宝石商のメルシエ(エドウィン・マクスウェル)に電話をして、ロシア人のスワナ大公妃(アイナ・クレア)の宝石も14店あると伝えたイラノフの話を聞いていたボーイのアレクシス・ラコーニン伯爵(グレゴリー・ゲイ)は、同僚に後を任せて出かける。
愛人レオン・ダルグー伯爵 (メルヴィン・ダグラス)と話していたスワナは、かつての従僕ラコーニンが緊急の用で来たことを知らされる。
没収された自分の宝石をロシアの役人がパリに持ち込み、ラコーニンのホテルに保管されていることを知ったスワナは驚く。
弁護士に電話をしたスワナは、自分の宝石を取り戻そうとするものの、簡単には手出しはできないことを知る。
落胆するスワナだったが、レオンから、自分が力になれると言われる。
貴族から没収した宝石の売却を政府から命ぜられていたイラノフらは、メルシエにその宝石を見せていた。
そこにレオンという人物が来たと言う連絡を受けたブリヤノフは、それを無視して、イラノフとコパルスキーと共に宝石売却の件を話し合う。
現れたレオンは強引に部屋に入り、面識のあったメルシエに挨拶しながら、その場にあった宝石を確認する。
その宝石はスワナ大公妃のもので、政府が不当に没収したと言うレオンは、彼女の代理である委託証をメルシエに見せる。
納得しないイラノフらだったが、レオンから、すべて法的な手続きは済ませてあると言われる。
帰ろうとするメルシエを引き留めるイラノフらは、裁判所の決定が済めば取引すると言われ、納得するしかなかった。
トラブルに巻き込まれる前に知らせてもらったメルシエは、レオンに感謝してその場を去る。
イラノフらに追い出されそうになったレオンだったが、彼らを丸め込むために、食事などを手配して贅沢三昧させる。
貿易委員長ラジーニン(ベラ・ルゴシ)に三人の代理で電報を送ることにしたレオンは、検討の結果、折半で話をつけるという内容でそれを送る。
その後、パリでの生活を楽しんでいたイラノフらは、交渉は中止し、特別全権使節が到着するというモスクワからの電報を受け取る。
駅に使節を迎えに行ったイラノフらは、到着したニーナ・イヴァノヴァ”ニノッチカ”ヤクショーヴァ(グレタ・ガルボ)に挨拶する。
女性の特使に驚いたイラノフらは、堅物の彼女をホテルに案内する。
その途中、ショーウィンドウの帽子を見たニノチカは、こんなものを女性にかぶせる文明は滅びるとイラノフらに伝える。
部屋に着いたニノチカは、1日2000フランの宿泊費に驚くが、安全のためだと言われる。
早速、報告書を作り始めたニノチカは、大公妃や代理人とは交渉する気はないことをイラノフらに伝えて、公共施設の調査をしようとする。
外出したニノチカは、ホテルに向かおうとしていたレオンと出会い話しかける。
ニノチカに興味を持ったレオンは、地図を広げた彼女が”エッフェル塔”の調査に向かうことを知り後を追う。
係員に技術的な質問をしたニノチカは、資料を持って説明するレオンを無視して、約1000段の階段を上り始める。
エレベーターで上ったレオンは、ニノチカが既にその場にいたために驚き、堅い話をする彼女に夜景の美しさなどを語る。
望遠鏡で自分の家を見せたレオンは、研究材料になると言う彼女を連れて行く。
執事のガストン(リチャード・カール)に迎えられたニノチカは、部屋の内部を観察しながら、レオン自身について質問する。
愛を語るものの、すべてを分析しかしないニノチカは、貧しい中産階級から戦いに身を投じて、騎兵隊の軍曹だったことをレオンに話す。
後頭部の傷跡を見せられたレオンはニノチカの虜になり、気持ちを抑えきれなくなり彼女にキスする。
それを拒まないニノチカはキスを返し、電話がかかってきたために、レオンは仕方なくそれに出る。
相手のブリヤノフと話したレオンは、取引は中止だと言われ、特別全権使節が来たことを知らされる。
