弱小チームを資金内で勝たせるための方法”セイバーメトリクス”を利用して統計的な戦略を考案した、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンの勝利を追求する戦いの日々を描く、監督ベネット・ミラー、ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン、ロビン・ライト共演のヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ベネット・ミラー
製作総指揮
スコット・ルーディン
アンドリュー・S・カーシュ
シドニー・キンメル
マーク・バクシ
製作
マイケル・デ・ルカ
レイチェル・ホロヴィッツ
ブラッド・ピット
原案:スタン・チャーヴィン
原作:マイケル・ルイス”マネー・ボール”
脚本
スティーヴン・ザイリアン
アーロン・ソーキン
撮影:ウォーリー・フィスター
編集:クリストファー・テレフセン
音楽:マイケル・ダナ
出演
ビリー・ビーン:ブラッド・ピット
ピーター・ブランド:ジョナ・ヒル
アート・ハウ:フィリップ・シーモア・ホフマン
シャロン:ロビン・ライト
ケイシー・ビーン:ケリス・ドーシー
スコット・ハッテバーグ:クリス・プラット
デヴィッド・ジャスティス:スティーヴン・ビショップ
チャド・ブラッドフォード:ケイシー・ボンド
ミゲル・テハダ:ロイス・クレイトン
マーク・エリス:ブレント・ドーリング
スティーブ・ショット:ロバート・コティック
ジョン・ヘンリー:アーリス・ハワード
グレイディ・フューソン:ケン・メドロック
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2011年製作 133分
公開
北米:2011年9月23日
日本:2011年11月11日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $75,605,490
世界 $110,206,220
■ アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞
・ノミネート
作品
主演男優(ブラッド・ピット)
助演男優(ジョナ・ヒル)
脚色・編集・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2001年10月15日。
MLB・アメリカンリーグのポストシーズン、ディビジョン・シリーズでオークランド・アスレチックスはニューヨーク・ヤンキースに敗れる。
ジンクスを信じて試合を見ない主義の、アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、ラジオでその様子を聴き怒りを隠せない。
その後、ようやく育った主力選手、ジョニー・デイモン、ジェイソン・ジオンビー、ジェイソン・イズリングハウゼンらは、資金力のある球団に引き抜かれてしまう。
資金もない弱小球団のアスレチックスは打つ手がなく、ビーンは、オーナーのスティーブ・ショット(ロバート・コティック)に、可能な限りの資金提供を要求する。
しかしビーンは、現状でのチーム運営をショットから指示されるだけだった。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
プレイオフには出場したものの破れてしまい、資金力のあるチームに、ようやく育った選手を引き抜かれてしまった、MLBのオークランド・アスレチックス・ゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンは、今後のチーム運営に頭を悩ませる。
選手獲得のために、インディアンズにで向いたビーンは、首脳陣に意見する若者ブランドに目をつける。
彼が、”セイバーメトリクス”を利用した分析で選手を評価し、最も効率のよいチーム作りが出来ることを知ったビーンは、彼をオークランドに呼び寄せる。
ブランドの指示に従い、出塁率を最優先した選手補強を始めたビーンだったが、スカウトや監督のアート・ハウと対立してしまう。
それでも強引にチーム編成を行い、開幕を迎えたチームだったが、成績は低迷してビーンは批判される。
しかしビーンは、補強した選手を使うために大胆なトレードを行い、自分達の考えを機能させるために強硬手段に出る・・・。
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2003年に発表された、マイケル・ルイスの同名小説を基に製作された作品。
お決まりの”アメリカン・ドリーム”を実現させるだけの物語ではないところが興味深く、奥深さがある。
金で動く世界に踏み入れたきっかけとなる、主人公のMLB入りの失敗のエピソードを随所に挿入し、正に統計王国、それを愛すると言っていいほどの国民性の描写を前面に出しながら、楽しむためにプレイする野球の本質を、押し付けがましくなく描いた、ベネット・ミラーの演出も光る。
実際は、本作で描かれているより更に激しい性格であるらしいビリー・ビーンを、力強く演ずるブラッド・ピットの熱演は新鮮味もあり、個人的に、どうも好みの役者といえなかった、彼の見方も変わった作品とも言える。
MLB他、各チーム全面協力の舞台設定も素晴らしく、玄人好みのする作品には仕上がっている。
しかし、北米興行収入は約7600万ドルに留まり、全世界でも約1億1000万ドルと期待を下回ってしまった。
アメリカの場合は、オークランド・アスレチックス自体が地方球団であり、物語の内容はあっても、地元意識が強いことを考えると興味半減と言ったところなのだろうか。
第84回アカデミー賞では、作品賞をはじめ6部門にノミネートされた。
・ノミネート
作品
主演男優(ブラッド・ピット)
助演男優(ジョナ・ヒル)
脚色・編集・録音賞
主人公の補佐を淡々と演じながらも、確かな演技で好演するジョナ・ヒル、「カポーティ」(2005)でベネット・ミラーとコンビを組んだことでの友情出演なのか、アート・ハウを演ずるフィリップ・シーモア・ホフマンは、彼らしくない役柄のようにも思えるが、さすがに実力派らしく、存在感を示す演技を見せてくれる。
ワンシーンと電話の声だけの出演となる、主人公の妻ロビン・ライト、その娘ケリス・ドーシー、選手達、スコット・ハッテバーグのクリス・プラット、デヴィッド・ジャスティスのスティーヴン・ビショップ、チャド・ブラッドフォードのケイシー・ボンド、ミゲル・テハダのロイス・クレイトン、マーク・エリスのブレント・ドーリング、アスレチックスのオーナー、スティーブ・ショットを演ずる”アクティビジョン・ブリザード”CEOのロバート・コティック、レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリーのアーリス・ハワードなどが共演している。