しかし、最後の機会だと考えた国王は外出を許可し、マーガレットは喜びエリザベスと共に外出の準備を始める。
付き添いの近衛兵プライス大尉(ジャック・ラスキー)とバーリッジ中尉(ジャック・ゴードン)と共に、国王から門限は1時だと言われたエリザベスとマーガレットは、両親に見守られながら宮殿を後にする。
路上に人々が溢れる中、ホテル”リッツ”に向かったエリザベスとマーガレットは、支配人(ティム・ポッター)に迎えられ、用意されていた広間に案内される。
エリザベスがレディ・マクラウド(アナベル・レヴェントン)に挨拶している間、その場から抜け出したマーガレットはシャンパンを飲んで楽しむ。
外に出たマーガレットに気づいたエリザベスは、バスに乗った彼女を次のバスで追う。
バーリッジは人々と共に羽目を外してしまい、プライスも王女がいなくなったことに気づかない。
窓から見えるマーガレットが”トラファルガー広場”に向かうことを知ったエリザベスは、車掌から乗車賃を請求され、持っていないと答える。
隣りに座っていたイギリス空軍兵ジャック・ホッジ(ジャック・レイナー)に払ってもらったエリザベスは、バスを降りようとする。
バッグを忘れたエリザベスにそれを渡したジャックは、彼女と共バスから落ちてしまい、手を怪我した彼女を連れてパブに入る。
兵士のジェファーズ(ジェフリー・ストレトフィールド)と行動するマーガレットは、海軍情報部の彼と共に楽しむことにする。
女達の相手をしていたバーリッジは、国王からの電話を受けて焦ってしまい、王女たちに問題ないことを伝える。
それを王妃に伝えた国王は、国民に向かった演説を始める。
エリザベスは、それまで騒いでいた人々が静まり、国王の言葉に耳を傾ける様子を見つめる。
その演説を批判するジャックをエリザベスと共に非難する客は、彼を店から放り出す。
戦中に何もしなかったと言って国王を批判するジャックに対し、自分の家族は国に奉仕したとエリザベスは伝える。
自分のことを訊かれたエリザベスは、補助地方義勇軍、機甲輸送分隊の准大尉だと答えて、ジャックに”トラファルガー広場”に連れて行ってほしいと伝える。
その場が広場だと知ったエリザベスは、人ごみの中でジャックと逸れてしまうもののマーガレットを見つける。
人違いだったエリザベスは困ってしまい、マーガレットを捜す。
エリザベスを見つけられないマーガレットは、姉とは後で会えると言うジェファーズと共にメイフェアの”カーゾン”に向かう。
女性二人に誘われたジャックは、”バッキンガム宮殿”に向かってしまう。
宮殿に着いたエリザベスは、バルコニーに姿を現した国王と王妃を見て大歓声を上げる人々と共に深夜を迎え、終戦の喜びを実感する。
ボーイフレンドだと言って女性二人を追い払い、ジャックに妹を捜してほしいと頼んだエリザベスは、協力をしてくれればお酒を付き合うことを約束する。
恋人は海外に赴任しているのでいないと同じだと伝えたエリザベスは、ジャックを納得させてカーゾンに向かう。
ベッドの中で王女たちのことを思い出したプライスは焦り、バーリッジと共にホテルを出て二人を捜す。
その頃、歓楽街のソーホーの娼館に連れて行かれたマーガレットは、薬入りとは知らずにピンク・ジンを飲み、ジェファーズと楽しむ。
カーゾンに着いたエリザベスは、ジャックから受け取った金を男性に渡し、マーガレットが海軍将校と一緒っだったことを知りソーホーの”クラブ”に向かう。
外の騒ぎが収まらないことを知った国王は、チャーチルが政権を維持できるか気になるとともに、エリザベスの時代のことを考える。
その場にいた将校に態度を注意されたためにジャックは姿を消してしまい、一人で目的地に向かったエリザベスは路地で彼に出くわす。
エリザベスは一人で向かおうとするものの、危険だと言うジャックはついて行く。
酔ったマーガレットはオーナーのスタン(ロジャー・アラム)のオフィスに入ってしまい、誰かと訊かれて”P2/第2王女”と答える。
マーガレット王女だと気づいたスタンは驚き、用心棒のレイモンドが現れたジェフリーズを追い出す。
チェルシー兵舎に行くつもりのマーガレットは、合言葉を知っていることをスタンに伝えて、娼婦たちと共にその場に向かう。
娼館に着いたエリザベスは中に入れてもらうが、ヒモと間違われたジャックはレイモンドに追い払われる。
二階の窓を開けたエリザベスはジャックを呼び、マーガレットが兵舎に向かったことを知る。
レイモンドに見つかり痛めつけられるジャックを助けたエリザベスは、その場から逃げ出して、一人でマーガレットを捜そうとする。
お金を借りたことなどを話すエリザベスは、行商をする母のことを思うジャックが、生活のために無許可離隊したことを知る。
戻らなければ脱走兵として軍法会議にかけられ、刑務所行きになると話すジャックは、国外に逃げる前に母親に会いたいとエリザベスに伝える。
人ごみの中を通った二人は、タグボートに乗る。
チェルシー。
兵舎に着いたマーガレットは、合い言葉を伝えて中に入ることを許可され、娼婦とスタンと共に建物内に向かう。
平民が戦っても手柄は上流階級のものになると話すジャックは、自分には何もないとエリザベスに伝える。
母がいると言われたジャックは、ベルリンの空爆で人を殺して帰還する夜、攻撃を受けて機体が損傷し、死を待つだけの戦友を見守ることしかできなかったとエリザベスに話す。
