感染する正体不明の何かから逃れようとする女性に襲いかかる恐怖を描く、監督、脚本デヴィッド・ロバート・ミッチェル、主演マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット他共演のホラー。
・スリラー/ホラー
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
製作
レベッカ・グリーン
ローラ・D.スミス
デヴィッド・カプラン
エリック・ロメスモ
脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
撮影:マイケル・ジオラキス
編集:ジュリオ・C.ペレッツ4世
音楽:ディザスターピース
出演
ジェイミー”ジェイ”ハイ:マイカ・モンロー
ポール・ボールデュアン:キーア・ギルクリスト
グレッグ・ハンニガン:ダニエル・ゾヴァット
ヒュー/ジェフ・レドモンド:ジェイク・ウィアリー
ヤラ・デイヴィス:オリヴィア・ルッカルディ
ケリー・ハイ:リリー・セーペ
アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2015年製作 100分
公開
北米:2015年3月13日
日本:2016年1月8日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $14,674,080
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
突然、家を飛び出したアニーは車で海岸に向かい、父親に電話をして愛を伝える。
翌朝アニーは、右足を折られた状態でその場で死亡していた。
自宅の庭でプールに入っていた大学生のジェイミー”ジェイ”ハイ(マイカ・モンロー)は、妹のケリー(リリー・セーペ)から、親友のポール・ボールデュアン(キーア・ギルクリスト)とヤラ・デイヴィス(オリヴィア・ルッカルディ)が来ていることを知らされる。
ビデオを見るかと訊かれたジェイは、デートだと答える。
プールから出てポールとヤラに声をかけたジェイは、着替えて出かける。
ヒュー(ジェイク・ウィアリー)と映画館に”シャレード”を観に行ったジェイは、人を観察して誰と入れ替わりたいか当てるゲームをする。
...全てを見る(結末あり)
外れたジェイに子供を選んだことを伝えたヒューは、ジェイが選んだと思う黄色い服の女の子を指差すが、姿を消したために、気分が悪くなったと言って映画館を出る。
車にも戻った二人は、食事をして別れる。
翌日、ケリーと散歩をして話したジェイは、ヒューとはまだ関係していないことを伝える。
その夜ジェイは、車の中でヒューと愛し合う。
車から降りてトランクを開けたヒューは、ジェイにクロロホルムを吸わせて眠らせる。
車いすに縛られた状態で廃墟で目覚めたジェイは、謝罪するヒューから乱暴はしないと約束され、これからする話を忘れるなと言われる。
あるものがつけてくる、自分が感染した”それ”を車の中で移したと言うヒューは、それは時には知人に、又は他人に姿を変え、色々な人間に見えるが実は一つだと伝える。
時には、傷つけるために愛する人に姿を変えることもあると話すヒューは、来たと言って、ジェイに近づく全裸の女性を確認させる。
なるべく早く誰かと寝て感染させるようにと指示したヒューは、殺されると自分に戻ってくると言って、現実だと知ってほしいと伝える。
女性が近づいてきたために怯えるジェイは、車いすを移動させるヒューから、常に逃げ道を確保し、鈍い動きだが知能は高い相手だと言われる。
ポールとヤラと共にカードをしていたケリーは、ヒューの車で戻ってきたジェイの様子がおかしいために驚く。
警察が駆け付ける騒動となり、近所に住むグレッグ・ハンニガン(ダニエル・ゾヴァット)はそれに気づく。
警官に事情を聞かれたジェイは、病院に入院する。
退院しても気分がすぐれないジェイは、大学の授業の最中、近づいてくるパジャマ姿の老女から逃げる。
ケリーとポールのバイト先のアイスクリーム・ショップで、その件を二人に話したジェイは、つけてくる何かを自分に移したとヒューから言われたことを伝える。
母にも話す気になれないジェイを心配するポールは、泊まりに行き一晩中、見張ると伝えて彼女を安心させる。
その夜、ソファでテレビを見ていたポールは、眠れないために起きてきたジェイと、互いが初めてのキスの相手だということなどを話す。
物音がしたために見に行ったポールは、窓が割れているが誰もいないと言って、ケリーを呼びに行く。
キッチンを見に行ったジェイは、半裸の女性がいたために驚き部屋に閉じ籠る。
声をかけるポールとケリーを部屋に入れて、怯えながら女性のことを話したジェイは、ヤラを入れようとしてドアを開けた瞬間、背後から巨漢の男が迫ったために驚く。
車の中でデートしていたグレッグは、家から出て自転車で走り去るジェイを目撃する。
