大ヒット「ロッキー」シリーズの第3作。 世界チャンピオンの地位を維持していたロッキーがクラバー・ラングの挑戦を受けて敗れながら再び戦う姿を描く、監督、脚本、主演シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース、ミスター・T共演のドラマ。 |
・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:シルヴェスター・スタローン
製作
アーウィン・ウィンクラー
ロバート・チャートフ
脚本:シルヴェスター・スタローン
撮影:ビル・バトラー
編集
ドン・ジンマーマン
マーク・ワーナー
音楽:ビル・コンティ
主題曲:サヴァイヴァー“Eye of the Tiger”
出演
ロッキー・バルボア: シルヴェスター・スタローン
エイドリアン・バルボア: タリア・シャイア
アポロ・クリード: カール・ウェザース
ポーリー・ペニノ: バート・ヤング
ミッキー・ゴールドミル: バージェス・メレディス
クラバー・ラング:ミスター・T
サンダー・リップス:ハルク・ホーガン
トニー”デューク”エヴァース:トニー・バートン
リング・アナウンサー:リロイ・ニーマン
アメリカ 映画
配給 MGM
1982年製作 99分
公開
北米:1982年5月28日
日本:1982年7月31日
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $125,049,130
■ アカデミー賞 ■
第55回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲賞:“Eye of the Tiger”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アポロ・クリード(カール・ウェザース)を倒し、チャンピオンとなったロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)は、その後、防衛を重ねる。
そしてロッキーは、無敵の王者としてボクシング界を背負い、大衆の心を捉えて、マスコミもこぞって彼を取り上げていた。
義兄ポーリー・ペニノ(バート・ヤング)は、そんなロッキーに嫉妬して騒ぎを起こすが、 ロッキーはポーリーを優しく迎え入れる。
あれから3年、ロッキーは妻エイドリアン(タリア・シャイア)、ロッキーJr.、トレーナーのミッキー・ ゴールドミル(バージェス・メレディス)らと、大豪邸で暮らすほどになっていた。 ロッキーは、チャリティー・イベントで、巨漢プロレスラーのサンダー・リップス(ハルク・ ホーガン)と対戦することになるが、その会場には、ランキング1位のクラバー・ラング(ミスター・T)の姿もあった。 イベントにも拘らず、サンダー・リップスは容赦なくロッキーを叩きのめしてしまう。 観客まで巻き込む騒動に怒ったロッキーは、グローブを外して、サンダー・リップスに反撃する。 サンダー・リップスの巨体を抱え上げたロッキーは、彼を客席に放り投げ、会場は盛り上がり、チャリティーは大成功に終わる。 10度の防衛で達成感に満ち溢れ、ボクシングでやり残したことがなくなったロッキーは、フィラデルフィア美術館でのブロンズ像除幕式で引退を宣言する。 そこに、クラバー・ラングが現れ、ロッキーを卑怯者呼ばわりして、エイドリアンを侮辱する。 ロッキーは挑戦を受けようとするが、ミッキーは無謀な戦いだと警告する。 ロッキーの元を去ろうとするミッキーは、対戦相手を選び連勝を続けたロッキーと、勢いがあり若いクラバー・ラングでは、勝敗は歴然としていることを指摘する。 しかしロッキーは、ミッキーを説得してトレーニングを始める。 まるで見世物のような、ロッキーのトレーニングを見て、ミッキーの心配は増すばかりだった。 そして試合当日、クラバー・ラングに挑発されたロッキーを止めようとしたミッキーが、心臓発作で倒れてしまう。 仕方なくロッキーは、ミッキーがいないままで戦うことになる。 ミッキーの様態を案ずるロッキーは、平常心ではいられず、既にクラバー・ラングの敵ではなかった。 リングサイドで見守る、今ではロッキーと友情も芽生えていた、元チャンピオンのアポロの脳裏にも不安が過ぎる。 圧倒的な強さを見せたクラバー・ラングは、2ラウンドKO勝ちでロッキーを倒す。 そして、ロッキーを待ちかまえていたミッキーは、控え室で息を引きとる。 ロッキーはミッキーを失い、抜け殻のようになったってしまうが、救いの手を差し伸べたのはアポロだった。 アポロは、自分に立ち向かってきた時のような、ロッキーの闘争心を呼び戻すため、原点”虎の眼”を思い出させる。 そして、アポロはロッキーを伴い、自分が無名時代を過ごした西海岸へ、トレーニングに旅立つ。 アポロの元トレーナー、トニー”デューク”エヴァース(トニー・バートン)と現地で合流したロッキーらは、獣のような眼差しの、無名ボクサーが集うジムでトレーニングを開始する。 