帰還して上官に報告し休暇許可を申請するものの、日本との戦いのため前線に送られたというジャックの話を聞くエリザベスは、返す言葉もなく考え込む。
連隊長の元に向かったプライスは、朝まで待つことにして、バーリッジと共に楽しむことにする。
チェルシー兵舎に着き、憲兵がいるためにジャックと別れたエリザベスは中に向かう。
3時になろうとしているのに戻らない王女たちを心配する王妃だったが、国王は、責任感が強いエリザベスを信用する。
楽しむマーガレットをそろそろ宮殿に送ろうと考えるスタンだったが、兵士に部屋に閉じ込められてしまう。
プライスとバーリッジが用を足していたトイレの窓から侵入したジャックは、エリザベスと出くわしてダンスが行われているホールに向かい、手分けをしてマーガレットを捜す。
マーガレットを見つけたエリザベスは、二人で踊り大いに楽しむ。
エリザベスと踊っていたジャックは、憲兵に見つかり捕らえられる。
それを制止したエリザベスは、憲兵から誰だと訊かれたために、王女だと答えてしまう。
その場は静まり、友人を放すようにと言うエリザベスに気づいたプライスとバーリッジは驚く。
帰ろうとするエリザベスは、同行してほしいとジャックに伝える。
プライスとバーリッジに先に宮殿に戻り両親に心配ないことを伝えるよう命じたエリザベスは、母親の元に向かうジャックについて行く。
歩けないと言うマーガレットを一輪車に乗せたエリザベスは、真実を話せなかった理由を彼に説明しようとする。
ウソをついていたエリザベスを許せないジャックは、お茶の入れ方も知らない、一人で外出したこともない生活を想像してほしいと言われる。
いつも特別扱いだったが、今夜は普通の少女だと伝えたエリザベスは、マーガレットが逃げなければ、このように街を歩くこともなかったと話す。
人生で最高の夜だったと言うエリザベスに、自分の家にはレッドカーペットはないと伝えたジャックは、マーガレットを乗せた一輪車を押して家に向かう。
ジャックの母ジョーン(ルース・シーン)に歓迎されたエリザベスは、自分を含めた王家の写真が飾ってあることに気づく。
ジョーンから、国王の演説を聴いたことを訊かれたエリザベスは、王位を継ぎたくもなかったにも拘らず、立派に国王の役目を果たしていると言われる。
エリザベスがジャックとは身分が違うことに気づいたジョーンは、若者は希望に燃えて戦場に向かったと言って、息子が戻ってよかったと伝える。
ジャックがこんな時間に戻ってきたことで、軍の規則を気にするジョーンは、エリザベスから、戦勝の日なので大丈夫だと言われる。
エリザベスは、まだ何かが起きるのではないかと考える。
タクシーを待たせて通りで待っていたプライスとバーリッジは、エリザベスから、マーガレットを連れて先に帰るよう指示される。
ジョーンは、部隊に戻るジャックを抱きしめる。
バッキンガム宮殿。
憤慨する国王はプライスとバーリッジの処分を考え、マーガレットにエリザベスの居場所を訊く。
マーガレットから、エリザベスはジャックという空軍兵士と消えたと言われた国王と王妃は呆れてしまう。
ジャックと車で宮殿に向かうエリザベスは、帰らなかった理由を訊かれ、王女をやめたかったのかもしれないと答える。
急ぐ必要はないと言うジャックは、遠回りをして”トラファルガー広場”に向かう。
”ザ・マル”を前にしてジャックは、普通の生活を想像するエリザベスにすべて夢物語だと伝える。
昨夜の行動を両親に話すマーガレットは、ソーホーに行ったことも伝えて、”娼館”とは何か尋ねる。
宮殿に戻ったエリザベスは両親にジャックを紹介し、朝食を共にしたいと伝える。
パブで演説を聴いたことを国王に話したジャックは、皆がとても喜んでいたと伝える。
ジャックとはバスで出会ったと言うエリザベスは、とても親切にしてくれたと話す。
50回以上ドイツを爆撃した英雄だと言われた国王は、成功したかジャックに尋ねる。
最善を尽くしたと答えたジャックは、自分の記章の意味を知っているエリザベスを、”リジー”と愛称で呼んでしまう。
国王は思わず笑ってしまうものの、王妃はそんな気にはならなかった。
帰る前にジャックと話がしたいと言うエリザベスは、彼にお金も借りたことを国王に伝える。
その金額が7ポンド11シリングと4ペンスだと知った国王は、持ち合わせていないので侍従に寄付してもらうと言って席を立つ。
娘が無事に戻ったことでジャックに感謝した国王は彼と握手し、今回の件は公言しないようにとエリザベスに伝える。
一旦その場を離れた国王は戻り、エリザベスに、アメリカ大使と昼食を共にし外交問題を話すが同席するか尋ねる。
喜んで同席すると答えたエリザベスは、将来は平等な社会になると思うとジャックに伝える。
点呼の前に部隊に戻るつもりのジャックは、父が何とかしてくれるかもしれないと言うエリザベスに、自分で始末をつけると伝える。
間に合うか心配なエリザベスは軍服に着替え、車を運転してジャックを送る。
部隊の入り口で憲兵に身分証を見せたエリザベスは、車を降りたジャックから一輪の花を受け取る。
エリザベスから、”楽しかった、二人の秘密よ”と言われたジャックは、緊張する憲兵の前で彼女にキスする。
誰にも話さないようにと憲兵に伝えたエリザベスは、その場を去る。