巨匠ウィリアム・ワイラー製作、監督、トップ・スターのグレゴリー・ペック主演、大抜擢されたオードリー・ヘプバーンのハリウッド・デビュー作にして人気を決定付けたロマンチック・コメディの傑作。 共演エディ・アルバート、脚本ダルトン・トランボ、衣装デザインイデス・ヘッド。 |
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・オードリー・ヘプバーン / Audrey Hepburn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ウィリアム・ワイラー
脚本
イアン・マクレラン・ハンター(ダルトン・トランボ)
ジョン・ダイトン
撮影
アンリ・アルカン
フランク・F・プラナー
編集:ロバート・スウィンク
衣装デザイン:イデス・ヘッド
美術・装置
ハル・ペレイラ
ウォルター・H・タイラー
音楽:ジョルジュ・オーリック
出演
ジョー・ブラッドレー:グレゴリー・ペック
アン王女(アーニャ・スミス):オードリー・ヘプバーン
アーヴィング:エディ・アルバート
大使:ハーコート・ウィリアムズ
ヴィアルバーグ伯爵夫人:マーガレット・ローリングス
マリオ・デラーニ:パオロ・カルリーニ
プロブノ将軍:トゥリオ・カルミナティ
ヘネシー支局長:ハートリー・パワー
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1953年製作 118分
公開
北米:1953年9月2日
日本:1954年4月19日
製作費 $1,500,000
北米興行収入 $5,000,000
世界 $12,000,000
■ アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・受賞
主演女優(オードリー・ヘプバーン)
原作・衣装デザイン賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(エディ・アルバート)
脚本・編集・美術(白黒)・撮影賞(白黒)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ヨーロッパ某国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)が、各国歴訪中にローマを訪れる。
その夜、歓迎晩餐会が開かれた後、若いアン王女は堅苦しい行事の連続に、疲労と不満が蓄積し、女官のヴィアルバーグ伯爵夫人(マーガレット・ローリングス)の前で取り乱してしまう。
侍医から安定剤の注射を打たれ、落ち着きを取り戻したアン王女は、こっそり大使館を抜け出してしまう。
しかし、薬が効き始めたアン王女は眠ってしまい、通りがかったアメリカ人新聞記者ジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)が彼女に気づく。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ヨーロッパ某国の王女アンが、各国歴訪中にローマを訪れる。
その夜、アン王女は、堅苦しい行事の連続に、疲労と不満が蓄積して取り乱してしまい、侍医から安定剤を打たれる。
落ち着きを取り戻したアン王女は、こっそりと大使館を抜け出すものの、薬が効き始めた彼女はその場で眠ってしまう。
そこに通りがかった、アメリカ人新聞記者ジョー・ブラドリーが女性(王女)に気づき、身元不明のただの酔っ払い娘だと思い、仕方なく彼女を自分のアパートに泊めることにする。
その頃、大使館では、アン王女の失踪による騒動を避けるため、秘密裏に捜索が開始され、王女は急病と発表される。
翌朝ジョーは、ヘネシー局長から”王女急病”の新聞記事を見せられ、自分のアパートにいるのがアン王女だと気づく。
閃いたジョーは、ヘネシーに特ダネを約束してアパートに戻る。
ジョーは、自分が王女のことに気づいていない振りをして、カメラマンのアーヴィングの協力を得ながら、彼女と別れた後に尾行し、その行動を監視し始める。
その後ジョーは、アン王女と偶然に会ったように見せかけ、アーヴィングと合流して、彼女を市内観光に連れて行く。
そしてアン王女は、生まれて初めて味わう開放感に、胸をときめかせるのだが・・・。
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既に2度のアカデミー監督賞を受賞していたウィリアム・ワイラーの冴え渡る演出、人情味とユーモア、物語は現実ではあるがお伽噺話のようでもあり、また、爽やかな内容に加えて感傷にも浸れる、映画史上に残る珠玉の名作。
第26回アカデミー賞では、主演女優(オードリー・ヘプバーン)、原作、衣装デザイン賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演男優(エディ・アルバート)
脚本・編集・美術(白黒)・撮影賞(白黒)
1999年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
第二次大戦の敗戦国イタリアの復興のため、多くのハリウッド作品がロケで使ったローマの観光映画としての効果は絶大だった。
スペイン広場やコロッセオなど、市内の名所を巡りながらのドラマ展開も素晴らしい。
そんな中で、主人公の二人が再会する、スペイン広場のトリニタ・デイ・モンティ教会の時計を注目していると、ショットが変わるごとに時計の針が大きく動く。
現地ロケの苦労が窺える、細かな所をチェックしてみるのもまた面白い。
また、スパイ映画に登場するようなライター型のカメラなど、小道具の使い方もうまい。
アメリカでは、日本のような絶大な人気はないオードリー・ヘプバーンだが、初主演でいきなりアカデミー主演賞に輝き、妖精と称されて1950~1960年代ハリウッドを代表する女優となった。
本作での彼女は、女優としてのキャリアはあったものの、素人っぽいところがこの役柄の魅力で、微笑み、はにかみ、涙する自然な表情と演技が、作品イメージに見事にマッチしている。
30代半ばにして既にハリウッドの大スターだったグレゴリー・ペックは、もちろん主演ではあるが、これはヘプバーンの作品だと悟った彼は、無名の新人を自分と対等に扱うよう掛け合ったという、実生活で、人格者としても有名な彼らしい逸話もある。
そんな彼の人柄が滲み出ているような、好感度抜群の演技も見もので、共演者に、というよりもオードリー・ヘプバーン自身に対しての優しさが感じられ、彼のアドリブが見られる、”真実の口”の茶目っ気のあるシーンなども印象に残る。
アカデミー助演賞にノミネートされたエディ・アルバートも、コミカルな演技を披露し好演している。
その他、新聞社支局長ハートリー・パワー、某国大使ハーコート・ウィリアムズ、女官マーガレット・ローリングス、侍従トゥリオ・カルミナティ、美容師パオロ・カルリーニなどが共演している。