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非情の罠 Killer’s Kiss (1955)

若きスタンリー・キューブリック(製作、監督、原案、撮影、編集)が一人でビルドした衝撃の緊迫ノワール!
主演フランク・シルヴェラジェイミー・スミスアイリーン・ケイン他共演のフィルム・ノワール。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:スタンリー・キューブリック
製作
モリス・ブーゼル
スタンリー・キューブリック
原案:スタンリー・キューブリック
脚本:ハワード・O・サックラー(クレジットなし)
撮影:スタンリー・キューブリック
編集:スタンリー・キューブリック
音楽:ジェラルド・フリード

出演
ヴィンセント・ラパロ:フランク・シルヴェラ(ダンスホールのオーナーであるギャング)
デイヴィー・ゴードン:ジェイミー・スミス(ボクサー)
グロリア・プライス:アイリーン・ケイン(ダンサー)
アルバート:ジェリー・ジャレット(デイヴィーのマネージャー)
ギャング:マイク・ダナ
ギャング:フェリース・オーランディ
アパートの家主:ショーン・オブライエン
ダンサー:バーバラ・ブランドがタクシー
コンベンションの主催者:デヴィッド・ヴォーン
コンベンション参加者:アレック・ルービン
ギャング:ラルフ・ロバーツ
ギャング:フィル・スティーヴンソン
警官:アーサー・フェルドマン
タクシー運転手:ビル・フナロ
マネキン工場のオーナー:スキッピー・アデルマン
アイリス:ルース・ソボトカ(グロリアの姉)

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1955年製作 67分
公開
北米:1955年10月1日
日本:1960年9月17日
製作費 $75,000


ストーリー
ニューヨーク
落ち目のウェルター級ボクサー、デイヴィー・ゴードン(ジェイミー・スミス)は、タクシーダンサーのグロリア・プライス(アイリーン・ケイン)と同じ建物のアパートに住んでいた。
二人の部屋の窓は向かい合っていて、お互いに意識していた。
二人は仕事に向かうため、同じ時間に建物を出る。
デイヴィーは、新人のキッド・ロドリゲスとの試合に向かい、グロリアは、迎えに来たダンスホールのオーナー、ヴィンセント・ラパロ(フランク・シルヴェラ)の車に乗る。
デイヴィーとキッドの試合はテレビ中継され、ダンスホールに向かったラパロは、グロリアを自分のオフィスに連れて行き、試合を観ながら彼女に迫る。
デイヴィーは、無敗のキッドにノックアウトされてしまう。
アパートに戻ったデイヴィーは、向かいの部屋のグロリアの姿を見ながら、シアトルのおじジョージからの電話を受けて、休暇を取り遊びに来ることを提案される。
その後、眠っていたデイヴィーは、グロリアの叫び声で目覚め、ラパロが、彼女に襲いかかっているのを目撃する。
デイヴィーは屋上からグロリアの部屋に向かうが、ラパロは姿を消し、彼女は無傷だった。
グロリアをベッドに寝かせたデイヴィーは、オフィスでのことを謝罪しに来たラパロに迫られたという彼女の話を聞く。
グロリアを眠らせえて部屋に戻ったデイヴィーは、翌朝、彼女の様子を見に行き、一緒に朝食をとる。
デイヴィーは、おじの農場を手伝う話などをして、グロリアは家族の過去を語り始める。
姉のアイリス(ルース・ソボトカ)は優秀なバレリーナで、母親はグロリアを出産して亡くなった。
グロリアの父親はアイリスを溺愛し、グロリアはアイリスに嫉妬し、やがて嫌うようになった。
不治の病に罹った父のために、アイリスは富豪と結婚してバレエをやめた。
父親は亡くなり、間もなくアイリスは自殺した。
グロリアは、自分に謝罪するアイリスの手紙が遺されていたことをデイヴィーに話す。
その後グロリアは、街を歩いていた時にダンスホールの募集広告を見て、ダンサーになったのだった。
デイヴィーとグロリアは惹かれ合うようになり、2人はシアトルに行くことになるのだが・・・。


解説 評価 感想
“A raw and visually hypnotic 1955 film noir where a 26-year-old Stanley Kubrick’s multitasking brilliance?handling direction, cinematography, and editing?transforms low-budget constraints into a gritty, shadow-drenched masterclass of urban alienation.”
(26歳のスタンリー・キューブリックが監督、撮影、編集を自らこなすマルチタスクの才覚を発揮し、低予算という足枷を、都会の疎外感を描いた骨太で影に満ちた傑作へと変貌させてみせた、荒々しく視覚的に催眠効果をもたらす1955年のフィルムノワール。)

長編初監督作品「恐怖と欲望」(1953)に続きスタンリー・キューブリックが製作、原案、撮影、編集を兼ねて監督し、主演はフランク・シルヴェラジェイミー・スミスアイリーン・ケイン他共演のフィルム・ノワール。

スタンリー・キューブリックは、長編デビュー作「恐怖と欲望」(1953)の出来に満足できなかったというだけあり、撮影技法や、徹底した凄まじい戦いのシーンなどにこだわった、彼の”執念”のようなものが感じられる力作に仕上がっている。

落ち目のボクシング人生について考えながら、常に気になる、向かいの名も知らない女性の部屋を見つめるボクサー・・・。
向かいの部屋を鏡に映しながら、ボクサーが、次の人生についておじと話すショットなどは秀逸だ。

ニューヨークの雑踏、路地、そして建物の屋上など、自ら駆け巡り撮影し、モノクロを活かした生々しい映像を編集する、若きスタンリー・キューブリックのバイタリティーが感じられる作品でもある。

バレリーナである当時の妻ルース・ソボトカ(ヒロインの姉役)の美しいダンス映像も印象的で、キューブリックの後の作品で発揮される、その美的センスも注目だ。

ヒロインに執拗に迫るギャングであり、ダンスホールのオーナー、フランク・シルヴェラ、彼と対立することになる、落ち目のボクサー、ジェイミー・スミス、彼と惹かれ合うようになる向かいの部屋に住むダンサー、アイリーン・ケインなどが共演している。


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