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アラビアのロレンス Lawrence of Arabia (1962)

アラブを愛したイギリス軍陸軍将校トマス・エドワード・ロレンスカイロ赴任からアラビアでの活動を描く、監督デヴィッド・リーンピーター・オトゥールアレック・ギネスアンソニー・クインオマー・シャリフ他共演による歴史ドラマの超大作にして映画史上に残る不朽の名作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

アンソニー・クイン / Anthony Quinn / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・リーン

製作:サム・スピーゲル
脚色:ロバート・ボルト
美術
ジョン・ボックス
ジョン・ストール
ダリオ・シモーニ
撮影:フレデリック・A・ヤング
編集:アン・V・コーツ
音楽:モーリス・ジャール

出演
トマス・エドワード・ロレンスピーター・オトゥール
ファイサル王子:アレック・ギネス
アウダ・アブ・タイアンソニー・クイン
アリ:オマー・シャリフ
エドモンド・アレンビー将軍:ジャック・ホーキンス
ジャクソン・ベントリー:アーサー・ケネディ
ハリー・ブライトン大佐:アンソニー・クェイル
ベイ:ホセ・フェラー
ドライデン:クロード・レインズ
ガシム:I・S・ジョハー

イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1962年製作 216分/228分(ディレクターズ・カット)
公開
イギリス:1962年12月10日
北米:1962年12月16日
日本:1963年12月21日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $44,824,140
世界 $70,000,000


アカデミー賞 ■
第35回アカデミー賞

・受賞
作品・監督・編集・録音・美術(カラー)
撮影(カラー)・作曲賞
・ノミネート
主演男優(ピーター・オトゥール
助演男優(オマー・シャリフ
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1935月5月13日、イングランドドーセット
バイクに乗り街道を走る男性(ピーター・オトゥール)が、突然現れた自転車を避けようとして事故を起こし、6日後に死亡する。

セント・ポール大聖堂
その男性の名はトマス・エドワード・ロレンスで、葬儀が行われ、エドモンド・アレンビー将軍(ジャック・ホーキンス)ら多くの参列者が集まっていた。
__________

1916年。
イギリス軍エジプト駐屯部隊情報部のロレンス中尉は、周囲からは無骨者で通り、変人扱いされていた。

外交官のドライデン(クロード・レインズ)は、アラビア語に堪能で、アラブについて精通しているロレンスに目を付ける。

ロレンスは、オスマントルコからの独立を指揮する、シリアの王子ファイサルに会い、イギリス軍への協力を要請する
任務をドライデンから命ぜられる。

アラビア半島へ渡ったロレンスは、アラブ人の案内人と共に井戸で水を補給するが、そこに井戸の持ち主アリ(オマー・シャリフ)が現れる。

そして、他の部族に水を飲まれたアリは案内人を射殺してしまう。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1916年。
イギリスの外交官のドライデンは、周囲から無骨者で通り、変人扱いされているものの、アラブについて精通していることから、イギリス軍エジプト駐屯部隊情報部のトマス・エドワード・ロレンス中尉に、シリアの王子ファイサルに会い、協力を要請する任務に就かせる。
早速、アラビア半島へ渡ったロレンスは、ファイサルの部下アリと出会うものの案内を断る。
ロレンスは途中、イギリス軍のブライトン大佐と出くわし、トルコ軍の襲撃を受けているファイサルの元にたどり着く。
ブライトン大佐は、苦戦するファイサルに撤退を勧めるが、アラブ人の心を知るロレンスは、地中海に向けて巨砲を構える港湾都市アカバを、内陸から攻める作戦を立てる。
到着したアリは、ネフド砂漠を渡るのは不可能だと言ってロレンスの無謀さを非難するが、50名を率いた彼はアカバに向かう・・・。
__________

オスマントルコからのアラブ独立(アラブ反乱)に関与した戦いの末に、指導者や指揮官に利用され、更に部族同士の愚劣な対立が、イギリス人青年将校ロレンスアラブに対する情熱を失わせ、挫折するまでを描いたヒューマン・ドラマでもある。

何事が起こったのかと戸惑う、バイクの事故シーンで始まるオープニングから、果てしなく続く雄大な砂漠と地平線、美しい夕陽と海・・・
その映像美と、スケールの大きさに妥協を許さない、デヴィッド・リーンの最高傑作とも言える作品。

また、被虐と残虐性の両方を備えてしまう、変化するロレンスの人物像なども、繊細且つ大胆に描くデヴィッド・リーンの演出は秀逸だ。

第35回アカデミー賞では10部門でノミネートされ、作品、監督賞他7部門で受賞した。
・受賞
作品・監督・編集・録音・美術(カラー)
撮影(カラー)・作曲賞
・ノミネート
主演男優(ピーター・オトゥール
助演男優(オマー・シャリフ
脚色賞

1991年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

日本の公開は欧米などより1年遅れ、初公開版に不満のあったデヴィッド・リーンが、再編集した完全版が1989年に公開されたが、日本では劇場公開はされていない。

本作こそは、劇場で見なければ価値のない作品と言える。

フレデリック・A・ヤングの芸術的な映像を生かしてドラマを盛り上げる、モーリス・ジャールの雄大な音楽も素晴らしい。

数本の映画出演の後、ロレンス役に大抜擢されたピーター・オトゥールは、実際には小柄なロレンスとは対照的な長身、異様なまでに青い目が印象的。
アラブのスペシャリスト、知的だがひ弱な外観とは違い、ロマンチストで勇猛果敢、さらには情熱的な人物を見事に演じている。

トルコ軍に苦戦を強いられる前半から、次第に指導者として政治力を発揮していくファイサル王子のアレック・ギネス、野蛮な部族長だが、部下や部族のために戦いを続けるアウダ・アブ・タイアンソニー・クインファイサルの部下で、ロレンスと友情を深めるオマー・シャリフ、後ろめたさを感じつつも、ロレンスを政治利用する、イギリス軍指揮官アレンビー将軍のジャック・ホーキンスと外交官クロード・レインズロレンスを追うアメリカ人記者のアーサー・ケネディ、指導者や指揮官に利用されたロレンスを哀れむ上官アンソニー・クェイルトルコ軍司令官ホセ・フェラーなど、錚々たる名優が脇を固めているのも見逃せない。


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