なかなかモチベーションの上がらないロッキーに、さすがのアポロも諦めかける。 初めて戦いに恐怖感を感じていたロッキーは、自分自身のために命がけで戦うよう、同行していたエイドリアンに励まされる。 気持ちが吹っ切れたロッキーは、アポロと共にハードなトレーニングをこなし、心身ともに完璧な仕上がりとなり、いよいよ決戦を迎える。 ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン。 リングに上がったクラバー・ラングは、ロッキーとアポロを挑発し、双方は試合前から興奮状態となる。 そして、試合開始のゴングは鳴る。 ミドル級のような絞り込んだ体で、ロッキーは軽快に動き回り、クラバー・ラングのパンチをかわす。 しかし、徐々にペースを掴んだクラバー・ラングのパンチも、ロッキーを捉えるようになる。 連打されたロッキーは、第2ラウンドで早くもダウンを喫するが、立ち上がり余裕も見せる。 アポロは、原点”虎の眼”を忘れるなと、ロッキーに檄を飛ばす。 そして、相手にパンチを打たせ続けたロッキーは、猛反撃に出て、3ラウンドでクラバー・ラングにKO勝ちする。 その後、絆の深まったロッキーとアポロは、スパーリングでお互いの強さを確かめる。
...全てを見る(結末あり)
アポロは、チャンピオン時代に使用していたトランクスをロッキーに渡し、セコンドとして彼と共にリングに向う。
参考:
・「ロッキー」(1976)
・「ロッキー2」(1979)
・「ロッキー3」(1982)
・「ロッキー4」(1985)
・「ロッキー5」(1990)
・「ロッキー6」(2006)
・「クリード」(2015)
・「クリード 炎の宿敵」(2018)
・「クリード 過去の逆襲」(2023)
*(簡略ストー リー)
アポロに勝利し、新チャンピオンとなったロッキー・バルボアは、その後も防衛を続け、富と名声、そして、愛するエイドリアンとの満ち足りた生活を手に入れる。
全てをやり遂げて引退を決意したロッキーだったが、ランキン1位のクラバー・ラングに挑発され、再びリングに上がろうとする。
危機感のために、去ろうとするミッキーを説得したロッキーは、クラバー・ラングとの戦いに挑むが、試合前にミッキーが発作で倒れてしまう。
惨敗したロッキーはミッキーも失い、失意の日々を送るが、彼に手を差し伸べたのは、かつての宿敵アポロだった。
ロッキーは初心に戻り、アポロの献身的な援助でトレーニングを始めるのだが・・・。
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前作同様、シルヴェスター・スタローンが、監督、脚本、主演する意欲作。
最終作の予定で作られたはずの本作は、北米で「ロッキー2」(1979)を遥かに上回るヒットとなり、結果この後もシリーズは継続することになる。
第55回アカデミー賞では、主題歌の“Eye of the Tiger”が歌曲賞にノミネートされた。
新たなる敵クラバー・ラングや、当時人気上昇中のプロレスラー、ハルク・ホーガンなどの登場人物に加え、サヴァイヴァーの主題曲“Eye of the Tiger”も、ビルボードで6週連続No.1となり、話題の多い作品でもあった。
しかし、ロッキーが奮起するきっかけになるシーンやラストは、前2作に比べかなり盛り上がりに欠けている。
富や名声を掴んだからとはいえ、洗練され過ぎてしまったロッキーのキャラクターは、別人のようで好感が持てない。
マンネリ化しつつあるシリーズの、新たな試みだろうが、不器用なロッキーを愛するファンにとっては、今一ピンとこない思いだ。
時代の流れと、同年公開の「ランボー」(1982)のための体作りが、ビフテキのような前作のイメージには合わなくなっていたので、仕方ないこと
かもしれない。
別人のようなスタローンは、ドラマの中で言われるように、まるでミドル級のような締まった体で登場する。
ミッキーの死に直面し、壁を突き破ろうと、もがき苦しむ姿を好演はしているが、やはり”ロッキー”らしくない彼は、物足りなさを感じる。
今回でシリーズを去るバージェス・メレディスは、75歳の高齢にも拘らず、最後まで熱演している。
*「ロッキー5」(1990)にも面影として登場はする。
タリア・シャイアは、ロッキーに渇を入れる、逞しい”ボクサーの妻”を好演して貫禄さえ感じる。
お馴染みの共演者カール・ウェザースが、前作に続き奮闘するものの、バート・ヤングは脇役に徹しているのみというところだ。
クラバー・ラング役のミスター・Tは、迫力はあるが、野獣のように吠えているだけという印象だ。
全作で登場するトレーナーのトニー・バートン、そして芸術家リロイ・ニーマンは、リング・アナウンサーとしてチャリティー・マッチで出演し、彼の描いた絵が随所で登場する。
また、戦いを前に、トレーニングしているスタローンにキスしようとする女性は、最初の妻のサーシャ・チャックだ。