それに気づいたジュリーは車に駆け寄り、ネイサンは無事だったものの、マイケルは死亡する。
葬儀を済ませたジュリーは墓地に向かいネイサンの手を握ろうとするが、それを嫌がる彼は走り去ってしまうまう。
唯一、話しができる存在だった父マイケルを亡くしたネイサンは、その後もジュリーには心を閉ざして彼女を見下す。
ネイサンを転校させて特進クラスに入れることにしたジュリーは、数学教師のマーティン・ハンフリーズ(レイフ・スポール)を紹介される。
多発性硬化症と闘いながら教員を続けるマーティンは、9歳で既に代数を理解するマイケルに驚く。
”国際数学オリンピック”に出場したこともあるマーティンは、ネイサンに特別授業を受けさせることにする。
高校生を対象とした数学大会の最高峰である 国際数学オリンピックに興味を持ったネイサンは、マーティンと共に授業を続けて16歳になる。
杖がなければ歩けなくなったマーティンに見守れながら、ネイサンは選抜試験を受ける。
合否が心配なネイサンに、数学は楽しむことが大切だと伝えたマーティンは、彼から、結局は、そう考えても自分は失敗したと言われてしまう。
ジュリーの運転する車の助手席に座ろうとせず、すべてが決まり正しく行われなければ納得できないネイサンは、彼女が買ってきてくれたファストフードの中身が乱れていると言って、母に意見する。
すべての事柄において、”素数”があてはならなければ納得できないネイサンに合わせて物事を行うジュリーは、決して妥協せずに、自分を母親として扱わない息子に苛立ってしまう。
__________
マイケルと通ったチャイニーズレストランで、自分が他人とは違う話などをしたネイサンは、父がポテトを鼻に入れておどけてくれた時のことを思い出す。
__________
数日後、ネイサンとジュリーは、合否通知を持って現れたマーティンから、選抜チームの一員に選ばれたことを知らされる。
興奮して喜ぶジュリーだったが、台湾で選抜チームのが合宿があると言われても、勉強すると言うネイサンは笑顔も見せない。
学校を解雇されるマーティンを毒に思うジュリーは、ネイサンの指導は無償で続けたいと言われる。
二人の様子を望遠鏡で観察していたネイサンは、それを天窓に落としてしまいガラスが割れる。
マーティンが帰った後でネイサンの部屋に向かったジュリーは、話していただけだと伝える。
ジュリーは、木星を見ていたのでわざとではないと言うネイサンに、話し相手がいると楽しいと伝える。
時々、孤独を感じると言って部屋を出たジュリーは、ガレージの古い”ビートル”に乗り、マイケルと心を閉ざすネイサンのことを考えながら涙する。
合宿に出発する日、マーティンからコンパス・セットを受け取ったネイサンは、彼とジュリーと共に集合場所に向かう。
かつて国際数学オリンピックに共に出場したリチャード(エディ・マーサン)に声をかけたマーティンは。付き添いの彼に、教え子のネイサンを任せる。
ネイサンと話し携帯電話のことを確認したジュリーは、着いたら電話をしてほしいと伝えるものの、返事をしてもらえない。
考え込むジュリーの気持ちを察するマーティンは、彼女を気遣う。
参加者のアイザック・クーパー(アレックス・ロウザー)から声をかけられたネイサンは、風変わりなルーク・シェルトン(ジェイク・デイヴィス)のことを気にしながら、皆から挨拶される。
空港に向かうバスに乗ったネイサンらは、リチャードから、大会に出場する6人を選ぶための合宿だと言われ、強豪の中国チームも参加し、本大会はケンブリッジ大学で行われることを知らされる。
飛行機の機内で”フィボナッチ数”をつぶやくネイサンは、後席の同じ参加者のレベッカ・ダン(アレクサ・デイヴィーズ)から声をかけられ、普段、変人扱いされても、ここではそれが普通だと言われる。
台湾。
合宿会場に着いたリチャードは中国チームの教室に向かい、知人である教師のデンに歓迎され、両国で二人一組のパートナーを組むことになる。
ネイサンは中国人の少女チャン・メイ(ジョー・ヤン)と組むことになり、握手を求められるものの、それに応えようとしない。
その夜、食事に出かけたネイサンは、チャン・メイがデンの姪であることを知り、食べ方などを教えてもらうものの、戸惑うばかりだった。
その後、チャン・メイと街中を散歩したネイサンは、本で勉強して中国語が少し話せることを伝えて彼女を喜ばせる。
チャン・メイの英語のほうがうまいと言うネイサンは、合宿所に向かう。
