サイトアイコン That's Movie Talk!

空中レヴュー時代 Flying Down to Rio (1933)

ブラジル人の富豪令嬢と婚約者そしてバンドリーダーの三角関係と恋の行方を描く、製作総指揮メリアン・C・クーパー、監督ソーントン・フリーランド、主演ドロレス・デル・リオジーン・レイモンドラウル・ルーリエンジンジャー・ロジャースフレッド・アステア他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト
監督:ソーントン・フリーランド
製作総指揮:メリアン・C・クーパー
原作:ルー・ブロック
原案:アン・コールドウェル
脚本
シリル・ヒューム
H・W・ハネマン
アーウィン・S・ゲルシー
撮影:J・ロイ・ハント
編集:ジャック・キッチン
音楽
ヴィンセント・ユーマンス
マックス・スタイナー
作詞
エドワード・エリシュー
ガス・カーン

出演
ベリーニャ・デ・レゼンデ:ドロレス・デル・リオ
ロジャー・ボンド:ジーン・レイモンド
フリオ・リベイロ:ラウル・ルーリエン
ハニー・ヘイルズ:ジンジャー・ロジャース
フレッド・エアーズ:フレッド・アステア
ドナ・エレナ・デ・レゼンデ:ブランシュ・フリデリチ
カルロス・デ・レゼンデ:ウォルター・ウォーカー
歌手:エタ・モートン
ギリシャのギャンブル組織のメンバー:ロイ・ダルシー
ギリシャのギャンブル組織のメンバー:モーリス・ブラック
ギリシャのギャンブル組織のメンバー:アルマンド・カリス
市長:ポール・ポルカシ
アルフレド・ヴィアナ(銀行家):レジナルド・バーロウ
ホテル副支配人バターバス:エリック・ブロア
ホテル支配人ハマースタイン:フランクリン・パングボーン

アメリカ 映画
配給 RKO
1933年製作 89分
公開
北米:1933年12月29日
日本:1934年5月24日
製作費 $462,000
北米興行収入 $923,000
世界 $1,545,000


アカデミー賞
第7回アカデミー賞

・ノミネート
歌曲賞”Carioca


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
マイアミ
スイスから派遣されたホテルの支配人ハマースタイン(フランクリン・パングボーン)は、副支配人のバターバス(エリック・ブロア)と共にスタッフの服装チェックなどをする。

ハマースタインは、バンドリーダーである作曲家ロジャー・ボンド(ジーン・レイモンド)やボーカルのハニー・ヘイルズ(ジンジャー・ロジャース)らに、客と親しくなることを禁ずる。

ロジャーとアシスタントでアコーディオン奏者のフレッド・エアーズ(フレッド・アステア)は、ピアノを積んだ飛行機で到着してホテルに向かう。

ラジオ放送が始まる直前に間に合ったロジャーとフレッドは、バンドと共に演奏を始めてハニーが歌う。

ハマースタインから警告されたことをフレッドから知らされたロジャーだったが、客席にいたブラジル人の美女ベリーニャ・デ・レゼンデ(ドロレス・デル・リオ)に惹かれてしまう。
...全てを見る(結末あり)

頭痛がするベリーニャの伯母ドナ・エレナ(ブランシュ・フリデリチ)は、休むために部屋に向かう。

ベリーニャもロジャーが気になり、同席していた友人たちから、彼の父は株で儲けた富豪で、飛行機と音楽を諦めれば、後継者になれるらしいという話を聞く。

ベリーニャは、ロジャーを見つめながらメモを渡すようバターバスに指示し、彼を誘う。

メモを受け取ったロジャーは喜び、女性問題では彼が何度も痛い目に遭っているため、フレッドは心配する。

指揮を代わったフレッドは、ハマースタインが現れたために、ベリーニャと踊るロジャーにそれを知らせようとする。

2人に気づいたハマースタインは、ベリーニャがバンドリーダーと踊っていることをドナに伝えるようバターバスに指示する。

それをスタッフが何人かで聞き伝え、ドナは、ベリーニャが危険な男と踊っていることを知りクラブに戻り、由緒ある身の彼女の姿を見て嘆かわしく思う。

ベリーニャからドナを紹介されたロジャーは、彼女から金を渡され、その金で花を買いベリーニャに渡す。

それを受け取ったベリーニャは、自分の国では雑草と同じ花だと言ってハマースタインに渡し、侮辱されたロジャーはフレッドらにからかわれる。

しかし、ロジャーに知られないように戻ったベリーニャは、ハマースタインが手にする花を持って部屋に向かう。

その後、その県が問題になりバンドは解雇されるが、リオデジャネイロの”ホテル・アトランティコ”で、ロジャーが仕事を見つけたことをフレッドが仲間に話す。

ロジャーは親友のフリオ・リベイロ(ラウル・ルーリエン)に、ベリーニャは、ホテル・アトランティコのオーナーである病気の父カルロス(ウォルター・ウォーカー)に電報を打つ。

