ワトソンに呼ばれた”ベイカー街遊撃隊”の少年ウィギンズ(マシュー・サベージ)は、美術館で捕まった男は泥棒ではないと言うワトソンから、彼の情報収集を頼まれ銅貨を受け取る。
ウィギンズが帰った後に現れた下宿の女主人ハドスン夫人(パット・キーン)から、階段の下に隠してあった酒瓶のことを追及されたキンケイドは、事件解決のためのストレスで酒が必要だと弁解する。
”ストランド・マガジン”を手にするキンケイドは、人気者は自分だとワトソンに伝える。
憤慨したワトソンはキンケイドを追い出し、ハドスン夫人と共に、間抜な男と別れることができたことを喜ぶ。
ストランド・マガジン。
編集長のノーマン・グリーンヒュー(ピーター・クック)に、ギャンブラーでアル中のキンケイドをホームズに仕立てていたことを話したワトソンは、今こそ真相を世間に知らせるべきだと伝える。
新たな名探偵として自分が登場すると言うワトソンだったが、キンケイドをいい加減な男とは認めるものの、ホームズの事件簿が人気であることを強調するグリーンヒューに反対される。
考えを変えないワトソンは、現れたウィギンズと共に製紙工場の火事現場に向かう。
その場を調べようとしたワトソンは、ホームズの大ファンである警官に相手にされず、追い払われる。
下宿に戻り苛立つワトソンは、訪ねて来たレストレードと大蔵大臣のスミスウィック卿(ナイジェル・ダヴェンポート)からホームズのことを訊かれる。
ホームズは旅に出ているとスミスウィック卿に答えたワトソンだったが、今夜、戻ると彼に伝える。
酒場に向かったワトソンは、酔っているキンケイドに戻ってほしいと頼むものの、断れたために諦める。
借金取りに返済を迫られたキンケイドは、その場から逃げる。
下宿に戻ったワトソンは、部屋で待っていたスミスウィック卿とレストレードに、名探偵の自分が対処すると伝えるものの、話を聞いてもいらえない。
そこにキンケイドが現れ、ワトソンは、彼を”ホームズ”としてスミスウィック卿に紹介する。
キンケイドは、スミスウィック卿から5ポンド紙幣の印刷版を見せられ、ワトソンはそれが偽物だと分かる。
2日前に本物とすり替えられたと言うレストレードは、本物は国外に渡った思われると伝える。
スミスウィック卿から国家経済の危機だと言われたキンケイドは、500ポンドの報酬で事件解決の捜査を受ける。
話を終えたレストレードとスミスウィック卿を監視していた、事件の黒幕であるジェームズ・モリアーティ教授(ポール・フリーマン)は、ワトソンとホームズが仕事を引き受けたことを確認する。
翌日、ワトソンと共に造幣局に向かった”ホームズ”キンケイドは、スミスウィック卿とレストレードに迎えられる。
内部の者の犯行だと説明するレストレードは、スミスウィック卿から、この件を信頼するホームズに任せるようにと指示される。
金庫を調べたキンケイドは、その場の鍵を持っている印刷主任のジャイルスに、美しい娘レズリーがいることを知り興味を持つ。
勤続30年のジャイルスを信用するスミスウィック卿だったが、キンケイドはレズリーを含めて調べようとする。
レストレードと共にジャイルスの家に向かったキンケイドとワトソンは、留守中の内部を調べる。
ワトソンが暖炉で見つけた燃えた紙片の文字”ermer”を確認したレストレードは、それをキンケイドに見せる。
地図の一部だと言うワトソンは、それがウィンダミア湖だと気づいたレストレードが、事件を解決するつもりで署に戻ったため、そう簡単には謎は解けないとキンケイドに伝える。
ウィンダミア。
汽車で現地に到着したキンケイドとワトソンは、ジェラルド・フィッツワルター・ジョンソン村長(ハロルド・イノセント)と娘クリスタベル(ジェニファー・ガイ)や人々に歓迎される。
キンケイドは、美しいクリスタベルが気になる。
ジャイルスの目撃者アンドリュースから話を聞いたキンケイドとワトソンは、ジョンソン村長の案内で宿泊するホテルに向かう。
モリアーティの手下セバスチャン・モラン(ティム・キリック)は、ホテルを監視する。
食事をしたキンケイドは村の男たちから声をかけられ酒を勧められ、ワトソンは部屋に戻る。
