ジェイソン卿はパトリシアに失望し、厳罰に処するよう警察に要求する。
しかし、フランスでは産業スパイが軽犯罪であり、ライバル社”メイ・フォーチュン”のオーナー、マシュー・カッター(ジャック・クラスチェン)の、化粧品業界のイメージダウンという言葉を考慮し、ファックスは、パトリシアを解雇して追放することにする。
その後、カッターとイギリス人の部下クリストファー・ホワイト(リチャード・ハリス)は、パトリシアを強引に車に乗せる。
アメリカに向かうカッターは、パトリシアを雇うことで話をつける。
メイ・フォーチュン社。
工業デザイナーとして迎えられたパトリシアは、クリストファー
にオフィスへと案内され、その後、彼の家で食事をする。
プレイボーイのクリストファーはパトリシアに迫り、彼女に自白剤を注射する。
クリストファーは、フェミナが開発中のウィッグのことをパトリシアから聞き出す。
それは、化学処理を施すことで低価格の動物の毛を最高級の人毛と同じ品質にする製品であった。
クリストファーはそれをカッターに知らせ、その後もパトリシアを監視することになる。
しかし、二重スパイだったパトリシアは、ジェイソン卿の指示でメイ・フォーチュンを探っていたのだった。
パトリシアは、ジェイソン卿の自家用機内で、メイ・フォーチュンの防水性新開発ヘア・スプレーの映像を見せられる。
その製品化を阻止するためにジェイソン卿は、パトリシアに一生暮らせる報酬を約束して、開発者スチュアート・クランシー博士(レイ・ウォルストン)に近づきヘア・スプレーを入手するよう命ずる。
クランシーに会ったパトリシアは、製品開発の秘密保持に関する管理体制を知らされる。
パトリシアは、女性の美を追求できる画期的なクリームなどを開発しているクランシーが、その技術を盗まれることを警戒して自分を疑っているため、それを否定する。
クリストファーのランチの誘いを断り、クランシーの愛人で秘書のスー・リン(アイリーン・ツー)に近づいたパトリシアは、彼女の髪の毛に注目する。
スー・リンを追ったパトリシアは、彼女の髪の毛を入手しようとするものの失敗する。
パトリシアを監視していたクリストファーは、自分もジェイソン卿の部下であることを彼女に伝える。
それを信じさせたクリストファーは、レストランでパトリシアと待ち合わせをして、角砂糖に盗聴器を仕掛け会話をカッターに聴かせようとする。
盗聴器のことに気づいたパトリシアはジェイソン卿に連絡を入れ、クリストファーを雇ったことを確認するものの彼を疑う。
クリストファーは、スプレーを盗もうとするジェイソン卿の企みを聞き出そうとするが、パトリシアはわざと雑音を出して盗聴を妨害する。
カッターは苛立ち、パトリシアは盗聴器が仕組まれた角砂糖をコーヒーの中に入れてしまう。
帰宅したクリストファーは、自分に惹かれるモデルから、パトリシアが以前、別名であったことを知らされる。
スー・リンを尾行してドリス・デイとリチャード・ハリス共演の”Caprice”(本作)を上映する映画館に向かったパトリシアは、彼女と恋人バーニー(マイケル・J・ポラード)の後ろの席に座る。
スー・リンの髪の毛を切ろうとしたパトリシアだったが、バーニーに気づかれて失敗する。
”タイムズ”
クリストファーは、インターポールのファウラー捜査官(アーサー・ゴッドフリー)がスイスで殺害された記事を調べる。
スー・リンの部屋に侵入し彼女が倒れていることに気づいたパトリシアは、その場にあった灰が気になり、スプレーを手に入れて去ろうとする。
そこに現れたクリストファーは、パトリシアを部屋に戻し、本名が”フェリッパ・ファウラー”であることを調べたと彼女に伝える。
パトリシアとクリストファーは、部屋に入ろうとしたクランシーに気づき、その場から逃れようとする。
クランシーは、通報で駆けつけた警官に逮捕されそうになり、パトリシアとクリストファーは建物から脱出する。
元CIAであることを話したクリストファーは、父親が麻薬組織の捜査中にスイスで殺害されたことをパトリシアから知らされる。
