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ロバータ Roberta (1935)

パリの有名洋装店”ロバータ”を舞台にデザイナーとアメリカ人青年の恋を描く、監督ウィリアム・A・サイター、主演アイリーン・ダンフレッド・アステアジンジャー・ロジャースランドルフ・スコット他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ルシル・ボール / Lucille Ball / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・A・サイター
製作:パンドロ・S・バーマン
原作
アリス・デュアー・ミラー”Gowns by Roberta”
ジェローム・カーン
オットー・ハーバッハ
脚本
ジェーン・マーフィン
サム・ミンツ
アラン・スコット
撮影:エドワード・クロンジャガー
編集:ウィリアム・ハミルトン
音楽
ジェローム・カーン
マックス・スタイナー

出演
ステファニー:アイリーン・ダン
ハック・ヘインズ:フレッド・アステア
シャーヴェンカ伯爵夫人/リジー・ガッツ:ジンジャー・ロジャース
ジョン・ケント:ランドルフ・スコット
ロバータ/ミニー:ヘレン・ウェストリー
ソフィー・ティール:クレア・ドッド
ラディスラフ:ヴィクター・ヴァルコニ
アレクサンダー・ペトロヴィッチ・モスコヴィッチ・ボイダ:ルイス・アルバーニ
ヘンリー・デルベス卿:フェルディナンド・ミュニエ
アルベール:トーベン・マイヤー
ファッションモデル:ルシル・ボール

アメリカ 映画
配給 RKO
1935年製作 106分
公開
北米:1935年3月8日
日本:1935年8月
製作費 $610,000
北米興行収入 $1,467,000
世界 $2,335,000


アカデミー賞
第8回アカデミー賞

・ノミネート
歌曲賞Lovely to Look at””


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フランスル・アーヴル
ハック・ヘインズ(フレッド・アステア)ダンスバンド”ワバッシュ・インディアニアンズ”は、ハックの友人でハーバード大学のフットボールのスター選手だったジョン・ケント(ランドルフ・スコット)と共に船で到着する。

本物の”インディアン”(先住民)と契約したカフェのオーナーでロシア人のアレクサンダー・ペトロヴィッチ・モスコヴィッチ・ボイダ(ルイス・アルバーニ)は、ハンクらがインディアナ州から来たバンドだったために憤慨する。

去ろうとするボイダを引き止めたジョンは、その場でハックらの芸を見せるものの納得してもらえなかった。

パリに向かったハックらは、ジョンの伯母で有名な洋装店”ロバータ”を経営するミニー(ヘレン・ウェストリー)に会いに行く。

ロバータに着いたジョンは、ドアマンのラディスラフ(ヴィクター・ヴァルコニ)に迎えられ、エレベーターに乗るものの途中で止まってしまい、叫び声をあげる。

現れたステファニー(アイリーン・ダン)の手を借りてエレベーターを動かしてもらったジョンは、彼女に感謝する。
...全てを見る(結末あり)

ステファニーに惹かれたジョンは、ミニーの元に案内される。

ミニーに歓迎されたジョンは、その場にいたヘンリー・デルベス卿(フェルディナンド・ミュニエ)を紹介され、ステファニーがアシスタントであることを知る。

旅立つヘンリー卿はその場を去り、ジョンは、恋人ソフィー・ティール(クレア・ドッド)が、洗練されていない自分を田舎者扱いしていることをミニーに話す。

ステファニーは、クレーマーのシャーヴェンカ伯爵夫人(ジンジャー・ロジャース)が来ていることをミニーに伝える。

相手にする必要はないとステファニーに伝えたミニーは、ジョンからシャーヴェンカのことを訊かれ、落ちぶれた伯爵夫人で今はカフェで歌っていると答える。

シャーヴェンカがヒステリーを起こしているために、ジョンはステファニーを助ける。

ジョンが気に入ったシャーヴェンカは、彼がステファニーに惹かれていることに気づく。

ジョンから聞いたバンドに協力してもらおうとしたミニーは、彼がロンドンの公演に向かうことをシャーヴェンカに話す。

シャーヴェンカにバンドの演奏を聴いてもらおうとしたジョンは、待っていたハックらに演奏させる。

仲間たちと芸を披露したハックは、シャーヴェンカの姿を見て驚く。

シャーヴェンカも驚き、ミニーからハックを紹介された彼女は、戸惑いながら挨拶する。

シャーヴェンカと2人だけで話したハックは、実はショーで組んでいた元恋人のリジー・ガッツから、生きるために仕方なく伯爵夫人に扮していると言われ、正体をバラさなければ仕事を紹介することを約束してもらう。

