渡された伝票を確認して破ったソーピーは、ウエイターに無一文だと伝えて、警察を呼ぶようにと指示する。
ソーピーはウエイターに追い出されそうになるが、騒ぎに気づいた支配人は、面倒を避けるために、警察を呼ばずに彼を追い出す。
外で待っていたホーレスと共にその場を離れたソーピーは、通りにいた警官を蹴ろうとするものの転んでしまう。
ソーピーは、気を遣い起こしてくれた警官に滑ったバナナの皮を渡す。
落ちていた蹄鉄を拾ったソーピーは、ブティックのショーウィンドウに投げてガラスを割るが、犯人と思われたホーレスが警官に追われる。
ソーピーは、自分が犯人だと言っても信じてもらえない。
その後、通りにいた若い女性(マリリン・モンロー)に声をかけたソーピーは、警官が近くにいることを知りながら彼女を誘う。
誘いに乗った女性に謝罪したソーピーは、彼女に無一文だと伝える。
お詫びのしるしだと言って、唯一の財産である傘を女性に渡したソーピーは、”魅力的で若いご婦人”に差し上げると伝えてその場を去る。
様子を見ていた警官に声をかけられた女性は、ソーピーから”ご婦人”と呼ばれたことで嬉しくなり涙する。
夜になり、ホーレスと共に教会に入り讃美歌を聴いていたソーピーは、自分の行いを恥じて悲しくなり涙する。
心を入れ替えようと考えたソーピーは、外にいた警官に逮捕されてしまう。
法廷で浮浪罪を認めるか問われたソーピーは、教会で改心する気になっただけだと判事に伝える。
話を聞き入れられないソーピーは、所持金なしの浮浪罪で禁固90日を言い渡されてしまう。
● クラリオン・コール新聞/The Clarion Call
ニューヨーク市警16分署。
刑事のバーニー・ウッズ(デイル・ロバートソン)は、強盗殺人事件”ノークロス殺人”の証拠品である、犯人の遺留品と思われる”キャンプタウン・レース”(草競馬)と書かれたペンが気になる。
ある人物を思い出したバーニーはペンを借りて、幼馴染のジョニー・カーナン(リチャード・ウィドマーク)を捜し、ホテルのバーで彼を見つける。
再会した二人は昔を懐かしく思い、バーニーは”キャンプタウン・レース”の話題を出し、喜んだジョニーは、バーテンダーも加えて三人でそれを歌う。
場所を変えて話すことにしたジョニーは、バーニーを連れて部屋に向かい、その場にいたヘイゼル・ウッド(ジョイス・マッケンジー)を殴って追い払う。
酒のボトルを出したジョニーは、バーニーが刑事だと知る。
ジョニーにペンを見せたバーニーは、お前のものだと伝えて、自分のペンは家にあると伝える。
殺人事件現場に落ちていたと伝えたバーニーは、ジョニーを連行しようとするものの、抵抗しようとしたために彼を殴り倒す。
上着を脱がして調べたバーニーは、隙を見たジョニーに銃を向けられ、悪い噂は聞いていたと言って殺人を犯した理由を問う。
ペンを知っているのは自分達だけなので、黙っていればいいと言うものの断られたジョニーは、銃をバーニーに渡し、逮捕はできないと伝える。
その理由を訊かれたジョニーは貸しがあるはずだと伝えるが、バーニーから、昔の話を持ち出すなと言われる。
ジョニーは、賭けで負けた1000ドルを立て替えたことをバーニーに話し、それを今日、返すようにと伝える。
バーニーがまじめな男だと知っているジョニーは、その件を無視してまで自分を逮捕するとは考えず、彼を追い払う。
銀行や保険会社、更には闇金融を回り金を工面したバーニーだったが、300ドルしか用意できないままレストランにいたジョニーに会う。
納得しないジョニーに、金の件は別としても逃げ切れるわけはないと言って、自首することを勧めたバーニーだったが、承知するような男ではなかった。
警察でなくても嗅ぎつけるものがいるかもしれないと伝えたバーニーは、その場にいた新聞社”クラリオン・コール”の編集長デイヴ・バスコム(ハウス・ピータースSr.)のことを話す。
バスコムに声をかけたジョニーは、ノークロス事件のことを追っているか尋ね、犯人捜しは無理だろうと言って彼を侮辱する。
自分を相手にしないバスコムが帰った後で、バーニーから彼が一流の編集長だと言われても、ジョニーは気にしない。