父親殺害の黒幕からジェイソン卿にたどりついたものの、パトリシアは純粋に彼の仕事をこなしていることを伝える。
パトリシアは、スプレーの瓶がスイス製だったことから、クランシーがスイスと関係が深いことを知る。
スイスのスプレー瓶の販売元を調べたパトリシアは、ジェイソン卿の専用機で現地に向かう。
化粧品を開発しているマダム・ピアスコ(リリア・スカラ)に会ったパトリシアは、例の防水スプレーを作ったのが彼女であることを知る。
スプレーを提供してもらえることになったパトリシアは、マダム・ピアスコの亡くなった娘の夫クランシーが、彼女の開発を製品化しているという話を聞く。
マダム・ピアスコは、開発案を提供する代わりにクランシーの子供達である孫と暮らすことができたのだった。
その後パトリシアは、父親が殺害された雪山に向かい、何者かに追われて銃で狙われる。
そこにヘリコプターで現れたクリストファーは、パトリシアを助ける。
ホテルに戻ったパトリシアは、自分を狙ったのがクランシーであると考えるが、クリストファーはそれを否定する。
スプレーを開発したのがクランシーの義母だったことを知ってもクリストファーが驚かなかったことで、その件がどうでもいい話だと気づいたパトリシアは彼を責める。
クリストファーは、10年前にクランシーはジェイソン卿の下で働く開発部長であり、コピー製品ばかりを作り解雇されたことを話す。
その後メイ・フォーチュンに移ったクランシーは、突然ヒット商品を連発したため、ジェイソン卿は彼の背後にいる真の開発者を探ろうとしていたのだった。
ジェイソン卿は今でもマダム・ピアスコが開発者だとは知らないと言われたパトリシアは、それらの件と父親の死が関係しているかを考える。
そしてパトリシアは、よき協力者となったクリストファーと愛し合うようになる。
雪山で楽しむクリストファーは、パトリシアのコートに盗聴器をつけて、その場に現れたクランシーと彼女の接触現場を盗撮する。
パトリシアは自分がフェミナのスパイであることを伝えるが、クランシーはライバル社に移る気はなく、義母のことは社長カッターに話してあることを知らせる。
その映像と会話を確認したカッターは、ジェイソン卿の破滅を確信しクリストファーの働きを評価する。
パリ。
パトリシアはジェイソン卿の屋敷を訪れ、女王との謁見を約束したことでマダム・ピアスコと契約できたと知らされる。
ジェイソン卿から、スー・リンの部屋で手に入れた灰を分析した結果、麻薬が含まれていたと言われたパトリシアは、それを承知していたと伝える。
パトリシアからそれを知りなが分析を頼まれたことで、父親の殺害に自分が関与していると疑われているとジェイソン卿は考える。
ジェイソン卿はそれを重要視せず、カッターの通報でこの場に警察が来ることをパトリシアに知らせて逃がそうとする。
盗撮をしたクリストファーを信じるパトリシアに、彼が二重スパイであることをジェイソン卿は知らせる。
ショックを受けるパトリシアは、盗撮フィルムを奪うと言って屋敷を出るが、駆けつけた警官に逮捕されそうになる。
そこに現れたクリストファーがパトリシアを連れ去り、抵抗する彼女に自分がインターポールであることを知らせる。
パトリシアは、メイ・フォーチュンのフェイス・パウダーを燃やして灰にすると幻覚剤となることを、クリストファーら捜査官に伝える。
麻薬組織と絡む事件の黒幕が、カッターではなく女性であることをパトリシアは指摘しメイ・フォーチュンの社長室に侵入する。
掃除婦に扮したクランシーがパトリシアに銃を向けるものの、それが暴発し銃弾を受けた彼は階下に落下する。
そこに銃を手にしたジェイソン卿が現れ、カッターが破滅するため、自分が業界を牛耳れることをパトリシアに伝えてヘリコプターで逃げようとする。
駆けつけたクリストファーはジェイソン卿を銃撃するが、飛び立ってしまったパトリシアを助けることはできない。
パトリシアは、エッフェル塔の先端に機体が引っかかり助かる。
その後、パトリシアはベッドの中でクリストファーに自白剤の注射を打ち、スパイは辞めて自分以外の女性との関係も断つことを彼に約束させる。