公園に向かい、ポールとヤラと共に追ってきたケリーに怖いことを伝えたジェイは、心配したグレッグが様子を見に来たことに気づく。
ヒューを捜さなければならないと皆に伝えたジェイは、グレッグの車でヒューの家に向かう。
荒れ果てた家の中で、ポルノ雑誌に挟まったヒューと思われる写真を見つけたポールは、それを確認したジェイから、ローソン高校のジャケットを着ていると言われ、本名が分かるかもしれないと伝える。
ローソン高校に向かったジェイとグレッグは、ヒューがジェフ・レドモンドという名前だったことを知り、それをポールらに伝える。
通報はしないと言うジェイはジェフの家に向かい、皆と共に彼と話すことができる。
他人に移すしかないと言うジェフは、誰かと寝て事情を話せばたぶん解放されると伝える。
それを信じないグレッグに自分も危険であり、一緒にいるのもおなじことだと伝えたジェフは、ジェイが死ねば自分に戻ると言って、彼女に謝罪する。
どこにいようと追ってくる”それ”は必ず歩きなので、車で逃げて時間を稼ぎ、誰かに移すことを考えるようにとジェフはジェイに伝える。
ジェイらを別荘に連れて行ったグレッグは、銃を用意して彼女に射撃の練習をさせる。
皆と浜辺にいたジェイは、近づいてくる女性や襲い掛かる少年から逃れ、グレッグの車で走り去るものの、トラックを避けようとしてトウモロコシ畑に突っ込んでしまう。
病院で目覚めたジェイは、グレッグと病室で愛し合ってしまう。
ジェイに惹かれていたポールは、彼女とグレッグの仲を気にする。
まだ誰も現れないと言うグレッグに、自分のことを信じてほしいと伝えたジェイは、退院しても部屋に閉じ籠る時間が多かった。
ある夜、グレッグが自分の家の窓を割って侵入するのを目撃したジェイは、本物のグレッグに電話をするものの、出ないためにその場に向かう。
半裸の母親がグレッグに襲い掛かり、彼を殺す姿を目撃したジェイは、車で郊外に向かい夜が明ける。
目覚めて浜辺に向かったジェイは、沖のボートにいる若者達の元に泳いでいく。
家に戻ったジェイは、好きだと告白するポールから、グレッグと寝た理由を訊かれる。
グレッグなら大丈夫だと思ったと言うジェイは、前に寝たこともあったと伝える。
助けたいと言うポールは、初めてキスした場所をジェイに尋ねる。
ポールらと車で出かけるジェイは、屋根の上に立っている全裸の男性に気づく。
プールに向かったジェイらは、周りに電化製品を置いて、現れた”それ”を感電死させようと考えて待機する。
水に入っていたジェイは”それ”が来たことをポールらに伝え、プールサイドにいることを知らせる。
現れたジェイの父親は、電化製品をプールに投げ入れ、ポールが彼を銃撃し、誤ってマヤに怪我をさせてしまう。
ケリーと共にジェイを救い出したポールは、”それ”が死んだかを確認させる。
ジェイはプールに近づき、水中に血が広がる。
家に戻ったジェイとポールは愛し合い、何も変わらないことを確認する。
入院したヤラを見舞ったジェイとポールは、歩いて家に向かう。
ある人物が二人の背後を歩いている。
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
大学生のジェイミー”ジェイ”ハイは、ボーイフレンドのヒューと愛し合った直後に、拘束されてある話をされる。
自分が感染した”それ”を移したと言うヒューは、時には知人に、又は他人に姿を変えて現れて襲ってくると伝える。
ヒューから、誰かと寝て感染させるようにと指示されたジェイは恐怖に怯え、それを親友のポールとヤラ、妹のケリーに話す。
ポールらと隣人のグレッグの協力を得たジェイは、現れる”それ”の恐怖から逃れようとするのだが・・・。
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斬新なアイデアなどが高く評価されて、第67回カンヌ国際映画祭の”批評家週間”部門で上映された、正体不明の何かに怯える大学生の恐怖を描くホラー。
トップ・スターなども出演しない低予算映画であり、派手なシーンもない控えめな内容ながら、謎の”何か”に襲われる恐怖を描く、デヴィッド・ロバート・ミッチェルの確かな演出と脚本が光る作品に仕上がっている。
主人公は母親と暮らしているのだが、その後ろ姿などしか描写せず、他にも大人達がほとんどまともに登場しない。
そんな中で、大人達に頼らずに、友人や隣人の協力だけで健気に対処しようとする主人公の姿が弱々しいため、余計に恐怖を感じる。
ボーイフレンドから、感染した何かを移されたために、正体不明のものに襲われて恐怖体験をする大学生のマイカ・モンロー、彼女に惹かれている親友であり、何とか助けようとするキーア・ギルクリスト、主人公の隣人であり、愛し合ったために結局は命を落とすダニエル・ゾヴァット、主人公に感染した何かを移すボーイフレンドのジェイク・ウィアリー、主人公の親友オリヴィア・ルッカルディ、主人公の妹リリー・セーペなどが共演している。