野菜と雑貨の店の店主サイラス・ホッブス(ガイ・キビー)に会いに行ったセディーは、イギリスの貴族や伯爵のことを嫌う彼を話をして、遅れて来たディックと共に3人で誕生日を祝う。
慌てて入ってきたメアリーに大変なことが起きたと言われたセディーは、急いで家に帰る。
イギリス人の弁護士ハヴィシャム(ヘンリー・スティーブンソン)は、エロール夫人を訪ねる。
エロール夫人は、夫の弟が亡くなったために、セディーがドリンコート伯爵(C・オーブリー・スミス)の後を継ぐことを知らされて驚く。
夫が伯爵に勘当されているために、孫であるセディーも認めていなかったことを気にするエロール夫人は、息子を手放す気はなかった。
自分もイングランドに同行することを知ったエロール夫人は、アメリカに偏見を持つ伯爵に、よく思われていないことは承知していた。
屋敷と相応の収入は用意するが、城にセディーを訪ねないということが条件であることを、エロール夫人はハヴィシャムから知らされる。
泥だらけのセディーの体を拭いていたメアリーは、妹のブリジットが泣きながら現れたために驚く。
夫が病気で家賃を払えないと話すブリジットは、メアリーからそれどころではないと言われ、困り果てる。
エロール大尉のことは大好きだったとエロール夫人に話すハヴィシャムは、セディーにとって恵まれた環境は有意義なものとなり、亡き父も同じ考えだろうという考えで夫人と意見が一致する。
エロール夫人は、セディーには自分から話すとハヴィシャムに伝え、息子の幸せを第一に考える。
現れたセディーに挨拶されたハヴィシャムは、礼儀正しく知的な少年をフォントルロイ卿と呼ぶ。
驚くセディーは、寂しい思いをしている、伯爵である祖父がいるイングランドに向かうことを母から知らされる。
ホッブスに何と言えばいいか考えたセディーは、翌日、彼の店に向かう。
昨日、話した伯爵などのことを話題にしたセディーは、貴族をバカにしていたホッブスに、自分が伯爵になる身分だと伝える。
祖父のドリンコート伯爵の話をしたセディーは、息子が皆、死んだために、自分がフォントルロイ卿として後を継ぐことをホッブスに伝える。
ホッブスは驚き、セディーは会えなくなることを寂しく思う。
その後、エロール家の夕食に招かれたハヴィシャムは、セディーから伯爵について訊かれ、何百年も続くドリンコート家について話をする。
メアリーに呼ばれたエロール夫人は、席を外す。
ハヴィシャムは、伯爵になるとお金持ちになれることをセディーに話し、リンゴおばさんや母、そしてディックやホッブスのためにそれを使おうとする彼の考えに興味を持つ。
自分は何をしたいか訊かれたセディーは、ポニーが欲しいと答えるものの、無理だと思う。
戻った母が困っているブリジットの話を聞いたことを知ったセディーは、彼女を助けてあげたいと思う。
ハヴィシャムは、ドリンコート伯爵から預かった5ポンド分の25ドルをセディーに渡す。
自分の望み通りにしていいと言われたセディーは、現金を持ってブリジットの元に向かう。
セディーが大きな力を持つことになるのが不安になったエロール夫人だったが、ハヴィシャムは、彼は信頼できる人物だと彼女に伝える。
戻ったセディーは、ブリジットが泣いて喜んでいたことを母とハヴィシャムに話し、祖父はいい人だと考える。
伯爵になるのもいいことだと思ったセディーは、それを嬉しく思う。
旅立ちの日、母とハヴィシャムと共に馬車で出発したセディーは、リンゴおばさんの屋台に向かい別れを告げる。
ディックにも会い握手して別れようとしたセディーは、手紙を書くことを約束して住所を渡す。
セディーはいいやつだとハヴィシャムに伝えたディックは、セディーにボクサーが刺繍されたハンカチを贈り別れる。
ホッブスにも会ったセディーは、パイプと金の懐中時計を渡す。
