潔癖症で偏屈なロマンス小説家と病気の子供を持つウェイトレスの奇妙な恋を描く、製作、監督、脚本ジェームズ・L・ブルックス、主演ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント、グレッグ・キニア、キューバ・グッディングJr.、シャーリー・ナイト、ハロルド・ライミス他共演のロマンチック・コメディ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・L・ブルックス
製作総指揮
ローレンス・マーク
リチャード・サカイ
ローラ・ジスキン
製作
ジェームズ・L・ブルックス
ブリジット・ジョンソン
クリスティ・ズィー
脚本
マーク・アンドラス
ジェームズ・L・ブルックス
撮影:ジョン・ベイリー
編集:リチャード・マークス
音楽:ハンス・ジマー
出演
ジャック・ニコルソン:メルヴィン・ユドール
ヘレン・ハント:キャロル・コネリー
グレッグ・キニア:サイモン・ビショップ
キューバ・グッディングJr.:フランク・サックス
シャーリー・ナイト:ベヴァリー・コネリー
ハロルド・ライミス:ノーマン・ベッツ医師
イヤードリー・スミス:ジャッキー・シンプソン
ルーペ・オンティヴェロス:ノーラ・マニング
スキート・ウールリッチ:ヴィンセント・ロピアノ
ローレンス・カスダン:グリーン医師
ジェシー・ジャームズ:スペンサー・コネリー
ジュリー・ベンツ:出版社の受付係
シェーン・ブラック:ブライアン
レスリー・ステファンソン:カフェ24ウェイトレス
トム・マッゴーワン:レストランの給仕長
ブライアン・ドイル=マーレイ:ハンディマン 管理人
ジェイミー・ケネディ:不良少年
ミッシー・パイル:カフェ24ウェイトレス
ウッド・ハリス:カフェ24雑用係
マーヤ・ルドルフ:警官
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1997年製作 139分
公開
北米:1997年12月25日
日本:1998年4月11日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $147,637,474
全世界 $314,178,011
■ アカデミー賞 ■
第70回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ジャック・ニコルソン)
主演女優賞(ヘレン・ハント)
・ノミネート
作品
助演男優(グレッグ・キニア)
脚本・編集・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
初老の独身男性メルヴィン・ユドール(ジャック・ニコルソン)は、女心を見事に捉える人気ロマンス小説を書くベストセラー作家だった。
メルヴィンは、同じアパートの住民で、ゲイの画家サイモン・ビショップ(グレッグ・キニア)の飼い犬ヴァーデルを嫌い、ダスト・シュートに放り込んでしまう。
迷信を信じ、毎日、同じ行動をとり、毎回新品の石鹸で手を洗う潔癖症のメルヴィンは、住民の間では嫌われ者だった。
サイモンの訪問を受けたメルヴィンは、執筆を邪魔されて憤慨する。
ヴァーテルがメルヴィンに捨てられた考えるサイモンは、ビジネス・パートナーである画商のフランク・サックス(キューバ・グッディングJr.)を伴い、メルヴィンにそれを問い詰めるものの、彼は白を切って2人を追い払う。
しかしメルヴィンは、再び現れたフランクに脅されてしまう。
翌日、メルヴィンは行き付けのカフェ24で、”自分の席”に座っているユダヤ人客を追い出し、持参したフォークとナイフをテーブルに並べる。
注文を聞きに来た、ウエイトレスのキャロル・コネリー(ヘレン・ハント)は、メルヴィンの偏った食事を注意する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
独身男性メルヴィン・ユドールは、人気作家ではあるが、潔癖症で偏屈なために周囲からは嫌われていた。
ある日、同じアパートのゲイの画家サイモンが、モデルで使った若者グループに襲われる事件が起き、メルヴィンは彼の愛犬ヴァーデルを預かることになる。
