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スパイダーマン Spider-Man (2002)

スタン・リースティーヴ・ディッコによる、1963年に”マーベル・ コミック”で連載が開始された人気キャラクター”スパイダーマン”の映画版シリーズの第1作。
スパイダーマンの誕生秘話とロマンスと友情、新薬で強靭なパワーを持ったグリーン・ゴブリンとの戦いを描く、監督サム・ライミ、主演トビー・マグワイアウィレム・デフォーキルスティン・ダンストジェームズ・フランコ他共演のアクション大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


・アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:サム・ライミ

製作総指揮
スタン・リー

アヴィ・アラド
製作
イアン・ブライス

ローラ・ジスキン
グラント・カーティス
原作
スタン・リー

スティーヴ・ディッコ
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:ドン・バージェス
編集
ボブ・ムラウスキー

アーサー・コバーン
音楽:ダニー・エルフマン

出演
ピーター・パーカー/スパイダーマン:トビー・マグワイア

ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン:ウィレム・デフォー
メリー・ジェーン・ワトソン: キルスティン・ダンスト
ハリー・オズボーン/ニュー・ゴブリン:ジェームズ・フランコ
ベン・パーカー::クリフ・ロバートソン
メイ・パーカー:ローズマリー・ハリス
J・ジョナ・ジェイムソン:J・K・シモンズ
ジョセフ”ロビー”ロバートソン:ビル・ナン
ベティ・ブラント:エリザベス・バンクス
ホフマン:テッド・ライミ
フラッシュ・トンプソン: ジョー・マンガニエロ
メンデル・ストローム博士:ロン・パーキンス
スローカム将軍:スタンリー・アンダーソン
ヘンリー・バルカン:ジャック・ベッツ
マクシミリアン・ファーガス:ゲリー・ベッカー
ボーン・ソー・マッグロー:ランディーサヴェージ
リング・アナウンサー:ブルース・キャンベル
レスリング会場の受付:オクタビア・スペンサー
レスリングのプロモーター:ラリー・ジョシュア
祭典の男性:スタン・リー

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

2002年製作 121分
公開
北米:2002年5月3日
日本:2002年5月11日
製作費 $139,000,000
北米興行収入 $403,706,380
世界 $821,708,550


アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞

・ノミネート
録音・視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーククイーンズ
幼くして両親を亡くした高校生ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、伯父夫婦ベンとメイ(クリフ・ロバートソン/ローズマリー・ハリス)に引き取られて暮らしていた。

科学に興味を持つピーターは、隣人でクラスメイトのメリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)に心を寄せていた。

ある日、コロンビア大学の自然科学部見学の課外授業で、ピーターは、親友ハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)に促され、思い切ってメリー・ジェーンに声をかける。

メリー・ジェーンの写真を撮っていたピーターは、ケースを抜け出していた、遺伝子を組み換えた新種のスーパー・スパイダーに噛まれてしまう。

ハリーの父で科学者でもある”オズコープ”のCEOノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)は、スローカム将軍(スタンリー・アンダーソン)から、軍事目的の新薬であるパワー増強剤の人体実験を急ぐよう迫られる。
...全てを見る(結末あり)

帰宅したピーターは、スパイダーに噛まれた影響で、体調不良となり寝込んでしまう。

オズボーンは、研究開発資金を他社に回されることを恐れ、メンデル・ストローム博士(ロン・パーキンス)の制止も聞かず、新薬を自らの体で試してしまう。

そして、オズボーンは強大なパワーを得てストローム博士を殺害し、研究室から消え去る。

翌朝、目覚めたピーターは回復し、視力がよくなり、筋肉がついたことに気づく。

屋敷でハリーに起こされたオズボーンは、ストローム博士が死亡したことと、パワー・スーツとグライダーが盗まれたことを知らされる。

その後ピーターは、反射神経や聴力など、全ての感覚の変化や、手首から、粘着糸のようなものが出ることにも気づく。

喧嘩で相手を簡単に叩きのめし、そのパワーに驚くピーターは、それがスパイダーのせいだと考え、壁をよじ登り、ビルの屋上を飛び越えて、糸(スパイダー・ウェブ)の威力を確認する。

