障害のある女性を狙う連続殺人事件を描く、監督ロバート・シオドマク、主演ドロシー・マクガイア、ジョージ・ブレント、エセル・バリモア、ケント・スミス、ゴードン・オリヴァー、ロンダ・フレミング、エルザ・ランチェスター、サラ・オールグッド他共演の心理スリラーの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・シオドマク
製作:ドア・シャリー
原作:エセル・リナ・ホワイト”Some Must Watch”
脚本:メル・ディネリ
撮影:ニコラス・ムスラカ
編集
ハリー・マーカー
ハリー・ガースタッド
音楽:ロイ・ウェッブ
出演
ヘレン:ドロシー・マクガイア
アルバート・ウォーレン教授:ジョージ・ブレント
ウォーレン夫人:エセル・バリモア
パリー医師:ケント・スミス
スティーヴン・ウォーレン:ゴードン・オリヴァー
ブランチ:ロンダ・フレミング
エマ・オーツ:エルザ・ランチェスター
バーカー看護師:サラ・オールグッド
オーツ:リス・ウィリアムズ
巡査:ジェームズ・ベル
ハーヴェイ医師:アーヴィル・オルダーソン(クレジットなし)
殺人者:ロバート・シオドマク(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 RKO
1946年製作 84分
公開
北米:1946年2月6日
日本:1949年2月15日
製作費 $750,000
■ アカデミー賞 ■
第19回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優賞(エセル・バリモア)
■ ストーリー ■
1906年、バーモント州。
少女時代に両親が焼死した事件をきっかけにして、言葉を話さなくなったヘレン(ドロシー・マクガイア)は、ウォーレン家の使用人として働いていた。
休日にヘレンは、宿のパーラーで上映されたサイレント映画を楽しんでいた。
その際、2階の部屋に住む足の悪い女性が、クローゼットに隠れていた男(ロバート・シオドマク)に殺される。
町で起きた3件目の殺人であり宿は騒ぎとなり、ヘレンは帰り道で、親切にしくれるパリー医師(ケント・スミス)の馬車で送ってもらう。
パリーが診察のため途中で馬車を降りたヘレンは、嵐が近づく中、屋敷に戻る。
病気のウォーレン夫人(エセル・バリモア)を介護しているヘレンは、気難しい彼女に気に入られていた。
付き添いの看護師バーカー(サラ・オールグッド)は、嫌味ばかり言う夫人の態度に苛立つ。
夫人の義理の息子であるアルバート・ウォーレン教授(ジョージ・ブレント)は、秘書のブランチ(ロンダ・フレミング)と夫人の実の息子スティーヴン(ゴードン・オリヴァー)の深い関係が気になる。
使用人でアル中のエマ・オーツ(エルザ・ランチェスター)、その夫(リス・ウィリアムズ)も住み込みで働いていた。
訪ねて来た巡査(ジェームズ・ベル)は殺人事件のことをアルバートに話し、ターゲットになる可能性のあるヘレンのことを心配する。
事件に関係してあることが気になる夫人は、今晩中に屋敷から立ち去るようにと言ってヘレンに警戒させるのだが・・・。
1933年に発表された、エセル・リナ・ホワイトの小説”Some Must Watch”を基に製作された作品。
障害のある女性を狙う連続殺人事件を描く心理スリラー。
ナチによるユダヤ人迫害を逃れてアメリカに渡ったロバート・シオドマクが、得意のフィルム・ノワール・タッチでもある見事な作品に仕上げた心理スリラーの秀作。
1975年にジャクリーン・ビセット、クリストファー・プラマー共演でリメイクされた。
・「らせん階段」(1975)
イングリッド・バーグマン主演で製作を考えていたデヴィッド・O・セルズニックからRKOが映画化権を手に入れ、ドロシー・マクガイアが主演することになった。
独創的な物語の面白さに加え、実力派スターの見事な演技と各個性を活かしたロバート・シオドマクの演出は絶賛された。
第19回アカデミー賞では、助演女優賞(エセル・バリモア)にノミネートされた。
前年の「ブルックリン横丁」(1945)の好演も記憶に新しいドロシー・マクガイアは、その演技を凌ぐパフォーマンスを見せて、言葉の生涯を持ちながら恐怖と戦う女性を熱演している。
*(ラストでしか言葉を発しない)
障害者、弱い立場の者を世の中から排除しようとする恐ろしい考えの持ち主である大学教授ジョージ・ブレント、その義母で気難しい女性ではあるが、主人公を気遣い何とか救おうとするエセル・バリモア、主人公に優しく接しながら障害を克服させようとする医師ケント・スミス、夫人の実の息子ゴードン・オリヴァー、彼と愛し合う教授の秘書ロンダ・フレミング、アル中の屋敷の使用人エルザ・ランチェスター、その夫リス・ウィリアムズ、夫人を嫌う看護師のサラ・オールグッド、巡査のジェームズ・ベル、町医者アーヴィル・オルダーソン、そして、監督のロバート・シオドマクが、殺人者の”目”だけで登場する。