スタン・リー、スティーヴ・ディッコにより創作された”マーベル・ コミック”の人気キャラクター”スパイダーマン”の映画版シリーズの第2作。 正義を守る”スパイダーマン”として使命と恋や友情に悩む青年が怪物と化した科学者と対決する姿を描く、監督サム・ライミ、主演トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、アルフレッド・モリーナ、ジェームズ・フランコ他共演のアクション大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:サム・ライミ
製作総指揮
スタン・リー
ジョセフ・M・カラッシオロ
製作
アヴィ・アラド
ローラ・ジスキン
原作
スタン・リー
スティーヴ・ディッコ
脚本:アルヴィン・サージェント
撮影:ドン・バージェス
編集:ボブ・ムラウスキー
音楽:ダニー・エルフマン
主題歌:アナ・ジョンソン”We Are”
出演
ピーター・パーカー/スパイダーマン:トビー・マグワイア
メリー・ジェーン・ワトソン: キルスティン・ダンスト
ハリー・オズボーン/ニュー・ゴブリン:ジェームズ・フランコ
オットー・オクタヴィアス/ドクター・オクトパス:アルフレッド・モリーナ
ベン・パーカー::クリフ・ロバートソン
メイ・パーカー:ローズマリー・ハリス
ロージー・オクタビアス:ドナ・マーフィー
J・ジョナ・ジェイムソン:J・K・シモンズ
ジョン・ジェイムソン:ダニエル・ギリース
カーティス・コナーズ:ディラン・ベイカー
ジョセフ”ロビー”ロバートソン:ビル・ナン
ベティ・ブラント:エリザベス・バンクス
ホフマン:テッド・ライミ
ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン:ウィレム・デフォー
スノーティ・アッシャー:ブルース・キャンベル
レイモンド:ダニエル・デイ・キム
ディコヴィッチ:エリヤ・バスキン
アースラ・ディコヴィッチ:マゲイナ・トーヴァ
アジズ:アーシフ・マンドヴィ
街角の男性:スタン・リー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2004年製作 127分
公開
北米:2004年6月30日
日本:2004年7月10日
製作費 $200,000,000
北米興行収入 $373,585,830
世界 $783,766,340
■ アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞
・受賞
視覚効果賞
・ノミネート
録音・音響編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
ピザ店でアルバイトしていたピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は配達に遅れて、店主アジズ(アーシフ・マンドヴィ)にクビにされる。
ピーターは、新聞社デイリービーグルの編集長J・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)に渡した写真も気に入られず追い払われそうになる。
仕方なくピーターは、スパイダーマンの写真を渡して小切手を受け取るものの、ジェイムソンの秘書ベティ・ブラント(エリザベス・バンクス)には、前貸しした金額よりそれが少ないために現金を渡せないと言われる。
大学の講義も遅れてしまったピーターは、カーティス・コナーズ(ディラン・ベイカー)からも、落第にならないよう注意される。
伯母メイ・パーカー(ローズマリー・ハリス)の家に寄ったピーターは、彼の誕生日のために訪ねて来ていた親友のハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)とMJ/メリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)に迎えられる。
MJは、夢だった舞台女優としてのキャリアをスタートさせようとしていた。
亡き父ノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)の後を継ぎ”オズコープ”を任されているハリーは、ピーターの尊敬する科学者オットー・オクタヴィアス(アルフレッド・モリーナ)に資金提供をしていた。 ハリーは、スパイダーマンが父を殺したと思い込んでいたため、彼の居場所を知るピーターに、それを教えるようにと迫る。 その後、ローン返済が滞り、二年前に死亡した夫ベン(クリフ・ロバートソン)の思い出に浸るメイを前に、彼の死の真相を伝えられず、自分が無力であることを考えるピーターは心が沈む。 思いを寄せるMJにも、それを伝えられないピーターは、彼女が付き合っている相手がいることを知る。 アパートに戻ったピーターは、管理人のディコヴィッチ(エリヤ・バスキン)に家賃が滞っていることを追求され、メイからもらった20ドルを渡す。 数日後ピーターは、、ハリーにオクタヴィアスを紹介され、彼が開発した核融合装置を見せてもらい、妻ロージー(ドナ・マーフィー)と共に気にいられる。 MJの舞台デビューの日、ハリーは劇場に向かう途中、犯罪に遭遇してスパイダーマンに変身し事件を解決する。 