時計には、”古き親友 フォントルロイ卿より ホッブス様へ これを見るたびに思い出してください”という文字が刻まれていた。
決して忘れないとセディーに伝えたホッブスは、伯爵でも嫌わないでほしいと言われ、会いに行くことを約束し、行かずにはいられないと伝えて、去って行く彼を見送る。
母とハヴィシャムと共に船で大西洋を渡りイングランドに着いたセディーは、先に到着しロッジで待っていたメアリーに迎えられる。
城に向かうハヴィシャムは、別れて暮らすとセディーに、そのことを話せないでいるエロール夫人の気持ちを察する。
収入を受け取ることを辞退するつもりのエロール夫人は、それを伯爵に伝えることをハヴィシャムに頼み、質素な生活ならできる蓄えはあると言いながら、ドリンコート伯爵は理解してくれると考える。
ハヴィシャムは去り、エロール夫人は、明日お城に向かい暮らすことになるが、自分は行かないとセディーに伝える。
それが理解できないセディーは悲しむが、エロール夫人は、息子の幸せを願うしかなかった。
お城には近いので毎日会えると言うエロール夫人は、セディーを納得させる。
城に着いたハヴィシャムは、痛風で機嫌が悪く、モーダント牧師(アイバン・F・シンプソン)を追い出したドリンコート伯爵に、セディーのことを報告する。
エロール夫人とセディーがロッジにいることを知った伯爵は、孫のことだけを気にする。
立派な少年に思えるというハヴィシャムの話を聞いた伯爵は、アメリカ育ちであることが気にくわない。
嫌っているエロール夫人が、収入を辞退するつもりだと知り驚いた伯爵は、何か魂胆があると考え、金は渡せとハヴィシャムに指示する。
自分たちの関係を、エロール夫人が息子に話していないこと知った伯爵は、自分を疑う様子もないセディーが、優しい祖父だと思っていると言われて戸惑う。
ハヴィシャムから、セディーと親しくなるには、エロール夫人の悪口は控えた方がいいと助言された伯爵は、自分を優しいと思っている孫に興味を持つ。
翌日、迎えに来たハヴィシャムと共に城に向かったセディーは、ドアマンのパーヴィス(ギルバート・エメリー)や女中頭のメロン夫人(メイ・ビーティ)と使用人たちに挨拶する。
使用人のトーマス(ジョセフ・トーザー)に書斎に案内されたセディーは、ドリンコート伯爵の愛犬ドゥガールが気に入る。
伯爵に挨拶したセディーは、親切にしてくれたおかげで、ブリジットが助かったことを話す。
渡した金を友だちのために使ったことを知った伯爵は、親友のホッブスにパイプと金の時計をあげたことなどを話すセディーが気に入る。
食事の時間になり、セディーは、歩行が難しい伯爵に手を貸して食堂に向かう。
着席したセディーは、ディックのハンカチで汗をぬぐい、靴磨き職人の少年だと言いながら、会えないのが寂しいと伯爵に伝える。
食後も伯爵と話したセディーは、母のことを考えると悲しくなり、伯爵は彼の気持ちを理解する。
自分の家から離れるのは初めてだと言うセディーは、母の写真を伯爵に見せる。
母が一番の友だちだと言うセディーは、将来は彼女のために働くことなどを話し、ホッブスの商売もいいが、大統領になりたいと伯爵に伝える。
貴族院議員にしてやると言われたセディーは、いい職業ならそれでもいいと考え、母に相談すると伯爵に伝えて眠ってしまう。
伯爵は、セディーの寝顔を見ながら、会う前の彼に対する考えを変える。
エロール夫人は、セディーのことを想いながら祈りを捧げる。
翌日、城を訪れたモーダント牧師は、伯爵がセディーとビー玉で遊んでいる姿を見て驚く。
セディーに挨拶した牧師は、小作人のヒギンズ(ライオネル・ベルモア)が、地主のニューウィック(レジナルド・バーロウ)に立ち退きを命じられたことを伯爵に話す。