使節がニノチカだと知ったレオンは、その場を去ろうとする彼女を引き留めようとする。
非共産主義者は敵と思わなければならないと言うニノチカは、レオンに別れを告げて立ち去る。
弁護士と対策を練るニノチカは、ランチの時間になったために席を外し、庶民的なカフェに向かう。
ホテルの外で待機していたレオンは、ニノチカの後を追いカフェに向かい、偶然会ったように見せかけて彼女に声をかける。
レオンと話す気がないニノチカは、常連客だと言う彼の話が、オーナー(チャールズ・ジューデルス)との会話でウソだと分かる。
話をやめないレオンは、不機嫌そうなニノチカを笑わせようとするものの、彼女は何を聞いても反応しない。
他の席の労働者は笑うが、ニノチカはが無視し続けるために苛立つレオンは、椅子から落ちて転んでしまう。
それを見たニノチカは笑い始め、レオンは大恥をかくものの、自分も笑ってしまう。
ホテルに戻ったニノチカは、イラノフや弁護士たちから話を聞くが、レオンのことを思い出して笑ってしまい、今回の件は裁判所の命令に従うしかないと考える。
それまで待つしかないニノチカは、イラノフらに金を渡して外出させ、金庫に隠してあった購入した帽子をかぶってみる。
ニノチカから悪影響を受けているとガストンに指摘されたレオンは気分を害するが、そこに彼女が訪ねて来る。
着飾りおしゃれな帽子までかぶったニノチカを迎えたレオンは、彼女に迫る。
まだ時間が早いと言うニノチカを構わず口説くレオンは、先日のジョークを思い出すと夜中に起きて笑ってしまうと語る彼女の話を聞く。
キスしたニノチカは化粧を直してレオンを驚かせ、先日来た時には、銀の額に入った女性の写真があったはずだと尋ねる。
引き出しに入っていたスワナの写真を見て気にするニノチカを、レオンは抱きしめる。
友人達とレストランに現れたスワナは、席を予約してあるレオンとニノチカをからかおうとする。
美しいニノチカを見たスワナは驚き、テーブルを離れて踊ることにする。
シャンパンを注がれたニノチカは、飲むのは初めてであり、子供の頃はヤギのミルクで育ち、軍ではウォッカだったとレオンに話しながら、それを口にする。
気に入ったシャンパンを一気に飲み干したニノチカは、繊細な味だと言って、レオンに注いでもらう。
踊りながらテーブルに近づいたスワナはレオンに話しかけ、ニノチカを紹介されて席に着く。
二人に他愛もない話をするスワナは、ニノチカのドレスを褒めるものの嫌味を言う。
共通の話題は来週の裁判だと言うスワナは、残り少ないパリの日々を楽しむようにとニノチカに伝えてその場を去る。
落ち込み飲みたい気分になったニノチカは、レストランでした話の続きを聞きたいとレオンに伝える。
もっといい話をしたいと言うレオンは、裁判で終わりではなく、自分達の関係は永遠に続くとニノチカに伝えて、席を立ち踊る。
酔ったニノチカを化粧室に向かわせたレオンは、支配人から、彼女がその場で共産主義の戦争を始めたことを知らされる。
化粧室に入るわけにいかず、バーで酒を飲んだレオンは、ニノチカと共に酔ってさいまい、ホテルの彼女の部屋に向かう。
金庫を開けたニノチカは宝石を確認し、レオンにティアラをつけてもらい、ベッドに運ばれて眠ってしまう。
翌日、訪ねて来たスワナに起こされたニノチカは、帰国するようにと言われる。
ティアラがないことに気づいたニノチカは、金庫の中も空であることを確認し、レオンを疑うものの、スワナから、彼は無関係だと言われる。
忠実な僕に宝石は安全な場所に運ばせたことをニノチカに伝えたスワナは、身につけた宝石を見せる。
警察に通報すれば恥をかくと言われたニノチカは、あなたも尋問を受けるとスワナに伝える。
代々受け継いだ宝石なので問題ないと言うスワナは、納得しないニノチカと話し合う。
