その場にいたドイツ情報部のシェファー少佐(サム・リヴシー)は、海上の船に信号を送るよう指示する。
マドレーヌは、ドイツのスパイとして諜報活動を行っていたのだった。
ベルリン。
第8諜報部の将軍(エドモンド・ウィラード)は、捕虜のイギリス陸軍軍曹フィリップ・デュプレ、実はドイツのスパイだったミュラー(オースティン・トレヴァー)と話し、ストックホルムには最高の人材を送る考えを伝える。
その後、ミュラーは医師としてスウェーデンに入国し、その際、審査で政治活動は禁止だと言われる。
同じ船で入国したドイツ人の海軍大佐カール・フォン・マルイッツ男爵(コンラート・ファイト)は、政治活動を避けるために来たことを伝える。
その夜マルイッツは、クラブに向かい女性達と楽しむ。
その場にいたミュラーに集会があると伝えたマドレーヌは、迎えに来たイギリス人のボブ・カーター(アンソニー・ブシェル)と共に出かける。
ミュラーはマドレーヌの経歴などを気にするが、シェファーから問題ないと言われる。
キスした後の女性の言葉を当てると言うマルイッツがバーで注目され、ブラジル人女性のルピータ(ジョーン・ガードナー)がそれを試す。
マルイッツとキスしたルピータは、”もっと勉強することね・・・”と言った言葉を当てた彼に惹かれれる。
その場に現れたマドレーヌは、キスをした女性の言葉を当てる男がいることを知り、女の決まり文句を紙に書いてポケットに入れておけば、誰にでもできると男性達に話す。
隣の席でそれを聞いていたルピータは、マルイッツの元に向かい彼を責めるものの、彼からダンスを誘われて機嫌を直す。
トリックが分かった理由を訊いたマルイッツは、マドレーヌが話しているのを聞いたと答えるルピータから、彼女がイギリス人と踊っていると言われる。
左腕を失っているボブだったが、マドレーヌはそれを気にしていなかった。
翌日、ルピータを伴いマドレーヌの店に向かったマルイッツは、バッグを見に来たものの、ドレスや靴など一揃い買うことになる。
ルピータが試着している間にマドレーヌと話したマルイッツは、トリックをバラした理由を訊く。
女に詳しいと自慢したがっているようなのでと答えたマドレーヌは、支払いを済ませたマルイッツを見送る。
コンサート会場に向かったマルイッツは、マドレーヌに嫉妬するルピータと別れる。
マドレーヌの元に向かったマルイッツは、昼間のことを謝罪して彼女を食事に誘う。
それを断ったマドレーヌは、ボブからの電話を受けて、会う約束をする。
イギリスの諜報員のボブは、マドレーヌのことを確認するためにロンドンに行くことを考える。
マドレーヌにはドイツ人の知人が多いために、疑いたくはないが調べることにしたボブは、劇場のチェリー・オーチャードに行けばそれが分かると、フランスの諜報員フェイバー(フィル・レイ)に伝える。
マルイッツのことをアナトールに調べさせたマドレーヌは、祖国を捨てた彼が死刑判決を受けたことを知る。
そんな雰囲気の男性には思えないと言うマドレーヌから、チェリー・オーチャードを調べるようにと指示されたアナトールは、その場に向かい、ある男(ウィリアム・デューハースト)からマルイッツの情報を得ようとする。
その場に向かったフェイバーも、ダンサーからマドレーヌの情報を得る。
その後マルイッツは、マドレーヌに会うために店に通い、何着ものドレスを買い込む。
多くのドレスが伯爵夫人に届けられることを知ったマルイッツは不思議に思いながら、しつこく誘うことをマドレーヌから非難され、もうドレスは売らないと言われる。
諦めようとしたマルイッツだったが、熱心な彼の誘いを受けたマドレーヌは、食事の約束をする。
フェイバーと話していたアナトールは、ドレスを伯爵夫人に届けるようにと店員のコレット(マージェリー・ピカード)から指示される。
