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ロッキー5 Rocky V (1990)

ロッキー」シリーズの第5作。
引退を決意し財産も失ってしまったロッキーが有能な若手ボクサーを育てようと新たな人生を模索する姿を描く、監督がジョン・G・アヴィルドセンに戻り、脚本、主演シルヴェスター・スタローンタリア・シャイアバート・ヤングトミー・モリソンバージェス・メレディス共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(スポーツ)

シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・G・アヴィルドセン

製作総指揮:マイケル・S・グリック
製作
アーウィン・ウィンクラー

ロバート・チャートフ
脚本:シルヴェスター・スタローン
撮影:スティーヴン・ポスター
編集
ジョン・G・アヴィルドセン

マイケル・N・ヌー
音楽:ビル・コンティ

出演
ロッキー・バルボア:シルヴェスター・スタローン

エイドリアン・バルボア:タリア・シャイア
ポーリー・ペニノ:バート・ヤング
トミー”ザ・マシン”ガン:トミー・モリソン
ジョージ・W・ドューク:リチャード・ギャント
ミッキー・ゴールドミル:バージェス・メレディス
トニー”デューク”エヴァース:トニー・バートン
ロッキー・バルボアJr.:セイジ・スタローン
リング・アナウンサー:リロイ・ニーマン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ/UIP
1990年製作 104分
公開
北米:1990年11月16日
日本:1990年12月8日
製作費 $42,000,000
北米興行収入 $40,946,360
世界 $119,946,360


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ドラゴとの対戦を終えたロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)は、体調不良を訴えて、妻のエイドリアン(タリア・シャイア)らと共に帰国する。

息子ロッキーJr.(セイジ・スタローン)や、多くの人々に出迎えられ帰国したロッキーは、引退を決意する。

しかし、プロモーターのジョージ・W・デューク(リチャード・ギャント)は、ロッキーにまだビジネス的な魅力を感じて、自分が抱えるチャンピオンとの対戦を、プロモートすることを画策する。
...全てを見る(結末あり)

