交通事故に遭ったと言うクレアから再び電話があり、仕方なくそれに出たヴァージルは、もう一度、会う機会を与えてほしいと言う彼女に助手を行かせると伝える。
ヴィラに向かったヴァージルは、管理人のフレッド(フィリップ・ジャクソン)に迎えられ、クレアが病気で来られないと言われたために帰ろうとする。
自由に見ていいと言われたヴァージルはヴィラに入り、数限りない品を確認する。
ヴァージルはクレアのことを尋ねるものの、フレッドは両親の使用人であったために何も知らなかった。
地下室に向かったヴァージルは、悪臭に耐えながら、床に落ちていた何かの部品を拾って持ち帰る。
それを機械職人である修理屋の青年ロバート(ジム・スタージェス)に見てもらったヴァージルは、上下で錆方が違う疑問店などを確認する。
正式な査定を始めたヴァージルは、再び同じような部品を見つける。
クレアが現れないために苛立つヴァージルは、彼女から連絡があり、書類への直接署名を求める。
置いて行けば必ず署名すると言うクレアだったが、電話の声と共にその場の音が聴こえたため、ヴァージルは、彼女がヴィラ内にいると考える。
今夜9時過ぎに電話をすると言って、クレアは電話を切ってしまう。
ロバートを訪ねたヴァージルは、今回の部品も前のものと同じだと言って、歯車を軸に留める技術がかなり古いことを確認する。
ヴァージルにそれを見せたロバートは、これだけでは何の部品かは判断できないと伝える。
フレッドと話をしたヴァージルは、クレアについて尋ねるが、27歳くらいだということしか分からなかった。
11年働いたと言うフレッドに金を渡したヴァージルだったが、クレアが奇妙な病気だったために、彼も会ったことがないということだった。
その夜、クレアに電話をしたヴァージルは、手数料は払うので手を引いてもらいたいと言われる。
次のオークションで、ビリーの札の提示が遅かったために、贋作ではなく実は本物だった”クリストゥス”の肖像画を落札できなかったヴァージルは憤慨する。
謝罪したビリーだったが、”ゴッホ”の絵を落札できなかった時でさえ怒ることがなかったヴァージルの心の変化に気づく。
部品の歯車の刻印が確認され、それが18世紀のフランスの発明家”ジャック・ド・ヴォーカンソン”のオートマタ(機械人形)で使われたものらしいことが分かり、ヴァージルとロバートは驚く。
部品が全てあればオートマタを復元して見せると言うロバートだったが、そのチャンスを失ったとヴァージルは伝える。
ロバートの恋人サラ(リヤ・ケベデ)が現れ、挨拶をしたヴァージルだったが、人間関係を極度に嫌う彼は目を合わせることもできない。
食事に誘われたヴァージルだったが、彼はそれを断る。
翌日、ニューヨーク行きをキャンセルすることを秘書ランバート(ダーモット・クロウリー)に伝えたヴァージルは、ヴィラで2時半に会いたいというクレアからの連絡があったことを知らされる。
ヴィラに向かったヴァージルは、声だけでクレアに迎えられ、15歳の時から人に会っていないと言われる。
不審に思いながらも、床に落ちている部品に気づいたヴァージルは、契約書をその場に置いて帰るよう指示される。
部品をロバートに渡したヴァージルは、オートマタが再現できた場合の価値の高さを語る。
その後もヴァージルは、ヴィラで部品を見つける。
クレアに呼ばれたヴァージルは、契約書と、失効しているものの個人情報が記入されているパスポートを渡される。
壁の穴から自分を覗くクレアが、髪の毛を染める人間は信用できないと言ったため、彼女の尊大な態度を批判したヴァージルは、契約書を投げ捨ててその場を去る。
翌日からは食べ物を運ぶだけでヴィラには来ないフレッドから、鍵を渡されたヴァージルは戸惑い、クレアの希望だと言われる。