実はフリオは、ベリーニャの婚約者だった。

その場でロジャーと出くわしたベリーニャは、昨晩のことで迷惑をかけたことを謝罪する。

ベリーニャがリオデジャネイロに向かうことを知ったロジャーは、友人の自家用機で南に向かうことを伝える。

飛行機が遅れているベリーニャは、それに乗せてもらえることになる。

ロジャーは、同乗するはずのフレッドを仲間たちと向かわせて、飛行場でベリーニャを待つ。

飛行を心配するドナとベリーニャに正体がバレないようにして、パイロットに扮したロジャーは飛び立つ。

しばらくしてベリーニャは、パイロットがロジャーだと知り驚く。

その後、エンジン不調で危険を感じたロジャーは、ある島に着陸する。

修理を始めたロジャーは、もう一人の自分から、直さずにベリーニャと楽しめと言われ、その気になる。

ベリーニャも別の自分から、ロジャーがこの無人島に引き止める気だと言われ、それを期待しているような女に思われてくないと考える。

ロジャーは、月明かりの下でピアノを弾き始め、ベリーニャは彼と愛を語る自分を想像する。

それが現実になりロジャーとキスしてしまったベリーニャは戸惑い、婚約者がいることを彼に伝える。

しかしロジャーは、古いしきたりにこだわるベリーニャの話を気にしなかった。

翌朝、ロジャーに起こされたベリーニャは、原住民を目撃して驚く。

ロジャーにそれを知らせたベリーニャは、彼がゴルフボールに当たって倒れたために不思議に思い、プレーをしていた男性と話し、島がハイチだったことを知る。

付近の飛行場からリオデジャネイロ行きの便が飛び立つことを知ったベリーニャは、飛行機を修理しなかったことは知っいるとロジャーに伝えてその場を去る。

リオデジャネイロ
フリオに会ったロジャーは、惹かれた女性(ベリーニャ)について話す。

女性がマイアミで伯母とホテルに滞在していたというロジャーの話を聞いたフリオは、それがベリーニャだと気づく。

ロジャーから、間抜けな婚約者がいる彼女を捜してほしいと言われたフリオは、彼に真実を話さなかった。

フリオからの電話を受けたベリーニャは、今晩、会いたいと言われるものの、ドナに止められたことにしてそれを断る。

ドナにロジャーとの関係を心配されたベリーニャは、フリオを傷つけないようにして、結婚する前に少し楽しみたいと彼女に伝える。

その夜フレッドは、仲間たちと共にカジノ”カリオカ”に向かい、バンドの演奏が始まり、ダンスをしたくなりハニーと踊る。

その頃、ギリシャ人であるモンテカルロのギャンブル組織のメンバーの3人(レジナルド・バーロウ/エリック・ブロアアルマンド・カリス)が、カルロスが所有するホテル・アトランティコを乗っ取ろうとしていた。

