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地獄の英雄 Ace in the Hole (1951)

先住民の遺跡崩落で男が閉じ込められた事件を特ダネにしようとする記者の野心を描く、製作、監督、脚本ビリー・ワイルダー、主演カーク・ダグラスジャン・スターリングポーター・ホールリチャード・ベネディクト他共演のフィルム・ノワール

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ビリー・ワイルダー
製作:ビリー・ワイルダー
原作:ビクター・デズニー(クレジットなし)
脚本
ビリー・ワイルダー
レッサー・サミュエルズ
ウォルター・ニューマン
撮影:チャールズ・ラング
編集:アーサー・P・シュミット
音楽:ヒューゴ・フリードホーファー

出演
チャック・テイタム:カーク・ダグラス
ロレーヌ・ミノザ:ジャン・スターリング
ハービー・クック:ロバート・アーサー
ジェイコブ・Q・ブート:ポーター・ホール
フェダーバー:フランク・キャディ
レオ・ミノザ:リチャード・ベネディクト
ガス・クレッツァー保安官:レイ・ティール
マッカードル:ルイス・マーティン
ミノザ:ジョン・バークス
ミノザ夫人:フランシス・ドミンゲス
保安官補:ジーン・エヴァンス
サム・スモレット:フランク・ジャケ
ヒルトン医師:ハリー・ハーヴェイSr.
ラジオ・アナウンサー:ボブ・バンパス
ネーグル:リチャード・ゲインズ
ジョシュ・モーガン:バート・モーアハウス(クレジットなし)

アメリカ 映画
配給
パラマウント・ピクチャーズ
1951年製作 111分
公開
北米:1951年7月4日
日本:1952年9月17日
製作費 $1,800,000
北米興行収入 $2,300,000


アカデミー賞
第24回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞


ストーリー
アルバカーキ
記者チャック・テイタム(カーク・ダグラス)は、アルコール依存症だったことでニューヨークの新聞社を解雇され、この町にたどり着いたものの、車が故障してしまう。
レッカー車で運ばれる途中テイタムは、地元の新聞社に立ち寄り、編集長のジェイコブ・Q・ブート(ポーター・ホール)に自分を売り込む。
自分の取材力に自信があり野心家ではあるが、金に困っていたテイタムは週60ドルで採用される。
その後、酒を断ち平凡な日々を送っていたテイタムは、ガラガラヘビ狩りを取材することになり、カメラマンのハービー・クック(ロバート・アーサー)と共に現地に向かう。
ガソリンを補給しようとしたテイタムは、先住民の遺跡にパトカーが急行する様子が気になる。
その場に向かったテイタムとハービーは、ロレーヌ・ミノザ(ジャン・スターリング)に出会い、遺夫でガソリンスタンドのオーナーの息子レオ(リチャード・ベネディクト)が、物を採取中に住居穴の崩壊に巻き込まれた事故のことを知る。
遺跡に入ったテイタムとハービーは、レオが身動きが取れない場所までたどり着き、彼と話し元気づけて写真を撮る。
その場を離れたテイタムは、レオの救出劇を特ダネ記事にすることを考える。
その後テイタムは、評判の悪い地元の保安官ガス・クレッツァー(レイ・ティール)に、再選に協力することを約束して彼を巻き込み指示に従わせる。
さらにテイタムは、土木業者のサム・スモレット(フランク・ジャケ)が提案する、支柱で通路を支えてレオを救出する方法を却下し、ドリル掘削を指示して時間を稼ぎ、その間に独占取材をしようとする。
ハービーが持ち帰った写真と記事で事件は知られて評判となり、閑散とした遺跡付近に人々は集まる。
そして、その場を仕切るテイタムは英雄のように扱われるのだが・・・。


解説 評価 感想

ビリー・ワイルダーが初めて製作と脚本を兼ねた意欲作であり、人気スターのカーク・ダグラスジャン・スターリングなどが共演した。

ビリー・ワイルダーにとっては、長年の執筆パートナーであるチャールズ・ブラケットとのコンビを解消した後の最初の作品。

そのビリー・ワイルダーは、第24回アカデミー賞で脚本賞にノミネートされた。

第12回ヴェネツィア映画祭では、ビリー・ワイルダーが国際監督賞(金獅子賞ノミネート)を、ヒューゴ・フリードホーファーが音楽賞を受賞した。

2017年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

マスコミによる大袈裟な記事に影響を受ける、群集心理と人間のエゴなどを鋭く描く、ビリー・ワイルダーの演出手腕が見どころの作品。

閑散とした土地が、事故により人が溢れる一大観光地となる、その迫力さえ感じさせるチャールズ・ラングの撮影、躍動感のあるヒューゴ・フリードホーファーの音楽も印象に残る。

主演のカーク・ダグラスは、特ダネのチャンスを掴み、強引なまでの行動力ですべてを支配する野心家の記者を熱演している。

夫が事故に遭ったにも拘らず、集まった人々を相手に金儲けを考え、その土地から出ていくことを考えるジャン・スターリング、主人公と共に取材をするカメラマンのロバート・アーサー、主人公の上司である新聞社の編集長で常識人のポーター・ホール、現場に一番乗りする観光客フランク・キャディ、主人公の野心の犠牲になる事故の被害者リチャード・ベネディクト、主人公に従う地元の保安官レイ・ティール、現地に駆けつける他社の記者ルイス・マーティンバート・モーアハウス、被害者の両親ジョン・バークスとフランシス・ドミンゲス、保安官補のジーン・エヴァンス、救出作業をする土木業者のフランク・ジャケ、医師のハリー・ハーヴェイSr.、ラジオ・アナウンサーのボブ・バンパス、主人公のニューヨークの元上司リチャード・ゲインズなどが共演している。


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