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踊らん哉 Shall We Dance (1937)

女性ダンサーを追ってパリからニューヨークに向かったバレエ・ダンサーが巻き起こす騒動とロマンスを描く、フレッド・アステアジンジャー・ロジャースのコンビによるミュージカル・コメディ。
監督マーク・サンドリッチエドワード・エヴェレット・ホートンエリック・ブロアジェローム・コーワン他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:マーク・サンドリッチ

製作:パンドロ・S・バーマン
脚本
アラン・スコット

アーネスト・パガノ
撮影
デヴィッド・エイベル

ジョセフ・F・ビロック
編集:ウィリアム・ハミルトン
音楽
ジョージ・ガーシュウィン

アイラ・ガーシュウィン
ナサニエル・シルクレット

出演
ピター・P”ペトロフ”ピーターズ:フレッド・アステア

リンダ・キーン:ジンジャー・ロジャース
ジェフリー・ベアード:エドワード・エヴェレット・ホートン
セシル・フリントリッジ:エリック・ブロア
アーサー・ミラー:ジェローム・コーワン
デニース・タリントン:ケティ・ガリアン
ジム・モンゴメリー:ウィリアム・ブリスベイン
本人:ハリエット・ホクター

アメリカ 映画
配給 RKO

1937年製作 108分
公開
北米:1937年5月7日
日本:1937年10月1日
製作費 $991,000
北米興行収入 $2,168,000


アカデミー賞 ■
第10回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
パリ
ロシアンバレエのダンサー”ペトロフ”として成功しているアメリカ人ピター・P・ピーターズ(フレッド・アステア)は、会ったこともないタップ・ダンサーのリンダ・キーン(ジンジャー・ロジャース)に憧れ結婚する気でいた。

ピーターは、それをバレエ団のオーナーでもあるマネージャーのジェフリー・ベアード(エドワード・エヴェレット・ホートン)に伝える。

マネージャーのアーサー・ミラー(ジェローム・コーワン)がニューヨークから来ていることを知らされたリンダは、ダンス・パートナーに不満を抱き、ステージを降りて帰国し結婚すると言い出す。

そこに訪ねて来た”ペトロフ”を追い帰そうとしたリンダだったが、強引に部屋に入りロシア人を演じたピーターは、彼女に自分を印象付けることには成功する。
...全てを見る(結末あり)