マルイッツは買い物禁止だと店員のガートルード(ウルスラ・ジーンズ)に伝えたマドレーヌは出かける。
店に残ったマルイッツは、ガートルードとコレットに香水をプレゼントする。
マドレーヌから情報を受け取ったシェファーは彼女の働きに満足し、それを信号で沖の船に送る。
それはベルリンの情報部に伝えられ、その情報による攻撃が開始される。
その後、マルイッツとマドレーヌは、食事をして楽しい時を過ごす。
ロンドンから戻ったボブはマドレーヌの元に向かうが、アナトールが殺されていることに気づき、警察に連絡する。
自分の悪いところをマドレーヌに率直に尋ねたマルイッツは、常に他の女性のことを考え、誠実さが感じられず、相手を性的対象としか見ないところだと言われる。
席を立ったマドレーヌは、マルイッツから重要なことを忘れていると言われる。
マルイッツは、君は自分を愛しているとマドレーヌに伝える。
自分も同じ気持ちだと言うマルイッツは、君を奪い、そして与えて分かち合うと伝え、結婚することを提案する。
そこに警官が現れれ、警察署に向かったマドレーヌは、アナトールの遺体を確認する。
その場にいたボブが付き添い治安判事(ヘンリー・オスカー)に尋問されたマドレーヌは、アナトールをドイツのスパイと疑ったことはないのかと訊かれる。
アナトールはドイツを嫌っていたと答えたマドレーヌは、彼がドイツ語の文書を持っていたと言われる。
マドレーヌがスイス人であることを確認した治安判事は、ドイツとの交流を尋ねて、何か国かの顧客がいると答える彼女に、アナトールがスパイだと思わなかったか再度、尋ねる。
口を挟んだボブを黙らせた治安判事だったが、マドレーヌは、友人を亡くしたとしか言えないと伝える。
家に戻ったマドレーヌは、シェファーから、チェリー・オーチャードにいた男にアナトールが殺されたことと、フランス軍反撃の情報はウソだったと知らされる。
攻撃は陽動作戦で、反撃は味方が撤退した場所で行われたことをミュラーから知らされたマドレーヌは、協力者が二重スパイの可能性があるので、それを探るためにパリに向かうよう指示される。
任務に従うしかなかったマドレーヌは、K1とK2の件も探ることになり、翌日、出発する。
マドレーヌがパリに向かうことを知ったマルイッツは、駅で彼女が列車に乗るのを確認する。
マドレーヌの後を追ったフェイバーは、彼女を監視する。
フランス、ル・アーブル。
到着したマドレーヌは、フェイバーの指示で尋問される。
連行されてパリに向かったマドレーヌは、アナトールのことなどを訊かれて拘禁されることになる。
仕事の件が心配なマドレーヌは、仕入れ先のコタン(ローレンス・ハンレイ)に連絡することを警官に頼む。
釈放されたマドレーヌはコタンに会い、第5捜査部長(チャールズ・カーソン)の元に案内され、フランスの二重スパイだった彼女は、その貢献に対して勲章(Medaille militaire)が与えられる。
ドイツ側は協力者が無能かスパイだと思っていると伝えたマドレーヌは、そのままにしておこうと言う部長から、K1とK2の件を訊かれる。
それも探るようにと指示されていると答えたマドレーヌは、K1とK2が銃殺されることを部長に確認し、K125は女性か尋ねる。
中央郵便局にいた女性であることを知ったマドレーヌは気の毒に思い、ストックホルムには戻さないでほしいと部長に伝える。
まだ自分が必要だと言われたマドレーヌは、これ以上、耐えられないと部長に伝える。
最近、常に一緒に過ごしているマルイッツが関係していると思える部長は、妥協案として、これが最後の任務だとマドレーヌに伝える。
