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グランド・ホテル Grand Hotel (1932)

1929年に発表された、ヴィッキー・バウムの小説”Menschen im Hotel”を基に、ウィリアム・A・ドレイクが脚色して製作された、一流ホテルに集う人々を描く豪華スター競演によるMGMの大作。
製作アーヴィング・G・タルバーグ、監督エドマンド・グールディンググレタ・ガルボジョン・バリモアジョーン・クロフォードライオネル・バリモア共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

グレタ・ガルボ / Greta Garbo / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:エドマンド・グールディング

製作:アーヴィング・G・タルバーグ
原作:ヴィッキー・バウム
脚本:ウィリアム・A・ドレイク
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ブランシェ・セウェル
音楽
ウィリアム・アックスト
チャールズ・マックスウエル

出演
グルジンスカヤ:グレタ・ガルボ
フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵:ジョン・バリモア
フレムヒェン:ジョーン・クロフォード
プライジング:ウォーレス・ビアリー
クリンゲライン:ライオネル・バリモア
オッテルンシュラーク医師:ルイス・ストーン
ゼンフ:ジーン・ハーショルト
スゼット:ラファエラ・オッティアーノ

アメリカ 映画
配給 MGM
1932年製作 112分
公開
北米:1932年9月11日
日本:1933年10月5日
製作費 $700,000
北米興行収入 $1,235,000
世界 $2,594,000


アカデミー賞 ■
第5回アカデミー賞

・受賞
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ベルリン、”グランド・ホテル”。
実業家の大物プライジング(ウォーレス・ビアリー)は、業績不振を打破するため、他社との合併を考えていた。

プレイジングの会社の帳簿係クリンゲライン(ライオネル・バリモア)は、難病を苦に悩み休職し、 この世の名残にと豪華ホテルに宿泊しようとしていた。

クリンゲラインは、フロントで知り合ったフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵(ジョン・バリモア)に、オッテルンシュラーク医師(ルイス・ストーン)を紹介され、彼に一目で病気だと知られてしまう。

そこに、プレイジングの速記者フレムヒェン(ジョーン・クロフォード)が現れ、彼の部屋に向かう。

借金苦の自称”男爵”ガイゲルンは、クリンゲラインや、部屋の外で待つよう言われたフレムヒェンに、気軽に声をかける。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

一流ホテルに集う様々な人々の人生模様を描いた作品で、これ以後このような内容の作品は”グランド・ホテル形式”と呼ばれるようになる。

*(簡略ストー リー)
ベルリン、”グランド・ホテル”。
実業家プライジングは、業績不振を打破するために、他社との合併を考えていた。
プライジングの会社の帳簿係クリンゲラインは、余命長くないことを察して病気で休職し、豪華ホテルでの日々を、この世の名残りにしようとしていた。
クリンゲラインは、そこで知り合ったガイゲルン男爵に親切にしてもらうが、実はギャンブラーの彼は、借金苦で返済を迫られている身であった。
プライジングの速記者であるフレムヒェンも、ガイゲルンに気軽に声をかけられ、ダンスに誘われてしまう。
名声を得ていたバレリーナのグルジンスカヤは、人気に陰りが見え始めたことを苦にして、憂鬱な日々を送っていた。
ガイゲルンは、そんなグルジンスカヤを観察し、借金の返済のために、彼女の宝石を盗むよう強要されていたのだが・・・。
__________

トーキー初期の作品としては、画期的な編集手法による構成の見事さ、その巧みな場面展開にまず驚かされる。

身分が違う立場のグレタ・ガルボジョーン・クロフォードの演技は、今見るとかなり大袈裟に見えるが、これもトーキー初期としては仕方のないことだろう。
それよりも、ライバル心の表れか、同じ年の二人は、同一シーンであっても一度も顔を合わせないのだが、全く違和感のない、その編集にも感心してしまう。

ストーリーは単純であり、優雅に思える人々の苦難に重点を置き、殺人まで起きる内容の中で、些細なことに喜びを見出す者、それらを他愛もないことだと冷めた眼で見る者などが微妙に関係し合う、人生の縮図、その一瞬を鋭い視点で捉えた、エドマンド・グールディングの演出も光る。

第5回アカデミー賞では作品賞を受賞し、同賞のノミネートのみで受賞した唯一の作品でもある。

2007年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

冒頭の、意外に小ぢんまりしたホテルの入り口に対して、ロビーから天井に抜ける建物内での、階下を見下げるショットなどは、いかにもMGM作品らしいスケールの大きさだ。

多くの人物が入り乱れる、大掛かりな作品の印象があるが、主な登場人物は5人でありシンプルにまとまってもいる。

人気の陰りに悩むバレリーナ、妖艶な美しさは今見ても新鮮なグレタ・ガルボ、彼女との恋を果たせないまま悲運の死を遂げる、自称”男爵”を好演するジョン・バリモア、速記者にしては魅力的過ぎる、刺激的な女性ジョーン・クロフォード、彼女を口説く雇い主ウォーレス・ビアリー、余命少ない老紳士、人間味溢れる役柄を演ずるライオネル・バリモア、常に平静な医師ルイス・ストーン、ポーター長のジーン・ハーショルト、グルジンスカヤ(G・ガルボ)の付き人ラファエラ・オッティアーノなどが共演している。


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