戻ったピーターが、元恋人でダンサーのデニース・タリントン(ケティ・ガリアン)の復帰に反対しないため、ジェフリーは彼女と契約することにする。

席を外したピーターは、社交辞令で反対しなかっただけで、デニースが再びトラブルを起こすと言ってジェフリーに忠告する。

ニューヨークへ行きたいジェフリーは、デニースと契約しなければそれに応ずるとピーターに言われたため何とかすると答える。

旅立つ船に乗ろうとしていたピーターは、一緒に行けないことを残念に思うとデニースに言われる。

ジェフリーから、自分が結婚したと聞いたと言うデニースに、その通りだと口裏を合わせたピーターは、妻も同行し子供も5人いると話してしまう。

ピーターと別れたデニースは、彼の態度を不審に思いながらその場を去る。

出航のため乗船したリンダは、記者の写真撮影に応える”ペトロフ”がアメリカ人だと知る。

リンダに気づいたピーターは再びロシア人に扮し、現れたジェフリーは、ピーターの態度とリンダが乗船していることに驚く。

ピーターは、その場を去ったリンダが、全てお見通しだと気づく。

甲板でバレエのレッスンを見守るジェフリーだったが、姿を見せないピーターは、機関室の作業員と歌い踊って楽しむ。

ジェフリーは、リンダを追うため帰国する気になったことをピーターに確かめそれを追及する。

ピーターは、ジェフリーを船酔いしているように思い込ませて追い払い、愛犬の散歩をするリンダに近づくものの相手にされない。

ジェフリーは、バーでアーサーと意気投合して飲み明かし、翌朝、二日酔いで苦しむ。

リンダは、根負けしてピーターとの時を過ごし親交を深める。

その頃、船上でダンサーのペトロフと妻リンダが乗船しているという噂が流れ始め、二人はバーで祝福されたため不思議に思う。

翌朝、それはニュースとなり、結婚して数年の二人には子供がいると報道され、ジェフリーはそのことをピーターに知らせる。

それがデニースの仕業だと気づいたピーターは、話をうまくまとめるようジェフリーに指示する。

憤慨したリンダは、ピーターが、ある女から逃れるために自分を利用したとジェフリーから知らされ、下船しようとする。

リンダは、郵便輸送機に乗り込んで船を離れる。

それを知ったピーターは、女と関係を絶つために結婚していると嘘をついたことを、ジェフリーから聞いたとアーサーから言われる。

ジェフリーの元に向かったピーターは、話したことはいずれ自分のためになると言われる。

警報が鳴ったために取り乱すジェフリーを見たピーターは、訓練と知りつつ、火災だと言って彼を慌てさせて恥をかかせる。

ニューヨーク
現地でも、ピーターとリンダの結婚はスキャンダルになっていた。

ホテルに着いたリンダは、子供のおもちゃなどを用意した、フロア・マネージャーのセシル・フリントリッジ(エリック・ブロア)の余計な”心遣い”に戸惑う。

友人ジム・モンゴメリー(ウィリアム・ブリスベイン)を迎えたリンダは、ピーターとのことを聞かれ、ただのゴシップだと答える。

同じホテルに到着したピーターとジェフリーはセシルに迎えられ、リンダの隣の部屋を用意される。

慌てたジェフリーだったがピーターは喜び、二人が夫婦でないことを知ったセシルは、隣の部屋に通じているドアに鍵をする。

リンダからジムと結婚することを知らされたアーサーは、彼女らをお祝いのディナーに招待する。

その夜、ジムと踊っていたリンダは、ピーターが席についていることに気づく。

アーサーはバンドにリンダの曲を演奏させて、彼女は歌い始める。

その後リンダは、ピーターをダンスの相手に指名されてしまう。

仕方なく踊り始めたリンダだったが、ピーターにリードされた彼女は楽しく踊り終える。

世間が二人の結婚の証拠を探っている中、リンダがジムと結婚してショーを辞めては困るため、アーサーはそピーターとリンダが結婚していることをでっち上げようとする。

以前作ったリンダの人形を利用して、眠っているピーターに寄り添わせて証拠写真を撮ったアーサーは、それを新聞社に渡す。

翌朝、その写真と記事を見たリンダは、失望して恥をかかされたと言うアーサーに避難される。

アーサーに何とか対処してみると言われたリンダは、それをピーターに知らせる。

新聞を見たピーターは驚き、リンダの部屋に行って対策を考えようとする。

そこにジムが現れたために焦るリンダは、ピーターがいる寝室のドアを閉める。

ジムに記事のことを責められたリンダは、写真は自分ではないと言い張る。

そこに、ガウンを着たピーターが現れたためジムは驚き、リンダは婚約者のジムをピーターに紹介する。

ジムは、事態が鎮まるまで婚約を発表をすることを控えることをリンダに提案してその場を去る。

レポーターが大挙して現れたことをセシルから知らされたピーターとリンダは、その場から逃れて外で会う約束をする。

セントラルパーク
今後のことを考えたピーターは、結婚して直ぐに離婚するというリンダの提案に従う。

ニュージャージーに向かった二人は、婚姻届けを出す。

ジェフリーは、ホテルにデニースが現れたために焦る。