ドイツの”第8諜報部長”を捜すことを命ぜられたマドレーヌは、ミュラーではないかと考えるが、部長から、もう一人、気になる者がいると言われる。
ストックホルムに戻ったマドレーヌと食事をしていたマルイッツは、親友のオットーに声をかけるものの、逃亡者だと言われて殴られたために騒ぎになる。
やり返さないマルイッツに失望したマドレーヌはその場を去る。
追ってきたマルイッツに、殴られながら笑ってやり過ごすだけで、相手を殺すべきだったと彼を非難したマドレーヌは、3年もシベリアにいて帰還した男を殺せるはずがないと言われる。
納得しないマドレーヌに、臆病者と証明できたわけだと伝えたマルイッツは、気持ちを理解したと言って帰ろうとする。
マドレーヌに呼び止められたマルイッツは、祖国一の勇者だと言われるものの、どうすれば逃亡者が国に貢献できると思うか尋ねる。
”第8諜報部長として”と言われたマルイッツは驚き、いつ知ったかマドレーヌに尋ねる。
今晩ホテルでとマルイッツに伝えたマドレーヌは、なぜ話すのかと訊かれ、自分のことも知っているからだと答える。
フランス人であり、性はモーデーニー、3年間も自分達を騙してきたと言うマルイッツは、互いに祖国に仕えてきたことをマドレーヌに伝える。
安堵したマドレーヌは、もうウソはないと言って、あなた以外のすべてから自分を奪い去ってほしいとマルイッツに伝えて、逃亡して安らげる場所での生活を想像する。
それが叶わない現実をマルイッツから知らされたマドレーヌは涙する。
軍人らと楽しむシェファーらの元に向かったマルイッツは、追い出されそうになる。
シェファーから、マルイッツが第8諜報部長だと知らされたミュラーらは彼に敬意を払い、明日、ベルリンに戻り任務に就くよう命ぜられる。
ボブの元に向かったマドレーヌは助けを求め、マルイッツが第8諜報部長であることを伝える。
自分の正体もマルイッツに知られているために逃げなけらばならないと言うマドレーヌは、ボブの話を聞く。
フェイバーと共に対策を考えるボブは、保護するので指示通りに行動するようにとマドレーヌに伝える。
チェリー・オーチャード。
シェファーの部下ボーラウ(M・マーティン・ハーヴェイ)とルージ(リディアン・ブラウン)は殺し屋の元に向かい、明日の朝までに男女30人を用意するようにと伝える。
翌朝、マドレーヌの店には客が次々と現れ、マルイッツは、全員が入ったら直ちに実行し、警察沙汰は避けるようにとボーラフに指示を出す。
店の混雑に戸惑うマドレーヌを連れ出そうとしたボーラフとルージだったが、ボブが手をまわした警官が彼女を連行する。
治安判事から、婦人服の売買の陰で諜報活動が行われていたことは疑いない事実だと言われたマドレーヌは、ボブの証言や情状酌量の余地があることを配慮し、国外追放となる。
ボーラフとルージから、マドレーヌが逮捕されたことを知らされたマルイッツは、彼女が出国すると考えてUボートに乗る。
スウェーデン船に乗ったマドレーヌを、ボーラフが監視する。
出航した船は、いつものようにUボートの検査を受ける。
乗船したマルイッツは、フランスの諜報員であるマドレーヌを連行する。
そこに商船を装うイギリスの”Qシップ”が現れ、ボートのマルイッツとマドレーヌを確認した船長(セシル・パーカー)は、Uボートへの攻撃を命ずる。
激しい砲撃を受けたUボートは撃沈され、マルイッツは仕方なくQシップに向かい、船長に迎えられたマドレーヌは、ボブに感謝するようにと言われる。
部下の数名は助けたことをマルイッツに知らせた船長は、到着した自軍の駆逐艦に引き渡すことを彼に伝える。
船を降りるマルイッツを見つめるマドレーヌは、彼が射殺はされないことを船長に確認する。
捕虜は射殺されることなく拘留されると言われたマドレーヌは、ボートで去っていくマルイッツに手を振る。