スウィードは、”ある試験”に受からなければドーンと結婚できず、その試験官は、婦人用手袋会社社長で彼の父のルー(ピーター・リーガート)だった。
ユダヤ人との結婚などについてルーに質問されたドーンは、キリスト教徒としての考えを捨てる気はなく、結婚には反対されるものの、引き下がらなかった。
ルーを説得したドーンはスウィードと結婚し、父から会社を継いだ彼は事業を拡大する。
会社から50kmほど離れた高級住宅街に住むスウィードは、ニューアークまで毎日通勤した。
スウィードは、広大な土地で牛を飼うドーンと娘のメレディス”メリー”(オーシャン・ジェームズ)と共に何不自由なく暮らし、誰もが彼らの人生が順風満帆だということを疑わなかった。
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ジェリーに再会したネイサンは話をすることになり、ノスタルジーにひたる気がない二人は、今までこういう場を避けてきたことで意見が一致する。
スウィードの話題になったネイサンは彼の栄光を語るが、ジェリーから兄は死んだと言われ、同窓会ではなく葬儀のために帰郷したことを知る。
おかしな連中にスウィードは人生をメチャクチャにされたと言うジェリーは、何も知らないネイサンに1960年代は何をしていたのか尋ねる。
その頃はほとんど海外にいたと言うネイサンに、著名な作家がこの話を最後に聞くのは皮肉だと伝えたジェリーは、スウィードとドーンの娘メリーのことなどを語り始める。
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吃音症のメリー(ハンナ・ノードバーグ)のことを心配するスウィードとドーンは、精神科医シーラ・スミス(モリー・パーカー)のセラピーを受ける。
美貌のせいで注目される母親を持つ娘の苦労を語るシーラは、メリーの吃音は、”母親のように美人になりたい?”という人の質問を避けている可能性があると二人に伝える。
馬鹿げた話だと思うスウィードとドーンだったが、一応、シーラの助言は聞き入れる。
引退後も会社に顔を出すルーは、メリーのことを心配し過ぎるスウィードに意見する。
その件について、スウィードが迷惑に思っていると感じながらルーは、秘書のヴィッキー(ウゾ・アデューバ)からは、会社は自分が作ったものだと言われて満足する。
ある夜、吃音日記や大好きな”オードリー・ヘップバーン”のノートを見ながら両親と話をしていたメリーは、ベトナムの僧侶”ティック・クアン・ドック”の焼身自殺が映し出される映像をテレビで見て衝撃を受ける。
自殺の理由を考えるメリーは夜中に起きて両親の部屋に向かう。
スウィードとドーンは、べッドに入ってきた取り乱すメリーを落ち着かせる。
ベトナム戦争が激化する中、高校生になったメリー(ダコタ・ファニング)は、ジョンソン大統領を激しく批判してドーンに反抗し、母娘はいがみ合う。
ニューヨークの高校に通わせているメリーのことを心配するドーンから、彼女がおかしなパンフレットなどを持っていると言われたスウィードは部屋を調べる。
スウィードは、メリーが反戦思想に芽生えていること知りそれが気になる。
駅にメリーを迎えに行ったスウィードは、政治的なことに関わったことなどを尋ね、それを悪いとは思わない彼女に、戦争ではなく娘が心配だと伝える。
黒人のデモ騒ぎが起きた影響で外出禁止令が出ていたため、警官に注意されたスウィードだったが、メリーはそれに反発する。
車で家に向かう際、黒人の集団に出て行けと言われて脅されたスウィードだったが、窓を開けたメリーは彼らに賛同する。
帰宅したスウィードは、ドーンから、ルーが工場のことをを心配していると言われ、メリーは、暴動ではなく革命であり、黒人の権利を認めるべきだと意見する。
スウィードは、自分の会社の従業員の8割は黒人だとメリーに伝えて納得させる。