そのため、劇場に入れなかったピーターは、結局MJの舞台を見ることができなかった。 劇場から出てきたMJに気づいたピーターだったが、ある男性が彼女を迎える。 ショックを受けたピーターは、サイレンを鳴らすパトカーを追いスパイダーマンに変身するが、能力が落ちていることに気づく。 翌日、ピーターはMJに電話して、留守の彼女に謝罪のメッセージを残そうとする。 帰宅したMJはそれに出ようとせず、ピーターは通話時間切れで電話が切れてしまい、自分の正体を伝えられないもどかしさで思い悩む。 オクタヴィアスの、核融合による新たなエネルギー研究発表の日、彼は自ら実験台になり、神経で制御できる金属アームを披露する。 アームを使った核融合実験は成功するが、異常事態となり、危険を感じたピーターはスパイダーマンになり、事態を鎮めようとする。 しかし、スパイダーマンはアームで叩きのめされ、助手を務めていたロージーは死亡する。 スパイダーマンが装置を停止させるが、オクタヴィアスはアームと一体化してしまい、強力なパワーを有する怪物と化してしまう。 ジェイムソンは、新しいネタとしてその怪物を”ドクター・オクトパス”と名付ける。 そこに現れたピーターにジェイムソンは、宇宙飛行士である、息子のジョン(ダニエル・ギリース)が出席するパーティーに向かうよう指示する。 ロージーが死に失意のオクタヴィアスは、アームを葬り去ろうとするが、実験を進めようとする考えに負けて、強大なエネルギーを手に入れようとする。 メイと銀行に向かい融資を断られたピーターだったが、そこにオクトパスが現れて、実験資金のために金庫の現金を奪おうとする。 ピーターはスパイダーマンになり、メイを人質にして逃亡したオクトパスに襲いかかる。 スパイダーマンは、抵抗されながらメイを助けるものの、オクトパスを取り逃がしてしまう。 パーティーにカメラマンとして現れたピーターは、その場にいたハリーが、未だにスパイダーマンに対し深い憎しみを抱いていることを知る。 そこに、ジェイムソンの息子のジョンが紹介されて登場するが、何んとエスコートされていたのはMJだった。 その後、MJに歩み寄ったピーターだったが、彼女は、舞台を観に来なかったことなどで失望していることを伝えて、その場を去ってしまう。 酔っていたハリーにも、スパイダーマンをかばっていると出席者の前で罵倒されたピーターは、MJがジョンとの結婚を決めたことも知り愕然とする。 心の迷いにより、ピーターは再びスパイダーマンとしての能力が低下していることに気づく。 同じ頃、資金を確保したオクトパスは、パワーを増す実験の準備を進めていた。 医師の診察で、ピーターは体には異常のないことが分かるが、スパイダーマンになることを止める決意をする。 吹っ切れたピーターは、平凡な学生生活を楽しむようになり、MJの舞台も観に行く。 ピーターは、MJに結婚を考え直すよう迫り、自分が変わったことを強調する。 その後ジェイムソンは、捨てられていたスパイダーマンのスーツを受け取り、それを特ダネにしてしまう。 街の悪党を見過ごすことに疑問を感じ始めたピーターは、ベンの墓参りに行った後で、彼の死が自分のせいであったことをメイに初めて話し、彼女はショックを受けてしまう。 オクトパスは、核融合装置をほぼ完成してハリーの元に向かい、それに必要な”トリチウム”を手に入れようとする。 ハリーは、スパイダーマンを殺せばそれを渡すと約束して、オクトパスを、彼の写真を撮っているピーターの元に向かわせる。 火事現場にいたピーターは、取り残された子供を見逃すことができずにその子を助け出すが、死亡者がでたことを知らされて心を痛める。 悩むピーターは、ディコヴィッチの娘アースラ(マゲイナ・トーヴァ)に優しくされたりもする。 その後ピーターは、引っ越しの準備をするメイに呼ばれ、勇気を出して真実を話してくれたことを感謝され、愛していることを告げられる。 世の中には、ヒーローが必要であることを語るメイの言葉で、ピーターは、その資格のあるスパイダーマンに戻る決心をする。 結婚の準備を進めるMJは、ピーターのことが気になり迷う日々が続く。 MJに呼ばれ、気持ちを伝えられたピーターだったが、再び正義に身を捧げることを決意した彼は、愛がないことを告げる。 ピーターの気持ちを確かめるために、彼にキスを求めたMJだったが、二人はオクトパスに襲われてしまう。 オクトパスはピーターに、スパイダーマンを呼び出すよう指示してMJを連れ去ってしまう。 息子ジョンのフィアンセを連れ去られたジェイムソンは、自分がスパイダーマンを葬り去ったことを後悔する。 しかし、ピーターはジェイムソンのオフィスに飾ってあったスーツを奪い、スパイダーマンは復活する。 スパイダーマンはオクトパスと対決し、激しい戦いを繰り広げる。 オクトパスは地下鉄を暴走させるが、スパイダーマンは、マスクを外して、何んとか線路が切れる寸前でそれを停止させるが、精根尽き果てて気を失ってしまう。 乗客は彼を労わり、マスクを渡した少年や乗客達は、正体を誰にも言わないことを約束する。 そこにオクトパスが現れ、立ちはだかる乗客を退けて、彼はスパイダーマンを叩きのめし、ハリーの元に連れて行く。 オクトパスはハリーに”トリチウム”を要求して、それを受取り立ち去る。 ハリーはスパイダーマンを殺そうとするが、彼の正体がピーターだと分かり驚いてしまう。 