協力者と共にお尋ね者を捕らえた賞金稼ぎの過酷な旅を描く、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュアート、ジャネット・リー、ロバート・ライアン、ラルフ・ミーカー、ミラード・ミッチェル共演による西部劇の秀作。 |
・西部劇
・ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン
製作:ウィリアム・H・ライト
脚本
サム・ロルフ
ハロルド・ジャック・ブルーム
撮影:ウィリアム・C・メラー
編集:ジョージ・ホワイト
音楽:ブロニスラウ・ケイパー
出演
ハワード・ケンプ:ジェームズ・スチュアート
リナ・パッチ:ジャネット・リー
ベン・ヴァンダーグロート:ロバート・ライアン
ロイ・アンダーソン:ラルフ・ミーカー
ジェシー・テイト:ミラード・ミッチェル
アメリカ 映画
配給 MGM
1953年製作 91分
公開
北米:1953年2月1日
日本:1953年10月24日
製作費 $1,261,000
北米興行収入 $2,423,000
世界 $3,850,000
■ アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞
■ ストーリー ■
1868年、コロラド準州。
カンザス州から旅を続けるハワード・ケンプ(ジェームズ・スチュアート)は、アビリーンで連邦保安官を殺害し指名手配中のベン・ヴァンダーグロート(ロバート・ライアン)を追っていた。
探鉱者ジェシー・テイト(ミラード・ミッチェル)に出会ったケンプは、20ドルでヴァンダーグロートの捜索に協力してもらう。
その後、山で落石に遭ったケンプとテイトは、崖の上にいる男を捕らえようとする。
崖を登れなかったケンプは、その場に現れた、不祥事を起こし第6騎兵隊を除隊させられたロイ・アンダーソン(ラルフ・ミーカー)の手を借りる。
崖をよじ登ったアンダーソンは、ケンプと共にその場にいたヴァンダーグロートを見つけ、彼の恋人リナ・パッチ(ジャネット・リー)に妨害されながらも捕らえる。
アビリーンで銀行強盗をして殺されたリナの父親は、ヴァンダーグロートの友人で、リナは彼が無実だと信じていた。
ヴァンダーグロートは、ケンプが法の執行官ではなく、自分の手配書の賞金5000ドルのことを隠していた、単なる賞金稼ぎだとテイトとアンダーソンに話す。
騙されたテイトと手伝ったアンダーソンは、ケンプに分け前を要求する。
仕方なくそれに同意したケンプは、先住民の襲撃を警戒しながら、5人でアビリーンに向かおうとするのだが・・・。
「ウィンチェスター銃’73」(1950)など8作で組んだアンソニー・マンとジェームズ・スチュアートのコンビ作品(3作目)。
*全8作(IMDb)
協力者と共にお尋ね者を捕らえた賞金稼ぎの過酷な旅を描く西部劇の秀作。
主要登場人物は5人だけで、彼らの旅の途中で先住民の襲撃があるのみという異色の西部劇。
5人それぞれの個性を活かした繊細な人物描写、美しい大自然の中で西部劇の醍醐味も味わえる、アンソニー・マンの演出手腕が見どころの作品。
第26回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた。
1997年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
主演のジェームズ・スチュアートは、正義感が強い男の雰囲気で登場するものの、実は牧場を手に入れるための金目当ての賞金稼ぎという役柄を熱演し、ヒロインのジャネット・リーは、賞金に執着する主人公と惹かれ合い、彼の心を動かす女性を好演している。
主人公に追われる悪党をいい味で演ずるロバート・ライアン、彼らに関わる騎兵隊を除隊した男ラルフ・ミーカー、同じく炭坑者を演ずるミラード・ミッチェルは、「ウィンチェスター銃’73」(1950)でもジェームズ・スチュアートと共演し、数々の名作に出演したが、同年、遺作となった”Here Come the Girls”の公開を待たず、惜しまれながら50歳の若さで肺ガンで亡くなった。