会議を続けたピアースは、来月から始める病院ロマンスシリーズの話をする。
それを聞きながらウォルターは、自分が天才外科医になり、美しい看護師(ヴァージニア・メイヨ)の憧れの存在になる空想をする。
ぼんやりするウォルターを注意したピアースは、ポケットサイズの雑誌のことを考えていたと言われても相手にしない。
しかしピアースは、それがいいアイデアだと思う。
パースアンボイ。
駅に着いたウォルターは、迎えに来たユーニスから、婚約者のガートルード・グリスウォルド(アン・ラザフォード)と母親(フローレンス・ベイツ)が夕食に来ることを知らされる。
帰宅して着替えたウォルターは、訪ねて来たグリスウォルド夫人とガートルードを歓迎して食卓に着く。
地下室に向かい暖房用のボイラーに火を点けようとしたウォルターは、イギリス空軍の撃墜王の記事を見て、パイロットになった自分が、ドイツ軍機を撃墜することを空想する。
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帰還後バーで大佐(レジナルド・デニー)と話したウォルターは、自分が同僚の代わりに出撃することを伝える。
ウォルターは、学友から、音楽の授業のグルンワルド教授の物真似が抜群にうまかったと言われ、大佐からのリクエストもあり、その芸を披露して大いに受ける。
美女(ヴァージニア・メイヨ)に話しかけられたウォルターは、誘いを断りその場を去る。
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ユーニスに呼ばれたウォルターは、母に向かい敬礼し、火かき棒をわきに挟んでしまい火傷しそうになる。
翌朝もユーニスと駅に向かったウォルターは、前の列車に乗り遅れてしまう。
ウォルターは、隣りの席に座った女性ロザリンド・ヴァン・ホーン(ヴァージニア・メイヨ)が、空想に出てくる美女にソックリだったために驚く。
自分を監視する男ヘンドリック(ヘンリー・コーデン)が気になるロザリンドは、ウォルターにキスして夫婦を装い列車を降りる。
次の駅で降りたウォルターは、タクシーに乗っていたロザリンドに気づき、彼女に声をかけて、ある男をまくために前の駅で降りたことを知り、車内のことを感謝される。
ヘンドリックに気づいたロザリンドは、再びウォルターと夫婦を装い、キスをして彼をタクシーに乗せて走り去る。
ウォルターに自己紹介したロザリンドは、助けてほしいと言って、オランダ人を迎えに行く途中でつけられたことを話し、彼に協力を求める。
港に行くと言われたウォルターは、遅刻してしまうと言って会社の前でタクシーを降りるものの、バッグを車内に忘れてしまい彼女を追う。
港でカール・マースダム(フランク・レイカー)を迎えたロザリンドは、伯父のピーター・ヴァン・ホーン(コンスタンティン・シャイン)の元に向かおうとする。
その場に着いたウォルターは、タクシーに乗ろうとするロザリンドを見つけて、バッグを忘れたことを彼女に伝える。
マースダムを紹介されたウォルターはバッグを受け取り、送ると言われたために、荷物を積むのを手伝う。
マースダムは、自分の手帳をウォルターのバッグに入れる。
何か音がしたことに気づいたウォルターは、ロザリンドと共にタクシーに乗り出発するが、マースダムが刺殺されていることに気づく。
ウォルターと共に警察に向かったロザリンドは、電話ボックスの中に隠れてしまう。
殺人を警官に知らせたウォルターは、ロザリンドがいなくなったことを気にしながら、外のタクシーに向かう。
タクシーもロザリンドの姿もないため、警官はウォルターの話を信じることができず、帰って休むようにと指示する。
ようやく会社に着いたウォルターは、オフィスにいたピアースに、殺人事件に巻き込まれたと言って遅刻した理由を話す。
いつもの空想だと思うピアースは、ウォルターから校正を受け取り会議に向かう。
