返済に追われる古びた両親のモーテルと町興しのために世紀のイベント”ウッドストック・フェスティバル”を招致して成功させようとする青年の奮闘を描くドラマ。 監督のアン・リーは、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネートされた。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:アン・リー
製作総指揮:マイケル・ハウスマン
製作
ジェームズ・シェイマス
セリア・D・コスタス
アン・リー
原作
エリオット・タイバー
トム・モンテ
脚本:ジェームズ・シェイマス
撮影:エリック・ゴーティエ
編集:ティム・スクワイアーズ
音楽:ダニー・エルフマン
出演
エリオット・タイチバーグ/タイバー:ディミトリ・マーティン
ジェイク・タイチバーグ:ヘンリー・グッドマン
ソニア・タイチバーグ:イメルダ・スタウントン
マイケル・ラング:ジョナサン・グロフ
ティシャ:メイミー・ガマー
ビリー:エミール・ハーシュ
デヴォン:ダン・フォグラー
ヴェティ・フォン・ヴィルマ:リーヴ・シュレイバー
マックス・ヤスガー:ユージン・レヴィ
ダン:ジェフリー・ディーン・モーガン
ジョン・P・ロバーツ:スカイラー・オースティン
ヒッピー:ポール・ダノ
ヒッピー:ケリ・ガーナー
ダン牧師:リチャード・トーマス
アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2009年製作 120分
公開
北米:2009年8月29日
日本:2011年1月15日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $7,443,010
世界 $9,975,740
■ ストーリー ■
1969年7月、ニューヨーク州、ホワイトレイク。
インテリア・デザイナーのエリオット・タイチバーグ(ディミトリ・マーティン)は、老朽化する両親のモーテルが抱える借金返済に行き詰まる。
エリオットは、何とか返済延長を銀行に承知してもらい、商工会の会長でもあるために、町興しのイベントを考え、自分自身でコンサートを開く申請をする。
そんな時エリオットは、ウォールキルが市民の反対で、世紀の大イベント”ウッドストック・フェスティバル”の開催許可を撤回したことを知る。
閃いたエリオットは、自分が提出したコンサートの申請を思い出し、”ウッドストック”を町に招致しようとする。
早速、マイケル・ラング(ジョナサン・グロフ)率いる視察団を呼び寄せたエリオットだったが、自宅の土地では開催が難しいことが分かる。
そこでエリオットは、酪農家マックス・ヤスガー(ユージン・レヴィ)の数キロ離れた牧場を思い出し、その場にラングを連れて行き、理想の場所だと言われ契約を成立させる。
モーテルがスタッフの宿泊場所となり、手数料を含めた大金を、エリオットはその場で受け取る。
その後、ヤスガーが大幅な借地料の値上げを要求し、主催者側と話し合うことになるが、既に10万枚もチケットが売れているために、主催者は後には引けない状況だった。
そして、町はにわかに活気付き、溢れんばかりの若者が集まり始める。
しかし、町のために寝る間もなく働くエリオットは、ヒッピーやドラッグの巣にされることを嫌う町民に非難されることになる・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
2007年に発表された、エリオット・タイバーの回顧録”Taking Woodstock:A True Story of a Riot, a Concert, and a Life”を基に映画化された作品。
余りにも有名な、史上空前の歴史的野外コンサート”ウッドストック・フェスティバル”に携わった人々の舞台裏を描いたドラマで、コンサート自体は、遠方のステージが映し出されるだけで全く登場しない。
様々なジャンルを手掛けるアン・リーが、各世代を通し、正に時代の息吹を感じられる、激動の1960年代を締めくくる一大イベントをテーマにして描く、力感溢れる仕上がりになっている。
外国人監督でありながら、アメリカ人にとって特別な想いのある出来事、そしてその時代の雰囲気を見事に描写した、アン・リーの演出は見事だ。
アン・リーは、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネートされた。
大スターの出演もなく、商業的には失敗に終わった作品のため小作と言われがちだが、製作費に3000万ドルかけてあるだけあり、舞台となる牧場や人々の様子などを映し出す映像は、かなりスケール感もある。
実に味のある一家、主人公の三人は、それぞれが人間味のある役を好演している。
町民、そして両親のためのイベントとなったのか・・・、この出来事をきっかけに旅立つことになる主人公エリオット・タイチバーグを好演するディミトリ・マーティン、終盤しみじみとした演技を見せる父親ヘンリー・グッドマン、登場シーンから注目である憎まれ役の母親イメルダ・スタウントン、コンサート主催者の一人マイケル・ラングのジョナサン・グロフ、彼のアシスタントで、メリル・ストリープの娘であるメイミー・ガマー、心的外傷後ストレス障害のベトナム帰還兵のエミール・ハーシュ、その兄でコンサートに反対するジェフリー・ディーン・モーガン、前衛劇団のリーダー、ダン・フォグラー、ゲイの用心棒リーヴ・シュレイバー、コンサートに牧場を提供する酪農家マックス・ヤスガーのユージン・レヴィ、主催者ジョン・P・ロバーツのスカイラー・オースティン、ヒッピーの若者ポール・ダノとケリ・ガーナー、牧師のリチャード・トーマスなど、個性派の競演も注目だ。