酔ってホテルに戻ったキンケイドは、手すりに細工されていたために建物から落ちそうになり、ワトソンに助けを求める。
眠っていたワトソンはキンケイドの叫び声に気づき、助けようとするものの、キンケイドは落下してしまう。
翌日、ジョンソン村長に案内されて湖畔のジャイルスの小屋を調べたキンケイドとワトソンは、エアーズという船頭が水死体で発見されたことを知らされる。
ジャイルスは湖底に沈んでいるという結論に達し、ロンドンに戻ることにしたワトソンは、不審な男(セバスチャン)に気づく。
汽車の中でキンケイドは、ジャイルスが船で湖に向かい命を落とし、その前に紙幣の原版を盗む手引きをしたという推理を、ワトソンにすべて否定される。
キンケイドから、現時点で分かっていることを訊かれたワトソンは、事件には悪の黒幕がいると答える。
それがモリアーティだと知り驚いたキンケイドは、緊急ブレーキで汽車を止めてしまい、車両から降りて、今まで話さなかったワトソンを責める。
キンケイドを落ち着かせたワトソンは、モリアーティは自分が敵だと思っていると言って、彼を安心させる。
ロンドンに戻り、ジャイルスの娘レズリー(リセット・アンソニー)に会ったワトソンは、”ホームズ”キンケイドを紹介する。
キンケイドから、紙幣の原版の窃盗容疑がかかっている父親はウィンダミア湖で水死したと言われたレズリーは、気絶してしまう。
意識が戻ったレズリーは、父は無実で無事だと言うワトソンの言葉を聞き安心するが、誘拐されたことを知らされる。
ジャイルスの寝室に向かったワトソンから、几帳面な父のベッドが乱れているのは、寝ている最中に誘拐された証拠だと言われたレズリーは、湖に行ったのは父の偽者だという彼の考えを信じる。
発見された死体は船頭であり、ジャイルスと原版は湖に沈んだと思わせるのが犯人の目的だと話すワトソンは、その推理を自分の考えのように話すホームズに呆れる。
そこに二人組の男ジョン・クレイ(ジョージ・スウィーニー)とアーチー(マレー・ユアン)が押し入り、レズリーは連れ去られそうになるものの、キンケイドがクレイの足にしがみつく。
二人はその場から逃げ去り、レズリーは勇敢な”ホームズ”に感謝する。
レズリーを下宿に連れて行ったキンケイドは、犯人の靴を調べたワトソンから、それがイタリア製であることを知らされる。
靴に付着していたのがテムズ川の泥だと気づいたワトソンだっだが、キンケイドは彼の話も聞かずにレズリーの部屋を覗く。
翌朝、レズリーに起こされたキンケイドは、部屋に戻った彼女を鍵穴から覗いていたところをハドスン夫人に見つかり非難される。
ハドスン夫人はレズリーを自分の部屋に連れて行き、そこにスミスウィック卿とレストレードが現れる。
事件解決により、ヴィクトリア女王から肖像画を贈られたキンケイドは、自分が解決したと言うレストレードと言い合いになり、ジャイルスは湖には行っていないので捜査は続行することを伝える。
肖像画を引き揚げさせたスミスウィック卿は、戻ったワトソンから3日以内に事件を解決すると言われ、原版を取り戻すつもりのキンケイドに期待してその場を去る。
3日後に解決すると言ったことをキンケイドに責められたワトソンは、造幣局が火事で焼けた製紙工場の紙を使っていたことを伝える。
キンケイドと出かけるワトソンは、レズリーに見通しは明るいことを伝えて馬車に乗る。
途中、ウィギンズから、探していたものが港にあったと言われたワトソンは、彼を馬車に乗せて港に向かう。
港に着いたウィギンズは、ドイツから着いた船に外国の靴が積まれていることをワトソンに話し、報酬を受け取る。
靴を確認したワトソンは、モリアーティの計画を考える。
夜になり、その場を見張っていたワトソンとキンケイドは、モリアーティの手下が、積み荷からインクを出す様子を確認する。
セバスチャンは、現れた男をモリアーティの指示で殺す。
キンケイドが見つかりそうになったために銃撃戦になったワトソンは、船で逃げるモリアーティを追うために川に入る。
船にしがみつくワトソンは、キンケイドが叫んだために見つかってしまい、逃げようとするものの銃撃される。