これ以上話しても無駄だと分かったバーニーは、その場を去り署に戻る。
上司に相談しようとしたバーニーは、届いたばかりの”クラリオン・コール”を手にして新聞社に向かう。
バスコムに会ったバーニーは、あることを話す。
シカゴ行きの列車に乗ったジョニーは、バーニーが現れたために驚き、彼が持参した1000ドルを受け取る。
新札で1000ドルを用意できたことが信じられないジョニーは、逮捕しようとするバーニーに襲い掛かり銃を向ける。
ホテルで弾が抜かれたことに気づかなかったジョニーは、バーニーに銃を向けられ、観念して連行される。
その場に落ちていた”クラリオン・コール”には、ノークロス事件の情報提供者に1000ドルの報奨金を払うという記事が掲載されていた。
● 最後の一葉/The Last Leaf
ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジ。
思いを寄せていた役者に捨てられたジョアンナ・グッドウィン(アン・バクスター)は、吹雪の中、アパートに向かう。
上階に住む画家のバーマン(グレゴリー・ラトフ)に入り口で声をかけられたジョアンナは、気分が悪くなり倒れてしまう。
ジョアンナの姉スーザン(ジーン・ピーターズ)は、自分を呼ぶバーマンの声で入り口に向かい、妹を部屋に運ぶ。
医師(リチャード・ガリック)の診察をジョアンナに受けさせたスーザンは、彼女が肺炎であることを知り処方箋を受け取る。
ジョアンナの様態を医師に確認したスーザンは、まだ若いので回復は見込めると言われる。
忠告したにも拘わらず役者などに恋するからだと言って苛立つバーマンは、自分が買いに行くと言ってスーザンから処方箋を受け取り、絵を持って出かける。
自分の愚かさを恥じるジョアンナを慰めたスーザンは、妹を気の毒に思う。
薬剤師(ウォーレン・スティーヴンス)に処方箋を渡したバーマンは、後で来ると言って画廊に向かう。
ボリス・ラドルフ(スティーヴン・グレイ)に絵を見せたバーマンは、描いた抽象画を理解してもらえず、誰でも分かる絵を描くようにと言われる。
次回は指示通りに描くとボリスに伝えたバーマンは、3ドルで買うと言われたために、憤慨してその場を去る。
薬局に戻ったバーマンは、代金の2ドルをグッドウィン家で払おうとするものの、それを薬剤師に拒まれたために画廊に向かう。
ボリスに絵を売り3ドルを受け取ったバーマンは、薬を買ってアパートに戻る。
その後、回復する様子がないジョアンナについて話す医師は、生きたいという意思がないように思えるとスーザンに伝える。
食欲もないジョアンナは、窓から見えるツタの葉が昨日まで21枚あったことをスーザンに話し、自分の年齢と同じ数の葉が風で散り、今日は14枚になっていることを伝える。
ジョアンナは、明日には1枚もなくなり、自分の人生も終わると思い込む。
スーザンから、生きることは素晴らしいと言われても、疲れ果てたジョアンナは心が沈む。
窓のカーテンを閉めたスーザンは、開けておいてほしいと言うジョアンナの望み通りにする。
バーマンの部屋から聴こえる物音に腹を立てたスーザンは、彼に苦情を言いに行く。
思い通りに絵が描けないために苛立つバーマンは、ジョアンナのことを心配する。
まだ治らないことを知ったバーマンは、中庭のツタの葉が散れば死ぬと思っていることをスーザンから知らされ、ジョアンナを気の毒に思う。
馬鹿げた話だと言ってスーザンを励ますバーマンは、彼女に休むようにと伝える。
部屋に戻ったスーザンは、窓際で葉を見つめるジョアンナに気づき、彼女を抱きかかえてベッドに寝かせる。
その夜、医師から今夜が峠だと言われたスーザンは、窓の外の葉が1枚になったことを確認する。
外から戻ったバーマンの酔って歌う声が聴こえたため、ジョアンナが回復しないのはあなたのせいだと伝えたスーザンは泣き崩れる。
謝罪するバーマンは、3ドルの絵しか描けない自分には才能がないと言って、それに気づいた画家は死ぬしかないとスーザンに伝える。
スーザンも言い過ぎたことを謝罪し、葉のことは本当で、あと1枚しかないとバーマンに話す。
