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ライムライト Limelight (1952)

アメリカ国内で反共産主義が高まる中”赤狩り”の対象となったチャップリンが、製作、監督、脚本、音楽、主演を兼ねた集大成的な作品。
人生に絶望した若いダンサーの命を救い希望を与える老芸人の生き様を描く、クレア・ブルームバスター・キートンシドニー・チャップリン他共演のヒューマン・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・チャップリン

製作:チャールズ・チャップリン
脚本:チャールズ・チャップリン
撮影:カール・ストラス
編集:ジョー・インゲ
音楽
チャールズ・チャップリン

レイモンド・ラッシュ

出演
カルヴェロ:チャールズ・チャップリン

テレーザ”テリー”アンブローズ:クレア・ブルーム
カルヴェロのパートナー:バスター・キートン
ネヴィル:シドニー・チャップリン
ポスタント:ナイジェル・ブルース
ボダリンク:ノーマン・ロイド
ブレイク医師:レオナルド・ムディー
ダンサー:アンドレ・エグレフスキー
テリーのダンスダブル:メリッサ・ヘイデン
アルソップ夫人:マージョリー・ベネット
道化師:チャールズ・チャップリンJr.
オープニング・シーンの少女:ジェラルディン・チャップリン
オープニング・シーンの少女:ジョセフィン・チャップリン
オープニング・シーンの少年:マイケル・チャップリン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1953年製作 137分
公開
北米:
1952年10月23日(ニューヨーク)
1972年(ロサンゼルス)
日本:1953年2月12日


アカデミー賞 ■
第45回アカデミー賞(1972年)
・受賞
作曲賞
ロサンゼルスの公開がこの年だったため。


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1914年、夏、ロンドン第一次大戦前夜。
かつて一世を風靡した芸人カルヴェロ(チャールズ・チャップリン)は、今では老芸人として落ちぶれた生活を送っていた。

ある朝、酔ってアパートに戻ったカルヴェロは、ガスの臭いに気づき、自殺を図った女性テレーザ”テリー”アンブローズ(クレア・ブルーム)を助ける。

ブレイク医師(レオナルド・ムディー)を呼んだカルヴェロは、テリーを自分の部屋に運び、手当てされた彼女は2日で回復すると言われる。

カルヴェロは、テリーを静養させるようブレイク医師に指示され、大切なバイオリンを質に入れ、意識の戻った彼女のために果物などを買って帰る。

アパートの大家アルソップ夫人(マージョリー・ベネット)は、テリーが逃げたものと思い込む。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
かつて一世を風靡した老芸人カルヴェロは、今では落ちぶれていた。
そんなある日カルヴェロは、同じアパートに住む若い女性テリーが、ガス自殺を図ったのに気づき命を救う。
意識を取り戻したテリーは、ダンサーでありながら足が麻痺して踊れないことをカルヴェロに伝える。
カルヴェロは、医師から、それが精神的な要因だと聞いていたため、テリーの心を和ませ生きる希望を与えようとする。
そんな時、カルヴェロは、舞台に立つチャンスを掴むが、彼の芸は全く受けなかった。
落胆するカルヴェロを、今度はテリーが励まして、そして彼女は歩けるようになり、やがてダンサーの職を得られる。
バレエ監督ボダリンクや劇場主ポスタントに認められたテリーはプリマドンナとなり、カルヴェロに感謝して愛を告げ、そして結婚を申し込む。
芸や人生には誇りを持つものの、テリーの愛を受け入れることが出来ない老人のカルヴェロは、成功を手に入れた彼女から、身を引こうとするのだが・・・。
__________

1952年9月、チャップリンとその家族は、本作のロンドンプレミアのためニューヨークを旅立ち、船上で事実上のアメリカ追放命令を受けたという曰く付きの作品。

20年後の1972年、チャップリン第44回アカデミー賞に招待され、再びアメリカの地を踏むことになる。

そして、ロサンゼルスで初めて本作が公開されたこともあり、翌年、第45回アカデミー賞で、本作の主題曲が作曲賞を異例の受賞した。

また、ロバート・ アルドリッチがアシスタントとしてスタッフの一員に名を連ねている。

私が本作を始めて観たのは、チャップリンが再びアメリカに招かれた頃で、既に伝説化されていた彼の作品は、何作も観てはいたものの、トレードマークの”The Tramp”のキャラクター作品だった。
当時、子供だった私は、荻昌弘氏が解説を務めた”月曜ロードショー”で放映された本作を観て、無理矢理感動しなくてはいけないものかと、なぜか頭を傾げてしまった記憶がある。
上記のように、”The Tramp”こそがチャップリンだと思い込んでいた子供には、仕方のないことだったかもしれない。
その放映時、終了と共に登場した荻昌弘氏が、目に涙をためて、”何も言うことはありません・・・”と一言伝えて、番組を締めくくったことが印象に残っている。

約40年振りに本作を見ると、全く違った目で観られたことに、自分ながら改めて驚いてしまった。

どちらかと言うと、あまり好みではないチャップリンの芸風なのだが、その一つ一つの動作や仕草を見ていると、 完ぺき主義者の彼の芸は、正に芸術的で、体全体、指先まで、自分の全てを注ぎ込んでいることが伝わってくる見事さに、引き込まれてしまう。
今見ても、全く古さを感じない、オリジナリティー溢れる芸の数々に圧倒される。

不世出の才能とはこういうものかと、人類の遺産とも言える、彼のパフォーマンスを再認識できたことに幸福感さえ感じてしまう。

80歳を前にして、「英国王のスピーチ」(2010)でメアリー王太后を演じ、クレア・ブルームは元気な姿を見せてくれたことも嬉しい。
本作では、20歳になったばかりの彼女の、主人公に対する献身的な姿も涙を誘う。

芸のパートナーとして、クライマックスで登場する、友情出演的なバスター・キートン、ヒロインに思いを寄せる作曲家を演ずるチャップリンの実の息子シドニー・チャップリン、劇場主役のナイジェル・ブルース、バレエ監督のノーマン・ロイド、医師のレオナルド・ムディー、アパートの大家マージョリー・ベネット、道化役であるチャップリンの実の息子のチャールズ・チャップリンJr.、ダンサー役で登場するアンドレ・エグレフスキーメリッサ・ヘイデンが見事なバレエを披露し、そして、チャップリンの子供達ジェラルディンジョセフィンマイケルが冒頭の場面で登場する。


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