川に飛び込んだキンケイドはワトソンを捜すが、彼は見つからなかった。
駆け付けた警察が捜索するものの、ワトソンの行方は分からず、キンケイドはショックを受ける。
下宿に戻ったキンケイドにワトソンのことを確認したハドスン夫人は涙し、レズリーに慰められる。
自殺しようとしたキンケイドは死ぬことができず、事件を解決するべきだと言うレズリーに励まされるものの、自分は偽者で、ワトソンが名探偵だと伝えてその場を去る。
酒場で酔っていたキンケイドは、レストレードと共に現れたスミスウィック卿から、事件解決の約束をしたはずだと言われ、捜査することを伝えて下宿に戻る。
キンケイドは、ハドスン夫人とレズリーの前で、事件解決の方法を考える。
印刷が半分の5ポンド紙幣を川で拾ったウィギンズは、それをキンケイドに見せる。
印刷された数字は聖書のページだと考えたキンケイドは、かつて自分が演じた劇が上演された、オルフェム劇場にジャイルスがいるはずだと考え、その場に向かおうとする。
レズリーが警察に通報することになり、キンケイドは、ハドスン夫人とウィギンズと共に劇場に向かう。
オルフェム劇場。
裏口に回ったキンケイドは、モリアーティとセバスチャンが現れたことを確認し、ウィギンズを入り口に向かわせて警察を待つよう指示する。
ハドスン夫人と内部に入ったキンケイドは、セバスチャンに見つかりそうになりながら、地下の通路を見つける。
ウィギンズは、誰も来ないために警察に向かう。
印刷現場に向かったモリアーティは、その場にいたジャイルス(ジョン・ワーナー)が、居場所を知らせるために刷った、失敗作だと言う川に捨てられた紙幣のことを追及する。
そこに現れた、実は”ホームズ”の見張り役のスパイだったレズリーは、この場所が気づかれたことをモリアーティに知らせる。
その話を聞いていたキンケイドは、何とか解決しようとする。
ジャイルスを殺して引き揚げようとしたモリアーティは、現れたワトソンに銃を向けられる。
ワトソンを捕えたモリアーティは、拘束していた本者のレズリー(マシュー・シム)とジャイルスを殺そうとするが、キンケイドがその場に落下する。
キンケイドは船に積み込まれた紙幣に火を点け、その場は銃撃戦となる。
本者のレズリーを助けたキンケイドは、彼女が男だったために驚く。
ガスが漏れて爆発しそうになり、原版を諦めたモリアーティらは、その場から逃げる。
劇場から逃げ出したモリアーティの手下は、駆け付けた警官に捕らえられる。
モリアーティと逃げようとしたレズリーは、ステージにいたハドスン夫人が落とした砂袋が頭に直撃して気絶してしまう。
ハドスン夫人は、ワトソンが生きていたことを知り驚き、レズリーが偽者だと知る。
そこに現れたモリアーティが剣を抜いたため、キンケイドはワトソンらを客席に向かわせる。
剣術には自信があったキンケイドは、モリアーティと剣をまじえる。
そこにレストレードらが押し入り、レズリーは彼に銃を向ける。
キンケイドがロープを切ってしまい、レズリーは落下した砂袋が直撃して、再び気絶してしまう。
原版をレストレードに渡したワトソンは、地下に向かったモリアーティを追うキンケイドの元に向かう。
ガス爆発することをキンケイドに伝えたワトソンは、彼と共にその場から逃げる。
船に乗ったモリアーティは、大爆発と共に吹き飛ばされる。
事件解決に満足するスミスウィック卿から感謝されたキンケイドとワトソンは、紙幣の番号は聖書のページではなく、劇場の番地だったとことをジャイルスから知らされる。
キンケイドとワトソンは、レズリーが男だと気づかないレストレードの功績を称えながら、”彼女”がパリで”偽りの女”という舞台に出演する役者だと伝える。
ベーカー街221B。
事件解決の方法を記者たちから訊かれたキンケイドは、自分には優秀な助手である友人のワトソンがいると答えて、彼のために拍手する。
原版は無事に造幣局に戻ったと言うキンケイドは、シャーロック・ホームズは引退することを発表する。
それを否定したワトソンはジョークだと言って、ホームズの活躍は今後も続くと記者たちに伝え、それをキンケイドに確認する。
キンケイドは、これで一件落着だと記者たちに伝える。