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悪人と美女 The Bad and the Beautiful (1952)

今では大成功している女優、監督、脚本家とかつて共に働いた確執がある映画プロデューサーとの関係を描く、製作ジョン・ハウスマン、監督ヴィンセント・ミネリ、主演ラナ・ターナーカーク・ダグラスウォルター・ピジョンディック・パウエルバリー・サリヴァングロリア・グレアムギルバート・ローランドポール・スチュワートアイヴァン・トリーソールレオ・G・キャロル他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ヴィンセント・ミネリ
製作:ジョン・ハウスマン
原作:ジョージ・ブラッドショウ”Tribute to a Badman”
脚本:チャールズ・シュニー
撮影:ロバート・サーティース
編集:コンラッド・A・ネルヴィッヒ
音楽:デヴィッド・ラクシン

出演
ジョージア・ロリソン:ラナ・ターナー
ジョナサン・シールズ:カーク・ダグラス
ハリー・ペベル:ウォルター・ピジョン
ジェームズ・リー・バートロウ:ディック・パウエル
フレッド・アミエル:バリー・サリヴァン
ローズマリー・バートロウ:グロリア・グレアム
ビクター”ガウチョ”リベラ:ギルバート・ローランド
シド:ポール・スチュワート
フォン・エルスタイン:アイヴァン・トリーソール
ヘンリー・ウィットフィールド:レオ・G・キャロル
ガス:サミー・ホワイト
ライラ:エレーヌ・スチュワート
俳優:スティーヴ・フォレスト
マーチ・キャスリーン・フリーマン

アメリカ 映画
配給 MGM
1952年製作 113分
公開
北米:1952年12月25日
日本:1953年6月16日
製作費 $1,558,000
北米興行収入 $2,367,000
世界 $3,373,000


アカデミー賞
第25回アカデミー賞
・受賞
助演女優(グロリア・グレアム
脚色・撮影(白黒)・美術(白黒)・衣裳デザイン賞(白黒)
・ノミネート
主演男優賞(カーク・ダグラス


ストーリー
ハリウッド
オスカー受賞監督のフレッド・アミエル(バリー・サリヴァン)は、かつて組んで映画を製作した、パリ在住の映画プロデューサー、ジョナサン・シールズ(カーク・ダグラス)からの電話を受ける。
フレッドは、ジョナサンの電話に出ようとしない。
今や大スターとなりジョナサンと関係があったジョージア・ロリソン(ラナ・ターナー)は、彼からの電話を無視するものの、別の電話機で声を聴く。
ピューリッツァー賞受賞作家で脚本家のジェームズ・リー・バートロウ(ディック・パウエル)は、ジョナサンからの電話に出て、彼を罵倒して受話器を置く。
3人は、B級映画の製作者からジョナサンと組みその後、大物になった、かつて世話になったプロデューサーのハリー・ペベル(ウォルター・ピジョン)に呼び出される。
ぺベルは、ジョナサンが新作を製作する考えがあることを3人に伝える。
今は無一文のジョナサンだったが、ジョージア、フレッド、ジェームズが協力すれば200万ドルが集まることを、ぺベルは3人に話す。
3人とジョナサンの確執を十分に承知しているぺベルは、業界から見捨てられた悪名高き映画スタジオの社長の息子であるジョナサンと3人の関係を思い起こすのだが・・・。


解説 評価 感想

1949年に雑誌に掲載されたジョージ・ブラッドショウの物語”Tribute to a Badman”を基に製作された作品。

製作ジョン・ハウスマン、監督ヴィンセント・ミネリラナ・ターナーカーク・ダグラスウォルター・ピジョンディック・パウエルバリー・サリヴァングロリア・グレアム他、豪華スター競演も話題になった。

破天荒な辣腕プロデューサーの行動を中心に、彼と共に仕事をしたことをきっかけに成功した女優、監督、脚本家との確執に至る経緯が、フラッシュバックでハリウッドの内幕として描かれている。

軽妙且つ大胆なヴィンセント・ミネリの演出と、よく巧みに練られたチャールズ・シュニーの脚本も見事だ。

映画撮影現場を映し出すセットの映像なども興味深く、女優他の衣裳も素晴らしい。

第25回アカデミー賞では、助演女優(グロリア・グレアム)、脚色、撮影(白黒)、美術(白黒)、衣裳デザイン賞(白黒)を受賞した。
・ノミネート
主演男優賞(カーク・ダグラス

2002年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

デイヴィッド・ラクシン作曲のテーマ曲 “The Bad and the Beautiful/Love Is For The Very Young” はヒットし、スタンダードナンバーとなった。

元々はクラーク・ゲイブルが演じる予定だった役がスペンサー・トレイシーに代わり、最終的にはカーク・ダグラスに決まった。
カーク・ダグラスは、周囲との関係を壊しながらも映画製作を続ける辣腕プロデューサーを見事に演じている。

また、脚本家の妻を演じ、後半の短い出演にも拘らず、グロリア・グレアムがアカデミー助演女優を受賞したのも注目だ。
上演1時間23分から14分間に何度か登場するだけだが、非常に印象的な役柄を演じている。

主演のラナ・ターナーは、巧みに心を読むジョナサンと関係して主演女優となり、彼と別れた後に大女優となる役柄を魅力的に演じている。
ジョージアは冒頭でジョナサンからの電話を無視するものの、別の受話器をとって彼の話を聴くシーンが、途中とラストで大きな意味を観客に伝えるのである。
*彼女はジョナサンが気になる存在であり嫌っていない、実は、監督も脚本家も同じ・・・。

ジョナサンの考えを3人に伝える映画プロデューサーのウォルター・ピジョン、ジョナサンの誘いで作家から脚本家になるディック・パウエル、同じくジョナサンと共に映画を作る監督バリー・サリヴァン、俳優のギルバート・ローランド、ジョナサンの補佐役ポール・スチュワート、映画監督のアイヴァン・トリーソールレオ・G・キャロル、そのアシスタント役キャスリーン・フリーマン、ジョージア(ラナ・ターナー)のマネージャー役サミー・ホワイト、エキストラ女優エレーヌ・スチュワート、俳優で端役出演のスティーヴ・フォレストなどが共演している。


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