知人と同じだと言うセディーの意見を聞いた伯爵は、自分なら追い出さないと考える彼に、ニューウィック宛の手紙を書かせる。
伯爵は、ヒギンズを土地に残すという内容を記すようセディーに指示し、フォントルロイ卿の名でサインさせる。
多少、字が違っているが問題ないと判断した伯爵は、セディーに親切な人だと言われたために戸惑いながら、手紙を牧師に渡す。
母に会いに行こうとしたセディーは、伯爵がポニーをプレゼントしてくれることを知り驚く。
感激したセディーはポニーを見たかったが、朝から自分を思ってくれているはずの母に会いに行くことを伯爵に伝える。
馬車で伯爵とロッジに向かったセディーは、彼が母に会わないことを不思議に思う。
母ががっかりすると言われた伯爵は、帰りに寄るとセディーに伝えてその場を去る。
日曜日、教会に集まる人々はエロール夫人に好印象を持ち、伯爵が現れたことを知り驚く。
伯爵にお供したセディーは、人々に会釈する。
礼拝が始まり、母の姿を見ながら賛美歌を歌うセディーは、数百年前の初代ドリンコート伯爵の彫刻が飾られていることに気づく。
礼拝が終わり、馬車に乗ろうとした伯爵とセディーは、話しかけてきたヒギンズに感謝される。
ヒギンズは、優しい伯爵のおかげだと言うセディーの言葉に驚く。
みな誤解していると言う伯爵は、自分に関する情報はセディーから聞くようにとヒギンズに伝えて馬車に乗る。
途中、母とメアリーにセディーが手を振る様子が気になった伯爵は、母が恋しいか彼に尋ねる。
いつも会いたいと思っていると答えたセディーは、母に興味を示さない伯爵に、彼女から、その件について質問するなと言われた意味が分からないと伝える。
毎日のように会っていると言われたセディーは、以前はいつも一緒で話もできたと伯爵に伝える。
母を忘れることはない、自分のことも同じだと言われた伯爵は、離れていれば余計に母のことを考えると語るセディーの気持ちを理解する。
セディーからの手紙が届いたホッブスは、伯爵はいい人だという内容をディックに読んで聞かせるが、それでも貴族を嫌。
ホッブスは、生活環境が悪いディックに、馬小屋の上の部屋を提供して喜んでもらえる。
城でパーティーが開かれ、伯爵は、妹のレディー・コンスタンシア・ローライダイル(コンスタンス・コリアー)と夫のハリー卿(E・E・E・クライヴ)をセディーに紹介し大叔母夫妻だと伝える。
セディーを溺愛するようになっていた伯爵は、コンスタンシアがセディーの母親のことを気にしていることを知る。
女性歌手のハーバート(ヴァージニア・フィールド)を紹介されたセディーは、友だちになろうとする。
出席者は、人が変わったような伯爵の様子を見て驚く。
遅れて来たハヴィシャムから、大変な問題が起きたことを知らされた伯爵は、後で話を聞くことにする。
ハーバートの歌を楽しんだセディーは、美しい彼女と話をする。
母が世界で一番、美しいと思うとハーバートに伝えたセディーは、眠くなってしまう。
来客を見送った伯爵はハヴィシャムと話し、眠っているセディーを見つめながら心が痛むと言う彼から、セディーがフォントルロイ卿でないことが分かったと知らされて驚く。
息子ベヴィスの子がロンドンにると言われた伯爵は、それを信じようとしない。
ある女性が11年前にベヴィスと結婚し、婚姻届けもあり、別れた後に子供が産まれたと話すハヴィシャムは、それを疑う伯爵に、出征証明書を見たと伝える。
女性は弁護士を立て、息子が後継者だと言っていることを知った伯爵は、それを認めようとしない。
ハヴィシャムから認めざるを得ないと言われた伯爵は、相手は字も読めない無知な女性だということを知り、セディーを見つめながら、母親を認めなかったことを後悔する。
今まで人を好きになったことはないが、この子は違うと言う伯爵は、自分を恐れず信頼しているセディーを愛おしく思う。