メルヴィンは、普段は嫌っていたヴァーデルが意外にも自分に懐いたため、癒される日々を送るようになる。
そんな時メルヴィンは、行きつけのカフェのお気に入りのウエイトレス、キャロルの、病気の息子を皮肉って失言してしまう。
憤慨したキャロルは、メルヴィンを猛烈に非難する。
その後メルヴィンは、息子の看病でキャロルがカフェを休んだことを知り、彼女がいないと食事も出来ないという陳腐な理由で、息子のために自費で専門医のベッツを雇う。
そして、キャロルも不器用なメルヴィンの厚意を受け入れるのだが、彼の毒舌や失言は彼女の機嫌を度々、損ねてしまう・・・。
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主演の2人の好演に加え、脇を固める共演陣の個性を活かすジェームズ・L・ブルックスの見事な脚本と演出により、上質で粋な雰囲気のストーリーに仕上がっている。
第70回アカデミー賞では作品賞以下7部門にノミネートされ、主演男優(ジャック・ニコルソン)、主演女優(ヘレン・ハント)を受賞した。
・ノミネート
作品、助演男優(グレッグ・キニア)、脚本、編集、作曲賞
*同年は「タイタニック」が11部門で受賞した(14ノミネート)
北米興行収入は約1億4800万ドル、全世界では約3億1400万ドルの大ヒットとなった。
ハンス・ジマーの軽快なテーマ曲、アート・ガーファンクルの洒落た主題歌も心に残る名曲だ。
「タイタニック」、「グッド・ウィル・ハンティング」、「L.A.コンフィデンシャル」と、同年(1977)は素晴らしい作品が多く公開され、その中でも同作は、小粋で楽しい大人のムード溢れる異色の恋愛ドラマとして大いに話題になり、批評家から高い評価を受けた。
主人公の心を癒し、後半の彼の人情味を引き出す演出に一役買う、サイモンの愛犬”ヴァーデル”の見事な演技も注目で、ヴァーデルを返すことになり涙する主人公を見つめながら、もらい泣きしているようにも思えるシーンの表情は、人間以上の演技を見せている。
正にはまり役と言える、”潔癖、偏屈男”を完璧に演じたジャック・ニコルソンの名人芸を堪能できる作品であり、憎たらしいほどお茶目で愛すべきキャラクターを演じている。
やつれたシングルマザー役のヘレン・ハントは、切ない女心をさらけ出す飾り気のない表情と開放的な笑顔、そのメリハリある見事な演技は各方面からも絶賛され、ジャック・ニコルソンと共にアカデミー主演賞を受賞した。
ストーリーのキーマン、サイモン役のグレッグ・キニアは、主人公二人のギクシャクした不釣合いな恋愛話に巻き込まれるゲイの画家役を好演し、彼もアカデミー助演賞にノミネートされた。
前年の「ザ・エージェント」(1996)でアカデミー助演賞受賞した、偏屈男を手玉に取る画商役キューバ・グッディングJr.も、ドラマにアクセントを加える味のある役を演じている。
素朴なヒロインの母親役のシャーリー・ナイトの、ベテランらしい深みのある演技も注目だ。
メルヴィン(ジャック・ニコルソン)の頼みでキャロル(ヘレン・ハント)の息子(ジェシー・ジャームズ)を治療する専門医ハロルド・ライミス、サイモン(グレッグ・キニア)のマネージャーのイヤードリー・スミス、サイモンの家政婦のルーペ・オンティヴェロス、サイモンを襲うモデルのスキート・ウールリッチ、精神科医ローレンス・カスダン、出版社の受付係ジュリー・ベンツ、カフェの店長シェーン・ブラック、ウエイトレスのレスリー・ステファンソンとミッシー・パイル、雑用係のウッド・ハリス、レストランの給仕長トム・マッゴーワン、主人公のアパートの管理人ブライアン・ドイル=マーレイ、サイモンを襲う不良少年ジェイミー・ケネディ、警官のマーヤ・ルドルフなどが競演している。
原題の”As Good as It Gets”をそのまま訳して邦題のタイトルにするのは難しいということで、”恋愛小説家”は無難なところだろう。
”これ以上は良くならない・・・”というような意味で使う言葉。
ジャック・ニコルソンが、精神科の待合室の患者に向かって、”これ以上良くならなかったらどうする・・・”What if this is as good as it gets?”という感じで毒舌を吐くシーンで使われる。