クレアがどんな人物かを調べようとしたヴァージルは、部品も互いの組み合わせに適合してくるとロバートに言われ、自分とクレアの相容れない関係を例にとり、彼に意見を求める。
友達の話だと言われながら、彼女が気になって仕方がない状況で、既に二人の歯車は噛み合っているとロバートは伝える。
髪の毛を染めるのを止めたヴァージルは、クレアに電話をして、競売では匿名を使うようにと指示される。
その後、クレアと連絡がつかなくなり、ヴァージルはフレッドに電話をするものの、病気の彼がヴィラに食べ物も運んでいないと言われる。
食料品を買いヴィラに向かったヴァージルは、クレアに何かあったことに気づき、扉の向こうの彼女に話しかける。
動揺するクレアは、具合が悪くて誰に連絡していいか分からず、つまずいて転び頭を打ったことをヴァージルに伝える。
医者に見せるべきだと言って扉を破ろうとするヴァージルだったが、それができなかったためにロバートの元に向かう。
部品が組み合わさっているのを確認したヴァージルは、悩める”友人”の話をして、頑なに拒んでいた携帯電話の使い方をロバートに教わる。
回復しつつあったクレアからの電話を受けたヴァージルは、目録を見て売却するかを迷っている彼女から意見を求められる。
自分次第だと伝えたヴァージルは、焦らない方がいいと助言する。
クレアが作家だと知ったヴァージルは、著書を探すと伝えるが、ペンネームなので無理だと言われる。
”友人”のことをロバートに話したヴァージルは、彼の勇気次第で関係は深まると言われる。
クレアと目録のチェックを始めて、その日の分を終えたヴァージルは、帰ったように見せかけて物陰に隠れ、現れた彼女の姿を確認する。
美しいクレアは部屋のドアの鍵を閉めるが、ヴァージルは、彼女に電話をかけて、その隙に部屋を出てヴィラを去る。
”クリストゥス”の肖像画を手に入れたビリーは、それをヴァージルに見せて驚かせる。
信頼を回復するために買値だけ払ってくれればいいと言うビリーは、ヴァージルから友情を示される。
様々なオートマタの部品を持ち込んだヴァージルは、興味深いものだと言って人形の耳をロバートに渡す。
ロバートは、更に組み合わさった部品を見せながら、”友人”がヴァージル自身の話であることは、直ぐに分かったと伝える。
ヴィラの門の鍵が合わなくなっていたため、向いのバーからクレアに電話をしたヴァージルは、彼女につながらないので不思議に思う。
門からフレッドが出てきたことを確認してヴィラに向かったヴァージルは、家具と絵画の査定表をクレアに渡す。
鍵は半年ごとに換えると言われたヴァージルは、テーブルの上の新しい鍵を受け取る。
子供時代に修学旅行で行った、プラハの奇妙な内装のレストランの話をしたクレアは、”ナイト&デイ”という店の楽しい思い出を語る。
ロバートに会い、部品が人形の形になってきたことを確認したヴァージルは、その後、彼とバーに向い、なぜ結婚しなかったのかと聞かれる。
女性への敬意は恐怖と同じだと言うヴァージルは、女性が理解できないと答える。
クレアは例外だと認めたヴァージルは、彼女の誕生日に花束を持ってヴィラに向かう。
ところが、査定が安すぎると言ってクレアは憤慨し、騙したヴァージルを泥棒呼ばわりして批判する。
手を引くと言ってクレアを罵倒してその場を去ったヴァージルは、街角の店で、ロバートと恋人の仲睦まじい姿を目撃する。
レストランで食事をしようとしたヴァージルは、クレアからの電話を受ける。
泣きながら謝罪されたヴァージルは、花束を贈られたのは初めてで、自分との出会いが人生を大きく変えたと言われる。
一階に降りて入り口のドアを開けたと言うクレアは、外にはでなかったものの、初めての体験だったことを話す。
ヴィラに向かったヴァージルは、暫しクレアと話をして立去ろうとする。