5時40分の飛行機で国外に出ることを宝石を返す条件にしたスワナは、それではレオンを取り戻せないと言われるものの、彼のことは自分がよく知っているとニノチカに伝える。
出発前にメルシエと取引する時間はあるが、スワナから、自分が代わって処理し、現金は空港に持参すると言われたニノチカは、かかってきた電話に出る。
相手のレオンから食事に誘われたニノチカは、少し休みたいと伝えて夕食の約束をする。
そこにレオンからの花が届き、メモには、ガストンを市場に行かせ、贈り物が中に入っているという内容をニノチカは確認する。
ヤギのミルクに気づいたニノチカは、素敵なプレゼントだとレオンに伝え、7時に食事の約束をして電話を切る。
帰宅したスワナは、訪ねて来たレオンから恋をしていると言われ、ニノチカは既にモスクワ行きの飛行機で旅立ったと伝える。
機内でイラノフらと話すニノチカは、エッフェル塔の話題になり、レオンと過ごした時のことを思い出す。
ロシア大使館に向かいビザの発行を求めたレオンは、係官(ジョージ・トビアス)からそれを断られ、憤慨して彼を殴りその場を去る。
モスクワに戻ったニノチカは、パリの様子に興味を持つルームメイトでチェロ奏者のアンナ(タマラ・シェイン)に、贅沢な下着を譲る。
訪ねて来たイラノフら三人を歓迎したニノチカは、自分のおかげで処分されなかったことで感謝され、チェロ奏者と電車の車掌と暮らしていることを伝える。
数年前に比べれば世の中もよくなったとニノチカから言われたイラノフらは、通りの様子を見つめながら同感だと伝える。
持参した配給された卵で、ニノチカにオムレツを作ってもらおうとしたイラノフらだったが、ブリヤノフは卵をポケットに入れてきたために割れてしまっていた。
自分たちの分で十分に調理できると言うニノチカは、三人と共に楽しい時間を過ごす。
その夜、レオンからの手紙を受け取ったニノチカは喜び内容を確認するが、検閲で文章はほとんど消されていることをイラノフらに知らせる。
ニノチカを気の毒に思いながら、イラノフらは食事のお礼を言ってその場を去る。
上司のラジーニンに呼ばれたニノチカは、コンスタンティノープルに派遣したコパルスキーらが、取引もせずに遊んでいることを知らされる。
祖国の名を悪用していると言われたニノチカは、それを確かめるために現地に向かうことを命ぜられる。
それを断るニノチカだったが、意見は認められずに旅立つ。
コンスタンティノープル。
ニノチカを歓迎したイラノフらは、ロシアを捨てるつもりであり、三人の名をつけたロシアンレストランを開店したことを知らせる。
それを実現させたのが、バルコニーで待っていたレオンだと気づいたニノチカは、彼から、この方法しかなかったと言われる。
気を利かせたイラノフらはその場を去り、ニノチカは、ビザの担当官を殴り続けるわけにいかなかったレオンから、何度手紙を書いても戻ってきてしまったと言われる。
手紙は届いても検閲され、”愛するニノチカ・・・君のレオン”だけしか読めなかったと言われたレオンは、内容は時間をかけて説明するとニノチカに伝える。
一生かけても足りないかもしれないと言われたニノチカは、数日しか滞在できないと伝えるものの、結婚するまで闘い続けるつもりのレオンは、どこにでも行くつもりだった。
世界中にロシアンレストランができると言うレオンは、ロシアは過疎化するとニノチカに伝える。
レオンから、以前は帰国することで国を救ったが、今度は留まることで救えると言われたニノチカは、国家のためになるなら迷いはない、誰も自分を悪いロシア人とは思わないと伝えて彼にキスする。
ブリヤノフ、イラノフとしかネオンが点灯されないレストランの前でコパルスキーは、”二人に抗議する、自分の名もネオンに”というプラカードを掲げる。