昼休みにウォルターは、入り口で待っていたロザリンドから謝罪され、伯父ヴァン・ホーンに逃げろと指示されたため、姿を消したことを知る。
ヴァン・ホーンが会いたいと言っているとウォルターに伝えたロザリンドは、彼を誘って出かける。
途中、マースダムの死体のことなどをウォルターに訊かれたロザリンドは、ヴァン・ホーンが説明すると答える。
屋敷に着いたロザリンドは、ウォルターをサンルームに案内し、車椅子生活のヴァン・ホーンを紹介する。
ヴァン・ホーンと話をしたウォルターは、命が危険にされされていることを知らされて驚き動揺する。
ロザリンドは、ヴァン・ホーンがオランダ王立博物館の元館長で、ドイツ軍の侵攻により辞職したことをウォルターに話す。
ヴァン・ホーンは、美術館を去る前にすべての美術品を様々な場所に移し、隠した場所を黒い手帳に記し、マースダムを殺したクルーグ別名ブーツが、それを狙っていることをウォルターに伝える。
その手帳の場所が分からないため、ブーツに疑われれば殺されると言われたウォルターは動揺し、誰にも話さないことを約束してその場を去る。
その後、デパートに向かったウォルターは、ユーニスに頼まれたペット用品を買おうとするが、ポケットから取り出したメモ用の手帳に、オランダの宝石や王冠のことが書かれていたため、自分のものでないことに気づく。
それが例の手帳だと気づいたウォルターは驚き、近くにナイフを手にする男ヘンドリックがいたため、狙われていると思い動揺する。
慌てたウォルターは、周囲から挙動不審者と思われながら、ヘンドリックを気にして逃げ回る。
女性服売り場に紛れ込んでしまったウォルターは、手帳をコルセットの中に隠し、それがフォリンスビー夫人に届けられることを知る。
店員らに変態に思われたウォルターはその場から追い出され、会社に戻るものの、ヘンドリックが追ってくる。
階段を上り窓からビルの外に出たウォルターは、会議室に入ってしまい、ピアースを驚かせる。
ハトのエルマーも入って来たために焦るウォルターは、ナイフを持った男に追われていることをピアースに話し、部屋を出てオフィスに向かう。
ヴァン・ホーンに電話をしたウォルターは、その場に不気味な医師ホリングスヘッド(ボリス・カーロフ)が現れたために驚く。
完璧な殺人の方法を書いた原稿を持っていると言うホリングスヘッドは、ピアースから紹介されたとウォルターに伝える。
動揺するウォルターに殺人の方法を話し始めたホリングスヘッドは、彼のポケットからデスクの上に落ちた黒い手帳を奪う。
それに気づいたウォルターはホリングスヘッドに襲われ、窓から落ちそうになり、彼が逃げた後で何とかよじ登る。
またしてもエルマーと共に窓から会議室に入ってしまったウォルターは、ピアースに、紹介したホリングスヘッドに突き落とされそうになったことを話す。
そんな男は知らないと言うピアースは憤慨し、ウォルターを追い出す。
帰宅したウォルターは、悩みながら殺人を目撃したことなどをユーニスに話すものの、信じてもらえない。
そこに、グリスウォルド夫人とガートルード、彼女の男友達のタビー・ワズワース(ゴードン・ジョーンズ)が訪ねて来る。
タビーからプレゼントを受け取ったウォルターは喜ぶが、それがイタズラだったために恥をかく。
皆でカードを始めたウォルターは、自分がギャンブラーになったことを想像する。
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カードで勝ち続けるウォルターは、男(ゴードン・ジョーンズ)が婚約者を賭けたためにそれを受ける。
男のイカサマを見抜いたウォルターは、彼が手にした銃を奪い相手にしない。
男の婚約者(ヴァージニア・メイヨ)と話をしたウォルターは、父親の農園の権利書を取り戻したことを伝えて、それを彼女に渡し別れを告げる。
