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俺たちは天使じゃない We’re No Angels (1955)

アルベール・ユッソンフランスの舞台劇”La Cuisine des Anges”の、アメリカ版舞台劇”My Three Angels”(1953)の映画化。
クリスマスを舞台に、気の毒な一家を幸せにして”天使”のようだと感謝される脱獄囚達の行いをコミカルなタッチで描く、監督マイケル・カーティスハンフリー・ボガートアルド・レイピーター・ユスティノフ共演の心温まるコメディの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

ハンフリー・ボガート / Humphrey Bogart / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・カーティス

製作:パット・ダカン
戯曲:アルベール・ユッソン(“La Cuisine des Anges”)
脚色:ラナルド・マクドゥーガル
撮影:ロイヤル・グリグス
美術
ハル・ペレイラ
ローランド・アンダーソン
編集:アーサー・P・シュミット
音楽:フレデリック・ホランダー

出演
ハンフリー・ボガート:ジョゼフ
アルド・レイ:アルバート
ピーター・ユスティノフ :ジュールス
ジョーン・ベネット:エメリー・デュコテル
ベイジル・ラスボーン:アンドレ・トロシャール
レオ・G・キャロル:フェリックス・デュコテル
グロリア・タルボット:イザベル・デュコテル
ジョン・スミス:アルノー
ジョン・ベアー:ポール・トロシャール

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1955年製作 105分
公開
北米:1955年7月7日
日本:1955年9月2日
製作費 $1,685,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1895年、クリスマス・イヴ、フランスギアナデビルズ島
監獄を脱獄したジョゼフ(ハンフリー・ボガート)、アルバート(アルド・レイ)、ジュールス(ピーター・ユスティノフ )は、港町カイエンヌにたどり着く。

三人は追っ手をかわし、出会った若い船医アルノー(ジョン・スミス)から封筒を盗み、入っていた手紙の届け先の雑貨店のフェリックス・デュコテル(レオ・G・キャロル)を訪ねることにする。

ジョゼフらは、雨漏りを直すと言ってフェリックスに雇ってもらうが、店の物を奪い必要ならば彼の家族を殺すことも考える。

お人好しのフェリックスは、従兄アンドレ・トロシャール(ベイジル・ラスボーン)のパリの店を任されていたが、業績を上げられずに、この町に追いやられていた。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
デビルズ島の監獄を脱獄した囚人ジョゼフ、アルバート、ジュールスは、船医アルノーから手紙を盗み、その届け先のフェリックスの雑貨店に向かう。
人の好いフェリックスは囚人の三人に仕事を与えるが、彼らは金品を奪い、必要ならば一家殺害までも考える。
しかし、三人はフェリックスや家族が、店を任されている従兄のアンドレに振り回されていることを知り、気の毒に思う。
三人の囚人が、親切で役に立つことを知ったフェリックスの妻エメリーと娘イザベルは、彼らと親交を深めていく。
フェリックスは、そんな三人をクリスマス・イヴの食事に招待し、幸せな一時を過ごす。
その直後、意地の悪いアンドレと甥のポールが現れ、三人は家族のために、彼らを懲らしめようとするのだが・・・。
__________

1989年に、ロバート・デ・ニーロショーン・ペンデミ・ムーアの出演でリメイクされたが内容はまったく違う。

カサブランカ」(1943)以来、12年振りにハンフリー・ボガートとコンビを組んだマイケル・カーティスが、巧みな脚本と主人公らのユーモアセンスを大いに生かし、切れのいい演出を見せる、彼の晩年の代表作とも言える。

クリスマス・イヴに、強盗殺人目的で忍び込んだ脱獄囚が一家の災難に遭遇し、改心してその家族を助けるものの、結局はシャバよりも監獄の方が、まともな人間が多いことに気づくという、とてつもなく大胆な、皮肉を込めたストーリーだ。

主演のハンフリー・ボガートは、プライドを捨て・・・というか、ダンディー又はハードボイルド・タッチの作品より、彼はこのような役を好んでいたように思えて仕方ない。

なんと、本作で彼はピンクのエプロン姿まで披露する、サービス精神旺盛なところを見せてくれる。

同じような汚れ役、「黄金」(1948)や「アフリカの女王」(1951)などでは、異常者のような役もこなしているが、いずれも生き生きと演じている。

相棒の脱獄囚、ポパイのような腕っ節の強い男アルド・レイと、金庫を開ける時の仕草が、絶妙であり実に可笑しいピーター・ユスティノフ も、とぼけた悪党をユーモラスに演じている。

母親役の美しいジョーン・ベネット、意地の悪い従兄役で、シャーロック・ホームズ役者として有名なベイジル・ラスボーン、名優で人の好い雑貨店主レオ・G・キャロル、初な娘グロリア・タルボット、船医の好青年士官ジョン・スミス、顔に似合わずあくどい青年ジョン・ベアーなど、多彩な顔ぶれも見逃せない。


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