その夜、父親に怒鳴られたメリー・ジェーンと、家の外で話す機会を得たピーターは、自分がカメラマンになりたいことや、彼女が女優になる夢があることを知る。

ピーターは、メリー・ジェーンの心を引くには、車くらい持たねばと考え、賞金3000ドルのレスリングへの参加に向けて、そのアイデアを練り始める。

コスチュームのデザイン案が決まったピーターは、自分の能力を磨き準備をする。

その頃、オズボーンは、研究開発の契約破棄の危機を噂され、窮地に立たされる。

最近のピーターの異変に気づいた伯父ベンは、何か大きな力を得たとしても、それには、また大きな責任が伴うと助言する。

しかしピーターは、それに対して、お節介だとベンに言い返してしまう。

レスリング会場に向かったピーターは、3000ドルを手に入れるために、自分がデザインした”スパイダーマン”のコスチュームでリングに登場する。

リングは檻で囲まれ、ピーターは相手のレスラー、ボーン・ソー・マッグロー(ランディーサヴェージ)との3分間の戦いに耐えるどころか、あっさりと彼を叩きのめしてしまう。

あまりに簡単に勝負がついたため、プロモーターはピーターに100ドルしか払わなかった。

その直後にそのプロモーターは襲われるが、ピーターは強盗を見逃してしまう。

ベンが迎えに来る場所に向かったピーターは、車泥棒に銃撃された瀕死の伯父に気づく。

息を引き取ったベンを前に、怒りがこみ上げたピーターは犯人を追い詰めるが、それが、プロモーターの金を奪い見逃した強盗だと分かる。

ショックを受けたピーターは帰宅して、泣き崩れる伯母メイを慰めて抱きしめる。

同じ頃、スローカム将軍は、オズボーンのライバル社のスペース・スーツの実験を視察していたが、そこに何者かが現れ、将軍らを抹殺する。

その後、科学賞を受賞し、無事に卒業式を終えたピーターは、未だに伯父ベンのことで後悔していた。

ピーターは、自分に大切なことを教えようとしたベンに、酷い言葉を言ってしまったことをメイに伝え、彼女は二人が深く愛し合っていたことを確認する。

自分の能力には、責任が伴うというベンの言葉を想い、ピーターは、それを世の中のために役立てることを決意し、改良したコスチュームに身を包み、犯罪者に制裁を加える。

”スパイダーマン”は話題の人となり、”デイリー・ビューグル”の編集長J・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)は、その姿をスクープできないため苛立つ。

