1944年に発表された、マーガレット・ランドンの小説”アンナとシャム王”を基に製作された作品。 シャム王宮の教育係として招かれた女性とモンクット国王の親交を描く、監督ジョン・クロムウェル、主演アイリーン・ダン、レックス・ハリソン、リンダ・ダーネル、リー・J・コッブ、ゲイル・ソンダガード他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・クロムウェル
製作:ルイス・D・ライトン
原作:マーガレット・ランドン”アンナとシャム王”
脚本
タルボット・ジェニングス
サリー・ベンソン
撮影:アーサー・C・ミラー
編集:ハーモン・ジョーンズ
美術・装置
ウィリアム・S・ダーリング
ライル・ウィーラー
トーマス・リトル
フランク・E・ヒューズ
音楽:バーナード・ハーマン
出演
アンナ・オーエンス:アイリーン・ダン
モンクット王:レックス・ハリソン
タプティム:リンダ・ダーネル
クララホーム:リー・J・コッブ
レディ・ティアン:ゲイル・ソンダガード
アラク:ミハイル・ラサムニー
エドワード卿:デニス・ホーイ
チュラーロンコーン王子:ティト・レナルド
ルイ・オーウェンズ:リチャード・ライオン
オートン船長:アディソン・リチャーズ
フロム:ジョン・アボット(クレジットなし)
ミス・マクファーレン:マージョリー・イートン(クレジットなし)
ムーンシー:ウィリアム・エドマンズ(クレジットなし)
ビービ:コニー・レオン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1946年製作 128分
公開
北米:1946年6月20日
日本:1948年3月9日
■ アカデミー賞 ■
第19回アカデミー賞
・受賞
撮影(白黒)・美術賞(白黒)
・ノミネート
助演女優(ゲイル・ソンダガード)
脚色・作曲賞
■ ストーリー ■
1862年、シャム、バンコク。
夫を亡くしたイギリス人のアンナ・オーエンス(アイリーン・ダン)は、モンクット国王(レックス・ハリソン)の子どもたちの家庭教師として招かれ、息子ルイ(リチャード・ライオン)と共に船で到着する。
首相クララホーム(リー・J・コッブ)に迎えられたアンナだったが、約束された家を与えられず、不満に思いながら国王に謁見する。
率直に意見するアンナが、教師に相応しいと判断した国王は、彼女に、チュラーロンコーン王子(ティト・レナルド)と共に67人の子供たちを紹介する。
家の問題が解決しないことを重要視して考えを変えないアンナは、納得してくれた国王を支える立場として尽くそうとするのだが・・・。
マーガレット・ランドンの小説”アンナとシャム王”(1944)を基に製作された作品。
ダリル・F・ザナックが、出版前の原作を読んで気に入り、映画化権を買い取ったことが知られている。
その後20世紀FOXは、この原作を基にした、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世による1951年のミュージカルの映画化「王様と私」、(1956)、「アンナと王様」(1999)を製作した。
多くの話題作を手掛けていたジョン・クロムウェルが監督し、アイリーン・ダンとレックス・ハリソンが主人公の2人を演じている。
西洋人がアジア人を無理矢理演じている違和感はあるが、その伝統ある文化を伝るセットや衣裳は見事であり、それを映し出す映像も素晴らしい。
第19回アカデミー賞では、撮影(白黒)、美術賞(白黒)を受賞し、助演女優(ゲイル・ソンダガード)、脚色、作曲賞にノミネートされた。
意見が食い違う国王と教師の関係がテーマであり、異文化の壁を破り、西洋と東洋の架け橋となった2人の親交(友情)が、押しつけがましくない物語として描かれている。
若々しく美しい(40代後半)主人公を演ずるアイリーン・ダンは、自分の考えを変えずに、国王に率直に意見する女性教師を見事に演じている。
モンクット王を演ずるレックス・ハリソンは、尊厳を重視するものの、アンナを頼りにして国家のために尽くす国王を熱演している。
国王の貢ぎ物でお気に入りとなるが、事件を起こし処刑されるリンダ・ダーネル、国王の忠実な臣下を印象深く演ずるリー・J・コッブ、国王の第一夫人ゲイル・ソンダガード、国王の秘書ミハイル・ラサムニー、イギリスの高官デニス・ホーイ、チュラーロンコーン王子のティト・レナルド、主人公の息子リチャード・ライオン、主人公を乗せた船の船長アディソン・リチャーズ、裁判長のジョン・アボット、晩餐会の招待客マージョリー・イートン、主人公の使用人ウィリアム・エドマンズとコニー・レオンなどが共演している。