稼ぎを数えながらスクーターに金を渡したウォルドは、乗せてほしいと言われて、約束したのは手伝わせる口実で、子供だけでは乗せないと伝える。
しかし、スクーターが帰ろうとしないために、ウォルドは彼と愛犬を乗せて飛び立つ。
スクーターの家で夕食を御馳走になったウォルドは、父親から、今後もこの商売を続けるのかと訊かれ、金を貯めて新しい飛行機でアクロバット飛行をしたいと答える。
世界一のパイロットかとスクーターから質問されたウォルドは、残念ながら二番だと答えて、一番はドイツの撃墜王エルンスト・ケスラー(ボー・ブランディン)だと伝える。
一度だけ、ケスラーと”ヒュルトゲンの森”の上空で戦ったことがあるウォルドは、恐怖よりも嬉しかったと伝える。
機銃が故障した自分を見ながら、ケスラーは攻撃せずに、敬礼して自軍陣営に戻って行ったとウォルドは話す。
その後、飛び立ったウォルドは、アクロバット飛行が行われていることに気づく。
”スタントのキング”と呼ばれるパイロットのアクセル・オルソン(ボー・スヴェンソン)は、飛行を見せつけて着陸したウォルドと話をする。
自分の縄張りだと言われたアクセルは、それを気にすることなく人々の元に戻り飛び立とうして、ウォルドにプロペラを回してもらい離陸する。
しかし、ウォルドに細工されて車輪が外れてしまったアクセルは、池に着水するしかなくなる。
その様子を人々に見せるために金を集めたウォルドは、池に近づくようにと皆に伝えて愛機に向かう。
アクセルが池に墜落したことを確認したウォルドは、飛び立っていく。
映画館でメアリー・ベス(スーザン・サランドン)に話しかけたウォルドは、彼女と共にダイナーに向かい意気投合する。
そこに右足を怪我したアクセルが現れ、メアリー・ベスが彼の知り合いだったためにウォルドは焦る。
メアリー・ベスからアクセルを紹介されたウォルドは、気まずい思いをする。
ウォルドがケスラーと戦ったと知ったアクセルは驚き、機銃の故障の件と敬意を表して敬礼された話をメアリー・ベスから聞く。
その戦闘のことを知っている戦闘機のパイロットだったアクセルは、ウォルドは出撃していないことをメアリー・ベスに伝える。
ウォルドがウソをついて誘惑しようとしたと知ったメアリー・ベスは、アクセルと共にその場を去る。
数日後、ケスラーの飛行に多くの人々が集まり、観客席にいたウォルドは、恋人のモード・スタイルズ(マーゴット・キダー)の兄で友人のエズラ・スタイルズ(エドワード・ハーマン)から単葉機を作ると言われる。
エズラの考えをまともに聞こうとしないウォルドは、ケスラーの飛行技術に圧倒され、彼が一番だと認める。
そんなウォルドに、エズラは、自分の単葉機で一番になれると伝える。
その気になったウォルドは、エンジンを買うための資金がないと言われ、先週の稼ぎをエズラに渡し、残りもなんとかすると伝える。
興行主のドク・ディルホファー(フィリップ・ブランズ)と話したウォルドは、命懸けの離れ業がないと雇えないと言われる。
メアリー・ベスと共に現れたアクセルから、飛行機を壊されたので愛機を貸すようにと言われたウォルドは、それを断り言い争いになる。
協力し合うべきだとメアリー・ベスから提案されたウォルドは、アクセルのアイデアをテストしてみることにする。
メアリー・ベスに車を運転させたウォルドは、アクセルが操縦する飛行機から垂れ下がる梯子に飛び移るものの、納屋の屋根に激突してしまう。
左腕と右脚を骨折したウォルドは、モードに会いに行き、怪我をしたことを批判される。
その夜、モードに謝罪されたウォルドは、結婚を申し込む。
断ったモードは、戦争に行く前なら承諾したとウォルドに伝えながら、二人は愛を確認する。