職を探していたピーターは、街角でメリー・ジェーンに出くわし、彼女がダイナーでバイトしていることを知る。

メリー・ジェーンは、ピーターのルームメイトのハリーと付き合っていることを知らされる。

ピーターは、”デイリー・ビューグル”の、スパイダーマンの写真を撮るカメラマン募集の広告を見て、撮影した写真をジェイムソンの元に持参する。

ジェイムソンに採用されたピーターは、スパイダーマン専属のカメラマンとなる。

ライバルがいなくなったオズボーンは、危機を脱し会社は急成長を遂げ、国内一の軍需企業になる。

しかし、ライバル社は復活し、オズコープは売却されることになり、オズボーンは追放されてしまう。

タイムズスクウェア”。
オズコープの調和の祭典が盛大に開催され、それを取材していたピーターは、不吉な予感を感じる。

そこに、オズコープのグライダーに乗った者(ウィレム・デフォー)が現れ、会社の役員を殺す。

ハリーとバルコニーにいたメリー・ジェーンが落下しそうになり、現れたスパイダーマンは彼女を助けようとする。

スパイダーマンも攻撃を受けるが、グライダーの何者かが退却した直後に、落下したメリー・ジェーンを救い、彼女の安全を確保して消え去る。

ハリーとは、生きる世界が違うことを実感していたメリー・ジェーンは、スパイダーマンに惹かれてしまう。

オズボーンは、オズコープの役員が死亡したことを知り、人体実験で二重人格者になった自分が、その事件を起こしたことに気づく。

ジェイムソンは、スパイダーマンと戦った相手を”グリーン・ゴブリン”と名付け、助手のホフマン(テッド・ライミ)に名前を登録させ、使用料を取ることも考える。

その時、オフィスを破壊したグリーン・ゴブリンがジェイムソンに襲いかかり、現れたスパイダーマンを眠らせて連れ去る。

グリーン・ゴブリンは、スパイダーマンに手を組むことを提案して姿を消す。

翌日、デイリー・ビューグルはスパイダーマンとグリーン・ゴブリンが仲間のような記事を掲載してしまう。

スパイダーマンを逮捕するべきだという市民の声も出る中、ピーターは、オーディションの帰りのメリー・ジェーンに出くわす。

メリー・ジェーンを誘ったピーターだったが、ハリーとディナーだと言う彼女と別れる。

直後にメリー・ジェーンは暴漢に襲われてしまい、それを知ったピーターは、スパイダーマンに変身して彼女を救い、お礼にキスをされる。

その後、スパイダーマンは再び市民のために活躍を始めるが、グリーン・ゴブリンの誘いには乗らなかった。

オズボーン、ハリー、メリー・ジェーン、伯母メイと食事をすることになったピーターだったが、彼はグリーン・ゴブリンとの戦いで腕に傷を負ったまま戻ってくる。

それに気づいたオズボーンは、動揺してその場を去ろうとするが、ハリーがそれを引き止める。

オズボーンは、財産目当てだと言ってメリー・ジェーンを傷つけてしまい、二人はその場を立ち去る。

息子の親友を殺すことが出来ず、苦悩するオズボーンだったが、グリーン・ゴブリンはそれを許さず、ピーターの心を攻めるよう命ずる。

グリーン・ゴブリンはメイを襲い、病院に運ばれた彼女の元に向かったピーターは、自分の正体が知られたことに気づく。

メイの見舞いに来たメリー・ジェーンは、スパイダーマンに惹かれていることをピーターに告げる。

ピーターは、スパイダーマンの言葉だと言って、自分の気持ちをメリー・ジェーンに伝える。

そこに現れたハリーは、メリー・ジェーンがピーターに惹かれていると思い込み、それを父オズボーンに伝える。

メリー・ジェーンに危険が迫ることを察したピーターだったが、既に彼女はグリーン・ゴブリンに連れ去られていた。

グリーン・ゴブリンは、”クイーンズボロ橋”にスパイダーマンを誘い出し、”Roosevelt Island Tramway”のゴンドラに乗る子供達と、メリー・ジェーンのどちらの命を助けるかを選択させる。

スパイダーマンはメリー・ジェーンとゴンドラを救い、ダメージを受けながらもグリーン・ゴブリンに戦いを挑み、彼を叩きのめす。

グリーン・ゴブリンは、一時的にオズボーンに戻り、スパイダーマンに慈悲を請う。

しかし、再びグリーン・ゴブリンと化したオズボーンは、グライダーでスパイダーマンを殺そうとする。

スパイダーマンはそれをかわし、グライダーの直撃を受けたオズボーンは、このことをハリーには言わないように頼み息を引き取る。

オズボーンを屋敷に戻したスパイダーマンは、その場に現れたハリーの前から姿を消す。

ハリーはオズボーンの葬儀を済ませ、スパイダーマンが父の命を奪ったと考え、必ず復讐することをピーターに伝える。

それと同時にハリーは、家族がピーターだけだと言って、彼を固く抱きしめる。

ピーターは、複雑な心境でハリーが立ち去るのを見つめ、伯父ベンの墓参りをして、再び彼の言葉を思い出す。

その後、ピーターに寄り添うメリー・ジェーンは、橋で命を落としそうになった時、助かれば彼に会えると思ったことを伝える。

メリー・ジェーンは、いつも支えになってくれたピーターに愛を告げて彼にキスをする。

しかしピーターは、自分の全てを伝えられないことをメリー・ジェーンに告げ、そばにいて彼女を見守ることを約束する。

友達であるとしか言えないことを、ピーターはメリー・ジェーン伝えるが、彼女は覚えのあるキスの感覚気づく。

そしてピーターは、スパイダーマンとして生きていくことを誓い、その場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「スパイダーマン」(2002)
・「スパイダーマン2」(2004)
・「スパイダーマン3」(2007)

