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非常線 Split Second (1953)

核実験の爆心地に閉じ込められた極限の夜。
刻まれる秒読みと人間の剥き出しの狂気。
監督ディック・パウエル、主演スティーヴン・マクナリーアレクシス・スミスジャン・スターリングキース・アンデスアーサー・ハニカット他共演のフィルム・ノワール

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ディック・パウエル
製作:エドマンド・グレンジャー
原案
チェスター・アースキン
アーヴィング・ウォーレス
脚本
ウィリアム・バワーズ
アーヴィング・ウォーレス
撮影:ニコラス・ムスラカ
編集:ロバート・フォード
音楽:ロイ・ウェッブ

出演
サム・ハーレー:スティーヴン・マクナリー(犯罪者である脱獄囚)
ケイ・ガーヴェン:アレクシス・スミス(サムらの人質となる裕福な女性)
ドロシー“ドッティ”ベイル:ジャン・スターリング(ラリーと出会うダンサー)
ラリー・フレミング:キース・アンデス(人質となる新聞記者)
エイサ・トレメイン:アーサー・ハニカット(探鉱者)
バート・ムーア:ポール・ケリー(サムと脱獄する囚人)
アーサー・アシュトン:ロバート・ペイジ(ケイの恋人である保険ブローカー)
ニール・ガーヴェン医師:リチャード・イーガン(ケイの夫である医師)
ダミー:フランク・デ・コヴァ(サムの仲間)

アメリカ 映画
配給 RKO
1953年製作 85分
公開
北米:1953年5月2日
日本:1953年10月22日


ストーリー
ネバダ州。
軍による核爆発実験が予定され、地域は立ち入りが禁じられていた。
付近には鉱山の町である無人のロスト・ホープ・シティがあったが、爆発により破壊される予定で、周辺は軍により監視される。
実験を取材するはずだった新聞記者のラリー・フレミング(キース・アンデス)は、脱獄事件が発生したためにカーソンシティに向かう。
途中、ダイナーに寄ったラリーは、その場に居たダンサー、ドロシー“ドッティ”ベイル(ジャン・スターリング)がコーヒー代を払えなかったために代わりに払う。
リノに行く予定だったドロシーは、同じ方向に向かうラリーの車に同乗させてもらう。
その頃、脱獄した装甲車強盗のサム・ハーレー(スティーヴン・マクナリー)とバート・ムーア(ポール・ケリー)は、人通りの少ない場所で待っていた仲間のダミー(フランク・デ・コヴァ)と合流し、車でガソリンスタンドに向かう。
バートは、脱獄の際に腹部を撃たれていた。
ガソリンスタンドに着いたサムは、店主に銃を向けるが、抵抗されたために彼を射殺してしまう。
しばらくして、裕福な女性ケイ・ガーベン(アレクシス・スミス)と、その恋人で保険ブローカーのアーサー・アシュトン(ロバート・ペイジ)が現れ、サムは、2人に銃を向けて人質に取り、彼女の車でその場を離れる。
サムらは、ケイの夫ニール(リチャード・イーガン)がロサンゼルスの医師だということを知る。
その後、検問を避けたサムは来た道を戻り、ドライブインに立ち寄り、ニールに電話をかける。
サムは、ニールを呼び寄せてバートの治療をさせることを考え、従わなければ人質のケイを殺すと言って彼を脅す。
サムらは出発するものの、しばらくして車はガス欠になり、通りがかったラリーの車を止めたサムは、彼に銃を向ける。
皆を車に乗せたサムは、新聞記者のラリーが自分のことに気づいていることを知る。
サムは、砂漠のリゾートに行くと言って、爆破実験のことを知りながら、自らハンドルを握りロスト・ホープ・シティに向かうのだが・・・。


解説 評価 感想
“A claustrophobic, high-tension RKO noir thriller that transforms a desolate atomic test site into a sweating crucible of human depravity, where Dick Powell’s razor-sharp direction clocks every ticking second towards absolute annihilation with zero cinematic waste.”
(荒涼とした原子爆弾の実験場を、人間のどろどろとした強欲や醜さが炙り出される密閉された坩堝(るつぼ)へと変貌させた、息の詰まるような緊張感に満ちたRKOのノワール・スリラー。ディック・パウエルのカミソリのように鋭い演出は、映画的な無駄を一切排除し、完全なる破滅へと刻まれる一秒一秒を正確にカウントしている。)

ディック・パウエルにとっては、主演を務め、監督としてはクレジットされなかった「犯人を逃がすな」(1951)に続く監督作品で、主演スティーヴン・マクナリーアレクシス・スミスジャン・スターリングキース・アンデスアーサー・ハニカット他共演のフィルム・ノワール

核実験で破壊される廃墟の町に、人質をとった脱獄囚が身を隠すという奇抜なアイデア、危機や爆発が迫る過程で、様々なキャラクターの思惑や心境の変化などを繊細に描く、ディック・パウエルの演出手腕が見所の作品。

普通の爆破実験ではない状況下で、明朝に迫るタイムリミットの緊迫感がやや物足りないようにも思えるが、町や車が爆風で吹き飛ぶ特撮は迫力十分。

プライドがあり、肝が据わったように見える人質に取られる裕福な女性アレクシス・スミスが、意外にも精神的に脆く弱さを見せたり、彼女の影に隠れている雰囲気のジャン・スターリングの魅力を、終盤にかけて際立たせる演出も注目だ。

冷酷な脱獄囚を演ずるスティーヴン・マクナリーと仲間が、2組の男女を人質に取り、木製のステーションワゴン(ウッディ・ワゴン)に7人も乗って廃墟に向かう姿が、ややロードトリップ的に見えるワンショットが、妙にアメリカ的に見えて面白い。


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