ドアを閉める音をさせてその場に留まり身を潜めたヴァージルは、クレアが誰かと電話で話し、自分のことを好意的に思っていることを知る。
ヴァージルは携帯電話を落してしまい、人がいることに気づいたクレアは、取り乱して部屋に閉じこもってしまう。
ヴィラを出たヴァージルは、来てほしいと言うクレアの電話で彼女の元に戻る。
誰かがいると言うクレアに、一目見たかったので自分が隠れていたと伝えたヴァージルは、憤慨する彼女に追い払われる。
階段を下りるヴァージルは、部屋から出てきたクレアに、行かないでほしいと言われる。
クレアに歩み寄るヴァージルは、普段はこんなことはしないと言って、傷つける気はなかったと伝える。
あなたを見たいと言うヴァージルに振り向いたクレアは、手で頬に触れられる。
その素晴らしい体験をロバートに話したヴァージルは、”作戦”通りに、自分らしくない振る舞いをするべきだとロバートに言われる。
クレアを女らしく扱うべきだとロバートに言われたヴァージルは、彼女にドレスを贈り感謝される。
その後ヴァージルは、クレアと離れたくないために、遠方への出張をキャンセルしてしまう。
化粧品なども買い与えたヴァージルだったが、自分を回復させて外に連れ出す気だとクレアに言われてしまう。
ロバートの女性の接し方に感心したヴァージルは、クレアに会ってほしいと伝える。
食事の用意をしてクレアとテーブルを共にしたヴァージルは、潜んでいたロバートにその様子を見せる。
クレアは、孤児だったヴァージルが、どのようにして美術の知識を得たかなど、彼の話を興味深く聞く。
素晴らしい振る舞いだったと言うロバートは、想像以上にクレアが美しかったことを話す。
訪ねてきたサラから、ロバートがクレアという女性のことばかり話し不安だと相談を受けたヴァージルは、彼に警戒するようにと忠告もされる。
ロバートに会ったヴァージルは、オートマタを引き取ると言って縁を切る。
仕上げの段階に入った美術品のカタログに満足したクレアは、ヴァージルを自分の部屋に招き入れてキスする。
その場にあったオートマタの胴体や手足を見て驚いたヴァージルは、自分よりも美術品に興味があるとクレアに言われてしまう。
ロバートに会ったヴァージルは、オートマタの他の部品を見つけたことを伝えて、サラが相談に来たことも話す。
復元を続けることをヴァージルに伝えたロバートは、私生活に自分を巻き込まないことを条件にして小切手も返す。
オートマタとクレアのどちらを選ぶかと言われたヴァージルは、彼女に指輪を買ってヴィラに向かう。
クレアがいないことに気づいたヴァージルは動揺し、向いのバーで、彼女が出て行ったと言う青年の話を聞く。
ロバートとフレッドと共に、公園の方角に向かったというクレアを捜したヴァージルは、忘れていたオークション会場に向かう。
今まで見たことがない乱れた服装や雰囲気、そして指輪のケースを落したヴァージルを見たビリーは驚く。
結局、クレアは見つからず、恐怖症が突然、治ることも考えられるとロバートに言われたヴァージルは、作家だという彼女が、どの出版社とも関係していないことを知る。
オークションでの失態に驚いたと話すビリーに、気にし過ぎるなと励まされたヴァージルは、ヴィラに別の隠し部屋があるのではないかとロバートに言われる。
フレッドと共にヴィラを調べたヴァージルは、クレアがペンネームで本を出版していたことなどは、聞いたことがないと言われる。
クレアを見つけたヴァージルは、彼女とベッドを共にし、初めての体験で一睡もできなかったことをロバートに話す。
喜んでくれたロバートに、ヴァージルは感謝する。
復元中のオートマタは、おそらく小人が下で操作していたと、ロバートはヴァージルに話す。