・「アメイジング・スパイダーマン」(2012)
・「アメイジング・スパイダーマン2」(2014)

・「スパイダーマン:ホームカミング」(2017)
・「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019)
・「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021)

*(簡略ストー リー)
幼い頃に両親を亡くし、伯父夫婦ベンとメイに育てられた高校生のピーター・パーカーは、隣に住むクラスメイトのメリー・ジェーンに心を寄せていた。
そんなピーターは、課外授業で、遺伝子を組み換えられたスーパー・スパイダーに手を噛まれてしまう。
その後、ピーターは体調を崩すものの、翌朝、全ての感覚に変化が起きていることに気づく。
超人的な能力を身に付けたピーターは思い上がり、伯父ベンの助言に耳を貸さない。
そんな時、ピーターのそんな考えにより、皮肉にも伯父が殺害される事件が起きる。
一方、ピーターの親友ハリーの父で、科学者でもあるオズボーンは、軍部から新薬の開発を急ぐよう迫られていた。
オズボーンは自ら実験台となり、強靭なパワーを持つ怪人との二重人格者になってしまう。
伯父ベンの助言を聞かなかったことを後悔したピーターは、世の中の悪を倒すために、自分の能力を生かそうと決意し、”スパイダーマン”となり街を守ろうとする。
その頃、オズボーンは、自ら作り上げた会社を追放され、独自で全てを支配することを考え、その妨げになるスパイダーマンを倒そうとするのだが・・・。
__________

実写化が待望され、1億3900万ドルをかけてついに製作された本作は、期待通りのメガヒットとなり、圧倒的な指示を受けた。

その後のシリーズ作品を見ると、”序章”ということもあり、スパイダーマン自体の活躍映像はやや控え目にも思えるが、アメリカ社会の底辺を支える一般庶民が、とてつもない能力を得て、派手な武器などを使わずに悪と戦う姿が、痛快且つ爽やかに描かれているところが魅力の一つでもある。

サム・ライミの軽快でシャープな演出も見応えがあり、あっさりとした、押し付けがましくない若者のロマンス展開もうなずける。

第75回アカデミー賞では、録音、視覚効果賞にノミネートされた。

北米興行収入はなんと約4億ドル、全世界では約8億2200万ドルという驚異的な記録を作り、コロンビア・ピクチャーズを同年の業界No.1とする原動力となった。

温厚で優しい雰囲気の少年トビー・マグワイアは、いかにも庶民の代表のようであり、実にいいキャラクターだ。
争いや戦いに縁のない少年と、スーパーヒーローのギャップが見事な効果をあげ、既に実力を評価されていた彼のキャリアを決定付けた作品でもある。

公開当時、どうもミスキャストに思えたキルスティン・ダンストだが、今見ると実に自然に見えるのは、フィーバー気味の公開時に、ヒロインに期待し過ぎたからだろうか・・・。
主人公と同じく、家庭に恵まれず、夢の実現も程遠い普通の女性を好演し、チャーミングな笑顔も印象に残る。

こちらも、公開当時、驚きの役柄だった実力派ウィレム・デフォーも熱演し、今後のシリーズで活躍する息子役ジェームズ・フランコも注目の存在だ。

主人公に大きな影響を与える伯父役、大ベテランのクリフ・ロバートソンと伯母ローズマリー・ハリス、”デイリー・ビューグル”編集長J・K・シモンズ、その秘書役エリザベス・バンクス、同じく編集者ビル・ナン、助手のテッド・ライミ、主人公に嫌がらせをするクラスメイトのジョー・マンガニエロ、オズコープ社の研究者ロン・パーキンス、オズボーン(W・デフォー)に新薬開発を急がせる将軍役スタンリー・アンダーソン、レスラーのランディーサヴェージ、リング・アナウンサーのブルース・キャンベル、レスリング会場の受付オクタビア・スペンサー、プロモーターのラリー・ジョシュア、そして、タイムズスクウェアの祭典で、原作者スタン・リーが一瞬登場する。


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