ルークと相部屋になったネイサンは、ジュリーから電話があるものの出ようとしない。
マーティンに電話をかけたネイサンは不安げに話し、ルークがトイレから戻ったために電話を切る。
翌日から授業が始まり、ルークは相変わらず浮いた存在で、リチャードから意見を求められてネイサンは、まともに返事ができない。
物事を複雑に考え過ぎるとリチャードから指摘されたネイサンは、マーティンの教え方に意見するかれから、彼も優秀だったと言われる。
病気で将来を見失ったと話すネイサンだったが、リチャードは、身体的なことは問題ではなく、性格がひ弱なマーティンは逃げたと伝える。
その頃マーティンは、薬に頼る悶々とした日々を送り、ジュリーも、ネイサンからの連絡もなく寂しい思いをする。
薬がなくなり、追加で処方してもらいたいことを主治医に伝えたマーティンだったが、それを拒まれ、グループ・セッションに参加することを勧められる。
少しでもネイサンを理解しようと考えたジュリーは、マーティンに連絡して数学を教えてもらうことにする。
皆と打ち解けることができないネイサンは、エレクトーンを弾いていたレベッカに演奏することを誘われる。
弾いたことがないネイサンが、自分の指の動きを見て即座に演奏できたために驚いたレベッカは、彼が気になる存在になる。
勉強を終えた話をしたマーティンとジュリーは、互いを意識し合いキスする。
よろけて倒れてしまったマーティンは、失望させたくないために帰るとジュリーに伝える。
気持ちは分かると言って、ジュリーはマーティンのことを気遣う。
ネイサンは、チャン・メイとの親交を深める。
授業の中で、裏にしたトランプ20枚に対し、1枚を表に返して右隣りも同様に表向きにして、どのカードを選択してもこの操作が有限回で終了することを証明することをリチャードから指示されたネイサンは、戸惑いながら黒板に向かう。
見事にそれを証明したネイサンは、リチャードに褒められて皆から拍手を受ける。
チャン・メイは喜び、レベッカはネイサンに惹かれるようになる。
ネットで薬を手に入れようとしたマーティンは思い留まり、壁紙を張り替えようとするものの途中で挫折してしまい、グループ・セッションに参加する。
アルコール依存症で多発性硬化症でもあり、参加してよかったと言うマーティンは、好意を寄せる女性がいるが、将来がない自分は恐怖を感じるだけで、付き合う気になれないと話す。
相変わらず持論を訴える孤立するルークが自閉症だということをネイサンに知らせたアイザックは、同じ症状の彼に、適応力が大切であり、自分の姿を変えて周囲に溶け込むことだと助言する。
試験を控えるネイサンは、気分転換を考えるチャン・メイと共に街に出る。
ネイサンから、自分のような子は中国でもいじめられるか訊かれたチャン・メイは、その意味がうまく理解できず、中国では家族のために行動することを義務付けられていることが窮屈だと話す。
最終メンバーを決める試験当日、成績の上位6人が代表になることを子供達に話したリチャードは、試験を始める。
気が散って思うような結果が期待できないネイサンは落ち込むものの、ルークと争い何とか代表の一人に選ばれる。
ネイサンは、喜びをどう表現していいのか分からない。
アイザックとレベッカ、そしてチャン・メイも代表となる。
試験後にエビ釣りのレクリエーションがあり、レベッカは、仲がいいネイサンとチャン・メイが気になる。
釣ったエビを調理して食べようとしたルークは、意味不明なことを話し始め、軽蔑するようなアイザックを批判する。
その夜ルークは、自分の腕をペンで傷つけ、それに気づいたネイサンに、以前にもやったので心配いらないと伝える。
自閉症と診断された時に、両親から何と言われたかとネイサンに尋ねたルークは、自分は、”お前は特別であり、変わり者でも特別な才能がある”と言われたと伝える。
ネイサンから、自分には才能があると言われたルークは、数学を楽しむことができないので意味がないと伝えて、腕にタオルを巻いてその場を去る。
帰国するために合宿所を去ろうとするネイサンはリチャードと話し、自分の数学には、他が真似できない美しさがあると言われる。
ネイサンの考えは予測不能で、不安定であり心配だと言うリチャードは、メダルが欲しければ集中するようにと伝えて、中国の少女に気を取られるなと助言する。
帰国する機内でも一緒だったチャン・メイと電車でシェフィールドに向かったネイサンは帰宅する。
