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恐怖への旅 Journey into Fear (1943)

1940年に発表された、エリック・アンブラーのスパイ小説”Journey into Fear”を基に製作された作品。
トルコ海軍と取り引きしたアメリカ人エンジニアの命がけの逃亡劇を描く、製作、監督(クレジットなし)、脚本、出演オーソン・ウェルズ、監督ノーマン・フォスター、脚本、主演ジョセフ・コットンドロレス・デル・リオルース・ウォリックアグネス・ムーアヘッド他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest


スタッフ キャスト
監督
ノーマン・フォスター
オーソン・ウェルズ(クレジットなし)
製作:オーソン・ウェルズ
原作:エリック・アンブラーJourney into Fear
脚本
ジョセフ・コットン
オーソン・ウェルズ
撮影:カール・ストラス
編集:マーク・ロブソン
音楽:ロイ・ウェッブ

出演
ハワード・グラハム:ジョセフ・コットン
ジョゼット・マーテル:ドロレス・デル・リオ
ステファニー・グラハム:ルース・ウォリック
マシューズ夫人:アグネス・ムーアヘッド
マシューズ:フランク・リーディック
ゴーゴー:ジャック・デュラント
コペイキン:エヴェレット・スローン
ハラー教授/ミュラー:ユースタス・ワイアット
クヴェトリ:エドガー・バリア
ペーター・バナト:ジャック・モス
パーサー:ステファン・シュナーベル
ウー・ラン・サン:ハンス・コンリード
スチュワード:ロバート・メルツァー
船長:リチャード・ベネット
ハキ大佐:オーソン・ウェルズ

アメリカ 映画
配給 RKO
1943年製作 68分
公開
北米:1943年2月12日
日本:1989年1月21日


ストーリー
イスタンブール
殺し屋のペーター・バナト(ジャック・モス)は、蓄音機で音楽を流しながら仕事の準備をする。
トルコ海軍との取引を終えたアメリカ人の兵器エンジニア、ハワード・グラハム(ジョセフ・コットン)と妻ステファニー(ルース・ウォリック)は、ホテルに到着する。
会社のドイツ支店長コペイキン(エヴェレット・スローン)に迎えられたハワードとステファニーは、彼と共に食事をする。
仕事の話があると言うコペイキンは、ハワードを連れてナイトクラブに向かう。
バナトは、ターゲットであるハワードを監視していた。
コペイキンは、人気ダンサーのジョゼット・マーテル(ドロレス・デル・リオ)とパートナーのゴーゴー(ジャック・デュラント)をハワードに紹介する。
マジックが始まりステージに上がることになったハワードを、バナトの銃弾が襲う。
しかし、マジシャンのウー・ラン・サン(ハンス・コンリード)が、ハワードと入れ替わったために射殺されてしまう。
その場は騒ぎとなり、ハワードは秘密警察本部に連行される。
長官のハキ大佐(オーソン・ウェルズ)は、今回の事件は、トルコ海軍の再武装を妨害する、ドイツ側工作員の仕業だとハワードに伝える。
ハキは、犯人と思われるバナトの写真をハワードに見せながら、ナチの”ミュラー”という工作員に雇われた殺し屋であることをハワードに話す。
ドイツ側に対抗しようとするハキは、グラハムを脱出させるために不定期船に乗せてバトゥーミに向かわせ、ステファニーは安全な陸路で移動させようとする。
船には、ジョゼットとゴーゴー、タバコ会社の営業マンのクヴェトリ(エドガー・バリア)、マシューズ(フランク・リーディック)とフランス人の妻(アグネス・ムーアヘッド)、ドイツ人の考古学者ハラー教授(ユースタス・ワイアット)、そして密かにバナトが乗船していた・・・。


解説 評価 感想

エリック・アンブラーのスパイ小説”Journey into Fear”を基に、出演と脚本そして監督(クレジットなし)を兼ねるオーソン・ウェルズが製作し、監督はノーマン・フォスター、脚本、主演ジョセフ・コットンドロレス・デル・リオルース・ウォリックアグネス・ムーアヘッドなどが共演した作品。

トルコ海軍と取り引きしたアメリカ人エンジニアの命がけの逃亡劇を描くサスペンス。

弱冠25歳(撮影時)のオーソン・ウェルズによる衝撃的な初監督作品「市民ケーン」(1941)から2年後の作品であり、戦時下を舞台にしたスパイ劇。
監督し主演する予定だったオーソン・ウェルズは、前作の「偉大なるアンバーソン家の人々」(1942)と未完成作品”It’s All True”を手がけていたために、それを諦めた。
とは言うものの、彼は秘密警察の”ハキ大佐”として重要な役を演じ、冒頭の殺し屋を映すワンカットのシーンや緊迫感ある演出は、正にウェルズ作品と言っていい内容だ。
当初に予定されていた実績十分のベン・ヘクトの脚本を無視したウェルズは、ジョセフ・コットンと共に脚本を描き上げ、”支配者”として作品を作り上げたのだった。
その当時でまだ26歳だというのだから、彼の才能には驚かされる。

そんな伝説的な話とは裏腹に、本作は興行的には失敗し、RKOは20万ドル近い損失を出した。

主演のジョセフ・コットンは、トルコ海軍と取り引きしたために命を狙われる兵器エンジニアを熱演している。

主人公と関係するダンサーのドロレス・デル・リオ、そのパートナーのジャック・デュラント、主人公の妻ルース・ウォリック、癖のある役が印象に残るアグネス・ムーアヘッド、その夫フランク・リーディック、主人公の会社の支店長エヴェレット・スローン、考古学者の教授に扮するナチの工作員ユースタス・ワイアット、彼に雇われる殺し屋を異様な雰囲気で演ずるジャック・モス、トルコ秘密警察のエドガー・バリア、船のパーサー、ステファン・シュナーベル、スチュワードのロバート・メルツァー、船長のリチャード・ベネット、主人公と間違えられて殺されるマジシャンのハンス・コンリードなどが共演している。


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