ピーターは、”トリチウム”を手に入れたオクトパスが装置を完成させて、MJや人々を殺すと警告し、彼女の居場所をハリーから聞き出そうとする。 スパイダーマンは、川沿いのオクトパスの隠れ家に侵入し、彼と再び激しい戦いを始める。 MJが、起動した装置に吸い込まれそうになり、それを阻止したスパイダーマンは、オクトパスを叩きのめす。 スパイダーマンはマスクを取り、オクタヴィアスとして意識を取り戻した彼に、装置を止める方法を聞く。 オクトパスの思考が残るオクタヴィアスだったが、装置の完成が夢だと言う彼に対し、ピーターは正しい行いを促す。 オクタヴィアスはアームを制御し、装置を停止するには川に沈めるしかないことをピーターに伝える。 装置に向かったオクタヴィアスは、それを破壊して川に沈めようとする。 MJは、ピーターがスパイダーマンだったことを知り、全てを理解する。 オクタヴィアスは、科学者として死ぬ道を選び装置を川に沈め、崩れかけた壁を支えたピーターはMJを救う。 ピーターは、スパイダーマンとして生きていく限り、一緒にはいられないことをMJに伝え、彼女を安全な場所に向かわせる。 MJが、駆けつけたジョンと抱き合う姿を確認し、マスクをつけたピーターは、夜の街に消えていく。 ハリーは、父ノーマンの幻覚に、スパイダーマンへの復讐を誓わされる。 そしてハリーは、隠された研究室を発見して、ノーマンが”グリーン・ゴブリン”だったことを知る。 結婚式の日、MJはジョンにメッセージを残して姿を消し、ピーターの元に向かう。 MJはピーターに愛を伝え、共に困難に立ち向かう覚悟があることを告げる。 二人は愛を確かめ合うのだ、パトカーのサイレンを聞いたピーターは、MJに促されて、悪に立ち向かうためにスパイダーマンに変身して街に向かう。 MJは、その姿を複雑な表情で見つめる。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「スパイダーマン」(2002)
・「スパイダーマン2」(2004)
・「スパイダーマン3」(2007)
・「アメイジング・スパイダーマン」(2012)
・「アメイジング・スパイダーマン2」(2014)
・「スパイダーマン:ホームカミング」(2017)
・「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019)
・「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021)
*(簡略ストー リー)
正義を守るヒーロー”スパイダーマン”として、市民を守っていたピーター・パーカーは、思いを寄せるMJに真実を打ち明けられず、親友ハリーも、父ノーマンをスパイダーマンに殺されたと思い恨んでいた。
借金を抱える伯母メイの力にもなれず、2年前に亡くなった伯父ベンの死の真相も彼女に伝えられずに悩み、ピーターの心の不安定さは、スパイダーマンとしての能力を低下させていた。
そんな時ピーターは、尊敬する大学教授である科学者オクタヴィアス博士が開発した、核融合装置の実験を知り、資金提供をしているハリーと共にその発表に同席する。
しかしオクタヴィアスは、装置を操作する金属アームに自らが制御されてしまい、核融合でパワーを得て怪物と化してしまう。
ピーターは、銀行に押し入ったオクトパスに襲われ、スパイダーマンに変身して反撃するものの相手を取りうにがしてしまう。
新聞社デイリービーグルの編集長ジェイムソンは、それを”ドクター・オクトパス”と呼びネタにしてしまう。
一方、役者デビューを果たしたMJの信頼も失ったピーターは、彼女が結婚することも知り、失意の末、正義のヒーローとしての使命を放棄する決意をするのだが・・・。
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本作の最大の魅力は、主人公が、自分の人生を犠牲にした行動に思い悩む、等身大の青年の人間味豊かな描写にある。
2億ドルを費やした見事なアクション映像よりも、彼の、生身の人間として生きる姿に重点を置いている設定が、ファンの心を捉えている。
アクションがなくても、家族愛を含めた恋愛ドラマとして成り立つような、見事な構成にも拍手を贈りたい。
第77回アカデミー賞では、視覚効果賞を受賞し、録音・音響編集賞にノミネートされた。
北米興行収入は約3億7000万ドル、全世界では約7億8400万ドルの大ヒットとなった。
心の迷いを制御しながら、使命を果たそうとする主人公を熱演するトビー・マグワイアと、揺れ動く女心を、豊かな表情で好演するキルスティン・ダンストの、許されない恋を克服しようとする姿に心打たれる。
主人公二人の友人で、父親(ウィレム・デフォー)の仇が親友であることが分かるジェームズ・フランコ、怪物と化す科学者アルフレッド・モリーナ、主人公を見守る伯母を、印象深く演ずるローズマリー・ハリス、伯父役のクリフ・ロバートソン、”デイリー・ビューグル”編集長J・K・シモンズ、その息子ダニエル・ギリース、秘書役エリザベス・バンクス、同じく編集者ビル・ナン、助手テッド・ライミ、科学者の妻ドナ・マーフィー、アパート管理人エリヤ・バスキン、その娘マゲイナ・トーヴァ、ピザ店店主アーシフ・マンドヴィ、そして、原作者スタン・リーが、街角で女性を助ける男性で登場する。