医師の指示で昼寝をしようとするミニーは、聴こえてきたギターを弾くのはラディスラフで、彼はロシアの王子だとジョンに話す。

ミニーは、ラディスラフのギターとステファニーの歌を聴きながら眠る。

カフェ・ルース。
リジーに仕事を紹介してもらったハックは、かつて組んでいた頃のことを思い出し彼女と踊る。

カフェのオーナーだったボイダは、リジーから紹介されたバンドがハックらだと知り、憤慨して雇おうとしない。

しかしボイダは、リジーも辞めると言われたたために、仕方なくハックらを雇うことにする。

旅から戻ったヘンリー卿と話したミニーは、楽しい時間を過ごす。

パリが気に入ったハックとジョンは、必死にフランス語を習う。

その後、体調を崩したミニーは亡くなり、ジョンが後継者となる。

客船でヨーロッパに向かうソフィーは、ジョンがドレスメーカーになったことを新聞の記事で知る。

亡きミニーを想い悲しむステファニーは、ロバータを辞める決心をする。

財産を継いだジョンは、ステファニーに事業を任せて帰国しようとする。

ハックとリジーと話しアイデアが浮かんだジョンは、ステファニーにある提案をしようとする。

ラディスラフから、ミニーがステファニーに遺書を遺したはずだと言われたジョンは、それを隠していると疑う彼と口論になる。

ステファニーに制止されたジョンは、彼女に事業を譲ろうとするものの拒まれる。

去ろうとするステファニーを引き留めたジョンは、自分にはこの事業は無理だと言って、協力し合いパートナーになることで彼女と合意し、ハックとリジーにそれを知らせる。

背中の露出度が多いドレスが下品だと言って気に入らないジョンは、ステファニーがアシスタントのアルベール(トーベン・マイヤー)に直させようとするのを制止し、それをボツにする。