自分以上に立派な伯爵になったであろうと話す伯爵は、セディーの将来のことを考える。
コンスタンシアとハリーは伯爵を気の毒に思い、セディーを愛する住民も村にとって損失になると考える。
ハヴィシャムを伴う伯爵は、縁者というミナ(ヘレン・フリント)と弁護士ジョシュア・スネイド(ウォルター・キングスフォード)に会う。
ミナから息子を紹介された伯爵は、セディーとは比較できない品のない間抜けな少年(ジャッキー・サール)を見て驚く。
何も語らない伯爵は、スネイドから、裁判を避けて話し合いで解決することを提案される。
自分を見下す伯爵の態度に苛立つミナは、彼を罵倒する。
結婚したのが真実なら仕方ないと言う伯爵は、ミナの息子をフォントルロイ卿とは簡単には認めないと伝える。
二度と会う気はないが、自分の死後は好きにできると伝えた伯爵は、出来の悪い息子ベヴィスが選びそうな女だと皮肉を言ってその場を去る。
判事(ローレンス・グラント)に相談した伯爵は、証拠があるので勝ち目がないと言われ、諦めるしかなかった。
訪ねて来た伯爵を歓迎したエロール夫人は、今回の件で心を痛める彼の話を聞く。
セディーは伯爵にならなくても、父親のように勇敢で優しい人物になることが大事だと話すエロール夫人は、息子はあなたを愛していると伯爵に伝える。
母を城に呼ばない訳を話してもそう思うかと訊かれたエロール夫人は、だからセディーには話したくなかったと答える。
セディと自分は愛し合っていると言う伯爵は、人を愛せなかった自分を変えてくれた彼は、生きる喜びであり誇りだとエロール夫人に伝える。
いつの日か、セディーが自分の後を継ぐことが楽しみだったと言いながら悲しむ伯爵を、エロール夫人は気遣う。
憎み嫉妬していたとエロール夫人に話す伯爵は、慰めてほしかったと言って涙をぬぐう。
酷い仕打ちをしたことをエロール夫人に謝罪した伯爵は、セディーに免じて許してほしいと彼女に伝える。
どんなことをしてもセディーを守り面倒を見ると伝えた伯爵は、また来てももいいかとエロール夫人に尋ね、もちろんだと言われて立ち去る。
城に戻り、今回の件をセディーに話した伯爵は、今後のことを心配する彼に、死ぬまで自分の子だと伝えて安心させる。
伯爵は、母からも何も奪いはしないとセディーに伝えて眠らせる。
ホッブスは、事件が記事になっていることをディックに話す。
その記事を見たディックは、権利の主張者である女性がアメリカで女優をしていたことを知り、それが兄ベンの妻ミナだと気づき、子供もいなかったことをホッブスに伝える。
何とかしようと考えたディックとホッブスは、弁護士の元に向かう。
伯爵の出方を窺っていたミナは、ディックとベンが伯爵と共に現れたために驚く。
ハヴィシャムにベンのことを訊かれたミナは、彼を2番目の夫と認める。
ベンから子供のことを訊かれたミナは、肺炎で3日で死んだことを伝えるものの、隣りの部屋からトムが現れる。
トムが息子だと知ったベンは、彼を呼び寄せる。
何も知らなかったと言うスネイドは弁解するものの、ハヴィシャムから、出征証明書の偽造の件を問い詰められる。
憤慨した伯爵は、ミナたちを国外に追放するようハヴィシャムに指示してその場を去る。
その後、セディーの10歳の誕生会が開かれることになり、ホッブスも城に招待される。
貴族を嫌っていたはずのホッブスは、城の中を案内しながら先祖の肖像画を見せてくれる伯爵と意気投合する。
村人の前でスピーチしたセディーは、伯爵から最高のプレゼントがあると言われ、それが”愛しい人”母だったために驚く。
セディーは、母も城に住むことになったことを伯爵から知らされて喜ぶ。
エロール夫人と再会したホッブスは、伝統がない伯爵もいないブルックリンには戻らないことを皆に伝える。