ホテルに戻ったピーターとリンダは、名残惜しい思いで別れる。

世間の噂で混乱しているセシルはリンダの部屋を訪ね、彼女とピーターが結婚していることを確認して安堵する。

リンダは、セシルからピーターの部屋に通じるドアの鍵を渡される。

ピーターは、現れたデニースに結婚したことを伝えるが信じてもらえない。

そこに、ドアの鍵を開けてリンダが入って来たため、ピーターが彼女を妻だと言ってデニースに紹介する。

ピーターとデニースに、離婚はしないと言って部屋に戻ったリンダは、荷物をまとめて旅立つ。

離婚しないと言ったリンダに驚いたピーターは、デニースが帰ったので、隣の部屋に向かって話しかけるもののリンダの応答がない。

アーサーは、リンダから辞めるという連絡を受け、ショーができないため債権者が押しかけて来ることを心配する。

そこに現れたピーターに真相を話して人形を見せたアーサーは、リンダがジムと結婚しなければ、ショーを続けてもらえると考えたことを伝える。

ジェフリーも、スキャンダルを抱えるダンサーのショーを断られたと言って慌てて現れる。

アーサーらが二人を組ませて何んとかショーを組むことになり、ピーターとリンダは別居したのではないかという報道もされる。

リハーサルを続けるピーターは、リンダがいないために今一気が乗らないが、彼女の人形とダンサー達にリンダのマスクを被せることを考える。

そこに、ピーターに離婚召喚状が届き、それを持ってきた男をセシルが突き飛ばして逮捕されてしまう。

ピーターのダンス・ショー”Shall We Dance”は開演し、ハリエット・ホクターがステージに登場する。

続いてピーターとハリエット・ホクターの共演となり、彼女がステージを去った後、リンダの仮面を被ったコーラスが登場する。

その場にジムと弁護士を伴ったリンダが現れ、自分の仮面を被ったダンサーを見て、ピーターが自分を想っていることを知る。

再びハリエット・ホクターが登場し、リンダは楽屋に向かう気になる。

仮面のコーラスと共に”Shall We Dance”を歌い踊るピーターは、仮面を被ったリンダがいることに気づく。

ピーターとリンダは軽やかなステップで人々を魅了し、愛を確かめ合う。


解説 評価 感想 ■

*フレッド・アステア/ジンジャー・ロジャース 共演作
・「空中レヴュー時代」(1933):RKO
・「コンチネンタル」(1934):RKO
・「ロバータ」(1935):RKO
・「トップ・ハット」(1935):RKO
・「艦隊を追って」(1936):RKO
・「有頂天時代」(1936):RKO
・「踊らん哉」(1937):RKO
・「気儘時代」(1938):RKO
・「カッスル夫妻」(1939):RKO
・「ブロードウェイのバークレー夫妻」(1949):MGM

*(簡略ストー リー)
パリ
ロシアンバレエのダンサー”ペトロフ”として成功しているアメリカ人ピター・P・ピーターズは、会ったこともないタップ・ダンサーのリンダ・キーンに憧れ結婚することまで考える。
リンダに近づいたピーターは、ニューヨークに帰国して結婚する気の彼女を追うため、マネージャーのジェフリーや団員と共に客船に乗船する。
ところが、ピーターの元恋人でダンサーのデニースが、彼が既に結婚していて、夫人同伴で帰国するという情報を流してしまう。
その噂が船内で広がったため、ピーターとリンダは夫婦であり、子供までいると言われ騒動となる・・・。
__________

RKOの名コンビ、フレッド・アステアジンジャー・ロジャースの7作目の共演作。
(10作で共演)

物語の内容やマーク・サンドリッチの演出も平凡ではあるが、主人公の二人を取り巻く個性派スターの共演や、ジョージ・ガーシュウィンアイラ・ガーシュウィン兄弟の名曲が散りばめられた各ナンバーなど、ミュージカル・ファンにはたまらない作品。
二人の曲”They Can’t Take That Away from Me”は、第10回アカデミー賞で歌曲賞にノミネートされた。

客船内やニューヨークのホテルの豪華なセットや雰囲気など、不況時ではあるものの、当時のアメリカの国力を見せつけるような映像も注目だ。

天真爛漫で常に前向き、笑顔を見ているだけで幸せになれるフレッド・アステアと、美しさも際立つジンジャー・ロジャースの華麗なダンスは、大恐慌で疲弊しきった人々の励ましになったことが想像できる。

苦しい時代にあえてこのような作品を作る、いや作れるアメリカの底力が感じられるような作品でもある。

主人公二人のパフォーマンスは言うまでもなく、クライマックスで登場するハリエット・ホクターの優雅なダンスは圧巻だ。

少々間の抜けた主人公のマネージャーを愉快に演ずるエドワード・エヴェレット・ホートン、同じくホテルのフロア・マネージャー役で笑わせてくれるエリック・ブロア、ヒロインのマネージャーのジェローム・コーワン、主人公の元恋人でダンサーのケティ・ガリアン、ヒロインの婚約者ウィリアム・ブリスベインなどが共演している。


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