その後、製作途中の単葉機を見せられたウォルドは強度などを確認し、逆宙返りができるかエズラに尋ねる。
もちろんできると答えたエズラは、複葉機のケスラーもできない大技だと、その場にいたモードに伝える。
エズラから、資金が必要だと言われたウォルドは、自分が何とかすることを約束する。
ウォルドと飛行したアレックスは、翼の上を歩くよう指示され、足が突き抜けてしまったために戻ろうとする。
自分には無理だと伝えたアレックスは、ウォルドから操縦を替わるようにと言われる。
上の翼に上ったウォルドは、両手を広げて成功させる。
そんな離れ業も受けないドクは興行に行き詰まり、お色気を取り入れようとしてメアリー・ベスを起用しようとする。
冒険したいと思っていたメアリー・ベスは、その気になる。
アクセルと共に飛行して翼に乗ったメアリー・ベスは、街の大通りの道路の地面寸前で助けを求めて叫び声を上げる。
皆に注目されて成功したことを喜ぶアクセルだったが、メアリー・ベスは戻れない。
それに気づいたウォルドは、このままでは着陸できないために飛び立ち、アクセルの飛行機に乗り移る。
メアリー・ベスに近づき連れ戻そうとしたウォルドだったが、手を放した彼女は落下してしまう。
事件となったために警察に向かったウォルドは、その場にいた戦友であるニュート・ポッツ(ジェフリー・ルイス)との再会を喜び、アクセルとドクを紹介する。
商務省の航空監査官のニュートは、航空通商法により興行の中止をドクに言い渡し、民間航空規定に違反したことを伝える。
免許を取り規定を守れば飛べるが、検査に通るまでは飛行禁止だと伝えたニュートだったが、ウォルドとドクは納得しない。
墜落事故のことなどもあるため、6週間後の地区委員会まで結論は出ないと言うニュートは、議会が決めた法律なので自分は関係ないと伝える。
ウォルドのパイロットしての才能は認めるニュートは、諦めるようにと伝えてその場を去る。
ニュートは別人になってしまったと言うウォルドに、アクセルは、自分達の行為は子供じみていたと伝える。
アクセルはニュートが正しいと考え、ウォルドに辞めると伝えて立ち去る。
その後、完成した単葉機を前にニュートと話したエズラは、自分が飛ぶことになったとウォルドに伝える。
飛び立ったエズラは、世界初の試みとなる逆宙返りに挑戦するものの、一回目は失敗する。
再び失敗したエズラは三度目に挑み、操縦不能となり墜落する。
機体に向かい、無事だったエズラを助けようとしたウォルドだったが、観客が吸っていたタバコが燃料に引火する。
焼け死ぬのは嫌だと言って叫ぶエズラを助けられないウォルドは、彼を殴り、手を貸そうとしない観客を非難する。
飛行機で飛び立ったウォルドは、低空飛行をして観客を追い払う。
エンジンの不調で操縦不能になったウォルドは墜落する。
重傷を負いモードの家で静養していたウォルドは、訪ねて来たニュートから、委員会の決定で飛ぶ資格は剥奪され、飛べば刑務所行きだたと言われる。
死人が出ていたら殺人罪であり、寛大な処置だと思うべきだと言われたウォルドは、納得するしかなかった。
ニュートから、自分の下で働く気があるかと訊かれたウォルドは、事務仕事だが飛行機とは縁は切れないと言われるものの、それを断る。
ケスラーの話をするニュートは、先週、セントルイスで逆宙返りを成功させたことをウォルドに知らせる。
いずれは誰かがやれたことだと言うものの、ウォルドはショックを隠せなかった。
そんなウォルドの気持ちを察するニュートは、しっかり治すようにと伝えてその場を去る。
回復したウォルドはドクを訪ね、無理を承知で飛びたいことを伝えるものの、追い払われる。
ハリウッド。