ジョアンナの死を信じたくないスーザンを励ますバーマンは、自分の祈りが通じれば回復すると伝える。
夜が明けて目覚めたジョアンナは、医師と共に眠っていたスーザンを起こして、ツタの葉のことを気にして窓を見つめる。
カーテンが開けられ中庭を見たジョアンナは、吹雪に耐えた葉が1枚残っていることに気づく。
スーザンから、自分も耐えられると言われたジョアンナは、気分を訊く医師にお腹がすいたと答える。
ブラシと鏡が欲しいと言うジョアンナを抱きしめたスーザンは、外の騒ぎに気づく。
隣人と話したスーザンは、酔ったバーマンが吹雪の中で亡くなったことを知る。
部屋に戻ったスーザンは、温めたスープをジョアンナに渡しながら、バーマンが亡くなったことを伝える。
寂しくなるとジョアンナに伝えたスーザンは、枝が離れたにも拘わらず葉が散らないことを不思議に思う。
才能さえあればバーマンも報われたと言いながら、絵は理解できなかったと話すジョアンナに、スーザンは、それは正しくない考えであり、最高の画家だったと伝える。
いつか分かるとジョアンナに伝えたスーザンは、バーマンが夜中に梯子とランタンを使い、壁に葉を描いてくれたことを考えながら、地面に落ちているパレットと筆を見つめる。
● 赤い酋長の身代金/The Ransom of Red Chief
アラバマ州。
横領罪で指名手配中のサム”スリック”ブラウン(フレッド・アレン)とビル・ペオリア(オスカー・レヴァント)は、アジトにする場所を見つける。
子供を誘拐して身代金を要求するサムが考える計画に賛成できないビルだったが、仕方なくそれに従う。
田舎町サミットに向かった二人は住人達に声をかけて、土地を買いたいことなどを話す。
この辺りの土地のほとんどを所有するエベニーザー・ドーセット(アーヴィング・ベーコン)に、9~10歳の子供J.B.がいることを確認したサムとビルは、ドーセット家に向かう。
夕食の支度をする妻(キャスリーン・フリーマン)から、J.B.がおとといの夜から帰ってこないと言われたドーセットは、それを気にする様子もない。
車で現れた二人組が、帰ってきたJ.B.(リー・アーカー)に袋を被せて連れ去ったことを妻から知らされたドーセットは、驚きもしなかった。
アジトに連れて行ったJ.B.と話したサムは、ナイフを手にする彼に脅される。
身代金を要求する手紙をポストに入れてくるとJ.B.に伝えたサムは、金額を訊くビルに2000ドルだと答える。
高過ぎると言われたサムは1500ドルにすることを決めて、ビルにJ.B.を見張るよう指示してドーセット家に向かう。
妻から、車で来た男がポストに何か入れたと言われたドーセットは、予想通りだと伝える。
ポストの中の物を取ってこようとした妻だったが、ドーセットから、明日の朝でいいと言われる。
アジトに戻ったサムは、ビルが、”赤酋長”と呼べと言うJ.B.に脅され、懐中時計を奪われたことを知る。
インディアンごっこをしたいJ.B.の思い通りにさせたサムは、隙を見て時計とナイフを奪う。
酋長を騙したので殺すと言われたサムとビルは、J.B.を警戒しながら眠ることにする。
二人が眠ったことを確認したJ.B.は、パンでクマを誘き寄せて彼らの元に向かわせる。
それに気づいた二人は驚き、木に登って怯える。
サムとビルの時計とナイフを渡し、インディアンになることを約束させたJ.B.は、石を投げてクマを追い払う。
インディアンごっこをさせられたサムとビルは、J.B.が眠っても何もできなかった。
翌日、指定した場所に届けに来たものを確認したサムは、それが金ではなく手紙だったために驚く。
アジトに戻ったサムは、ビルがJ.B.に痛めつけられたことを知り、金はなかったと伝える。
ビルから金は諦めようと言われたサムは、ドーセットからの手紙を読む。
自分達に同情するドーセットが、250ドル払えばJ.B.を引き取るという内容だったため、ビルは彼を置いて行けばいいと考える。
地区の保安官であるドーセットが、自分達が逃げられないことを知っているため、日が暮れるまでにJ.B.を連れて行かねばならないと、サムはビルに伝える。
花をもって現れたJ.B.に金を受け取ったと伝えて油断させたサムは、彼を捕らえる。