屋敷に戻ったロッキーだったが、ジュニアは、やたらにテンションの高い父の異変に気づく。

そんな時、義兄のポーリー・ペニノ(バート・ヤング)が任せた、ロッキーの財産を管理する会計士の不正が発覚して、ロッキーは破産してしまう。

ボクシングをするしか方法がなくなったロッキーは、復帰を決意しデュークに連絡しようとする。

それに反対するエイドリアンは、ロッキーに医師の診断を受けさせ、彼が、長年の戦いの結果、脳に障害を起こしていることが分かる。

治療不能ということで、引退するしかないロッキーは、失意の内に屋敷や家財などを競売にかける。

昔の服や帽子を見つけて、それを身につけたロッキーは街をうろつき、ジュニアに遺された、ミッキーのジムに立ち寄る。

そしてロッキーは、今は亡きミッキー・ゴールドミル(バージェス・メレディス)との想い出に涙する。

その後、ロッキーは大邸宅を売り払い、売らずにいた昔のポーリーの家で、彼とエイドリアン、ジュニアと暮すことになり、周辺に住む人々に歓迎される。

ある日、ジュニアを、初登校の学校に送ったロッキーは、彼を頼って来た若いボクサー、トミー・ガン(トミー・モリソン)に声をかけられる。

そこにデュークが現れ、ロッキーにライセンス取得を約束し復帰させようと彼を説得する。

しかし、ペットショップに戻り働き出したエイドリアンが、それに割って入り、デュークを追い払ってしまう。

エイドリアンまで働きに出て、辛い思いをさせてしまったロッキーは心を痛め、トミーの話を聞く気分にはなれなかった。

その後ロッキーは、ミッキーの遺したジムを改装して、トレーナーとして若手を育てる仕事を始めていた。

そこにトミーが現れ、ロッキーは、彼の才能に目を付け、熱意にも負けて自宅に招く。

帰宅したロッキーは、ジュニアが学校で殴られたのを知るが、彼の部屋をトミーに提供してしまう。

トミーと意気投合したロッキーは、彼に自分の人生を賭けてみることを決意し鍛え始める。

そして、ロッキーはトミーをデビューさせて、彼の才能を開花させ、実力をつけたトミーは連勝を続ける。

しかし、トミーに入れ込み過ぎたロッキーは、ジュニアの相手をしなくなり、親子の絆が崩れかけていく。

その頃、デュークがトミーに目を付け、彼を金で釣りロッキーから引き離そうとする。

トミーとデュークが接近していることを知ったポーリーは、ロッキーにそれを伝えて忠告するが、彼はそれに耳を貸さない。

試合に勝っても、”ロッキーのコピー”などと言われ続け不満を抱くトミーは、デュークの金の力に負けロッキーを見限ってしまう。

クリスマスの夜、ジュニアは父ロッキーに不満をぶつけて友達と外出してしまう。

そこに、デュークを伴ったがトミーが現れ、ロッキーと縁を切ろうとする。

ロッキーは、デュークの汚い考えをトミーに知らせようとするが、彼はそれを無視してその場を立ち去る。

ショックを受けたロッキーは意識を失いかけるが、尚もトミーをかばおうとする。
ロッキーを労わるエイドリアンだったが、自分の息子に目を向け、親として愛情を注ぐよう彼を説得する。

納得したロッキーは、ジュニアを捜して謝罪し、彼のわだかまりは消える。

その後、デュークはトミーを世界戦に挑戦させて、彼はタイトルをものにする。

トミーの勝利を自分のことのように喜ぶロッキーだったが、彼への感謝の気持ちを示さないトミーに対し、観衆はブーイングを浴びせる。

ロッキーを真のヒーローとする大衆の、トミーに対する風当たりは強く、デュークはロッキーをリングに上げる作戦にでる。

その後、トミーとデュークはロッキーを挑発し、二人は路上で対戦する ことになる。

集まった見物人はロッキーに声援を送り、エイドリアンとジュニアも駆けつける。

今は亡きミッキーの面影に支えられ、ロッキーはトミーとデュークを叩きのめす。

そしてロッキーは、自分の原点とも言えるフィラデルフィア美術館にジュニアを連れて行き、自分の銅像の前で親子の絆を確かめ合う。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「ロッキー」(1976)
・「ロッキー2」(1979)
・「ロッキー3」(1982)
・「ロッキー4」(1985)
・「ロッキー5」(1990)
・「ロッキー6」(2006)
・「クリード」(2015)
・「クリード 炎の宿敵」(2018)
・「クリード 過去の逆襲」(2023)

*(簡略ストー リー)
ドラゴとの戦いを終えたロッキー・バルボアは、体調の異変に気づき、妻エイドリアンらと共に帰国して引退を決意する。
しかし、ロッキーにまだビジネスチャンスがあると見た大物プロモーターのデュークは、彼を復帰させようとする。
その後ロッキーは、脳に障害があることが分かり、引退を決めて後続の指導者となる。
そんな時、若手ボクサーのトミー・ガンの才能に気づいたロッキーは、彼に自分の人生を賭けて、一流のボクサーに育てようとする。
ロッキーは、息子ジュニアに目を向けなくなり、親子の関係が崩れかける。
同じ頃、ロッキーを利用することを諦めていないデュークは、トミーを巻き込んだ謀略を画策するのだが・・・。
__________

監督が第1作のジョン・G・アヴィルドセンに戻ったものの、ドラマのテーマの原点とも言える家族や父子愛に重点を置いたストーリー展開に新鮮味はなく、全世界で1億ドルは突破したとはいえ、興行収入は前作の約1/3にダウンし、批評家の評価も良くなかった作品。
北米興行収入 $40,946,360
世界 $119,946,360

人間味溢れる原点のロッキーに近づく描写など、期待しながら観れるのだが、今一歩といった内容が残念だ。

主人公ロッキーと家族が破産してしまい、かつてのフィラデルフィアの貧しい生活に戻り、ロッキーも脳の障害を抱えるどん底生活に戻り、愛すべき不器用なキャラクターが甦るところまでは、なかなかいいのだが・・・。

プロモーターのドン・キングそのままの、鬱陶しい登場人物リチャード・ギャントや、前作ドラゴよりややマシ程度の、トミー・ガンの”デクノボウ”ぶり、さらには第1作の年に誕生した思い入れからか、スタローンの実の息子セイジ・スタローンの出演なども頂けない。

主演のシルヴェスター・スタローンは、1、2作を思わせる、帽子や革ジャンを見につけて郷愁を誘う。

タリア・シャイアバート・ヤングも、野暮ったさが復活し、その方が似合うということにも気づいてしまう。

ロッキー3」(1982)で死亡してシリーズから去った、80歳を超えているバージェス・メレディスの面影のシーンは、思わずホロリとさせてくれる。

トミー・ガンに扮するトミー・モリソンは、本作後、実際にWBO世界ヘビー級タイトル獲得している。
彼は、ジョン・ウェインの甥の息子でもある。
ジョン・ウェインの本名マリオン・マイケル/ロバート・モリソン。


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