訪ねて来たソフィーを歓迎したジョンは、喧嘩別れしたものの、互いに愛していることを確認してキスする。

そこにステファニーが現れ、ジョンは戸惑う彼女にソフィーを紹介する。

ソフィーから水曜日は空けておくようにと言われたジョンは、彼女が去った後で、ステファニーとその日にデートの約束をしていたことを思い出す。

ジョンのためにドレスを選ぶソフィーと再会したハックは、彼女をからかおうとして、ボツになったドレスを見せることをステファニーに提案する。

ステファニーはそれを拒むものの、ソフィーが興味を持ったために仕方なくドレスを見せる。

ソフィーはそのドレスが気に入り、ステファニーはそれを彼女に売る。

カフェ・ルース。
そのドレスを着たソフィーは、ジョンが気に入るか分からないと言うハックと100フラン賭ける。

ソフィーがボツにしたドレスを着ていることを知ったジョンは不機嫌になり、ハックは200フラン持って席を外す。

ステファニーがドレスを売ったことを知ったジョンは、返品するようソフィーに指示する。

2人は口論になり、ステファニーに嫉妬するソフィーはその場を去り、ジョンはバーでブランデーを注文する。

ハックのバンドとリジーのショーは始まり、酔ったジョンは飲み続ける。

そこに、ステファニーを伴ったラディスラフが現れ、ボイダは2人をVIP待遇で歓迎する。

ステファニーは、カフェの楽団の演奏に合わせて”Smoke Gets in Your Eyes/煙が目にしみる”を歌う。

そこに酔ったジョンが現れ、ステファニーにボツにしたドレスを売った理由を尋ねる。

悪気はなかったと言うステファニーは、ジョンに非難されたために、ソフィーが相手として相応しいので、このまま仕事を続けるようにと伝えて彼を追い払う。

再び歌い始めたステファニーは、悲しくなり泣き崩れてしまう。

ステファニーは姿を消し、ジョンに仕事を任されたハックは困ってしまう。

戻ったステファニーは、様子がおかしいジョンが、新聞報道で評判を落としたことが気になるとハックに伝える。

ハックから戻ってほしいと言われたステファニーだったが、それを拒む。

ジョンは自分のことを愛していると言われたステファニーは、ハックのひどいデザインを見て呆れてしまい、ロバータのファッションショーのために戻ることにする。

その後、ハックのバンドも参加してロバータのファッションショーは始まり、ジョンも姿を現す。

豪華なドレスを着て登場したステファニーは、歌いながら笑顔のジョンに気づく。

ステファニーがラディスラフと共にパリを去ることを知ったジョンは、2人が結婚すると考える。

何人ものモデルの後に、リジーが登場してハックと踊る。

踊り終えたハックとリジーは、結婚することを決める。

ラディスラフと旅立つステファニーは、ジョンがエレベーターに閉じ込められていることに気づき、その場から出られた彼から、結婚を祝福される。

王子と結婚して王女になると言われたステファニーは、自分は最初から王女であり、ラディスラフは従兄だとジョンに伝えて、その場を去ろうとする。

ステファニーに愛を伝えたジョンは、彼女も同じ気持ちだと知りキスする。

ハックとリジーはタップダンスを踊り、ショーは終わる。


解説 評価 感想

*フレッド・アステア/ジンジャー・ロジャース 共演作
・「空中レヴュー時代」(1933):RKO
・「コンチネンタル」(1934):RKO
・「ロバータ」(1935):RKO
・「トップ・ハット」(1935):RKO
・「艦隊を追って」(1936):RKO
・「有頂天時代」(1936):RKO
・「踊らん哉」(1937):RKO
・「気儘時代」(1938):RKO
・「カッスル夫妻」(1939):RKO
・「ブロードウェイのバークレー夫妻」(1949年):MGM

*(簡略ストーリー)
パリ
アメリカのダンスバンド”ワバッシュ・インディアニアンズ”のリーダー、ハックは、契約するはずのカフェに雇ってもらえなかった。
ハックは同行した友人のジョンから、有名な洋装店”ロバータ”を経営する伯母ミニーを紹介してもらうことになる。
ロバータに着いたジョンは、ミニーのアシスタントである美しいステファニーに惹かれてしまう。
ジョンはミニーに歓迎され、ハックは、クレーマーのシャーヴェンカ伯爵夫人が、ショーで組んでいた元恋人のリジーだと気づき驚く。
ハックは、正体をバラさないことを条件にリジーに仕事を紹介してまらう。
その後、体調を崩したミニーは亡くなり、ジョンが後継者となるのだが・・・。
__________

1933年に発表された、アリス・デュアー・ミラーの小説”Gowns by Roberta”を基に製作された、ジェローム・カーンオットー・ハーバッハによるミュージカルの映画化。

スタントや端役をこなし監督に転身し、サイレント時代から活躍していたウィリアム・A・サイターの監督作品。

パリのファッション業界を描いた内容であり、数々の衣裳が登場し、ファッションショーと歌とダンスの融合など、華やかな映像が印象的だ。

バンドリーダーを愉快に演ずるフレッド・アステアと、彼とショーで組んでいた元恋人のジンジャー・ロジャースにとっては、RKOでの3作目の共演作で、前作の「コンチネンタル」(1934)では主演だった2人は、本作では脇役を演じている。

主演はアイリーン・ダンであり、上品で美しいファッション・デザイナーを好演し、オペラ歌手を目指した才能を活かして、名曲”Smoke Gets in Your Eyes/煙が目にしみる”他、見事な歌声も披露してくれる。

アイリーン・ダンと紆余曲折の末に結ばれるアメリカ人青年を演ずるランドルフ・スコットが準主役であり、パリのファッション業界で働くという役柄が注目で、2人の恋愛が物語の中心として描かれている。

第8回アカデミー賞では、ジェローム・カーン作曲、ドロシーフィールズジミー・マクヒュー作詞による”Lovely to Look at”が歌曲賞にノミネートされた。

また、ルシル・ボールが、ファッションモデルとしてブロンドで登場しているのでお見逃しなく。

パリの有名洋装店”ロバータ”のオーナー役ヘレン・ウェストリー、ジョンのわがままな恋人クレア・ドッド、ロバータのドアマンで、ヒロインの従兄だったロシアの王子ヴィクター・ヴァルコニ、ロシア人のカフェのオーナー役ルイス・アルバーニ、ミニー(ヘレン・ウェストリー)の友人フェルディナンド・ミュニエ、ヒロインのアシスタント役トーベン・マイヤーなどが共演している。


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