皇は興奮し、死の祈りを捧げていた者達を追い払う。

ミケランジェロは、教皇が自分を甦らせた時の方法で、今度は彼に生きよる意欲を与えたのだった。

1512年。
システィーナ礼拝堂天井画は完成し、絵には男女の感情を超越した愛があるとミケランジェロに伝えたコンテシーナは、あなたの勝ちだと伝えてその場を去る。

ミケランジェロに祭壇の壁画(最後の審判)を描くことを指示した教皇は、次は霊廟という約束だったと言われる。

この壁を描いた後で霊廟を彫らせると言われたミケランジェロは、納得するしかなかった。

しかし、そうもいかないだろうと言う教皇は、必要になる墓に取りかかるようにとミケランジェロに伝える。

今まで厳しく接したことをミケランジェロに謝罪した教皇は、仕事を続けられたことを神に感謝するようにと言って、自分は神の手に動かされただけだと話す。

神の道具であったことを誇りに思うと伝えた教皇は、これはただの絵だと言うミケランジェロに対し、それを否定して彼の偉業を称える。

教皇から、この仕事で何を学んだか訊かれたミケランジェロは、自分が孤独ではないことだと答える。

自分は世界が孤独ではないということを学んだと言う教皇は、神の前で裁かれる時に、天井画のおかげで罪が軽くなるかもしれないとミケランジェロに伝える。

仕事にかかるようにとミケランジェロに伝えた教皇は、その場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1508年。
ローマ教皇ユリウス2世は、教皇領を取り戻すことに執着して戦いを続けていた。
霊廟の建造をフィレンツェの彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティに依頼していた教皇は、それを中断して、システィーナ礼拝堂の天井に十二使徒フレスコ画を描くことを命ずる。
画家でないと言うミケランジェロはそれを断ろうとするものの、拒める立場でもなく、苦悩しながら絵を描き始める。
その後ミケランジェロは、教皇の専任建築家ブラマンテと対立しながら、満足できない仕事に嫌気が差し姿を消してしまう。
若い画家のラファエロを採用することを教皇に提案したブラマンテだったが、教皇はミケランジェロの捜索を命ずる。
その頃、石切り場に身を隠していたミケランジェロは、旧約聖書の”創世記”を描く構想が閃き、教皇の元に向かい天井画を変更する許可を得る。
ようやく、情熱を傾けられる仕事を見つけたミケランジェロは、教皇の干渉を無視して寝食を忘れて絵を描き続けるのだが・・・。
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1961年に発表された、アーヴィング・ストーンの同名小説”The Agony and the Ecstasy”を基に製作された作品。

原題の通り、単にミケランジェロの偉業を称える作品ではなく、彼の苦悩やユリウス2世との確執と友情を、その人間性を含めてキャロル・リードが繊細に描いている。

第38回アカデミー賞では、撮影、作曲、録音、衣装デザイン、美術賞にノミネートされた。

見事に再現されたシスティーナ礼拝堂や、天井画を発想する幻想的なシーン、さらには当時を再現した美しい衣装など、芸術的作品として見応えのある作品に仕上がっている。

ジェリー・ゴールドスミスアレックス・ノースによる力強い音楽も印象に残る。

主演のチャールトン・ヘストンは、時に弱さも見せながら、激情家で人間味のある主人公のミケランジェロを、極めつけとも言える史劇の大スターらしく見事に演じ、英雄的な天才芸術家としてだけの描き方に終わっていない人物を熱演している。

ルネサンス最盛期をもたらしながら、軍事的政治力を発揮し、教会を守るために奔走する、ローマ教皇ユリウス2世を好演するレックス・ハリソンの演技も素晴らしい。
暴君のようでもあるが人情味もあり、ミケランジェロとの友情がユーモラスに描かれているところも興味深い。

ミケランジェロに愛情を抱き精神的にも支えとなる、メディチ家の一員を印象深く演ずる、当時のショーン・コネリー夫人ダイアン・シレント、その兄で、ユリウス2世の死後に即位し”レオ10世”となるジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿役のアドルフォ・チェリ、建築家ブラマンテハリー・アンドリュースラファエロトーマス・ミリアンなどが共演している。


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