ヴィッキーからの電話で、町では黒人が白人警官から暴行を受け、発砲騒ぎにもなっていると言われたスウィードは心配する。
翌日、町には州兵が配備され、危険を感じながら工場で一夜を過ごすことにしたスウィードは、安全を考えてヴィッキーを帰そうとするが、彼女はその場に残る。
黒人労働者が働いていることを示したスウィードは、窓を割られる程度だったものの工場は被害を受ける。
その後の以前と変わらない営業体制を評価され、市長から表彰されたスウィードは、それをメリーに批判される。
スウィードが考える全寮制の学校に入る条件として、週末はニューヨークに行きたいと言うメリーだったが、許してもらえなかった。
メリーから、娘を囚人扱いしていると言われたスウィードは、反戦運動をするならニューアークで行うことを提案する。
その後、知人であるラス・ハムリンの郵便局が爆破され、ラスが死亡する事件が起き、ドーンはメリーの犯行を疑うが、スウィードはそんなことを考える気にはなれなかった。
家宅捜査を受けたスウィードとドーンは、FBI捜査官のドーラン(マーク・ヒルドレス)からメリーの所在を訊かれ、ニューヨークの活動家との関係を追及される。
状況を知った両親とジェリーも、心配して現れる。
ドーンと共に、ラスの未亡人ペニー(サマンサ・マシス)に会ったスウィードは、メリーが犯人と疑われていることを認めて話をする。
スウィードとドーンを責める気はないペニーは、自分達家族は乗り越えられところが、あなた方とは違うと伝える。
警察はメリーの捜査を拡大させ、ドーンは戻らない娘のことを想い涙し、スウィードは、彼女を抱きしめて慰めるしかなかった。
1970年。
ドーランに会ったスウィードは、他の爆破事件のメリーの関与が疑われる中、何も情報が得られなかったが、ガセネタと言われながら、数か月前に彼女が駅で目撃されたことを知る。
毎日、駅に向かうスウィードだったが、メリーは現れなかった。
ある日、革手袋産業について調べているという22歳の学生のリタ・コーエン(ヴァロリー・カリー)が工場に現れ、対応したスウィードは、彼女に手袋を作って上げる、
リタと様々な話をしたスウィードは、彼女がメリーの”ヘップバーンのノート”を受け取りに来た”使者”であることを知る。
その件をドーンに話したスウィードは、FBIには知らせないようにと言われる。
駐車場に向かったスウィードは、その場にいたリタに約束だったメリーの”ヘップバーンのノート”を渡す。
メリーに会いたいと伝えたスウィードは、リタから、娘はあなたを嫌っていると言われる。
貴族のような両親の支配欲にメリーは反発したと言われたスウィードはそれを否定し、娘に会わせろと言っても、リタに相手にしてもらえない。
ジェリーに相談したスウィードは、FBIに話すようにと言われるもののそれを拒み、自分で解決できると伝える。
牛に餌を与えていたドーンは、ホテルで待つというメモと手袋を見つける。
その場に向かったスウィードは、待っていたリタに1万ドルを渡してメリーの居場所を聞き出そうとするが、自分を抱きに来たはずだと言われる。
驚くスウィードは、自分と寝ればメリーの元に連れて行くと言われて誘惑され、それを拒みその場から逃げ出す。
一旦、部屋に戻ったスウィードは、リタがいないことに気づき通りに出て、彼女が乗っている車を見つけるものの逃げられる。
その件をドーランに伝えたスウィードは、自分達に話さなかったことが間違いだと言われる。
その後、混乱するドーンは精神的に限界に達し、病院で治療を受けることになる。
同じ頃、支配者に対する若者達の怒りは爆発し、全国で4000件以上の爆破事件が発生する。
ミスコンテストの前に知事公邸にまで行ったドーンは、今こんな状態で病院にいるのは、自分に付きまとったあなたのせいだと言ってスウィードを責める。
美の女王などではなく音楽教師になりたかったと言うドーンは、その夢を奪われ精神科病院にいる惨めさをスウィードに語る。
