ザ・ウォーク The Walk (2015)

その後、綱渡りの練習を始めたフィリップは腕を上げて、一座のテントに侵入して綱渡りを始める。

座長の”パパ”ルディ・オーマンコウスキ（ベン・キングズリー）に見つかったフィリップは、その才能を見込まれる。

まず芸人としての挨拶から教えようとしたパパ・ルディだったが、自分はアーティストだと言うフィリップが反発したために、生意気な彼を追い出す。

父親にも曲芸を理解されず家も追い出されたフィリップは、パリで暮らしながら、相変わらず綱を張る場所を探していた。

街角で歌うアニー・アリックス（シャルロット・ルボン）に惹かれたフィリップだったが、結果的に彼女の客を奪ってしまい責められる。

アニーが英語が得意であることを知ったフィリップは、パフォーマンスを邪魔しない方法を提案する。

ニューヨークに行くことを話したフィリップはアニーをカフェに誘い、ワールドトレードセンターのツインタワーに渡したワイヤーを渡ることを伝える。

夢を語るフィリップはアニーと愛し合うようになり、彼女が通う美術学校の校庭で綱渡りの練習をした。

ある日、写真家のジャン＝ルイ（クレマン・シボニー）と知り合ったフィリップは、彼と意気投合する。

ワイヤーの扱いについて指導を受けるために、パパ・ルディを訪ねたフィリップは、彼に協力を求める。

秘伝の技を教えるために報酬を求められたフィリップは、それに同意してテントに向かう。

ワイヤーと支柱の間に木端を噛ませるのがコツだと言うパパ・ルディは、フィリップに金を要求する。

フィリップから破れた紙幣を渡されたパパ・ルディは、仕方なくそれを受け取る。

その後、一座と旅をしたフィリップは、パフォーマンスはせずに誰もいな時に練習した。

渡り切る寸前で落ちそうになったフィリップに、綱渡りは渡り切る寸前に落下しする確率が高く、最後の三歩が肝心だと言うパパ・ルディは、これは無料でいいと彼に伝える。

数週間後、初めてのパフォーマンスを行うフィリップは、沼のような湖にワイヤーを張る。

音楽係のアニーとジャン＝ルイは撮影を担当し、フィリップはワイヤーを渡り始めるものの、下で開かれていた釣り大会が気になり、冷やかされて集中力を欠き落下する。

浅い泥沼だったその場で、パパ・ルディから教わった挨拶をしたフィリップは、初めてのパフォーマンスを終えて大恥をかく。

落ち込むフィリップはパリの街を散歩中に、”ノートルダム大聖堂”の二つの塔が目につき、その場にワイヤーを張り渡ることを考える。

ジャン＝ルイの協力で夜の間にワイヤーを張ったフィリップは、翌朝、広場に集まった観光客とアニーの前でその場を渡り拍手を受ける。

名誉を挽回したものの、違法行為で警察に逮捕されたフィリップは、釈放後に、世界が称賛していることを興奮しながらアニーに話す。

ワールドトレードセンターが完成間近だと知ったフィリップとニーは、ニューヨークに向かう。

建設現場に向かったフィリップは、ビルの高さに圧倒されて諦めようとする。

サウスタワーに入り、階段で上がれることを知ったフィリップは屋上に向かい、張り出した鉄骨に乗りノースタワーを見つめながら、不可能に挑戦する気になる。

パリに戻ったフィリップは、ビルの屋上部分の模型を作り準備を始めようとするものの、ジャン＝ルイから全てにおいて不可能だと言われる。

ジャン＝ルイを説得したフィリップは協力を約束してもらい、パパ・ルディに補強ワイヤーや木端のことをチェックされる。

パパ・ルディから、衣装の下に命綱をつけるようにと言われたフィリップは憤慨し、断固としてそれを拒み彼と対立してしまう。

アニーから冷静になるようにと言われたフィリップは、パパ・ルディに謝罪する。

パパ・ルディから、自分の綱渡りは理解できないが何か意味があると言われたフィリップは、祖父の形見であるメジャーと現金を渡される。

いつか渡した破れた紙幣が入っていることを確認したフィリップは、パパ・ルディから秘伝の継承者だと言われ、彼に感謝して抱き合う。

ジャン＝ルイから、協力者である高校の数学教師ジェフ（セザール・ドンボワ）を紹介されたフィリップとアニーは、”高所恐怖症”だと言う彼を歓迎する。

ビル間にロープを渡すために、ジャン＝ルイは弓矢を使うことを提案し、フィリップはテストに成功する。

資金と”共犯者”、そして大体の計画ができたフィリップは、3か月後の1974年8月6日を決行日にする。

機材を持参してアニーと共にニューヨークに向かったフィリップは、毎日、ビルの工事現場に向かい、観察してあらゆることを調べる。

そんなフィリップは、足にくぎを刺して怪我をしてしまい、アニーに手当てをしてもらう。

決行日まで後3週間に迫るフィリップは焦り、アニーのアイデアで松葉杖を使い、作業員などに気を遣ってもらい、以前よりも容易に現場を調べられるようになった。

ある日、ワールドトレードセンター、ノースタワーのエレベーターに乗ったフィリップは、保険会社勤務のバリー・グリーンハウス（スティーヴ・ヴァレンタイン）から声をかけられ、ノートルダム大聖堂のパフォーマンスを見たと言われ、82階に勤務する彼に協力してもらうことになる。

ジャン＝ルイとジェフも到着し、最後の準備を始めるフィリップは、電気店のオーナー、ジャン＝ピエール（ジェームズ・バッジ・デール）と彼の友人アルバート（ベン・シュワルツ）とデヴィッド（ベネディクト・サミュエル）も仲間に引き入れる。