ジュリーとマーティンに歓迎されたネイサンだったが、自分の列車の模型を勝手に出してあったために苛立ち、部屋に閉じこもってしまう。
ドア越しに謝罪するジュリーはチャン・メイについて尋ね、ネイサンは、とても優秀で優しいと伝える。
チャン・メイに好意を抱いているかを確かめるジュリーに、当然だと伝えたネイサンは、アイスクリームや数学よりもという意味だと言われたために、数学が一番に決まっていると答える。
電話を待っていたと言うジュリーは、元気か知りたかったと伝えて、ネイサンから、その理由を問われる。
ジュリーは、あなたのことをアイスより好きだからだと答える。
マットレスを用意したジュリーは、ネイサンからチャン・メイをベッドで寝かせると言われる。
自分の部屋にマットレスを運んでほしいと言われたジュリーは、ネイサンが夜もチャン・メイと一緒に勉強するつもりであることを知る。
その夜、チャン・メイからマーティンのことを訊かれたネイサンは、数学の教師だと答えて、父は死んだと伝える。
父のことを思い出したネイサンは、ネット上で愛の方程式を調べる。
ケンブリッジ大学。
会場に向かったマーティンは、監視員としてリチャードらと共にネイサンを見守ることになる。
ジュリーに見送られたネイサンは、会場に向かうチャン・メイに手を握られたために驚く。
リチャードに激励されたネイサンらは、国際数学オリンピックのオープニング・イベントに出席して、各国の代表チームと争うことになる。
その夜、眠れないと言うチャン・メイをベッドに入れたネイサンは、彼女からキスされたために動揺する。
それでも、もう一度キスしてみたネイサンは、チャン・メイに手を握られながらそのまま眠ってしまう。
翌朝、現れたおじのデンに叱られて家族の面汚しだと非難されたチャン・メイは、何もしていないと伝えるものの許してもらえず、代表選出もコネなら帰ると言って部屋を飛び出す。
チャン・メイは帰国するために駅に向かい、ネイサンは悲しむ。
試験会場に向かうネイサンはレベッカに呼び止められ、ある人に余計なことを言ってしまったことを謝罪される。
ジュリーに声をかけられたネイサンは、激励されるものの素っ気ない態度だった。
会場に着席したネイサンは、マーティンから、自分ならやれると言われる。
4時間半の試験は始まり、両親や事故、そしてチャン・メイのことなどが頭から離れないネイサンは集中できず、30分も経過しないところで会場から出れしまう。
ネイサンの気持ちを察したマーティンは、リチャードが彼を追うのを阻止する。
ネイサンを追ったジュリーは、出て行く時の目を見たら止められなかったと言うマーティンに、気にしなくていいと伝えてキスする。
街に向かったジュリーは、チャイニーズレストランにいたネイサンと話し、チャン・メイが自分のことを好きだと言っていたことを知らされる。
同じ気持ちか訊かれたネイサンは、それが分からず、愛の公式も見つけたものの理解できなかったとジュリーに話す。
理解できた人はいないと言われたネイサンは、チャン・メイと一緒にいると、いつもと違うように頭が動き、体も変な感じだとジュリーに伝える。
そうなる理由が分からないと言うネイサンに、誰かに愛されている時に、その人は、相手の中の価値ある何かを見ているとジュリーは話す。
好きになった相手が気持ちを伝えてくれなかったら不公平に感じると言うジュリーは、自分の価値が減ったようにも感じると伝える。
理解できるか訊かれたネイサンは、父がいない理由を尋ね、ジュリーは分からないと答える。
事故なので一生、理解できないと言われたネイサンは、父となら理解し合えると伝える。
自分とマイケルは何が違ったのか、どうやって様々なことを教えてくれたのかをネイサンに尋ねたジュリーは、よく笑わせてくれたと言われる。
マイケルが鼻にポテトを詰めたことを知ったジュリーは驚き、自分もできると言いながらポテトを鼻に詰める。
笑いを堪え涙しながら辛いと言うネイサンに、自分も辛いと伝えたジュリーは、彼のほほに手を当てて、何も心配いらないので大丈夫だと伝えて息子を抱きしめる。
駅に向かったチャン・メイを連れ戻したいかネイサンに確かめたジュリーは、彼を車で送ろうとする。
ネイサンが助手席に座ったために驚いたジュリーは、シフトレバーを握った手に自分の手を添えてくれた彼と共に駅に向かう。
電車に乗るネイサンとチャン・メイは、笑顔で話しながら寄り添う。