退院したドーンのことをセラピストのシーラに話したスウィードは、整形して自分を取り戻したいと彼女が考えていることを伝える。
シーラから、それが効果的な例もあると言われたスウィードは、スイスの病院での手術に興味を持つドーンに同行することを提案される。
整形したドーンは絵画にも興味を持ち、画家のビルに新居の設計も依頼し、スウィードは、彼女が回復したことを嬉しく思う。
ギャラリーの帰りにリタを見かけたように思えたスウィードは、両親を送るようにとドーンに指示する。
リタを追い路地て捕らえたスウィードは、メリーに会わせるようにと迫るものの、自分が捕まればメリーは死ぬと言われる。
逃がしてくれたら連れて行くと言われたスウィードは、自分は会いたくない、もう耐えられないと話すリタと共に車である場所に向かう。
ある建物に着き、リタに銃を向けられて車から降りるようにと言われたスウィードは、メリーは2階の動物病院で働いていることを知らされる。
騒ぎを起こさず外でメリーを待つようにと言うリタは、FBIに捕まったら終わりなので、彼女のことを頼むとスウィードに伝えてその場を去る。
メリーが幼なかった時のことを想い出したスウィードは、建物から出てきた彼女が自分に気づいたために声をかける。
吃音は治りジャイナ教徒になったと言うメリーは、廃墟である住居にスウィードを連れて行く。
娘の悲惨な生活状況を見て驚くスウィードは、爆破事件の後でシーラの元に向かい、彼女の協力で地下組織を紹介されたことを知る。
一か所にいることはできず、いくつもの偽名を使い様々な場所を転々としていた時にレイプされたと言うメリーの話を聞いたスウィードは、彼女を連れて帰ろうとするものの、それを拒まれる。
シーラを訪ねたスウィードは、馬鹿げた考えの者達に利用されたメリーのことを話し、それに手を貸した彼女を責める。
問題を抱えていたメリーを刑務所には行かせたくなかったと言うシーラに、レイプされた彼女がどんな悲惨な生活をしているかを、スウィードは涙ながらに伝える。
両親とビルと妻ジェシーと共にバーベキューをしたスウィードは、メリーのことをドーンに話そうとする。
しかし、娘を諦め昔の生活を取り戻す気のないドーンが、今は新居のことしか考えていないことを知ったスウィードは、メリーのことを想い嘆く。
ドーンがビルと関係していることを知ったスウィードはショックを受け、メリーの部屋のものを袋に詰めて彼女の元に向かう。
メリーに会い質問したスウィードは、何でも聞いてほしいと言う彼女に、郵便局を爆破の件を尋ねる。
自分が爆破したことを認めたメリーに、誰の指示なのかを問うスウィードは、まともに答えない彼女にリタのことを尋ねるものの、知らないと言われる。
他の爆破2件にも関与したことを認めたメリーは、それにより一般人が三人死んだことをスウィードに話して住居に向かおうとする。
自分の娘はどこだと言うスウィードは、娘は4人殺した犯人ではないとメリーに伝える。
娘ではないと言ってくれと伝えたスウィードは、部屋から持ってきたものをメリーに見せる。
吃音日記を見つけたメリーは、もう来ないということなのかとスウィードに尋ね、それが最善だと思うと伝える。
自分は父親であり、お前を見つけたと言うスウィードは、二度と離れたくないとメリーに伝えて家に連れて帰ろうとする。
愛しているならこのままにしてほしいと伝えたメリーは、建物の中に向かう。
それがメリーを見た最後だったスウィードは立ち直れず、その場に何年も通い彼女を待ち続けた。
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会場から出たネイサンは再びジェリーと話し、スウィードの葬儀に参列したいことを伝える。
翌日、スウィードの葬儀は行われ、誰もが幸せな人生を送るものと信じていた彼について考えるネイサンは、今回ほど人を見誤った経験はなかった。
その場に現れたメリーは、叔父のジェリーや母ドーンと話しもせず、父スウィードの棺の前でたたずむ。