計画決行前夜、気が高ぶり興奮するフィリップは、落ち着かせようとするアニーと言い合いになるものの、皆の協力に感謝する。

翌朝、フィリップらは現場に着き、建築家に扮したジャン＝ルイとアルバートはノースタワーに向かい、バリーに夜まで匿ってもらうことになる。

作業員に扮してサウスタワーに向かったフィリップらは、現場責任者（ハリー・スタンジョフスキー）から来週、来るようにと言われてしまう。

作業終了まで待ったフィリップらは、ジャン＝ピエールが説得した責任者の許可を得て110階に向かう。

運転係のジャン＝ピエールは戻り、フィリップ、ジェフ、デヴィッドはワイヤーなどを屋上に運ぼうとする。

そこに警備員が現れたため、焦ったデヴィッドは取り乱しそうになる。

デヴィッドも帰したフィリップはジェフと共にシートに隠れ、地上まで貫通している空間の梁の上に乗って待機する。

ジャン＝ピエールは、ビルを監視するアニーの元に向かう。

高所恐怖症のジェフを落ち着かせるフィリップは、ペンでシートに穴を空ける。

無線機だけが見えて作業員がいないことを確認したフィリップは、暗くなるまで待って作業を再開する。

警備員が眠っていることに気づいたフィリップとジェフは、警戒しながら屋上に向かい、ノースタワーのジャン＝ルイを確認して手を振る。

合図を送り弓矢を放つようジャン＝ルイに指示したフィリップだったが、到達したはずの矢が見つからずに、全裸になり皮膚の感覚で釣り糸を探す。

弓矢を見つけたフィリップはそれを掴み、警備員が消えたことをジェフから知らされ急いで機材を運ぶ。

ジャン＝ピエールから、少し眠ってから夜明けに戻ることを提案されたアニーだったが、その場で待つことを伝える。

ノースタワーとロープを張り無線機をつなげたフィリップは、ジャン＝ルイと話して準備を進める。

ジェフにパパ・ルディから譲り受けたメジャーを預けたフィリップは、警備員が現れたために身を潜める。

警備員は去り、フィリップとジェフはワイヤーを張る作業を始める。

しかし、重さに耐えきれずにワイヤーが垂れ下がってしまい、フィリップとジェフは引き上げようとするものの、アルバートは、仕掛けも脆弱で時間がないために焦る。

夜明けまでに間に合わなかったら諦めると言うフィリップは、アルバートを説得する。

午前6時が過ぎ、ドーナツを持って現れたジャン＝ピエールにワイヤーが緩いことを知らせたアニーは心配する。

夜が明けるため、アルバートが降りることをジャン＝ルイから知らされたフィリップは、必至で作業を続けてワイヤーを張り、アニーらもそれを確認する。

その時、エレベーターが動き始め、補強ワイヤーを張ろうとしたフィリップは、ジェフにビルのステップまで下りることを指示し、怖がる彼に手伝わせる。

そこに謎の人物が現れるものの、フィリップらに何も語りかけない彼はその場を去る。

その後、渡る準備を始めたフィリップは衣装を落としてしまい、アニーは彼が落ちたと思い驚く。

バリーもその場に現れ、アニーは落ちたのがシャツだと気づく。

肝心な時に衣装を落としてしまったフィリップは動揺しするものの、とにかくやるしかないと言ってジェフと抱き合う。