3人と話した銀行家のアルフレド・ヴィアナ(レジナルド・バーロウ)は、ギャンブルの許可を取るのは困難だと伝えるものの、彼らはそうは考えなかった。

ベリーニャを捜しに行ったロジャーと別れたフレッドは、ドナとカフェにいた彼女に気づき話しかける。

無礼なフレッドに憤慨したドナは、ウエイターを呼んで彼を追い払う。

その夜、飛行家クラブに向かったフレッドは、フリオから声をかけられ、その場にいたベリーニャとドナを紹介されて戸惑い立ち去る。

ショーが始まり、ロジャーの曲を聴き動揺して席を外したベリーニャと話したフリオは、彼女から、すぐに結婚して欲しいと言われて抱きしめる。

そこに現れたロジャーは、ベリーニャがいたために驚き、フリオから彼女が婚約者だと知らされる。

ロジャーは戸惑い、ベリーニャは、現れたフレッドを相手にタンゴを踊る。

その後、アルフレドは組織の3人組と手を組み、デ・レゼンデからホテルを乗っ取ろうとする。

翌日からロジャーとフレッドらは、ホテル・アトランティコのオープンに備えてリハーサルを始めるが、警察から興行ライセンスがないと言われ退去するよう指示される。

そこに現れたベリーニャとカルロスと話をしたロジャーとフレッドは、旅行中の市長(ポール・ポルカシ)の承認がなければショーは行えないことを知らされる。

ロジャーは飛行機を使った派手なデモンストレーションを考え、フリオの協力を得てダンサーを集め、ハニーをリーダーにして彼女らを飛行機の翼に固定しようとする。

カルロスから励ましのメモと像を受け取ったロジャーは、ベリーニャとフリオの結婚に協力してほしいという内容に戸惑いながら、彼女のことを諦める。

ホテルのオープンは迫り、フレッドは楽器を隠した仲間たちを中に入れる。

フリオは、パラシュートをつけてパレードのヒーローになり、ベリーニャと結婚しろというロジャーからのメモを受け取る。

ハニーから駆け落ちを勧められたフリオは違法だと伝えるが、飛行機の機長は結婚の権限を持つと言われ、ベリーニャを搭乗させれば解決すると助言される。

飛行機は飛び立ち編隊を組み、ホテル・アトランティコのために上空に文字を書き、”ヤンキー・クリッパーズ”の出演を知らせる。

招待されていたアルフレドは、ホテル側の動きを警戒する。

飛び立たずに指揮をフリオに任せたロジャーは、ベリーニャと話し、この地を去ることを伝える。

家のしきたりに従うのが最善だと言うベリーニャは、ロジャーの気持ちを理解して別れる。

フリオは、抱き合いキスするロジャーとベリーニャの姿を双眼鏡で確認する。

飛行機が近づいたために、フレッドは仲間たちに演奏を始めさせて歌う。

客たちは喜び、フレッドの合図を確認したハニーは、翼上のダンサーたちに演技を始めさせる。

そこに市長が到着し、カルロスと共にショーが大成功してことに満足する。

組織の3人組は追い払われる。

ビーチに着陸したフリオは、ハニーを置き去りにしてホテルに向かい、ベリーニャを連れて水上飛行機に向かう。

それにベリーニャと乗り込んだフリオは、ロジャーの席に彼女を座らせ、機長に結婚式を執り行ってもらおうとする。

ロジャーとベリーニャを結婚させるつもりのフリオは、機体から飛び降りてパラシュートで降下する。

それを双眼鏡で見つめていたハニーから、フリオのことを知らされたフレッドは、ベリーニャに追い払われたのだろうと彼女に伝える。


解説 評価 感想

*フレッド・アステア/ジンジャー・ロジャース 共演作
・「空中レヴュー時代」(1933):RKO
・「コンチネンタル」(1934):RKO
・「ロバータ」(1935):RKO
・「トップ・ハット」(1935):RKO
・「艦隊を追って」(1936):RKO
・「有頂天時代」(1936):RKO
・「踊らん哉」(1937):RKO
・「気儘時代」(1938):RKO
・「カッスル夫妻」(1939):RKO
・「ブロードウェイのバークレー夫妻」(1949年):MGM

*(簡略ストーリー)
マイアミ
ブラジル人の富豪令嬢ベリーニャ・デ・レゼンデに惹かれたバンドリーダーのロジャーは、客と親しくなることをホテルに禁じらていたため、契約を切られる。
親友フリオの協力でリオデジャネイロの仕事を見つけてもらったロジャーは、ベリーニャもその場に行くことを知り、彼女を自家用機に乗せて飛び立つ。
エンジン不調である島に不時着したロジャーは、ベリーニャと惹かれ合うようになるものの、彼女に婚約者がいることを知る。
ロジャーは、フリオがベリーニャの婚約者と知らずにリオデジャネイロに向かうのだが・・・。
__________

本作後にイギリスに向かうソーントン・フリーランドの監督作品で、製作総指揮はメリアン・C・クーパーが担当している。

ブラジル人の富豪令嬢と婚約者、そしてバンドリーダーの三角関係と恋の行方を描くミュージカル。

主演ではないが、同年に映画デビューしたフレッド・アステアと、彼より12歳下ではあるが若干キャリアは長いジンジャー・ロジャースにとっては、RKOで9作共演した初コンビ作品である。

上記のように映画デビュー直後と言うこともあり、若さを前面に出し(と言っても30歳前半)溌溂とした演技を見せてくれる、バンドリーダーのアシスタントでアコーディオン奏者役のフレッド・アステアと、20代前半ということもありコケティッシュな魅力でバンドのボーカルを印象的に演ずるジンジャー・ロジャースの見事なパフォーマンスは十分に楽しめる。

友人同士が1人の女性を愛する複雑な恋愛関係と、バンドが巻き起こす騒動などがユーモラスに描かれている。

第7回アカデミー賞にノミネートされた”Carioca”他、楽曲の数々、そして豪華なレビューも楽しめる。

また、クライマックスで、複数の複葉機を使用した空中ショーなど、見どころ満載の娯楽作に仕上がっている。

妖艶な魅力で美しい富豪令嬢を演ずるドロレス・デル・リオ、彼女に惹かれるバンドリーダーである作曲家のジーン・レイモンド、彼の親友であるヒロインの婚約者ラウル・ルーリエン、ヒロインの伯母ブランシュ・フリデリチ、ヒロインの父親ウォルター・ウォーカー、歌手のエタ・モートンギリシャのギャンブル組織のメンバーの3人ロイ・ダルシーモーリス・ブラックアルマンド・カリスリオデジャネイロの市長ポール・ポルカシ、銀行家のレジナルド・バーロウマイアミのホテル副支配人エリック・ブロア、支配人のフランクリン・パングボーンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了