アクセルがスタントマンをしていることを知ったウォルドは、彼から仕事を紹介してもらう。
スタントマンになったウォルドは、パイロットの欠員が出たことに興味を示すが、アクセルは航空会社に勤めることを決めていた。
アクセルに、監督のヴェルフェル(ロデリック・クック)に推薦してもらうことになったウォルドは、かつて戦ったドイツの名機”フォッカー Dr.I”が撮影にために用意されていることを知り驚く。
アクセルからヴェルフェルを紹介され、”ブラウン”という偽名を使ったウォルドは、映画はケスラーとの戦いを再現することを知る。
セットやロケの環境があまりにも事実と違うことを指摘したウォルドは、ケスラーがアドバイザーとして雇われていることを知り彼と話をする。
本人が主演でないことを知ったウォルドは、どうせウソだらけの映画なので構わないと言われ、本名はウォルド・ペッパーだと伝える。
エズラの事故で処分を受けたことを確認したケスラーは、ウォルドが飛ぶ資格がないことを知り、一緒に飛ぶ気があるか尋ね、もちろんだと言われる。
ケスラーが戦う役に自分を選んだことを知ったウォルドは、現れた彼から借金4万ドルがあると言われる。
なぜそうなったか自分でも不思議に思うと言うケスラーは、空にいると生きていると感じ、交戦中でも、空には勇気と名誉、そして騎士道があるとウォルドとアクセルに伝える。
翌日、飛行の準備をしていたウォルドはケスラーに歩み寄り、実際の戦闘の話をする。
機体に書かれ”ローラ”とは最初の妻の名で、3度結婚したが、今でも想うのは彼女だと、ケスラーはウォルドに話す。
戦った4人の若者の話に戻ったケスラーは、ミスを犯したために次々と撃墜したとウォルドに伝える。
最後に残ったマッデンの話になったケスラーは、機銃の故障が見えたために、彼が逃げればいいと考えたと話す。
マッデンが向かって来たため、その勇気に敬意を表して敬礼したことを確認したウォルドは、その後ケスラーが涙したことを知る。
ヴェルフェルの指示を受けたウォルド、アクセル、ケスラーは飛び立ち撮影は始まる。
ケスラーの攻撃を受けたアクセルは、機を捨てて飛び降り、着地寸前でパラシュートを開く。
アクセルの落下を確認したウォルドは着陸して、救急車も駆け付けた彼の元に向かい、無事だったために安堵する。
その夜、撮影の成功を喜ぶウォルドと怪我をしたアクセルは、酔って家に戻り、その場にニュートがいることに気づく。
ケスラーが撮影のために来ていることを二人に伝えたニュートは、自分は見に行くと伝えて彼らを牽制してその場を去る。
翌日、ニュートのことをアクセルに見張ってもらったウォルドは、ヴェルフェルに呼ばれて、ケスラーと共に撮影の打ち合わせをする。
既に二人が亡くなっているため、実戦では着けなかったパラシュートを渡されたウォルドは、ヴェルフェルの指示に従う。
しかし、ケスラーとウォルドは、パラシュートを捨てて飛び立つ。
そこにニュートが現れ、ケスラーと飛び立ったのは誰かアクセルに尋ねる。
ブラウンだと言われたニュートは、降りてくれば分かるとアクセルに伝える。
ケスラーに合図したウォルドは、撮影機から離れて空中戦を始める。
雲を利用して背後に回ったウォルドは、ケスラーを追う。
本物の空中戦に興奮するニュートは、思わず”ウォルド”と叫び彼を応援し、アクセルを驚かせる。
背後に回ったケスラーは、ウォルドの垂直尾翼に接触する。
これを逃す手はないと言うヴェルフェルは、撮影を始める。
低空飛行で正面衝突しそうになり接触したウォルドとケスラーの機は破損し、近づいた二人は互いに敬意を表して敬礼する。
満足するウォルドは、雲の中に消えていく。
ウォルド・ペッパー 1895-1931