ワイヤーに足をかけたフィリップは、ジェフからバランスポールを渡される。

周囲の様子やジェフ、街のざわめきも消えた静寂の中で、ワイヤーしか見えないフィリップは、ノースタワーに向かい渡り始める。

それを確認したアニーは興奮しながらジャン＝ピエールとバリーに伝えて、周囲の人々にも屋上の綱渡りのことを教える。

ジェフも喜び、最初の補強ワイヤーのカバレッティ/交点に着いたフィリップは、プレートが逆さまだと気づくものの問題ないことを確認し、パパ・ルディに感謝しながら進む。

次のカバレッティも通過したフィリップはノースタワーに到着し、その様子を撮影するジャン＝ルイと、残っていたアルバートに迎えられる。

それを確認したアニーらは喜び、ビルを見上げる人々は驚く。

ジャン＝ルイに感謝したフィリップは、見つめるサウスタワーが呼んでいることを感じて戻ることにする。

途中で跪いたフィリップは、ワイヤーやタワー、そして偉大なる街ニューヨークに敬意を表する。

屋上に現れた二人の警官に気づいたフィリップは、ジェフが手錠をかけられる姿を見つめながらサウスタワーに着く。

警官から逃げ回った日々を思い出したフィリップは、振り向いて再びノースタワーに向かう。

途中で立ち止まったフィリップは、綱渡り師としてはタブーではあるが、地上に集まった人々を見る。

ノースタワーにも警官が現れたために、ジャン＝ルイとアルバートはその場から逃げる。

サウスタワーに着いたフィリップは、手を差し出す警官を無視して再び向きを変えて戻り、中間地点でワイヤーの上に仰向けになる。

地上では見物人が溢れ、アニーらは天候悪化を気にする。

現れた鳥に睨まれたフィリップは立ち上がり、港湾警察のヘリコプターに警告され、その場を去る決心をしてノースタワーに向かう。

警官に感謝したフィリップは、パフォーマンスの終わりを告げるものの、最後の三歩が残っていた。

バランスボールを放り投げたフィリップはビルに上がり、警官に逮捕される。

涙しながら感激するアニーはジャン＝ピエールと抱き合い、人々はフィリップのパフォーマンスに拍手を贈る。

ワイヤーをガスバーナーで切断しようとする作業員に、危険だと言って制止させたフィリップは、ホイストで緩めるよう指示する。

連行されるフィリップはビルの作業員に称えられ、警官からも偉業だと言われる。

拘束されたフィリップは微笑むジェフから、パパ・ルディのメジャーを見せられる。

その後、ニクソン大統領辞任が報じらえる中、法を犯したフィリップは、子供達の前で危険でない高さでの綱渡りをすることを判事から言い渡される。

このニュースは世界中で伝えられ、パパ・ルディも感無量だった。

釈放されたフィリップは、仲間達に感謝してツインタワーを見つめる。

ジャン＝ルイとジェフは帰国したがフィリップは残り、ニューヨークの人々のためにパフォーマンスをすることになる。

今度は自分が夢を探す番だと言うアニーもフランスに戻り、彼女に感謝したフィリップは別れを告げる。

ビルの管理者であるガイ・トッゾーリ（マーク・カマチョ）は、いつでも屋上の展望台に行けるフリーパスをフィリップに渡す。

それは通常なら期限があるのだが、フィリップのパスには”永遠”と書かれていた。