クレアを連れ出したいと言うヴァージルに、あまり無理をしない方がいいとロバートは助言する。
雨の夜、ヴィラに向かおうとしたヴァージルは、暴漢に襲われて道路に倒れ込む。
ヴァージルからの電話を受けたクレアは、窓から倒れている彼を確認して入り口に向かう。
目の前のヴァージルを助けるためにヴィラを出たクレアは、彼の元に駆け寄って助けを呼び、病院に付き添う。
回復したヴァージルは、クレアを自宅に招き愛を確かめ、目を閉じるようにと言って、暗証番号でロックされた肖像画のコレクション・ルームに案内する。
目を開けたクレアは驚いて圧倒され、この場に住んでほしいとヴァージルに言われる。
ロバートとサラと共に食事をしたヴァージルとクレアは、二人に完成したカタログを見せる。
ヴァージルと暮らし始めたことで、美術品を売るのを止めようと考えていると話すクレアは、元の姿のまま残したいと伝える。
自分でもそうすると言うヴァージルは、クレアの意見に理解を示し、翌日、全てを戻すと伝えてカタログを破ってしまう。
祝杯を挙げたヴァージルは、翌週のロンドンのオークションを最後に引退することを伝える。
ロンドン。
オークションを終えたヴァージルは、会場の人々から祝福され、ビリーに感謝され、絵を送ったと言われて別れを告げる。
帰宅したヴァージルは、クレアが留守だと知り、彼女が昨日もロバートらと出かけたと使用人に言われる。
クレアの母親の肖像画があることに気づいたヴァージルは、それをコレクション・ルームに保管しようとする。
その場の肖像画が全て消えていたために卒倒しそうになったヴァージルは、そこにあった復元済みのオートマタに気づく。
”いかなる贋作の中にも、必ず本物が潜む、その通りだ、会えなくて寂しいよ・・・”
動き出したオートマタが腰かけていた箱には、ヴァージルの口癖が記録された”フォノトグラフ”が隠されていた。
ショック状態となり精神科医療施設に入院していたヴァージルを、ランバートが訪ねる。
ランバートは、郵便と雑誌などをヴァージルに渡す。
退院したヴァージルはヴィラに向かうものの、門には厳重に鍵がかけられていた。
バーの店主から、数日前にヴィラに家具が運び込まれたと知らされたヴァージルは、いつも窓の傍にいるクレア(キルナ・スタメル)に尋ねるうようにと言われる。
クレアと言われたヴァージルは戸惑いながら、1年半の間に、3回の運び込みと運び出しがあったことを、数を全て記憶できる彼女から知らされる。
ヴァージルが9回ここに来たことも覚えていたクレアは、今日が10回目だと伝える。
女性がヴィラから出るのを見たかとクレアに尋ねたヴァージルは、普通の女性が、231回と更に6回、1年半の間に237回、外に出たと話す。
あり得ないと言って信じないヴァージルだったが、自分が63回屋ヴィラに行き、昼間に36回、夜に27回だと知らされる。
事故の夜は含めないと言われたヴァージルは、ヴィラは空き家で、興味があれば安く貸すとクレアに言われる。
持ち主は誰かと聞いたヴァージルは、クレアから自分だと言われ、使い道がないため映画関係者によく貸すということだった。
クレアが、何でも作れる技術者の青年の話をし始めたため、ヴァージルは呆然とする。
その後、考えを巡らせるヴァージルは、クレアに電話をするものの繋がらない。
クレアの母親の肖像画の裏を確認したヴァージルは、それが、ビリーが送ると言っていた絵だと気づく。
車のトランクの探知器、何があっても愛すると言ってくれたクレアを想いながら、ヴァージルは肖像画を持参して、彼女の思い出の地であるプラハに向かう。
ホテルで部屋をとり、その後、街に出たヴァージルは、クレアが話していた、機械仕掛けの内装のレストラン”ナイト&デイ”に入る。
ウエイターに一人かと聞かれたヴァージルは、連れを待っていると答える。