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翌日、会社から帰宅しようとしたウォルターは、ロビーにいたロザリンドに気づき、手帳があったのでコルセットに隠し、それがフォリンスビー夫人に届けられることを話す。
そうなった経緯を話したウォルターは、ロザリンドから一緒に手帳を捜して欲しいと言われるものの、6時半に夕食会があることを伝える。
涙するロザリンドを気の毒に思ったウォルターは、フォリンスビー夫人の住所を電話帳で調べ、ロザリンドの車でその場に向かう。
家から出てきたフォリンスビー夫人の夫と話したウォルターは、コルセットの話をしたために不審者と思われ、相手にされない。
そこにデパートの配達員が現れ、彼がフォリンスビーに殴られた間に、ウォルターとロザリンドは荷物を調べるものの、コルセットではなかった。
別の場所に向かったウォルターとロザリンドは、レティシア・フォリンズビー(ドリス・ロイド)の勤務先に着く。
車のキーを外したウォルターは、木靴のキーホルダーに気づき、ロザリンドは、昔から持っていた魔除けだと彼に話す。
ロザリンドは、親切なウォルターにそれをプレゼントする。
帽子のファッションショー会場に向かったロザリンドは、ウォルターを待たせてコルセットを捜す。
アナトール(フリッツ・フェルド)によるショーは始まり、席に着いたウォルターは、自分がショーの司会者になることを想像する。
ロザリンドから見つけた手帳を受け取ったウォルターは、その場を去る。
帰宅したウォルターは、手帳を洗面所に隠し、ユーニスからミルクを飲むようにと言われて眠る。
雨の中、窓から家に侵入したロザリンドは、ピアノを弾いてウォルターはを呼び寄せ、彼に手帳のことを訊く。
ウォルターは、悪天候で帰れないグリスウォルド夫人とガートルードが泊っているために警戒し、ロザリンドをキッチンに連れて行き、濡れた服を乾かすよう指示する。
起きてきたユーニスらにピアノのことを訊かれたウォルターは、自分が弾いたと答えて納得させる。
やかんのお湯が沸いて蒸気の音が鳴り響き、焦ったウォルターは、口笛を吹いて、ユーニスらにロザリンドのことがバレないようにする。
ユーニスはウォルターを擁護するが、ガートルードは、結婚後を考えると不安だと母に話し、タビーの求婚を受けるべきだったと言って後悔する。
ロザリンドは、同行してくれると言うウォルターと共に手帳を持って屋敷に戻る。
床に落ちていたマースダムのパスポートを見つけたロザリンドは、ヴァン・ホーンが何か隠していると考え、気づかれないようにして手帳をデスクの引き出しに入れる。
手帳をどちらが持っているかでウォルターと議論になったロザリンドは、彼と車に戻り捜そうとする。
ヴァン・ホーンから渡されたグラスの酒を飲んだウォルターは、眠くなり意識を失う。
ウォルターのことを心配するロザリンドは、車椅子から立ち上がったヴァン・ホーンがブーツ/クルーグだと気づく。
ヴァン・ホーンから手帳のことを訊かれたロザリンドは、ホリングスヘッドとヘンドリックが現れたために叫び声をあげる。
目覚めたウォルターは、屋敷にユーニスとピアースが呼ばれていることに気づく。
ウォルターから姪のロザリンドのことを訊かれたクルーグは、自分に姪はいないと答える。
庭で見つかったウォルターには会ったことがないと言うクルーグは、様子がおかしい彼に精神科医のホリングスヘッドを紹介する。
ユーニスとピアースと共にホリングスヘッドの元に向かったウォルターは、彼に襲われたことを2人に伝える。
ウォルターの空想癖を知るピアースとユーニスは、ホリングスヘッドを信じて診察してもらおうとする。
ホリングスヘッドから、自分とは初めて会ったと言われたウォルターは、窓から突き落とそうとした殺し屋だとユーニスとピアースに伝える。
ウォルターは、外で待つと言うユーニスとピアースに説得されて、仕方なくホリングスヘッドの診察を受けることにする。
