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仕組まれた罠 Human Desire (1954)

線路の轟音に狂う殺意の歯車!
巨匠フリッツ・ラングが描く魔性の愛欲ノワール!
主演グレン・フォードグロリア・グレアムブロデリック・クロフォードエドガー・ブキャナン他共演のフィルム・ノワール

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:フリッツ・ラング
製作:ルイス・J・ラックミル
原作:エミール・ゾラLa Bete humaine
脚本:アルフレッド・ヘイズ
撮影:バーネット・ガフィ
編集:アーロン・ステル
音楽:ダニエル・アンフィシアトロフ

出演
ジェフ・ウォーレン:グレン・フォード(鉄道会社に職場復帰する退役軍人)
ヴィッキー・バックリー:グロリア・グレアム(ジェフと惹かれ合う仲になる人妻)
カール・バックリー:ブロデリック・クロフォード(鉄道会社を解雇されるヴィッキーの夫)
アレック・シモンズ:エドガー・ブキャナン(ジェフの友人である同僚)
エレン・シモンズ:キャスリーン・ケース(ジェフに惹かれるアレックの娘)
ジーン:ペギー・マリー(ヴィッキーの友人)
ヴェラ・シモンズ:ダイアン・デレール(アレックの妻)
ジョン・オーウェンズ:グランドン・ローズ(カールに殺される鉄道会社の顧客)

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1954年製作 91分
公開
北米:1954年8月6日
日本:未公開


ストーリー
シカゴ
朝鮮戦争の復員兵ジェフ・ウォーレン(グレン・フォード)は、3年ぶりに故郷に戻り、セントラル・ナショナル鉄道の機関士としての職務に復帰する。
ジェフは、友人である同僚のアレック・シモンズ(エドガー・ブキャナン)と共に働き、戦前は彼の家に下宿していた。
ジェフは、自分がいない間に操車場補佐になったカール・バックリー(ブロデリック・クロフォード)と再会する。
再びアレックの家に下宿することにしたジェフは、アレックの妻ヴェラ(ダイアン・デレール)と娘のエレン(キャスリーン・ケース)との再会を喜ぶ。
美しく成長したエレンは、ジェフに惹かれていた。
事務所で責任者と口論になったカールは解雇されてしまい、妻ヴィッキー(グロリア・グレアム)に、運送業界の大物で顧客だったジョン・オーウェンズ(グランドン・ローズ)に口添えを頼もうとする。
カールは、オーウェンズの影響力で仕事に復帰できると考えた。
ヴィッキーは、母親がオーウェンズの屋敷の家政婦をしていたのだが、カールへの愛情は失せていたために気乗りしなかった。
仕方なくそれに同意したヴィッキーは、オーウェンズに電話をして会うことになり、カールと共に列車で町を離れる。
現地に着き、ヴィッキーがオーウェンズに合っている間、カールは、彼女の友人ジーン(ペギー・マリー)のアパートで待機していた。
帰りが遅かったヴィッキーがようやく戻り、仕事に復帰できることを知ったカールは喜ぶ。
しかし、5時間もかかった理由をヴィッキーに尋ねて、オーウェンズと出かけたと言う彼女を疑い、何があったかを追及する。
カールに殴られたヴィッキーは恐怖に駆られ、オーウェンズと関係を持ったことを認めてしまう。
カールは、シカゴに向かうオーウェンズ宛のメッセージをヴィッキーに書かせ、その夜、客室で会う約束をさせて、同じ列車に乗り込む。
仕事を終えたジェフも、その列車でシカゴに戻ろうとする。
カールは、ヴィッキーを連れてオーウェンズの部屋に押し入り、ナイフで彼を殺害する。
強盗に見せかけるためにカールは、オーウェンズの財布と懐中時計、そして、ヴィッキーが書いたメッセージを持ち去る。
車両内でジェフを見かけたカールは、オーウェンズの部屋に戻り身を隠し、ヴィッキーに、ジェフの注意をそらすよう指示する。
それに従ったヴィッキーはジェフの元に向かい、彼に話しかけてラウンジに誘う。
その間にカールは、オーウェンズの客室を出て自分の部屋に戻る。
ヴィッキーは、ラウンジへの途中の空いてる客室に誘ったジェフにその場でキスされ、何も言わずに立ち去る。
夜明けに到着し列車を降りたカールは、ジェフと出くわし、妻のヴィッキーを紹介して自宅に向かう。
その後カールは、血の付いたコートなどを焼却するが、ヴィッキーが書いた、オーウェンズの部屋に行くという内容のメモは残し、彼女を自分に従わせようとするのだが・・・。


解説 評価 感想
“A masterfully stark and relentless film noir overhaul of Emile Zola’s classic framework, where Fritz Lang brilliantly weaves the cold, mechanical infrastructure of American railroads into a gripping psychological trap, driven by Glenn Ford’s slow-burn vulnerability and Gloria Grahame’s shockingly sharp, venomous fatale torque.”
(エミール・ゾラの古典的な骨組みを、見事なまでに荒涼と、そして容赦なくフィルム・ノワールへとオーバーホールしてみせた傑作。フリッツ・ラング監督がアメリカの鉄道という冷徹で機械的なインフラを、グレン・フォードのじわじわと崩れていく脆弱さと、グロリア・グレアムの衝撃的なまでにシャープで毒に満ちた運命の女(ファタール)のトルクによって、観客を惹きつける心理的な罠へと見事に織り上げている。)

1890年に発表された、エミール・ゾラの小説”La Bete humaine”を基に製作された作品。

マン・ハント」(1941)、「死刑執行人もまた死す」(1943)などのフリッツ・ラングが監督し、主演はグレン・フォードグロリア・グレアムブロデリック・クロフォードエドガー・ブキャナン他共演のフィルム・ノワール

本作以前に、イルカ・グリューニング主演の”Die Bestie im Menschen”(1920)とジャン・ルノワールの「獣人」 (1938)で2度映画化されている。

当時のハリウッドを代表し支えたスターの共演、鉄道現場の施設や移動する車両内で、暗闇などを巧みに使い緊迫感を煽る、フリッツ・ラングの職人芸が見どころの作品。

ブロデリック・クロフォードが、妻グロリア・グレアムの浮気を疑い、列車の客室に押し入り、殺害するために相手に襲いかかった瞬間、その犯行を見せずに、突然、高速で激しく走行する、暗闇を駆け抜ける左右で交差する車両の映像に数秒変わり、そして犯行後の客室に戻る、そのカット割と演出などは秀逸だ。

重量級のブロデリック・クロフォードを排除するために、故郷に戻り復職できたことで幸福感を感じる男前のグレン・フォードを利用した事実が分かる、魔性の女を演ずる実力派グロリア・グレアムの魅力が際立つ。

主人公の友人であり同僚のエドガー・ブキャナン、その娘キャスリーン・ケースなどが共演している。


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