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偽りの花園 The Little Foxes (1941)

1939年に上演されたリリアン・ヘルマンの戯曲”The Little Foxes”を基に製作された作品。
兄たちと共謀して病弱の夫に出資させようとする資産家夫人の策略を描く、製作サミュエル・ゴールドウィン、監督ウィリアム・ワイラー、主演ベティ・デイヴィスハーバート・マーシャルテレサ・ライトリチャード・カールソンダン・デュリエパトリシア・コリンジ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ベティ・デイヴィス / Bette Davis / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・ワイラー

製作:サミュエル・ゴールドウィン
原作:リリアン・ヘルマンThe Little Foxes
脚本:リリアン・ヘルマン

撮影:グレッグ・トーランド
編集:ダニエル・マンデル
音楽:メレディス・ウィルソン

出演
レジーナ・ハバード・ギデンズ:ベティ・デイヴィス

ホレース・ギデンズ:ハーバート・マーシャル
アレクサンドラ”ザニー”ギデンズ:テレサ・ライト
デヴィッド・ヒューイット:リチャード・カールソン
レオ・ハバード:ダン・デュリエ
バーディ・ハバード:パトリシア・コリンジ
ベン・ハバード:チャールズ・ディングル
オスカー・ハバード:カール・ベントン・リード
アディ:ジェシカ・グレイソン
キャル:ジョン・マリオット
ウィリアム・マーシャル:ラッセル・ヒックス
マンダース:ルシアン・リトルフィールド
ヒューイット夫人:ヴァージニア・ブリサック
ジュリア:テリー・ニバート
ハロルド:ヘンリー”ホットショット”トーマス
サイモン:チャールズ・R・ムーア

パーティーのゲスト:フーパー・アシュレイ(クレジットなし)
ドーソン:アル・ブリッジ(クレジットなし)
銀行の顧客:テックス・ドリスコル(クレジットなし)
ヘッドウェイター:ジェシー・グレイブス(クレジットなし)
列車コンパニオン:ルー・ケリー(クレジットなし)
預金者:ヘンリー・ロケモア(クレジットなし)
使用人:ケニー・ワシントン(クレジットなし)

アメリカ 映画
配給 RKO
1941年製作 115分
公開
北米:1941年8月29日
日本:1954年8月23日


アカデミー賞
第14回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
主演女優(ベティ・デイヴィス
助演女優(テレサ・ライト/パトリシア・コリンジ
脚色・音楽(ドラマ映画)・編集・美術監督賞 (白黒)


ストーリー
1900年、アメリカ南部の綿花地帯。
資産かである銀行家のホレース・ギデンズ(ハーバート・マーシャル)は心臓病を患い、治療のためにボルチモアに滞在していた。
ホレースの妻レジーナ(ベティ・デイヴィス)は、夫のことを心配もせずに気ままに暮らしていた。
レジーナの娘のアレクサンドラ”ザニー”(テレサ・ライト)は、そんな母レジーナとは対照的に、父ホーレスの病状を気にしていた。
レジーナの欲深い兄ベン・ハバード(チャールズ・ディングル)とオスカー(カール・ベントン・リード)は、綿工場再建のため妹に出資させようとする。
オスカーは、アルコール中毒の妻バーディ(パトリシア・コリンジ)の言動に常に苛立ち、ギデンズ家の財産目当てで、無能な息子レオ(ダン・デュリエ)とザニーを結婚させようとしていた。
兄たちの計画に乗ったレジーナは、ザニーをボルチモアに向かわせ、ホーレスを連れ戻し出資させることを画策するのだが・・・。


解説 評価 感想

リリアン・ヘルマンの戯曲”The Little Foxes”を基に、兄たちと共謀して病弱の夫に出資させようとする資産家夫人の策略を描くドラマ。

タイトル”The Little Foxes”は、”欽定訳聖書”の”雅歌”第2章15節”われらのためにキツネを捕らえよ ぶどう園を荒す小ギツネを捕えよ ぶどう園は花盛りなり”に由来している。

ブロードウェイで主人公を演じたタルラー・バンクヘッドは高い評価を得たが、ウィリアム・ワイラーは、「黒蘭の女」(1938)と「月光の女」(1940)で組んだベティ・デイヴィスをレジーナ役に希望し、バンクヘッドでは興行的な成功が望めないと判断したサミュエル・ゴールドウィンもそれに同意した。
しかし、ベティ・デイヴィス本人は、バンクヘッドのステージの演技が素晴らしかったために気が進まなかったらしく、本作で同じ役を演ずる舞台のオリジナルキャストのダン・デュリエパトリシア・コリンジリチャード・カールソンカール・ベントン・リードは、バンクヘッドの主演を望んだと言われている。
ウィリアム・ワイラーベティ・デイヴィスは、役に対する解釈などで頻繁に衝突してトラブルも起き、作品と役者の演技は、第14回アカデミー賞で作品賞以下8部門にノミネートされ好評価を受けるものの、その後2人が一緒に仕事をすることはなかった。
*アカデミー賞ノミネート
作品・監督
主演女優(ベティ・デイヴィス
助演女優(テレサ・ライト/パトリシア・コリンジ
脚色・音楽(ドラマ映画)・編集・美術監督賞 (白黒)

主演のベティ・デイヴィスは、上記のように、撮影の問題なども抱えながら、正にハマリ役の悪女を見事に演じている。

妻と義兄の策略に気づき、身内であることを考慮しながら最善の方法を考えようとするものの病死する資産家を演ずるハーバート・マーシャル(前年「月光の女」(1940)でもベティ・デイヴィスとは夫婦役を演じている)と、病弱の父を気遣いながら、自分の考えを貫き通す主人公の娘を演ずるテレサ・ライトの好演が印象に残る。
本作がデビュー作となったテレサ・ライトウィリアム・ワイラーに可愛がられ、いきなりアカデミー助演賞にノミネートされ、翌年の「ミニヴァー夫人」(1942)では見事に同賞を受賞し、同監督の「我等の生涯の最良の年」(1946)にも起用された。

ザニー(テレサ・ライト)の幼馴染で、やがて惹かれ合うようになる新聞記者リチャード・カールソン、その母親ヴァージニア・ブリサック、主人公の欲深い兄で舞台のオリジナルキャストの2人、チャールズ・ディングルカール・ベントン・リード、同じくオリジナルキャストの親子役、無能な銀行員のダン・デュリエ、その母親で、夫に虐げられる女性を好演するパトリシア・コリンジ、ギデンズ家の使用人でザニーの世話をするジェシカ・グレイソン、同じく使用人のジョン・マリオットチャールズ・R・ムーアケニー・ワシントン、主人公と兄たちと手を組もうとするシカゴの実業家ラッセル・ヒックス、銀行員のルシアン・リトルフィールド、パーティーのゲスト、フーパー・アシュレイ、ヘッドウェイターのジェシー・グレイブス、列車コンパニオンのルー・ケリー、預金者のヘンリー・ロケモア、他アル・ブリッジなどが共演している。


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