ウォルターのことを心配するグリスウォルド夫人とガートルード、現れたタビーも、ユーニスとピアースと共に待合室で状況を見守る。
診察を始めたホリングスヘッドは、手帳のことや仕事についてウォルターに質問し、過労と空想癖で悩み、夢を現実だと思っていると伝える。
空想に出てきた美しい女性のことを話すウォルターは、隣りの部屋で椅子に縛られているロザリンドを目撃し、それを確かめるものの、彼女の姿はなかった。
ホリングスヘッドから、存在しない女性に恋していると言われたウォルターは、どんな洋服を着た女性も水着姿に見えてしまう患者がいるという話を聞く。
ウォルターは、そこに現れた看護師が水着姿だったために驚き、そのことを確認するホリングスヘッドから、休養するようにと言われるものの、明日、結婚式があると伝える。
結婚式を挙げてすべてを忘れるようにと言われたウォルターは、少し気が楽になりその場を去る。
翌日、教会で結婚式が始まり、ガートルードがロザリンドに思えてしまうウォルターは、指輪を出そうとして、ポケットの中の木靴のキーホルダーに気づく。
ウォルターは、ロザリンドは実在し、ヴァン・ホーンは悪党だとピアースらに伝えて、花屋の車を奪い屋敷にに向かう。
信号待ちしたウォルターは、ロデオ・ショーに向かう男を見ながら、自分が西部のガンマンになる姿を想像してしまう。
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悪党(ゴードン・ジョーンズ)に襲われる美女(ヴァージニア・メイヨ)を助けようとしたウォルターは、相手を叩きのめして観念させる。
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後方からクラクションを鳴らされて現実に戻ったウォルターは、屋敷に向かう。
庭に侵入したウォルターに気づいたクルーグは、彼を利用してロザリンドから手帳の在りかを聞き出そうとする。
ヘンドリックに脅されるものの殴り倒したウォルターは、意識を失っていたロザリンドを見つける。
ロザリンドを起こしたウォルターは、ヴァン・ホーンは伯父ではなく、マースダムを殺したブーツ(クルーグ)だったことを知る。
その場から逃げようとしたウォルターとロザリンドは、ホリングスヘッドに見つかり、地下室に入る。
ウォルターは、ドアノブに電気の配線を接続して感電させようとするが、自分がそれに触れてしまう。
外のヘンドリックもそれに触れてしまい、ロザリンドがスイッチを切り、ウォルターは、次に宙吊りになる罠を考える。
中に入ってきたヘンドリックとホリングスヘッドは罠にかからず、クルーグらが現れたためにウォルターは慌ててしまう。
自分の罠で宙づりになってしまったウォルターは捕らえられ、クルーグは、ロザリンドから手帳の在りかを聞き出そうとする。
そこに、花屋の車を捜す警官が現れ、ウォルターはクルーグらが殺し屋だと話し、ロザリンドはデスクに隠してあった手帳を見せる。
隙を見て手帳を奪い逃げようとしたクルーグに、ウォルターが襲いかかる。
ウォルターは、現れたピアース、ユーニス、ガートルード、タビーとグリスウォルド夫人に、ロザリンドを紹介する。
ウォルターが常にロザリンドと一緒だったことを知ったグリスウォルド夫人は、彼女のことを”イゼベル”と言って侮辱する。
憤慨したロザリンドはその場を去り、彼女を追おうとするウォルターもユーニスらに非難される。
皆を黙らせてウォルターは、自分のアイデアを盗んでばかりいたピアースを批判し、タビーを殴り倒す。
その姿を見たピアースはウォルターを見直し、彼を共同編集長に昇格させる。
ウォルターと共に新しいオフィスに案内されたロザリンドは、ピアースに社内を案内してもらうことになる。
ピアースから空想は勘弁してくれと言われたウォルターは、分かっていると伝えて、彼をファーストネームで呼ぶ。