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偉大なるアンバーソン家の人々 The Magnificent Ambersons (1942)

1918年に発表された、ブース・ターキントンの小説”The Magnificent Ambersons”を基に製作された作品。
19世紀末から20世紀初頭の激動の時代を舞台に、大富豪一家の発展と没落を描く、製作、監督、脚本オーソン・ウェルズ、編集ロバート・ワイズ、主演ジョゼフ・コットンドロレス・コステロアン・バクスターティム・ホルトアグネス・ムーアヘッドレイ・コリンズ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:オーソン・ウェルズ

製作:オーソン・ウェルズ
製作総指揮:ジョージ・シェーファー
原作:ブース・ターキントンThe Magnificent Ambersons
脚本:オーソン・ウェルズ

撮影:スタンリー・コルテス
編集:ロバート・ワイズ
美術・装置
アルバート・S・デアゴステイーノ

A・ローランド・フィールズ
ダレル・シルヴェラ
音楽:バーナード・ハーマン

出演
ユージーン・モーガン:ジョゼフ・コットン

イザベル・アンバーソン・ミネファー:ドロレス・コステロ
ルーシー・モーガン:アン・バクスター
ジョージ・アンバーソン・ミネファー:ティム・ホルト
ファニー・ミネファー:アグネス・ムーアヘッド
ジャック・アンバーソン:レイ・コリンズ
アンバーソン少佐:リチャード・ベネット
ロジャー・ブロンソン:エルスキン・サンフォード
ウィルバー・ミネファー:ドン・ディラウェイ
ナレーター:オーソン・ウェルズ

アメリカ 映画
配給 RKO

1942年製作 88分(オリジナル版148分)
公開
北米:1942年7月10日
日本:1988年4月1日
製作費 $1,100,000


アカデミー賞 ■
第15回アカデミー賞
・ノミネート
作品
助演女優賞(アグネス・ムーアヘッド
撮影(白黒)・美術(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀末、インディアナ州、インディアナポリス
帰郷した青年ユージーン・モーガン(ジョゼフ・コットン)は、好意を抱く、町の名士である富豪アンバーソン少佐(リチャード・ベネット)の娘イザベル(ドロレス・コステロ)に会いに行く。

ユージーンはそれを拒まれ、その後イザベルは、青年実業家のウィルバー・ミネファー(ドン・ディラウェイ)と結婚してしまう。

イザベルとウィルバーの一人息子ジョージは甘やかされて育ち、人々に迷惑をかけても反省もせず、いずれ報いを受けるだろうと考える者は多かった。

その後、成長してもジョージ(ティム・ホルト)の性格は変わらなかったが、”報い”とも縁はなかった。

ある日、アンバーソン家の舞踏会が開かれ、招待されたユージーンはイザベルに迎えられ、彼女から息子のジョージを紹介される。

ジョージは、その後に現れたルーシー(アン・バクスター)をエスコートするが、母イザベルが、嫌な印象を受けたユージーンと踊っているのが気になる。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
19世紀末、インディアナ州、インディアナポリス
帰郷した青年ユージーン・モーガンは、町の名士である富豪アンバーソン少佐の娘イザベルに好意を示すものの、会うこともできない。
その後イザベルは実業家ウィルバーと結婚し、その一人息子のジョージは甘やかされて育つ。
ジョージは人々に迷惑をかけ、彼が”報い”を受ける日が来ると多くの人が思った。
成長したジョージの性格は変わらず、ある日、彼は舞踏会に招待したユージーンを母イザベルから紹介される。
自動車を開発する発明家だというユージーンをよく思わないジョージだったが、彼の娘ルーシーと親交を深める。
やがて父ウィルバーが亡くなり、ジョージは、母と結婚も噂されるユージーンを憎むようになる。
ジョージと愛し合うようになっていたルーシーだったが、将来のことを何も考えず家名に頼る彼を理解できなくなる・・・。
__________

前年の「市民ケーン」(1941)の衝撃的デビューも冷めやらぬ中、オーソン・ウェルズの主宰する”マーキュリー劇団”により製作された、監督、脚本を兼ねた彼の才能を世に知らしめた作品として非常に高い評価を得た。

太平洋戦争開戦間もない時期の作品であるため、日本で公開されなかったのは理解できるが、この名作をお蔵入りにして1988年まで公開できなかったことは疑問だ。
因みに、「市民ケーン」(1941)も日本公開は1966年。

若きオーソン・ウェルズが傑出した才能の持ち主であることが窺えるのは、本作が前年に「市民ケーン」を製作した同一人物の作品に思えないところだ。

フランソワ・トリュフォーの言葉にもあるが、「市民ケーン」という作品を受け入れられない者が製作したように思える。
つまり、オーソン・ウェルズ自身が、他の作品で自らの作品を批評しているとも言えるような作風に注目したい。

第15回アカデミー賞では、作品、助演女優賞(アグネス・ムーアヘッド)、撮影(白黒)、美術(白黒)にノミネートされた。

1991年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

残念なのは、オリジナルが148分に対して本作が60分も短いことで、その編集をしたのが「市民ケーン」も担当したロバート・ワイズだ。

主人公はアンバーソン家の嫡男とも言えるため、やや控えめな登場と演技に徹する、発明家を演ずるジョゼフ・コットン、甥と苦難の道を共にするアグネス・ムーアヘッド、叔父役のレイ・コリンズ、法律事務所のエルスキン・サンフォードなど、”マーキュリー劇団”の役者が顔を揃えている。
*4人は「市民ケーン」にも出演。

アンバーソン家の長女ドロレス・コステロ、発明家の娘を印象深く演ずる、撮影当時まだ19歳のアン・バクスター、アンバーソン家の嫡男を好演するティム・ホルト、家長リチャード・ベネット、イザベル(ドロレス・コステロ)の夫ドン・ディラウェイ、そしてオーソン・ウェルズがナレーターを担当している。


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