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バートン・フィンク Barton Fink (1991)

ニューヨークの売れっ子劇作家がハリウッドに招かれ大事件に巻き込まれながら混乱する姿を描く、製作、監督、脚本、編集コーエン兄弟ジョン・タトゥーロジョン・グッドマンジュディ・デイヴィススティーヴ・ブシェミら個性派スター競演のスリラー・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

コーエン兄弟 / Joel Coen, Ethan Coen 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・コーエン

製作:イーサン・コーエン
脚本
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ロデリック・ジェインズ
美術・装置
デニス・ガズナー
ナンシー・ヘイ
衣装デザイン:リチャード・ホーナング
音楽:カーター・バーウェル

出演
ジョン・タトゥーロ:バートン・フィンク
ジョン・グッドマン:チャーリー・メドウズ
ジュディ・デイヴィス:オードリー・テイラー
マイケル・ラーナー:ジャック・リップニック
ジョン・マホーニー:W・P・メイヒュー
トニー・シャルーブ:ベン・ガイズラー
ジョン・ポリト:ルー・ブリーズ
スティーヴ・ブシェミ:チェット
リチャード・ポートナウ:マストロナディ刑事

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1991年製作 116分
公開
北米:1991年8月21日
日本:1992年3月
製作費 $9,000,000
北米興行収入 $6,153,939


アカデミー賞 ■
第64回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(マイケル・ラーナー
美術・衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1941年、ニューヨーク
劇作家バートン・フィンク(ジョン・タトゥーロ)は、新作の舞台を成功させ、ハリウッドのキャピトル映画から誘いを受ける。

バートンはニューヨークを離れたくない気持ちが強かったものの、結局は迷った末にハリウッド行きを決意する。

ロサンゼルスに着いたバートンは、あるホテルに宿泊することに決め、風変わりなフロント係チェット(スティーヴ・ブシェミ)に迎えられる。

翌日、キャピトル映画社長ジャック・リップニック(マイケル・ラーナー)は、バートンに、ウォーレス・ビアリー主演のレスリング映画の脚本の仕事を与える。

蚊が飛び壁紙が剥がれ落ちる薄汚いホテルで、執筆を始めたバートンは、暑さや隣の部屋の物音が気になり、フロントのチェットに苦情を言う。

その直後に、隣の部屋の客チャーリー・メドウズ(ジョン・グッドマン)がバートンの前に現れ、言いがかりをつけようとするが、誤解が解けた2人は酒を酌み交わすことになる。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1941年、ニューヨーク
劇作家バートン・フィンクは、新作の舞台を成功させ、ハリウッドのキャピトル映画から誘いを受ける。
ロサンゼルスに着いたバートンは、社長のリップニックから、”ウォーレス・ビアリー”主演作の脚本を任せられる。
バートンは、薄気味悪いホテルの部屋で、早速、仕事を始めるが、隣の部屋の物音が気になり、フロント係チェットに苦情を言う。
直後に、隣の部屋から保険の外交員である大男チャーリーが現れ、誤解が解けた2人は意気投合するのだが・・・。
__________

中盤までは、ハリウッドの雰囲気や環境に馴染めない、頼りない主人公をコメディ・タッチで描き、殺人事件が起きてからは、突然、ミステリー・スリラーのように変貌してしまう、コーエン兄弟独特の世界が展開する、彼らの作品中でもかなり評価の高い作品。

第64回アカデミー賞では、助演男優(マイケル・ラーナー)美術、衣装デザイン賞にノミネートされた。

1991年度カンヌ国際映画祭では、パルム・ドール、監督、男優賞と史上初めて3冠を獲得した作品。

ただ鬱陶しいだけのゴミのような蚊を、主人公が一夜を共にした女性の美しい背中で退治した瞬間に、その女性が血まみれの惨殺体へと変わるショッキングな映像、殺人鬼の手口として再三話の中で登場する、”首のない遺体”と謎の”箱”の中身の関係、映画会社に飼い殺しを宣告され、気分を晴らすために訪れる浜辺で、その”箱”を抱えながら美女及び美しい海を眺め、癒される気分になっていく主人公、そして、それをスクリーン上で見
つめる我々観客目線を意識した、非情さ、残酷、安らぎ、全てをワンショットで収めたラストシーンは衝撃的でもある。

暑さだということで剥がれ落ちてくる、壁紙で表現する、不気味さや薄気味の悪さが、実に効果的に使われているのも印象に残る。
(美術・セットの素晴らしさ)

コーエン兄弟のデビュー作である「ブラッド・シンプル」(1985)から、全ての作品の音楽を担当するカーター・バーウェルバリー・ソネンフェルドの監督業が忙しくなり交代した、撮影のロジャー・ディーキンスも、本作から兄弟作品殆どを手がけている。

コーエン兄弟作品の常連として、キャリア最高といっていい熱演を見せる主演のジョン・タトゥーロ、同じくジョン・グッドマンも、凶暴な殺人犯(クライマックスまでは保険屋)を好演している。

とんでもない殺され方と、その首がどうなったのか、ラストまでどうしても気になるジュディ・デイヴィス、登場場面はそれほど多くはないが、映画会社の傲慢なワンマン社長を怪演するマイケル・ラーナー、アル中の元大作家ジョン・マホーニー、プロデューサー、トニー・シャルーブ、そしてこちらもコーエン兄弟作品には欠かせない、ジョン・ポリトスティーヴ・ブシェミの登場も、ファンには嬉しいばかりだ。


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