映画追憶の女 In This Our Life (1942)

強欲でわがままな娘に翻弄される家族を描く、製作ハル・Ｂ・ウォリス、監督ジョン・ヒューストン、ラオール・ウォルシュ（クレジットなし）、主演ベティ・デイヴィス、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョージ・ブレント、デニス・モーガン他共演のドラマ。

■ アカデミー賞　■ ストーリー　■ 解説

■ スタッフキャスト ■
監督
ジョン・ヒューストン
 ラオール・ウォルシュ（クレジットなし）
製作：ハル・Ｂ・ウォリス
原作：エレン・グラスゴー”In This Our Life”
脚本：ハワード・コッチ
撮影：アーネスト・ホーラー
編集：ウィリアム・ホームズ
音楽：マックス・スタイナー

出演
スタンリー・ティンバーレイク・キングスミル：ベティ・デイヴィス
ロイ・ティンバーレイク・フレミング：オリヴィア・デ・ハヴィランド
クレイグ・フレミング：ジョージ・ブレント
ピーター・キングスミル：デニス・モーガン
エイザ・ティンバーレイク：フランク・クレイヴン
ラヴィニア・ティンバーレイク：ビリー・バーク
ウィリアム・フィッツロイ：チャールズ・コバーン
パリー・クレイ：アーネスト・アンダーソン
ミネルバ・クレイ：ハティ・マクダニエル
ベティ・ウィルモス：リー・パトリック
シャーロット・フィッツロイ：メアリー・セルヴォス
ジム・パーディ：ウィリアム・B・デイビッドソン
ブキャナン医師：エドワード・フィールディング
警部：ジョン・ハミルトン
森林警備隊員：ウィリアム・フォレスト
バーテンダー：ウォルター・ヒューストン（クレジットなし）

アメリカ映画
配給ワーナー・ブラザーズ
1942年製作　97分
公開
北米：1942年5月16日
日本：未公開
製作費 $713,000

■ ストーリー ■
バージニア州、リッチモンド。
タバコ工場を経営していたエイザ・ティンバーレイク（フランク・クレイヴン）と妻ラヴィニア（ビリー・バーク）には、2人の娘ロイ（オリヴィア・デ・ハヴィランド）とスタンリー（ベティ・デイヴィス）がいた。
エイザは、倒産した工場の経営権を、ラヴィニアの兄ウィリアム・フィッツロイ（チャールズ・コバーン）に譲った。
ロイは、医師のピーター・キングスミル（デニス・モーガン）と結婚して両親と暮らし、スタンリーは、弁護士のクレイグ・フレミング（ジョージ・ブレント）と婚約していた。
ウィリアムは、妻シャーロット（メアリー・セルヴォス）と共に、スタンリーの結婚を祝うためにティンバーレイク家を訪ねる。
性格が自分に似て話が合うスタンリーを溺愛しているウィリアムは、気が強くて身勝手なスタンリーが、軟弱なクレイグで満足できるか心配する。
実は、結婚式を控えるスタンリーは、惹かれ合っていたピーターと駆け落ちしようとしていた。
帰宅したスタンリーは、ウィリアムから結婚祝いの小切手を受け取り喜ぶ。
スタンリーの態度が気になるロイは、出かける準備をしているピーターを見て驚くが、会議で出張することを知る。
ピーターは、互いを束縛しないことを約束したはずだとロイに伝えて、その場を去る。
訪ねて来たクレイグは、スタンリーの様子がおかしいことが気になる。
翌朝、エイザはフィッツロイ家に向かい、ウィリアムとシャーロットに、スタンリーとピーターが姿を消したことを伝える。
スタンリーとピーターが駆け落ちしたことを知ったウィリアムは、ショックを受ける。
クレイグは気落ちするが、冷静に対処するロイは、前向きに物事を考え強く生きようとするのだが・・・。

■ 解説評価感想 ■
1941年に発表された、エレン・グラスゴーの小説”In This Our Life”を基に製作された作品。

製作ハル・Ｂ・ウォリス、監督はジョン・ヒューストンとラオール・ウォルシュ（クレジットなし）、主演はベティ・デイヴィス、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョージ・ブレント、デニス・モーガンなどが共演した作品。

強欲でわがままな娘に翻弄される家族を描くドラマ。

ジョン・ヒューストンにとっては、鮮烈的なデビュー作となった、前年の「マルタの鷹」（1941）に次ぐ作品であり、様々な個性を生かした力強い演出が見どころの作品。

ベティ・デイヴィスとオリヴィア・デ・ハヴィランドが共演した6作品のうちの3作目。

従来は、使用人などで登場することが多い黒人を、その地位の向上を考える教養ある人物として描きながら、結局は人種問題の犠牲になる存在となるという、当時としては珍しい内容は注目だ。

画面を圧倒するものの、やや大袈裟な演技が気になる、強欲でわがままな娘を熱演するベティ・デイヴィス、その姉を演ずるオリヴィア・デ・ハヴィランドは、妹を理解しながら、家族の中心的な役割を果たす姉を好演している。

婚約者に捨てられ、その姉に励まされ惹かれ合うようになる弁護士ジョージ・ブレント、スタンリー（ベティ・デイヴィス）と駆け落ちするロイ（オリヴィア・デ・ハヴィランド）の夫である医師デニス・モーガン、姉妹の父親フランク・クレイヴン、その妻ビリー・バーク、その兄である姉妹の伯父でスタンリーを溺愛するチャールズ・コバーン、その妻メアリー・セルヴォス、ティンバーレイク家の家政婦ハティ・マクダニエル、その息子で弁護士を目指すアーネスト・アンダーソン、スタンリーと知り合い友人になるリー・パトリック、その友人ウィリアム・B・デイビッドソン、医師のエドワード・フィールディング、警部のジョン・ハミルトン、森林警備隊員のウィリアム・フォレスト、そしてバーテンダー役でウォルター・ヒューストンが端役出演している。