ナチス・ドイツの攻勢に決して屈しなかったイギリス首相ウィンストン・チャーチルの苦闘を描く、監督ジョー・ライト、主演ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーン、スティーヴン・ディレイン他共演の戦争ドラマ。 |
・ゲイリー・オールドマン / Gary Oldman / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョー・ライト
製作
ティム・ビーヴァン
リサ・ブルース
エリック・フェルナー
アンソニー・マクカーテン
ダグラス・アーバンスキー
製作総指揮
ジェームズ・ビドル
ルーカス・ウェブ
ライザ・チェイシン
脚本;アンソニー・マクカーテン
撮影:ブリュノ・デルボネル
編集:ヴァレリオ・ボネッリ
衣裳デザイン:ジャクリーヌ・デュラン
美術・装置
サラ・グリーンウッド
ケイティ・スペンサー
メイクアップ&ヘアスタイリング
辻一弘
デヴィッド・マリノースキー
ルーシー・シビック
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演
ウィンストン・チャーチル:ゲイリー・オールドマン
クレメンタイン・チャーチル:クリスティン・スコット・トーマス
エリザベス・レイトン:リリー・ジェームズ
ジョージ6世:ベン・メンデルソーン
エドワード・ウッド/ハリファックス子爵:スティーヴン・ディレイン
ネヴィル・チェンバレン:ロナルド・ピックアップ
ジョン・サイモン/サイモン子爵:ニコラス・ジョーンズ
アンソニー・イーデン:サミュエル・ウェスト
クレメント・アトリー:デヴィッド・スコフィールド
ヘイスティングス・イスメイ将軍:リチャード・ラムスデン
エドムンド・アイアンサイド将軍:マルコルム・ストッリー
アーサー・グリーンウッド:ヒルトン・マクレー
ジョン・エヴァンス:ジョー・アームストロング
ヒュー・ダウディング将軍:アドリアン・ラウリンズ
バートラム・ラムゼー提督:デヴィッド・バンバー
サミュエル・ホアー/テンプルウッド子爵:ベンジャミン・ホイットロー
ダドリー・パウンド提督:ポール・レナード
フランクリン・ルーズベルト:デヴィッド・ストラザーン
イギリス/アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
フォーカス・フィーチャーズ
2017年製作 2017分
公開
イギリス:2018年1月12日
北米:2017年11月22日
日本:2018年3月30日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $56,468,400
世界 $150,914,000
■ アカデミー賞 ■
第90回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
・ノミネート
作品・撮影・衣裳デザイン・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1940年5月9日。
ナチス・ドイツ率いるヒトラーは、チェコスロバキア、ポーランド、デンマーク、ノルウェーを占領し、ベルギー国境に300万の兵を送り、ヨーロッパ征服を目論んでいた。
イギリスでは内閣が支持を失い、ネヴィル・チェンバレン首相の後任が選ばれようとしていた。
労働党のクレメント・アトリー(デヴィッド・スコフィールド)は、無策のまま国を危機にさらすチェンバレンの退陣と、挙国一致内閣への参加を保守党に要求する。
保守党と政権を組む条件として、アトリーはチェンバレンの退陣を求める。
海軍大臣のウィンストン・チャーチルがその場にいないことを訊かれたアンソニー・イーデン(サミュエル・ウェスト)は、首相降ろしには関わりたくないのだろうと答える。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1940年5月10日、ロンドン。
攻勢を続けて西ヨーロッパの侵略を進めるナチス・ドイツへの政策に失敗して退陣したチェンバレンに替わり、ウィンストン・チャーチルが国王ジョージ6世により首相に任命される。
政敵であるチェンバレンと外務大臣のハリファックスをあえて内閣に残したチャーチルは、ドイツに対する徹底抗戦の姿勢を変えようとしない。
敵との和平交渉だけが国土を守る道と考えるチェンバレンとハリファックスは、チャーチルと対立するものの説得することができない。
イギリス及び連合軍兵士約30万人が、ドーバー海峡を隔てたダンケルクで包囲される中、チャーチルは国家の存続をかけた決断を迫られる・・・。
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第二次大戦を勝利に導いたウィンストン・チャーチルの、イギリス首相就任からダンケルクから連合軍を撤退させる”ダイナモ作戦”の決行、そしてナチス・ドイツに対する徹底抗戦を訴えた信念を貫く闘いを描く歴史戦争ドラマ。
特殊メイクによりウィンストン・チャーチルになり切ったゲイリー・オールドマンの、圧倒的存在感と渾身の演技が話題になった。
「プライドと偏見」(2005)「つぐない」(2007)のジョー・ライトによる、歴史的事実を克明に描くリアルな映像が見どころの作品でもある。
イングランド及びイギリスの歴史上、最大の危機に直面した国民が決断を迫られる中、国家の未来を託されたウィンストン・チャーチルの苦悩は、原題の”Darkest Hour”にすべてが集約されている。
刻々と迫る脅威に耐えるしかない”暗黒の時”を表現するために、街中など以外はほとんど照明を使わない映像で演出されているところなども注目したい。
上記で事実を克明にと記したのは、ほとんどの部分でという意味であり、チャーチルの秘書を務めたエリザベス・レイトンが本人に対面したのは1941年の5月であり、カレーの第30歩兵旅団司令官クロード・ニコルソン准将は空爆で戦死したことになっているが、実際には1943年に捕虜の身で死亡しているなど、ドラマチックに演出するため、脚色はされている場面も多い。
当時のニュース・フィルムのような、大袈裟な日にちの表示などが、戦争の緊迫感を伝えている。
北米興行収入は約5700万ドル、全世界では約1億5100万ドルのヒットとなった。
第90回アカデミー賞では作品賞以下6部門にノミネートされ、各方面から絶賛された熱演により、ゲイリー・オールドマンが念願の主演男優賞を、またメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。
*ノミネート
作品、撮影、衣裳デザイン、美術賞
首相となった夫を常に支えるクレメンタイン・チャーチルをユーモアを交えて演ずるクリスティン・スコット・トーマス、チャーチルの秘書エリザベス・レイトンのリリー・ジェームズ、当初はチャーチルを恐れ嫌うものの、国家のために協力し合い戦い抜くことを誓う国王ジョージ6世を、雰囲気ある演技で印象的に演ずるベン・メンデルソーン、チャーチルの政敵であり、前首相ネヴィル・チェンバレン(ロナルド・ピックアップ)と共に平和交渉で講和の道を歩もうとするエドワード・ウッド/ハリファックス子爵のスティーヴン・ディレイン、内閣の貴族院議長ジョン・サイモン/サイモン子爵のニコラス・ジョーンズ、チャーチルの側近である陸軍大臣で後の首相アンソニー・イーデンのサミュエル・ウェスト、労働党党首である後の首相クレメント・アトリーのデヴィッド・スコフィールド、軍事首席補佐官・参謀、ヘイスティングス・イスメイ・イギリス陸軍将軍のリチャード・ラムスデン、同じく帝国参謀本部総長、エドムンド・アイアンサイド将軍のマルコルム・ストッリー、無任所大臣、アーサー・グリーンウッドのヒルトン・マクレー、イギリス空軍、ヒュー・ダウディング将軍のアドリアン・ラウリンズ、”ダイナモ作戦”を指揮するイギリス海軍、バートラム・ラムゼー提督のデヴィッド・バンバー、保守党議員サミュエル・ホアー/テンプルウッド子爵のベンジャミン・ホイットロー、第一海軍卿、ダドリー・パウンド提督のポール・レナード、そしてフランクリン・ルーズベルトの声を担当するデヴィッド・ストラザーンなどが共演している。