J.B.から花を奪ったビルは、うるしだと言われて焦る。
ドーセット家に向かったサムとビルは250ドルを払い、10分はJ.B.を捕まえていられると言われてその場を去る。
焦って町を去ろうとするサムとビルは、次の詐欺について考えながら車を走らせる。
● 賢者の贈り物/The Gift of the Magi
クリスマス・イヴ、ニューヨーク。
デラ・ヤング(ジーン・クレイン)と夫のジム(ファーリー・グレンジャー)は、貧しいながらも幸せに日々を送っていた。
教会の鐘が聴こえ、ジムの懐中時計の方が正確だということを確認したデラは、櫛を外し長い髪のことを話す彼と愛を確かめる。
二人は、一年前のパーティーで出会い結婚したことを話し、デラはプラチナの時計飾りが似合うとジムに伝える。
自分はアザラシの毛皮のコートとティアラの両方が欲しいと言うデラは、肉屋に向かうために出勤するジムと一緒に出掛ける。
宝石店のウィンドウの前で立ち止まったデラは、飾られている22ドル50セントのプラチナの時計飾りを確認する。
デラに似合いそうな櫛が買われそうになるのを見て心配するジムは、客がそれを気に入らない様子だったためにホッとする。
櫛は25ドルするが買えるかもしれないと、ジムはデラに伝える。
ジムと別れて肉屋に向かったデラは、ミートローフ用の肉を少量買う。
帰り道にもう一度、時計飾りを見て帰宅したデラは、所持金が1ドル87セントしかないことを確認して、何も買えないと思い嘆く。
窓の外に設置してある箱を冷蔵庫代わりにしていたデラは、向かいのヘア・グッズの店が目に留まり、その場に向かう。
店主のモーリス(フリッツ・フェルド)に髪を売りたいことを伝えたデラは、素晴らしい髪の毛だと言われる。
20ドルと言われたデラは、22ドル50セントにならないかと交渉するものの、無理だと言われて納得する。
髪を切られるデラは、目を閉じて涙を堪える。
同僚のビルとデラへのプレゼントのことを話しながら仕事をするジムは、ボーナス次第だと考える。
ところが、不況のためボーナスがないことを社長のクランプから知らされたジムは、パーティーをやめた経費3ドルを給料に上乗せするだけだと言われてショックを受ける。
宝石店に向かったデラは、店主のメンキー(シグ・ルーマン)に時計飾りを見せてもらい、21ドル87セントしかないことを伝える。
どうしても手に入れたいので不足分は後で払うと言われたメンキーは、自分はそんな野暮なことはしないとデラに伝えて、それを20ドルで彼女に売る。
メンキーに感謝したデラは、通りのサンタクロースのシュルツに声をかけ、小銭を渡してアパートに戻る。
鏡で自分の髪を見たデラはショックを受け、こんな姿でもジムが愛してくれるか心配に思う。
仕事を終えたジムはビルらに誘われるものの、妻が待っていると伝えてその場を去る。
髪の毛をカールして何とか整えたデラは、ジムの歌声が聴こえたために灯りを消し、プレゼントを手にして待つ。
部屋に入り灯りをつけたジムは、デラの姿を見て驚く。
戸惑いながらデラと話をしたジムは、プレゼントできないのは耐えられなかったと言われる。
デラから、髪を切っても自分は変わらないと言われたジムは戸惑ってしまう。
プレゼントを受け取ったジムは気にしないと言って、似合っていると伝えてデラを抱きしめる。
君への愛は変わらないと言うジムは、自分のプレゼントをデラに渡す。
喜ぶデラは箱を開けて、それが櫛だったために、鏡を見ながら髪が伸びた時のことを想像する。
春には櫛を飾れると話すデラから、プレゼントを開けてほしいと言われたジムは、それが時計飾りだったために驚く。
これから毎日、100回は時計を見ないといけないと言われたジムは戸惑う。
時計につけてみてほしいと言われたジムは、暫く互いのプレゼントは閉まっておこうとデラに伝える。
プレゼントのために時計を売ったことを正直に話してくれたジムの優しさを知ったデラは、彼と共に思わず笑ってしまう。
デラとジムは、外で歌われているクリスマス・キャロルを聴くために窓を開ける。
サンタクロースのシュルツの前で歌う人々を見つめながら、デラとジムは愛と幸せを実感する。